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Yamareco

記録ID: 6009142
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍

横尾本谷左俣〜北穂池〜北穂高岳東稜

2023年10月02日(月) 〜 2023年10月03日(火)
情報量の目安: S
都道府県 長野県 岐阜県
 - 拍手
体力度
7
1〜2泊以上が適当
GPS
18:17
距離
31.2km
登り
1,994m
下り
2,030m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
9:15
休憩
1:03
合計
10:18
距離 16.9km 登り 1,754m 下り 205m
7:06
7:07
53
8:00
8:01
47
8:48
9:02
91
10:33
10:35
55
11:30
11:45
65
北穂池の滝の下
12:50
13:20
85
北穂池
14:45
65
北穂高岳東稜の上
15:50
2日目
山行
6:49
休憩
0:59
合計
7:48
距離 14.3km 登り 240m 下り 1,830m
5:43
15
5:58
111
7:49
8:00
65
9:05
9:06
74
10:20
10:21
57
11:18
42
12:00
12:46
45
13:31
上高地バスターミナル
天候 1日目:曇りのち晴れ
2日目:晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2023年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
コース状況/
危険箇所等
・横尾本谷左俣から北穂池へ上がるために北穂池の滝の右脇を直登したが、出だしの草付きが不安定で万人向けとは言い難い。ただし大滝の下から北穂池まで1時間で登れるので、悪場の経験が十分であれば選択肢の一つとして検討されてもいいかもしれない。
・北穂池から北穂高岳東稜までは途中で薮漕ぎに苦労している記録を見ることがあるが、今回登ったルートであれば藪漕ぎはほぼない。ルートどりのポイントを記しておいたので、今後同じルートを登る(または下る)人は参照して下さい。ブログと動画にも詳細な情報があります。
予約できる山小屋
横尾山荘
出だしはどんより。
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出だしはどんより。
横尾から涸沢方向へ。
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横尾から涸沢方向へ。
何度か通った屏風岩。最後に登ったのは3年前。
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何度か通った屏風岩。最後に登ったのは3年前。
本谷橋でヘルメットとハーネスを装着。
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本谷橋でヘルメットとハーネスを装着。
北穂高岳を見上げながら河原を進む。おおむね右岸を歩き、ときに左岸に渡る感じだが、靴底より上を濡らすことはなかった。
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北穂高岳を見上げながら河原を進む。おおむね右岸を歩き、ときに左岸に渡る感じだが、靴底より上を濡らすことはなかった。
横尾本谷の二俣。
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横尾本谷の二俣。
左俣にも水流はあったが、ガラガラの岩が目立つ。
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左俣にも水流はあったが、ガラガラの岩が目立つ。
北穂池の滝が登場。
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北穂池の滝が登場。
下からじっくり観察。立派ですなあ。
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下からじっくり観察。立派ですなあ。
左俣を少し進んで上流側から滝を見る。
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左俣を少し進んで上流側から滝を見る。
取り付くポイントは右端の草付き。
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取り付くポイントは右端の草付き。
予想以上に悪い。岩は動いて信用できず、頼りになるホールドを得ることができない中、身体を斜面に這わせるようにしてだましだまし高度を上げる。
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予想以上に悪い。岩は動いて信用できず、頼りになるホールドを得ることができない中、身体を斜面に這わせるようにしてだましだまし高度を上げる。
やがて灌木帯に入って一安心。左上を続けていくと、滝身に近づくことができた。
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やがて灌木帯に入って一安心。左上を続けていくと、滝身に近づくことができた。
中段の緩傾斜部は滝の右端を登った。岩はしっかりしていて助かったが、黒い苔が覆っているために早々に右に逃げた。
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中段の緩傾斜部は滝の右端を登った。岩はしっかりしていて助かったが、黒い苔が覆っているために早々に右に逃げた。
滝の落ち口近くでは右の斜面を木登り。
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滝の落ち口近くでは右の斜面を木登り。
飛び出したところは北穂池のすぐ近く。なんでもないように見えるこの草原が滝の落ち口の上になっており、岩のすき間から水流が見えた。
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飛び出したところは北穂池のすぐ近く。なんでもないように見えるこの草原が滝の落ち口の上になっており、岩のすき間から水流が見えた。
四ノ池。ひと月前には涸れていたのに、この日はしっかり池になっている。
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四ノ池。ひと月前には涸れていたのに、この日はしっかり池になっている。
