二週連続長沢背稜縦断(倉沢谷→棒杭尾根→三ツドッケ→仙元尾根)


- GPS
- 05:26
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,480m
- 下り
- 1,528m
コースタイム
- 山行
- 5:11
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 5:26
天候 | AM 晴(雲量2〜5くらい) PM 晴(雲量4〜7くらい) |
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過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
↓(JR青梅線) 奥多摩駅 ↓(西東京バス・0727発東日原行き) 倉沢 【復路】 浦山大日堂 ↓(秩父市営バス・1400発) 西武秩父駅入口 ↓(徒歩1分) 西武秩父駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※軌跡はGPSロガーで記録しています 1.倉沢谷 林道。終点まで3km強。標高差は約300m。 ゆっくり歩くと2時間近くかかる。落石痕多数のため、注意。 舗装箇所はほとんどなく、路面の石が小さいので、 登山靴では結構歩きやすいが、路面は専ら濡れている。 車でも長尾谷と塩地谷が分岐する箇所(魚留橋)手前まで行けるが、 落石痕多く、大きな車は難しそう。 魚留橋は橋が一部崩落。その先は道ごと崩落していて、 林道最後の橋(地蔵橋)は谷側の大部分が崩落、幅1m以下。 地蔵橋から3分ほど歩くと、左前方に山へ上がる明瞭な踏み跡あり。 そこから棒杭尾根に取り付く。 2.棒杭尾根 2014年のエアリア(奥多摩)では破線ルート。地形図には未掲載。 登り始めだけ荒れているが、左手の凹んだところを歩くとすぐに安定。 その後の踏み跡は明瞭で、テープもそこそこあり、 尾根沿いさえ歩いていれば危険な箇所は特にない。 1か所だけ尾根から外れて左手へ下りていく分岐があるので、注意(フォト有)。 下りずに尾根を上がるのが正。 付近の他の尾根の例に漏れず、急登。 3.長沢背稜一般ルート(一杯水避難小屋〜仙元峠) 尾根の南(東京)側を歩く、気持ちが良く、とても静かなルート。 一部痩せているところがある。一杯水は細々と出ていた。 4.一杯水避難小屋〜三ツドッケ(天目山) 避難小屋の右手裏から続く踏み跡を真っ直ぐ北に上がり、 稜線まで上がったら左手へ。あまり知られていないが、 この付近から西(雲取方面)の七跳山までの稜線上は意外と岩が多く、 ところどころ痩せ気味でアップダウンも結構ある。 特に冬期はコンディションによっては岩と雪と氷の嫌らしいミックス帯になる。 5.仙元尾根(仙元峠〜浦山大日堂) 上部は踏み跡が薄く、間違いやすい。ポイントはフォトで詳述。 下部は鉄塔を4回(57〜60号)通るが、 その先のルートがやや分かりにくいところがある。 いずれも尾根に沿って歩けばいいのだが、 ルートが鉄塔をかすめているだけで、くぐるとルートが外れたり(58号)、 踏み跡が少し尾根から外れていたり(59号)、 踏み跡がスズタケで埋まっていたり(60号)と、 なかなかすんなりいかない。 最後のつづら折りでは一部ルートが狭いところがあり、 木段になっているところもあるので、スリップ注意。 |
その他周辺情報 | 【下山後入浴】 地元の人に聞いたら、先週のレコで少し触れた すぐ近くの旅館「渓流荘」で入浴可能、 料金は100円で火曜定休だそうだ。 が、この日も入らなかった。 【バス】 1日4本(土日祝) http://www.city.chichibu.lg.jp/menu2064.html 11:30、14:00、16:00で終わり。 この日はたまたま浦山の獅子舞祭りをやっていて、 バスが増便(29人乗りのマイクロ)されていた。 http://navi.city.chichibu.lg.jp/festival/urayama/ 1年のうち、増便はこの時だけ。 普段は14人乗りの可愛いピンクのハイエース。 ツアーとかで団体がいて乗れないと、タクシーを呼ぶことになる。 西武秩父駅まで4000円くらいかかるらしい。 |
写真
感想
「ミス&リカバリ」
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人間、不完全故、何事においてもミスを0にすることなど、不可能です。
では、だからしようがないのか、ということではありません。
ミスを0に近づける努力はすべきでしょう。
