白馬岳・涼風の大雪渓と天空のお花畑


- GPS
- 12:25
- 距離
- 27.5km
- 登り
- 2,232m
- 下り
- 2,233m
コースタイム
- 山行
- 9:33
- 休憩
- 2:52
- 合計
- 12:25
天候 | ☀晴れ 🌡気温 猿倉5時17℃ 16時28℃ 大雪渓7時7℃ 14時17℃ 山頂15℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
https://hakubakan.com/column/access-sarukura-250624/ ・ヘリポート〜猿倉荘間は工事中のため、徒歩しか通行できない。 ・開通は未定だが、工事期間が7月30日までと掲示してあるので、8月以降と思われる。詳細は下記URL参照。 ・https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangaku/20250423hakubasarukura.html ・https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangaku/documents/hakubadakesen-kisei0610.pdf ・🅿自動車:二股ゲート手前駐車場。8台ほど。 ・🅿自転車:ヘリポート入口脇にデポ。自転車は軽車両のため、一般車両には含まれない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎大雪渓は前刃のある8本爪以上のアイゼン必須。チェーンスパイクは不可、下りでグリップしない。ピッケルはあると安心。 ・二股ゲート〜ヘリポート:舗装路4.4kmを自転車と徒歩で50分。ヘリポート入口脇に自転車をデポ。4時で気温17℃。 ・ヘリポート〜猿倉荘:この間は徒歩のみ。舗装路1.2kmを14分。崩壊地は仮設階段で迂回する。猿倉荘は営業しておりトイレ利用可。 ・猿倉荘〜白馬尻:作業道歩きを約1時間。サワウツギ、ミゾホウズキなど開花。北股入の激流と栂池、小蓮華尾根の眺望。 ・白馬尻〜大雪渓取付:木道先からお花畑。サンカヨウ、ニリンソウ、キヌガサソウの大群生、全く足が進まなくなる。今年は残雪が多く、末端の手前から大雪渓に取付いた。 ・大雪渓取付〜岩室跡:約2.5km標高差840mの雪渓を約2時間歩く。ベンガラが散布してあり歩く道が示してある。今年はクラックや崩壊、落石や土砂崩れが多く、現地の状況を見て進む事。当日の岩室跡は、上陸しても雪渓を行ってもどちらでも良かったが、今後は上陸した方が良い。トラバースで再装着するが。雪渓上は気温7℃と寒いくらい。 ・岩室跡〜避難小屋:小雪渓トラバース。滑落注意。 ・避難小屋〜お花畑:今年は残雪多く、アイゼンを外さず雪渓上を歩いた。水場で水補給。国立公園標辺りで雪が消えお花畑が始まる。ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマオダマキ、ウルップソウ、シロウマタンポポなど満開で素晴らしかった。 ・お花畑〜白馬山荘:雪解け水と足場の悪い急坂歩き。村営頂上山荘、十字路を経てもお花畑が延々と続く。全く足が進まなくなる。白馬山荘裏は圧巻のお花畑、満開で素晴らしかった。ツクモグサは終盤だったが、ウルップソウは満開だった。 ・白馬山荘〜白馬岳山頂:ザレた九十九折れの道。道の両脇はお花畑。 |
写真
感想
「昨今の夏は災害」と新聞記事が掲載されていた。本州で40℃近い気温は、地球温暖化によるものと結論付けられていた。そもそも地球温暖化の原因は、森林破壊と化石燃料使用で二酸化炭素増加による温室効果によるもの。そうなると「人災」としか思えない。
自動車は日常的に使用するので国が規制しているが、ジェットエンジンを搭載した航空機は、SAFを使用したり、燃費の良い飛行経路や高度など自主規制だけ。日本の自動車と航空機の年間CO2排出量はほぼ同じ。自動車は約7800万台、航空機は約2200台。早く着けば良いのか、もう一度考える時が来ている。人災は人の誤りから。
今冬は降雪量が多く、よって初夏でも残雪が多い。積雪や雪崩などによる災害が目立つ。猿倉も駐車場に亀裂が入り、路肩崩壊で道も通行止めとなった。これは大雪渓から行きにくと思い、休みと金も無い私は、何とか日帰りで行けないか検討。
