須磨アルプス〜旗振山☆海風を求めて


- GPS
- 02:42
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 487m
- 下り
- 573m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
下山は塩屋駅へ |
写真
感想
連休以来、山に行く時間をなかなか得ることが出来なかったが、この日は午前中に淡路島で仕事があったので、帰りに須磨アルプスに立ち寄ることにした。6月の下旬だというのに、既に完全に梅雨が明けたようで、朝から雲のほとんどない快晴の空が広がっているが、急速に気温も上昇してゆくのが感じられる。
淡路島の島内を岩屋まで移動して、ジェノバ・ラインと呼ばれる船で明石海峡を渡る。船が岩屋港を出航すると海を吹き渡る風のせいだろうか、海上は驚くほど涼しく感じられる。
明石の駅前のビル、コインロッカーに荷物を預けると新長田で地下鉄で妙法寺まで移動する。この日はたまたまハイキングの催しがあったらしく、駅前に設けられたテントには須磨アルプスから下山してきたと見られるハイカー達がスタンプを求めて列をなしていた。
横尾の団地の中を歩いて、須磨アルプスに向かう。市街地の中は暑いことが懸念されたが、ここでも海からの風のせいだろうか。間断なく心地よい風が吹いており、気温の暑さを感じさせない。
山に入ると北側斜面のせいで風の影に入るのだろうか、風が弱まったようだ。九十九折りの道を緩やかに登り、尾根に上がると再び涼しい海風を感じる。東山のピークに達すると、小さな山頂の一角に架けられた温度計は丁度30度を示していた。山の北側にはいくつもの団地が整然と並び、特異な景観である。
馬の背のある西の方からは賑やかな声が聞こえてくる。数組のパーティーとすれ違う。馬の青の手前で20人ほどの中高年者の大パーティーとすれ違うと、途端に人の気配が全くなくなり、風景の荒涼とした雰囲気が急に際立つように思われた。この峻険でアルペンチックな光景からはここの標高が200mほどであることがにわかには信じ難く思われる。
左手には広々とした谷が広がり、その彼方には一棟の高層マンションが超現実的な光景を作り出していた。この馬の背の通貨はわずかばかりだ。鞍部から階段を登ると景色は一転し、横尾山にかけて、カシなどの広葉樹が広がる自然林の尾根となる。
栂尾山にかけての緩やかな吊尾根は樹林の雰囲気がいいところだ。ここでも尾根を吹き渡る風が程よい涼しさを提供してくれる。栂尾山の展望台の下には大学生と思しき四人組の若者達が休憩していた。紅一点となる女子はサングラスをかけていたが、美人の雰囲気であり、その傍らに佇む男の子は彼女のことが気になるようだった。栂尾山の山頂からは早々に退散すると、長いコンクリートの石段を降って高尾台に向かう。
高尾台に入ると道沿いでは多くの紫陽花が咲いている。紫陽花の品のある青が一抹の涼を感じさせる。高尾台のスーパーに立ち寄り、お茶と水を購入をすると、高倉山にかけての石段を登り返す。高倉山は尾根の樹林が切り払われており、左手には須磨浦の海、右手には広大な住宅街の展望と明石海峡大橋の展望が広がる。
小さな東屋の展望台に寄り道すると「毎日登山」と記された名簿があり、その一覧にはぎっしりと小さな印鑑が押されている。一人の人物の欄のみこの数日、印鑑が押されていないようだが、体調を崩されていないだろうかと心配されるところだ。
鉄拐山にかけて樹林に入るとウバメガシの樹林となり、独特の林相となる。岡山や倉敷の山でもよくウバメガシを見かけるので西日本には広く分布しているものと思っていたが、本来、ウバメガシが自生するのは海岸沿いの山々に限るらしい。確かに近世になって大規模な干拓が行われる以前は岡山や倉敷の山々は悉く海沿いにあったことに思い至る。
東側が広く切り払われた鉄拐山は六甲山と神戸市街の展望が良いところだ。ひとしきり好展望を堪能すると、旗振山に向かってウバメガシの樹林の広がるなだらか稜線を辿る。
旗振山の山頂の茶屋は営業していなかったが、その前では若い女性達の四人組のグループとひと組のカップルが休憩している。皆、バヤリーズのオレンジ・ジュースか三ツ矢サイダーを飲んでいたので、どこかに自販機があるのかと見回すがそれらしきものは見当たらない。鉢伏山の山頂あたりで購入してきたものだろうか。
いつもは鉢伏山から須磨浦公園に下山していたが、この日は塩屋に降ることにする。少し降ると突然、斜面に広がる遊園地に出る。やはり海風のせいで涼しいせいだろう、遊園地は多くの家族連れで賑わっていた。遊園地を過ぎるとそれが幻であったかのように再び静かな樹林に入る。微かに列車の音が聞こえる。軽快で高速のリズムは新快速によるものだろう。
分岐があり、直進すると塩屋まで1kmとある。この道の雰囲気だと15分もかからないで到着しそうだが、そんな近くに市街地があるようには思えないと家内が云う。緩やかに樹林を降ると忽然と住宅街の裏手に出て、塩屋の高架駅が視界に飛び込むのだった。確かに先ほどの標識から13分であった。
塩屋から朝霧まで移動すると須磨大蔵海岸にある龍の湯に立ち寄る。露天風呂は天然温泉であり、有馬温泉の金泉と同様の茶褐色の鉄泉であり、ここでも間断なく吹いている潮風が心地よかった。
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