剱岳 北方稜線


- GPS
- 28:41
- 距離
- 26.6km
- 登り
- 3,638m
- 下り
- 2,710m
コースタイム
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 7:34
- 山行
- 4:17
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 5:08
- 山行
- 9:38
- 休憩
- 2:36
- 合計
- 12:14
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れ、午後テンバで小雨。 3日目:晴れ~曇り、テンバでポツポツ来る。 4日目:晴れ ※この時期、午後は曇が上がって来て、雷の音もあり。降っている稜線もあった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 心笑館(ここえかん): 源泉かけ流し。 わっぱら屋: 古民家風のそば屋、美味しい! |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
◾️nabeyamajiro
かなり前から一度は歩いておきたいと思っていた剱岳北方稜線です。
思っていた以上に、体力と、リスクを回避する行動を求められました。(ん、私がまだまだだからです。。(笑))
雪渓:この時期は7月で雪渓は多めだったと思う。今回、小窓雪渓は歩きやすい。しかし、小窓から小窓の王に行く途中の雪渓(トラバースで40~50mを少し降りていくかんじ。手足きかせて前爪で壁を登る姿勢でトラバースした)は、傾斜も強く滑ると滑落しそうで、非常に緊張した。(今回の核心と感じた)
ルートファインディング:ルートを調べておいて、現地では丁寧に探せば、ピンテもところどころにあり、踏み跡を見つけることができた。朝一に暗い期間に、小屋から近くの小雪渓を横断したが、前日に偵察して対岸のマーキングを見つけておいたのは正解だった。池ノ谷ガリーは、八ツ峰側は下降のパーティがいて、落石の来ない左寄りをへつる。長次郎の頭は巻かずに尾根を辿ったため、残置利用の懸垂を1回使用(巻道ならロープ使わないのだろう)。剱岳本峰超えてから、リスクはなくなるがまだまだ長く気持ちがだれた(^^)。
装備:軽量化に努めたが、相方のほうが優れていた、見直そう(食糧が多すぎなのかʅ(◞‿◟)ʃ。。)。簡易ハーネスはスリング手作りしたが、長時間歩くときは途中ズレて良くないかんじ。
1、2日目:当初は、初日に池の平まで行く予定であったが、エンジンかからず(というか、熱中症かと思う感じに朦朧としていて、初日は真砂沢までにしていただいた。結果しっかり休めて、大学時代の先輩にも会えてとても嬉しかった!いろいろありがとうございました。
落石:チンネから池ノ谷ガリーを抜けるあたりは、岩場に人が取り付いていると落石多いかも。できるだけ落石の来ないルート取りがいい。
天候:事前の考えでは、梅雨明けすぐの夏に移行する直前の快晴を狙ったつもりだった。しかし、今年は梅雨がほとんどなく、すでに入道雲の午後の雨・雷の天候になりつつあった。でも、私達の歩いたエリアは雨も雷もほぼなく、恵まれたものとなった。
久しぶりに長い山行でしたが、懸念していた捻挫の回復中の足もなんとか耐えてくれました。またペースの遅い私にも優しい仲間に恵まれた充実した山行となりました。ありがとうございました、またよろしくデス♪。
2022年8月の八ッ峰上半で、池ノ谷乗越から剱までの北方稜線は歩いたことがある。2022年10月には、今回のルートの逆ルートを計画していたが、実現しなかった。その約3年後にようやく実現した事になる。
⚫︎メンバー
去年の10月に下ノ廊下をご一緒いただいたNさんと、Nさんが声掛けしてご一緒いただくことになったMさん。Mさんは、つよつよで、人間の良くできた好青年。若さパワーで引っ張っていただき、とても助かりました。感謝です。
⚫︎装備
まだ7月で残雪が多く、雪渓登りがあるため、前爪ありのアイゼン、ピッケルは必須。それぞれ2回使用した。ロープ30mも、長次郎ノ頭からの懸垂で1度使用。
⚫︎天候
1日目は快晴。テン場着く頃に雨がぱらつき、雷も鳴ったが短時間。2日目も快晴で、テン場着いてしばらくしてからガス。3日目も快晴で、剱岳山頂に着く頃からガス。4日目も快晴で、おおむね天候には恵まれた。
【1日目】
