【奥利根】ヒナタグラ沢遡行・白桧沢左俣下降・ハモン沢遡行・矢木沢川ジロウジ沢四ノ沢下降
群馬県
tamoshima
yamakurumi
mt-maru
体力度について
- GPS
- 15:50
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,596m
- 下り
- 1,606m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
・矢木沢ダム管理用道路通行可能期間 （土日祝日含む） 6：00〜18：30 (5月上旬〜9月30日） 8：00〜17：30 （10月1日〜11月下旬） 時間外は、須田貝ダムの下流にある屋倉橋のゲートが閉鎖されている。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
遡行図及び記録参照 |
| その他周辺情報 | 【害虫】 ・幕営地付近と矢木沢川本流ではアブが意外と多かった。 ・幕営地は蚊が多く不快。 【地名】 ・刃物ヶ崎山南面の沢について、ジロウジ沢三ノ沢とする記録もあるが、ここでは奥利根の山と谷に従い、四ノ沢とする。ただし、同書に掲載されている四ノ沢の遡行図には誤りがあり、「3.5mナメ状」は35mとすべきであったものと思われる。 【他の記録】 ○ヒナタグラ沢 下記の2つのみを確認。 ・トマの風(2009)：https://tomanokaze.sakura.ne.jp/top/?p=2368 ・ぶなの会(2023)：https://www.bunanokai.jp/archives/22706 ○白桧沢左俣 他の記録は未確認。 ○ハモン沢 下記のみを確認。 ・浦和浪漫山岳会(時期不明)：「渓の旅、いまむかし」（高桑信一,2023）（遡行図なし） ○ジロウジ沢四ノ沢 記録多数。なお、三ノ沢としている記録も多い。 |
写真
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装備
| 備考 | ・ラバーソールで問題なかった |
|---|
感想
【計画の経緯】
刃物ヶ崎山は、マイナーピークながらぶなの会では割と人気があり、名前は時々聞く山だった。そこに突き上げる沢の中でも最も険しく遡行価値が高そうで、それでいて記録が殆ど無いハモン沢にyamakurumiと2人で興味を持ち、mt-maruを誘って3人で行くことにした。
【記録】
●1日目
〇ヒナタグラ沢遡行
ヒナタグラ沢に入渓すると、割とすぐに小滝が出てきて悪くはない。が、水は少ないし大して立派な滝もないので、良くもない。そんな印象のまま遡行を続けていくと、枝沢を分けて水量は減っていき、そのまま詰め。詰めの藪は濃くはなく、稜線へ。 時間に余裕があるので、三角点か山頂かに行こうと思い、結局山頂へ行ったが、予想以上に眺望が開けており、明日に目指す刃物ヶ崎山も見え、行ってみて良かった。
○白桧沢左俣下降
白桧沢もヒナタグラ沢同様にこれといった特徴のない沢だったが、ナメはそれなりに綺麗だった。数多くある小滝をクライムダウンしたり巻いたりして順調に下っていくと、最後に17mの滝があり、巻くのは面倒そうだったので、ここだけ懸垂下降。mt-maruが適当にロープをセットして下ったらスタックしたが、tamoshimaが降りる前にロープをかけなおし、問題なく回収できた。ハモン沢の合流点から少し下ったところで幕営。
時間に余裕もあるのでtamoshimaとmt-maruは釣りを試みたが、ボートで下流から入ってきた釣り師と思われる足跡が多く、場が荒れており、釣果はなく残念。夕方までは虻が多く、夜は蚊が多くて悩まされた。
●2日目
○ハモン沢遡行
主目的としていたハモン沢は結構険しそうなので、余裕をもって早起きし、5時半前に出発。が、大した難所はなく順調に遡行できる。途中、10m斜瀑や11m滝はそれなりに登り応えがあり、それなりに面白かったが、それなり程度。次々に枝沢を分けて水量は減っていき、1230mの二俣を過ぎるとちょろちょろ程度。期待外れに終わってしまい、残念。