白馬村と建設会社のHPを見て気が付いた。一般車両だけが通行止め。一般車両とは公共交通機関以外の二輪以上の原動機付自動車を示す。自転車は軽車両なので通達からは通行可と解釈できる。尾瀬の大清水のように自転車不可とは書かれていない。
山行計画を練る。まずは下山時刻を17時に設定し、舗装路往復の時間を計算、大雪渓は5回行っておおむね往復10時間、花ばかり見てるからな(笑)。車移動も含めると自宅出発時刻を1時に設定した。
午前1時でも24℃と暑い前橋を出発。前橋南ICから更埴ICまで高速道。国道19号から今年で無料となったオリンピック道路へ。開催から27年経って、人々の記憶からも消え去りつつあり料金所も撤去された。原田が「ふなき〜」と泣く。
白馬村に入ると薄暗い中に浮かぶ後立山連峰。シーズンを終えた八方尾根スキー場周辺は、ひと気も無くひっそりしており、冬季は混雑するコンビニには一台も車が停まっていなかった。
3時30分に二股ゲート手前駐車場に到着。二台停まっていた。自転車を下して出発。最初は緩い登りなので自転車に乗る、先行者4人パーティーを追い越して進む。クランク回しがきつくなったら下りて徒歩。先は長いので無理はしないが、気温17℃で蒸し暑く汗だく。
50分ほど自転車と徒歩でヘリポート到着。自転車を看板脇にデポして舗装路歩き。土砂崩壊した場所は、バックホウでさらってブルーシートが掛けられていた。仮設階段で迂回し14分で猿倉山荘へ。
閑散とした猿倉荘。室内は明かりが灯り、山荘の方が作業していた。外のトイレも使えた。作業道を淡々と歩いていく。御殿場で日の出を迎え、右手には北股入の激流と残雪の小蓮華尾根が見えていた。
作業道が終わり木道に変わる。雪解け水が道に流れ、種を付けたサンカヨウの葉は大きくなりすぎて、行く先をふさいでいた。ミヤマカラマツは花火のように開いていた。左手の沢にキヌガサソウの群生。もう花が緑色になっていた。
白馬尻手前にも残雪が多く、沢のサンカヨウがやっと芽吹きだしていた。残雪の無い南斜面にはサンカヨウ、キヌガサソウ、ニリンソウが満開。大群落を形成していた。足を止め美しい花々を10分以上鑑賞していた。
大雪渓末端よりかなり下流で、アイゼン装着して大雪渓取り付き。かなり残雪があるとの情報でセラックを持ってきた。ピッケルはいつも持ってこない。雪が緩いのでストックで代用したことがあるから。
ベンガラが散布してあので、視界不良時に役立つ。クラックやブロック崩壊を見ると5m以上の残雪。至る所にクレバスが走っていた。早朝から落石が多いが、クラックも多いため、ほとんど中へ落ちていった。
すれ違う登山者が増えてきた。10名くらいだったろうか。聞けば栂池からの周回で山荘泊の方たち。猿倉からは誰も居なかった。タクシーを呼んで栂池へ戻ると言っていた。
雪渓上は気温7℃で涼しく、長袖でちょうどよい。岩室跡周辺も残雪が多く、そのまま雪渓上を歩いて行ける。ただ花があるかもしれないので、アイゼンをいったん外して上陸した。いつもあるミヤマダイコンソウ、シナノキンバイなどは咲いていなかった。やはり残雪の影響と思われる。
再びアイゼンを装着して小雪渓トラバース。避難小屋も半分残雪に埋もれていた。今年はまだ残雪があり、そのまま直登。国立公園標の手前でやっとアイゼンを外した。その先から山頂まで圧巻のお花畑。ハクサンイチゲは斜面に白い大群落を作っていた。
雪解け水流れる荒れた急坂と木階段を歩む。ミヤマオダマキ、ウルップソウの紫色、ミヤマキンバイ、シナノキンバイの黄色が目に入る。村営宿舎を経て後立山主稜線へ。白馬山荘への道もお花畑。イワベンケイやコマクサも咲き始めていた。
白馬山荘の方が数名いたが、ほかに登山者はおらず私だけ。その先のガレた九十九折れも独り歩んでいく。道の両脇もお花畑。切りがないので下山時にゆっくり見ることにして山頂へ。北側は青空だったが、南側はガスで眺望は白馬鑓ヶ岳までだった。
6回目の登頂を記念撮影して下山。お花畑をゆったりと鑑賞しながら歩く。天気が良いのでライチョウは出てこなかった。白馬山荘裏のお花畑がちょうど満開。そして誰もいない、天空のお花畑を貸し切り。
ウルップソウ、ツクモグサの花量は八ヶ岳とは比べ物にならない。その他ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、オヤマノエンドウなど素晴らしい色彩の花々。足を止めてじっくりと鑑賞した。