それでも、ミスは決して0にはなりません。
何故なら、ぼくたちは人間だからです。
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先週、ルートロストをした道を、もう一度歩いてみました。
同じ山域を2週連続で歩くことさえも珍しいぼくのこと、
まして同じルートを歩くというのは、ぼくの山歴でも初めてのことです。
そんな気になったのは、
この山域、奥多摩と奥武蔵の都県境にある稜線が、
とても好きだからです。
好き故、ルートロストしたことに対する己への情けなさもさることながら、
好きなお山に対して申し訳ないような気持ちがありました。
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2週連続でやってきた奥多摩駅。
2週連続で快晴です。いい気持ち。
天気予報では日中は雲に覆われて云々・・・、とのことでしたが、恵まれました。
先週は人気の高い川苔山へアプローチする川乗橋バス停で降りましたが、
今回は少し先の倉沢というバス停で下車します。
川乗橋では例によって登山者で賑わっていましたが、
倉沢バス停で下車したのはぼくだけ。ひとけは一切なし。
というのも、2000年初頭までは集落がありましたが、
最後まで住んでいた男性が2005年ごろに亡くなって以降、
誰もいなくなり、廃墟と化したからです。
倉沢集落へ通じる林道から入山します。
昨今は、沢登りかバリエーションハイキングを好む人くらいしかいません。
3kmあまりで林道は終わり、
棒杭尾根(ぼうくいおね、ぼっくいおねとも読むそうな)という
静かな尾根に取り付きます。
標高1000mくらいまでは、付近の他の尾根と同じように杉の植樹帯ですが、
1200mを過ぎると、広葉樹林の彩りが一斉にぼくを迎えてくれます。
今週も、幸せな日曜日です。
こうして、先週とは違うルートで長沢背稜に上がり、
先週とは違うお山、三ツドッケ、別名天目山に登りました。
長沢背稜は、人の手があまり入っていない、
静かな樹林歩きを楽しむところですが、三ツドッケは抜群の眺望が楽しめます。
何でも、数年前に誰かが勝手に木を伐採したからとか。
そりゃ、景色が拓けるのは嬉しいけれど、それも人間がもたらしたものかと思うと、
なんとも複雑な気分です。
景色を堪能したら、三ツドッケに別れを告げて、
先週同様仙元峠に向かい、仙元尾根を下降。
先週ルートロストした場所とその原因はあっさり判明。
他の人が間違わないよう、伐採されて朽ちた木で目印をつけ、
正しいルートを下山しました。
そして、先週と同じ時間のバスと電車に乗り、帰宅しました。
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人間には、肉体にも精神にも波というものがあって、
日によって良いこともあれば、悪いこともあります。
緊張感が漲っている日もあれば、
上の空で呆けている日もあります。
ロボットのように、プログラムに従って、
まったく同じ動作を精密に繰り返すことができないからこそ、
人間という生き物たりえるのだし、
だからこそ人間ってのは面白いな、という気持ちと、
悔しいな、という気持ちが相半ばします。
いくらミスをすまいと定義をガチガチに固めても、
それを動かす人間はガチガチに固まりません。
故、ミスは大小の程度はあれど、することがあります。
そこで大事になってくるのは、
ミスをした後にどのようにリカバリするか、とぼくは思います。
ミスという事実に混乱し、その流れにずっぽりと飲み込まれて、
さらにミスの渦を大きくしてしまっては、
己で取り返しがつかなくなってしまうこともあるでしょう。
お山であれば、そういう心理状態に陥ることで、
遭難につながる大きな原因と言えます。
先週のルートロストは、相対的に言えば致命的なミスというわけではありません。
4月の妙義での滑落受傷に比べれば、
身体は何ともないし、手も足もきちんとつくような場所です。
ルートロスト時の鉄則として、沢筋に下りない、登り返す、
というものがありますが、
今回はロストに気づいてからどこを歩いているかをすぐに把握できたし、
山腹の細い作業道をトラバースしながら登れそうなところを探し、
結果的に林道へ下りる道を見つけたので、事なきを得ました。
つまり、慌てずに次の行動を判断すれば、
多くのミスはその傷口を広げる前にリカバリできると思います。
ただ、先週のミスは大きくはなかった故に、回避可能なものだったとも言えます。
そういう点では、ミスそのものを大いに反省しなければなりませんでした。
今週、再度同じところを下り、ミス発生箇所を見たところで、
なおその思いを強くしたわけですが、