扇沢から朝一の電気バスに乗り、黒部ダムからスタート。内蔵助谷出合までは、去年の下ノ廊下で歩いているが、そこから池ノ平小屋への道は初めて。企業(関電)の管理ではないからか、急に道が悪くなったように感じた。計画では、この日の内に池ノ平小屋まで行く予定にしていたが、暑さや天候、その他諸々の理由により、真砂沢ロッジまでとした(想定内)。Nさんの大学の先輩と言う、小屋番さんにご挨拶。テン場は剱沢に残る雪渓のおかげで、少し肌寒い程だった。
【2日目】
真砂沢ロッジを出発し、池ノ平小屋まで。二股からの標高差600mの登りは、暑さもありキツかった。1日目で池ノ平小屋まで行く場合は、寄るつもりはなかったが、2日間で行くことになったことから、仙人池ヒュッテに寄ってもらうことをお願いした。去年の下ノ廊下山行で泊まった阿曽原温泉小屋に飾ってあった、見たことのない景色の写真に目を奪われたのだが、それが仙人池から見た裏剱の写真だと後でわかった。それ以来いつか見てみたいと思っていた。仙人池に着くと、水面に逆さ裏剱が映った美しい景色を見ることができた(代表写真がそれ)。深山故に、2度と見れぬ景色かも?との思いで、しばし佇み、見ることができた幸せを噛み締めた。
池ノ平小屋には、お昼前に到着。拓けた展望の良い場所だ。見たかったモンローの唇も拝めた。小屋のランチで牛丼と山菜うどん(半分こ)を平らげ、お手製の梅ジュースを使った梅スカッシュも飲んでのんびり過ごす。最初の雪渓渡りのポイント確認のため下見もした。翌日は暗闇の早朝で良く見えなかったので、下見しておいて良かった。若くて元気なMさんには申し訳なかったが、3日目の長丁場の前に、2日間かけて体力を温存できたのは、結果的に良かったと思う。
【3日目】
・池ノ平小屋~小窓
朝4時前に出発。小窓氷河に降り立つまではずっとトラバース。下見した最初の雪渓渡りでアイゼン装着。ピッケルは特に使わなくても渡れる傾斜。2つ目の雪渓渡りは、上部の雪渓がない部分まで回り込んで回避。小窓氷河が見えてくるが、トラバース道に残る大きな雪の塊で、道をややロスト。傾斜のキツいザレ場となり、ピッケルを雪の塊に刺して落ちないようにしながらトラバース。小窓氷河に降りられそうな場所までトラバースを慎重に続けて、アイゼン装着。小窓に向けて氷河を登って行った。この小窓氷河の登りより、氷河に降り立つ直前のトラバースの方が核心だった。
・小窓~小窓ノ王
小窓でアイゼンを外し、そこからまたトラバースが始まる。少し行くと小窓ノ王が見えてくる。3つ目の雪渓渡りも、上部の雪渓のないところまで回り込んで回避。4つ目の小窓ノ王手前の雪渓渡りは傾斜がキツく、雪面側を向いて前爪とピッケルをしっかり効かせながらの横歩き。池ノ平小屋の方から、ここをチェーンとストックで渡って滑落した人がいたと言う話を聞いた。電波の届かないこんな所で、滑落して迷惑をかける訳にはいかない。アイスのように、ピッケルもう一本欲しい~と思いながら、慎重に渡り切った。渡る前から対岸にいた雷鳥が、ク~ク~と上から見守ってくれていた。その後多少ロストもしたものの、ルーファイしながら小窓ノ王の稜線踏替点に到達。
・踏替点~三ノ窓~池ノ谷ガリー~池ノ谷乗越
踏替点からは、あんなところ登れるの?と思うような池ノ谷ガリーが聳え立っていた。しかしガリーの1番下から登るわけではなく、まずは三ノ窓に向けて左側の急斜面を降りていく。降りている時は気づかなかったが、降りてから振り返るとそこは発射台と呼ばれている急坂だった。三ノ窓はビバーク適地のある休憩ポイント。少し休憩してから、池ノ谷ガリーに向かって登っていき、ガリーに出合ったら右側(左岸)に渡る。そこからガレザレの急登を左岸キープで池ノ谷乗越まで登っていく。右岸はチンネ登攀者が懸垂中で、落石が何度もあったので、やはり左岸が良いようです。
・池ノ谷乗越~長次郎の頭~剱岳
ここは八ッ峰上半で歩いたことがあるので、所々記憶に残っており、長次郎の頭から懸垂したのも、同じく懸垂した時に思い出した。長次郎の頭は、左側を行くと、懸垂しなくても降りられるようだ。剱岳山頂に到達し、その少し前からガスってきて良い眺望は無かったのが残念でしたが、3人でグータッチ。
出発時にログを撮り忘れていて途中からになっているため、正確にはこの日は13時間弱程かかっていると思う。剱山頂からは一般道ではありますが、長くて疲れました。無事剱沢キャンプ場に到着。夕方はガスが晴れてる時間もあったので、剱岳が初めてのMさんにも、雄大な景色を楽しんでいただけたと思います。ご一緒していただきまして、いろいろサポートもしていただきまして、ありがとうございました。
※)去年八ヶ岳は南沢大滝のアイスで、偶然お会いしたご近所さんに、剱沢キャンプ場のトイレの前でまたバッタリお会いした。翌朝八ッ峰上半に無事登られたようで何よりです。
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