三ノ池。
二ノ池も。
一ノ池も水をたたえている。
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一ノ池も水をたたえている。
二ノ池と一ノ池の間の尾根の中に通路のように続くガレを登り、ガレ斜面に出たらその左端(写真左寄りの草付きとの境目)を登る。
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二ノ池と一ノ池の間の尾根の中に通路のように続くガレを登り、ガレ斜面に出たらその左端(写真左寄りの草付きとの境目)を登る。
前の写真の草付きの左隣にあるガレ沢の上端を向こう側へトラバースするのがポイント。
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前の写真の草付きの左隣にあるガレ沢の上端を向こう側へトラバースするのがポイント。
そうすると目指すガレ沢に素直に入れる。
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そうすると目指すガレ沢に素直に入れる。
ガレ沢の途中の左側に出てくる小ルンゼを登る。白ペンキの矢印あり。
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ガレ沢の途中の左側に出てくる小ルンゼを登る。白ペンキの矢印あり。
ひと月前に懸垂下降のために残置したスリングを回収。
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ひと月前に懸垂下降のために残置したスリングを回収。
東稜の上に出ると涸沢側の展望が広がる。
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東稜の上に出ると涸沢側の展望が広がる。
ゴジラの背。無雪期にここを歩くのは21年ぶり。
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ゴジラの背。無雪期にここを歩くのは21年ぶり。
ゴジラの背を終えて振り返る。
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ゴジラの背を終えて振り返る。
あとは北穂高岳まで緩やかな斜面が続くばかり。
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あとは北穂高岳まで緩やかな斜面が続くばかり。
北穂高小屋に到着。16時までに着くように、と言われていたのでギリギリだった。
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北穂高小屋に到着。16時までに着くように、と言われていたのでギリギリだった。
夕方の槍ヶ岳の眺め。
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夕方の槍ヶ岳の眺め。
笠ヶ岳の向こうに日没。
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笠ヶ岳の向こうに日没。
美味しくいただきました。
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美味しくいただきました。
北穂高岳の山頂から御来光を拝む。
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北穂高岳の山頂から御来光を拝む。
モルゲンロートに染まる奥穂高岳。そういえば昨夕、北穂高小屋宿泊の登山者が居合わせた外国人カップルに「日本では夕焼けの山をアーベントロート、朝焼けの山をモルゲンロートと言うのだ」と解説していたが、笑ってこれを聞いていた二人の会話はドイツ語だった(笑)。
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モルゲンロートに染まる奥穂高岳。そういえば昨夕、北穂高小屋宿泊の登山者が居合わせた外国人カップルに「日本では夕焼けの山をアーベントロート、朝焼けの山をモルゲンロートと言うのだ」と解説していたが、笑ってこれを聞いていた二人の会話はドイツ語だった(笑)。
涸沢への下降。遠目にはまずまずの紅葉だが...。
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涸沢への下降。遠目にはまずまずの紅葉だが...。
近づいてみると葉先がちりちり。夏の猛暑と渇水のせいだろうか?
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近づいてみると葉先がちりちり。夏の猛暑と渇水のせいだろうか?
パノラマルートに入る。
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パノラマルートに入る。
ところにより悪いところもあるが、おおむねよく整備されて歩きやすい道だった。
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ところにより悪いところもあるが、おおむねよく整備されて歩きやすい道だった。
屏風のコル近辺の紅葉はステキだった。
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屏風のコル近辺の紅葉はステキだった。
北穂高岳から槍ヶ岳にかけての眺めの見納め。
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北穂高岳から槍ヶ岳にかけての眺めの見納め。
そして徳沢経由上高地へと下山した。
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そして徳沢経由上高地へと下山した。
今回辿った北穂高岳東稜までのルートを示すとこういう感じ(ピンク線)。多くの記録では横尾本谷左俣から北穂池に出る場合は黄色線のラインを使っているが、それに比べれば大滝ルートは時間短縮になったはず。ただ、短縮できる時間とそのために負うことになるリスクとを天秤にかけると、優劣はつけがたい気もする。
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今回辿った北穂高岳東稜までのルートを示すとこういう感じ(ピンク線)。多くの記録では横尾本谷左俣から北穂池に出る場合は黄色線のラインを使っているが、それに比べれば大滝ルートは時間短縮になったはず。ただ、短縮できる時間とそのために負うことになるリスクとを天秤にかけると、優劣はつけがたい気もする。