山荘のベンチをお借りして昼食。旭岳と杓子岳を眺めながらのんびりと食べた。山荘の方で外国籍アジア系(おそらくネパール)の女性からお声がけ頂いた。「日本人ですか?」と(笑)。「そうです」と答えた。どうやら雪渓でさらに日焼けして顔が真っ黒になり、同郷の方と思われたらしい。
「泊りですか?」と聞かれ、「日帰りです」と答えたら「すごいですね」と言われた。笑顔で山荘へ戻って行った。下山も花鑑賞しながら歩いていく。下りの方が膝や脚に負担がかかる。
午後は雪が緩み滑りやすい。特に岩室跡周辺は滑落すれば危険。気温上昇し雪渓上も水蒸気が立ち上がっていた。気温17℃で緩い西風が吹いて天然クーラー。快適に歩いて白馬尻へ。さすがに標高を下げると暑く27℃だった。
行きに見られなかったニリンソウを観賞。今年もミドリニリンソウを見ることが出来た。サンカヨウはともかく、キヌガサソウの群生はここが一番あると思う。作業道を歩いて猿倉へ。そのまま道を下ると、土砂崩れの工事をしていた。「ありがとうございます」とお声がけした。
デポした自転車を回収して二股までダウンヒル。工事車両が往来しているので、邪魔にならないように気を付けて下った。ヘリポートから14分で二股に到着。歩くより断然早い。計画より1時間早く16時には戻れた。駐車場には今朝も一緒だった2台。山荘泊かな。
自転車を積み込み帰路へ。白馬村も暑く32℃。前橋へは18時45分に戻れた。車の温度計は37℃を表示。7℃の白馬大雪渓とは30℃の差。素晴らしい景色と花々を回想し、気持ちだけは爽やかな涼風に吹かれていた。
5月でこの花が咲く?ちょっと待て写真を良く見たら6月やっぱりとうなずいてしまいました。
沼尻小屋手前よりキヌガサソウの群落が、大雪渓も今年は雪がついている、まだ持ちそうですね(昨年と違い)山頂稜線は花の宝庫となって白馬岳の魅力の一つですね、ウルップソウやツクモグサが咲き白馬岳も夏山オープンですね、・・・猿倉までの林道工事で登山者はチョット少なめかな。
おつかれさまでした。
当初レコをアップした時に、5月30日と間違えてしまいました。すぐに6月と訂正しました。さすがに5月30日は白馬尻すら花は咲かないですよね。
今年も白馬尻のサンカヨウ、キヌガサソウ、ニリンソウ、山頂付近のツクモグサ、ウルップソウ狙いで行きました。アクセスが二股からとなりましたが、工夫して行けば、また残雪が多く直登できたので時短でき、結局いつもと同じ下山時刻になりました。
白馬尻は残雪が多いので、沢の方や小屋裏はこれからサンカヨウ、キヌガサソウ、ニリンソウが芽吹き始めてました。10日ほど遅い感じですね。アクセスが悪いので、白馬尻だけでも十分花鑑賞出来ます。サンカヨウとキヌガサソウは日本一の群生だと思います。
山荘裏のお花畑は、今まで5回登頂してますが、今年が一番良かったです。花の株の密度がすごいです。特にウルップソウは昨年に続き当たり年です。最近の高温でコマクサ、イワベンケイ、シロウマオオギも咲いてましたから、良い時に行けました。
約28km距離と獲得標高2kmの割には疲れませんでしたね。景色と花に元気が貰えたからかな。要領が分かったので、栂池に自転車をデポして、猿倉から取付いての日帰り周回を練っています。
growさんの白馬岳のレコではウルップソウやツクモグサをはじめとして高山植物が咲き誇っていて素晴らしい山行が楽しめている様子がよくわかり、本当に羨ましい限りです。
昨シーズンは白馬岳BCで滑り納めできましたが、今シーズンは猿倉まで車で入れなかったため、白馬鑓ヶ岳BCや白馬岳BCに行かずじまいとなってしまいました😢
年齢的にもだんだんハード山行がきつくなってきたので、ゆとりをもって楽しめる涼しい沢登りや丸沼サマーGでのスキー筋トレを中心として、この夏は楽しんでいけたら...と思っています。
hareより
大変ご無沙汰しております。私も56歳となりましたが、相変わらず主脈縦走や八ヶ岳周回、今回の白馬岳も自転車を駆使して行ってきました。12時間20km越えでも体質なのかあまり疲れないんですよね。まぁそれだけ食ってエネルギーつけてるからでしょう。健康で丈夫に育んでくれた父母には感謝です。
山頂付近のお花畑は今までで一番良かったですね。ツクモグサは終盤でしたが、ウルップソウ、ハクサンイチゲが満開でした。コマクサなど夏の花々も咲き始めてましたよ。白馬尻は残雪が多いので、7月中旬までサンカヨウやキヌガサソウが楽しめそうです。またどこかでお会いできる日が来ると良いですね。
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