ちょろちょろの水量にはなったが2段11mは直登できず、tamoshimaとmt-maruは右から巻き。明らかに面倒そうなのに左から巻いたyamakurumiはかなり悪そうに登っていた。以降もちょっとした悪場はあるが特筆するものはなく、最後にかなり急な岩・灌木・草の混じった斜面を詰め、疲れた頃に稜線へ。
稜線を藪漕ぎすること少しで、刃物ヶ崎山山頂に到着。周辺では最も高い山であり、眺望も全方向に開け、人気があるのも頷ける良いピークであった。昨日の家ノ串山も見え、辿ってきた沢筋が見えるのも感慨深い。
○ジロウジ沢四ノ沢〜矢木沢川下降
刃物ヶ崎山からまっすぐ南に下っていくと、多少のスラブが出てくるが、クライムダウンも容易で下りやすい。沢型が出てきても滝らしい滝は全然出てこず、四ノ沢のメインである40mスラブ状滝の上へ。随分大きそうな滝だ随分50m2本連結なら下れるだろうと、tamoshima先頭で懸垂下降。が、微妙に下まで届いていない。左右のロープ長を途中で調整しつつ、何とかクライムダウン可能なところまで下り、下降器からロープを抜いてクライムダウン。なかなか嫌らしい懸垂下降だった。ここは、50mロープ2本なら2pに分けるのが無難。後続も同じような苦労をして懸垂下降して見上げれば、なかなか立派な滝。というか、これがこの山行で最も立派な滝だった。以降の四ノ沢は特に難所もなく滝を巻き下り、ジロウジ沢本流に合流。
ジロウジ沢本流はナメや小滝があり癒し系で、mt-maruやyamakurumiは滝を滑ったりして遊んでいたが、tamoshimaは服が傷むのを嫌って全部クライムダウンした。
矢木沢川本流に出ると、幅広いゴーロが続く凡流となるが、開けていて悪くはない景観。しかし飽きる。2m滝でわざわざ飛び込むmt-maruやyamakurumiを微笑ましく(?)眺めてさらに下ると、魚止滝のゴルジュに突入。なかなか立派なゴルジュで見応えがあり良い。程なくで魚止滝の滝上に至るが、この滝が厄介で、懸垂下降支点もなければクライムダウンもできない。しかし今更巻くのも面倒なので、飛び込めそうなら飛び込んでしまおうと思い、可能な限りクライムダウンして下検分を頑張るが、あまりよく見えない。結局、かなり逡巡したのち、意を決して7m程度の高さから飛び込む。予想通り、特に障害物はなかったので後続にもOKを出し、彼らもかなり怖がりながらも飛び込んできた。その後は渦巻く滝壺を泳いで突破し、下流へ。ゴルジュを抜けると、また何もなかったかのようにゴーロの河原が広がっている。
その後も1箇所だけゴルジュ状の箇所があったが軽く泳いで通過し、最後の長いゴーロ歩き（虻多し）を経て、堰堤上から車道跡へ上がる。昨日の入渓点であるヒナタグラ沢を経てデポしておいた電動キックボードで車を回収しに行き、山行は終了。なんだかずいぶん早く下山してしまったが、もう十分なのでお替りは無し。
【感想・総評】
期待していたハモン沢はそれほど遡行価値が高くない山で、その点は残念だったが、ヒナタグラ沢から家ノ串山へ登り、白桧沢を下ってハモン沢から刃物ヶ崎山へ登り、ジロウジ沢を下るという、4つの沢と2つの山頂をうまく繋げる良いラインを引けたとは思っている。
それぞれの沢は取り立ててお薦めできるものではないが、ボートを使わずに1泊2日で、無雪期の刃物ヶ崎山と家ノ串山へ登頂したい方にはお薦めのルートである。（なお、刃物ヶ崎山へ登頂したいだけならジロウジ沢四ノ沢を往復すれば日帰り可能である）
魚止滝の飛込みが怖すぎて、思い出がほぼ上書きされた。何なら今年一番怖かった気がする。
ハモン沢は期待したような渓相では無かったが、一泊二日ながら沢旅感があってそれなりに楽しい週末だった。
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