どんな物事にも言えるように、足元ばかりを見ても先の道は見えないし、
先の道ばかり見ても足元は見えなくなります。
つまり、足元も、先の道も、同じように注意を払うことで、
正しい道を選択できる確率が上がる、ということです。
そして、そういう心構えでいれば、いざミスが発生しても、
リカバリもより早く、容易にできるようになる、とも言えると思います。
これは、お山に限らず、どんなことにも言えるものだと、
ミス多き人間を生きる身として気持ちを新たにしました。
お山は、いろいろなことをぼくに教えてくれます。
これまでも、これからも。
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すれ違った人:1人 (一杯水避難小屋〜三ツドッケ間)
聞こえた声:2人分(一杯水避難小屋付近、小屋内には誰もおらず)
コメント
この記録に関連する登山ルート
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東西は何度か行きましたが南北縦断はまだ未体験。車で行くので縦断すると回収できないのが玉に傷。なので宿題にはなっているもののなかなかハードル高いです。朝一のバスで行けば良いのでしょうけど、、、
はじめまして、ですかね。
コメントどうもありがとうございます。
長沢を東西に縦走するのはとても気持ちいいですね。
私は春に車を手放すまでは、車と交通機関利用の半々でした。
車だと荷物を詰めますけれど、ランニングコストがかかるし、
回収必須なのでコース設定が限られるというデメリットがありますが、
時間に縛られない、交通機関でアプローチが難しいところに早朝からいける、
というメリットは大きいですよね。
けど、交通機関を使用するのも悪くないです。すっかり慣れました。
乗り物の中で休めますし、居眠り運転の心配もないから、
事故のリスクは激減しますし。
あと、お酒飲めるというメリットもありますね
(私は登山中は原則アルコールを摂取しないことにしていますので、関係ないのですが)
上の方がいい感じですね。
確かブナだったと思うんですが太い広葉樹がありますよね。
ちなみに私の地図、点線も入っていないんですよね(笑
タワ尾根といい、道になっちゃうとちょっと寂しい気がします
倉沢谷の紅葉もお手軽でいいと思うんですが、再来週ぐらいでしょうかねぇ
あの分岐はどっちでも正解だと思いますよ。
踏跡は東から上がってくる道の方がはっきりしていた印象があります。
車で林道上がってから仕事で歩く人の方が多いという事では。
まぁ、歩くには尾根通しの方が近いし楽しいですけどね。
こんばんは。
紅葉ラインはだいぶ下がってきましたので、
再来週というと、長沢の上はもう落ち切ってしまうかもしれませんね。
でも、点線も入っていない道は、落葉ふわふわで気持ちよさそうです。
あの分岐、気になっていろいろ調べてるんですが、
尾根筋から北西に下りてるんですよ。
ひょっとしたら、塩地谷へ下りていく作業道なのかな・・・
などと推測しています。
同じルートを確認しに行かれたんですか。
何か、motchさんらしいと勝手なイメージをしてます(笑)
motchさんの感想が、とてもいいコメントだったのでコメント入れちゃいました
「大事なのはミスをした後にどのようにリカバリするか」←本当にそうですね。
職場などで、あの人はミスがないよね〜なんて言われる人をみてると、よく見れば小さいミスはやはりしてますが、そのミスが小さなうちに、微調整をして修正していきます。結果として、ミスと言われるようなレベルまでミスを育てないようにしているように思います。
「お山に限らず、どんなことにも言えるものだと、ミス多き人間を生きる身として気持ちを新たにしました。」←グレート
自分は、ミスは誰にだってあるということを普段から意識してないものですから、motchさんのレコを読んでハッとしました。
森羅万象の中に、人生を送る上でのヒントが示されているなぁ〜とか思ったり。
それに気づくか気づかないかは、その人の受信力によるものであるのかなぁと思ったりてします。森羅万象からは、常に一定の信号を発信してるんだと・・・
motchさんに感謝
こんばんは。
ご丁寧なコメント、どうもありがとうございます。
いやあ、お恥ずかしい。
人生でも仕事でもミスのオンパレードですので、
今回の山行はある意味自戒とも言えました。
こういう心掛けを、もっと日常にフィードバックしていければなあと思うわけですが、
なかなかそうもいかないのが・・・(笑)
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