感想

9月に入ってからつらい腰痛に悩まされるようになり、計画していた山行のいくつかを中止していましたが、徐々に良くなってきたので足慣らしに小屋泊まりの軽い登山をしようと選んだのが北穂高岳。そこにはひと月前の「穂高の池巡り」の途中で懸垂下降のために残置したスリングを回収するという大義名分も含まれています。

辿ったルートは、上高地から横尾を経て本谷橋までは登山道。ここから横尾本谷を河原歩きで遡行して二俣から左俣に入り、北穂池の滝を見上げます。ここから北穂池に上がるには、普通は大キレットの下のカールまで上がり難儀な藪漕ぎトラバースの後に北穂池に下るという大回りになるのですが、今回はこの大滝の脇を登ってのショートカットを試みるところがポイントです。

結論から書くと、この大滝ルートは確かに時間短縮にはなりますが、万人向けとは言えませんでした。大滝は出だしのハング〜急傾斜、中段の緩傾斜、落ち口近くの垂壁の三つのパートからなり、登り方としては左俣の上流側から取り付くことでハング部を回避してから急傾斜部を草付き〜木登り、緩傾斜部は滝の右側、最後は左岸の木登りとなります。しかし中段以降はともかく出だしの10mほどの草付きが悪くて、少々肝を冷やしました。沢登りの経験が豊富で悪い草付きや木登りに慣れている者にとっては許容範囲内ですが、バリエーション入門コースのつもりで横尾本谷左俣に入る人には勧められないというのが私の評価です。

北穂池に登り着いてみると、前日までの雨のおかげか四の池から一の池まで全ての池が水をたたえており、ひと月前とは大違い。そしてここから北穂高岳東稜へのルートも最短コースを辿ることができ、懸案のスリングを無事回収しました。北穂池から東稜へ登るのに藪漕ぎで苦労している記録をときどき見ますが、このコースでは藪漕ぎはほぼありません。

その後は東稜のゴジラの背を越えて北穂高小屋に宿泊。翌日、涸沢に降りてパノラマルート経由で下山です。この時期気になる紅葉は、夏の渇水のせいか涸沢は赤くなる前にチリチリになっていてイマイチの出来。しかしパノラマルート上の屏風のコル周辺のナナカマドの赤は見事でした。



詳細な記録はこちらです。→ https://climb.juqcho.jp/2023/20231002.html

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コメント

こちらへ書き込むのが適切かは分かりませんが、大いに参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
2023/10/10 16:27
yo_amigoさん、こちらへのコメントを歓迎いたします。
当方の記録をお気に入りに登録していただいていたので、近々北穂池に行かれるのかなと思っておりました。
北穂池から東稜への登りは、やはり藪漕ぎにつかまりましたか。。。
私の解説がわかりにくかったのではないかと恐縮しています。
それでも充実した山行をされたようで何よりです。お疲れ様でした。
2023/10/10 19:54
プロフィール画像
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