雁ヶ腹摺山《山梨百名山》
山梨県
山キチどん
- GPS
- 03:03
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,676m
- 下り
- 2,033m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:03
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 7:19
| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2006年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
下山口：奈良子入口BSから富士急山梨バスでJR中央本線猿橋駅 |
写真
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楢ノ木尾根送電線ピーク付近より
感想
金曜日夜大垣発の“ムーンライトながら”に乗り4:42東京駅に到着した。中央線に乗継ぎ大月からはタクシーで金山鉱泉に入った。3年前“山が好き”のメンバーで来たときはこの道が道路の舗装工事でかなり手前から余分に歩く羽目になってしまったが、今回は問題なく温泉宿まで入ることができた。前回通った大岱山ルートは通らず、土沢沿いの林道（一般車通行止め）を真直ぐ金山峠に登るコースを取った。昨日まで続いた晴天も今日の後半から下り坂の予報でなるべく早く下りてしまいたいところだ。
林道の勾配は恐ろしく急。アスファルト舗装からコンクリート舗装に変わり軈て地道になり、そして登山道となった。沢の水や登山道を流れた水が凍り足元は悪い。丸木橋で何度も川を渡り標高900m付近まで来ると土沢を離れ枝沢に入った。急登斜面を登り詰め金山峠（約1,105m）に到ると大岱山からの道が右から合流した。峠を越え林道に下る小俣川上流の百間干場の広場に達した。10分程林道を歩き右手の尾根に取り付き雁ヶ腹摺山から南西に伸びる“登り尾根”で登り詰めると標高1,455mで水平に伸びる奈良子林道に飛び出した。
雁ヶ腹摺山へはこの林道と直交する登山道があるが、すぐ東に富嶽十二景第1番山頂の一つ姥子山があるので足を伸ばすことにした。林道を右に暫く行くと工事現場の足場のような階段を下りて行き、直ぐに姥子山主峰、西峰(1,503m)に達した。標識も展望も無いのでそのまま通過し東峰(1,500m)に向かった。こちらは富嶽十二景の山頂で展望が良い。ただ肝心の富士山は雲の中に姿を隠していた。
「秀麗富嶽十二景」は大月市にある山で富士山が美しく見える12の山が選定されている。その選考には山岳写真家の白籏史郎も加わったと云う。しかし実際選定されたのは12山ではなく、1番山頂から4番までと9番、12番が2山づつあり、合計18山あるのに“富岳十八景”としなかったのは何故だろう？ 姥子山が1番山頂となっているが、雁ヶ腹摺山も同じく1番山頂である。
林道に引返すと先ほどの分岐に戻らなくても東側から直登出来る道があり短絡した。白樺平と呼ばれる一寸した平坦地で南尾根の所定登山道と合流した。天気の崩れを先取りするように雁ヶ腹摺山の山頂部は雲の中に没してしまい登るに連れてその雲の中へと突入し小雪が舞いだした。雨でないのが幸いだが風も冷たく防寒装備で身を固めた。標高1,000m以下では殆ど雪はなかったが山頂付近は10�兪宛紊寮兩磴�あった。雁ヶ腹摺山(1,874m)という一寸変わった名前の由来は、山が高く、雁が腹を摺るようにして山頂を越えて行ったとかで、山梨百名山にも選ばれた存在感のある山だ。
山頂は樹林帯の中だが富士山の方向だけは切り開かれ富岳十二景を保っていた。今では略見ることがなくなった五百円札に描かれていた富士山はここから撮影されたものだそうで、案内板が立っていた。案内板によると昭和17年11月3日名取久作という人が7時15分に撮影したと云う。
山頂の南側で大峠からの登山道が合流していた。峠からなら1時間程度で登ってくることが出来る。今ではメインルートのようになっているが、林道は冬季閉鎖されるので今なら真木小金沢林道3時間20分の歩きが加わる。もっとも大峠は大菩薩南嶺に繋がっており、これと併せた縦走も楽しめるだろう。ルートを北に進み楢ノ木尾根に入った。北斜面の積雪は結構ある。600m程先の小ピークで東北東に進路を変え大樺ノ頭(1,777m)に達した。姥子山や雁ヶ腹摺山に無かった3等三角点「大樺」があるが展望はなかった。山頂北側の広場に風の防げる場所があり大休止を取った。手が悴んでストーブをセットするのも一苦労だった。
大樺ノ頭からは真東に向かって進み標高を下げると雲の領域から抜け出し視界が広がった。幾分雲が薄くなったようで時々薄日が差した。送電線のピーク(1,597m)は鉄塔があるので木が切り払われ眺めがいい。樹林の中の縦走路を単調なアップダウンと共に進み泣坂ノ頭(1,421m)に到った。3等三角点「泣坂」があり、2.5万図では「大峰」と記されているが誤りで「泣坂ノ頭」が正解、そうすると「大峰は？」となるが700m東に顕著なピークがあり、ここに大月市の「大峰」標識があった。標高は1,403m。「国土地理院にも筆の誤り」とか・・・ ※その後に出た2.5万図の新版には正しい位置に「大峰」と表示されたが「泣坂ノ頭」は記されなかった。
大峰で南に進路を変え600m進むと西沢ノ頭(1,298m)がある。ここから東に延びる縦走路は南斜面が伐採され展望が利いた。歩いて来た姥子山、雁ヶ腹摺山それに大樺ノ頭を望むことができた。先ほど雲を被っていた雁ヶ腹摺山も姿を現し、その全容を見ることができた。
水無山(1,139m)の山頂も展望は無く、山頂直前で指導標は左、上和田集落に導いており、水無山で山頂標識を見た後、指導標の類は全くなくなり、踏み跡も薄くなりなってしまった。昭文社の登山地図では赤点線道となっている楢ノ木尾根だが、水無山までは全く問題なし、注意を要するのは下瀬戸までの南部だ。最後の山、尾越山(1,099m)は3等三角点「麓山」があるが展望は無かった。今までの大月市による統一感のある山頂標識ではなく、私製の怪しげなものだった。山頂域が広く次に進む方向を定めるのに一苦労、南南西に下り出すと先に続く尾根が木ノ間越しに見え一安心。落葉が踏み跡に積り、深さ30�僂曚匹眇瓩�溜まっている所があった。樹林越しに両サイドの谷間に人家が近づいてくると終着点は近い。か細い踏み跡を辿って行くと分岐を見逃したのだろうか左に反れてしまい下りた処は上平の集落だった。此処は下山予定の下瀬戸の800m程北東だった。
国道139号線の車道歩きで奈良子入口BSまで歩き、すぐに来た猿橋経由大月行きのバスに乗り込んだ。バスは日本三大奇橋“猿橋”のすぐ傍を通り、車窓から久し振りにあの特異な橋を見ることができた。30分程列車待ちをして東京行きの直通に乗り込み、昨年開業した“つくばエクスプレス”に乗って筑波市に到りビジネスホテルで宿泊した。
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