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Yamareco

記録ID: 8644550
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
石鎚山

瓶ヶ森

2025年09月05日(金) 〜 2025年09月06日(土)
情報量の目安: S
都道府県 愛媛県 高知県
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
06:53
距離
15.9km
登り
1,697m
下り
1,719m
歩くペース
とても速い
0.50.6
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
3:03
休憩
0:12
合計
3:15
距離 7.2km 登り 1,452m 下り 153m
14:36
28
15:04
15:10
41
15:51
15:52
42
16:34
16:39
53
17:32
19
2日目
山行
2:53
休憩
0:45
合計
3:38
距離 8.8km 登り 245m 下り 1,567m
過去天気図(気象庁) 2025年09月の天気図
アクセス
登山の前に伊予西条のMahaloを来訪
一見、何の変哲もない住宅街の中の喫茶店であるが
2025年09月05日 13:03撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/5 13:03
登山の前に伊予西条のMahaloを来訪
一見、何の変哲もない住宅街の中の喫茶店であるが
店内は独特の雰囲気
2025年09月05日 13:00撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
4
9/5 13:00
店内は独特の雰囲気
2025年09月05日 12:59撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
4
9/5 12:59
ここは伊予西条のご当地グルメ 
鉄板ナポリタンの名店
確かに美味であった
2025年09月05日 12:47撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
8
9/5 12:47
ここは伊予西条のご当地グルメ 
鉄板ナポリタンの名店
確かに美味であった
西之川から歩き始めると
対岸に数軒の家
名古瀬の集落らしい
2025年09月05日 14:47撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
3
9/5 14:47
西之川から歩き始めると
対岸に数軒の家
名古瀬の集落らしい
西之川ぞいの林道
2025年09月05日 15:02撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
6
9/5 15:02
西之川ぞいの林道
橋から眺める西之川の濁流
2025年09月05日 15:07撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
6
9/5 15:07
橋から眺める西之川の濁流
湿潤した森の中を進む
2025年09月05日 16:31撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
6
9/5 16:31
湿潤した森の中を進む
鳥越が近づくと
忽然と立派な石垣
2025年09月05日 16:37撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/5 16:37
鳥越が近づくと
忽然と立派な石垣
かつての寺社の跡だろうか
2025年09月05日 16:38撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
3
9/5 16:38
かつての寺社の跡だろうか
一面の苔
2025年09月05日 16:56撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/5 16:56
一面の苔
急登を登って
2025年09月05日 17:25撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
3
9/5 17:25
急登を登って
登山道は突然平坦になり
広い山頂台地の一角に出ると
まもなく甕壺に
2025年09月05日 17:36撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/5 17:36
登山道は突然平坦になり
広い山頂台地の一角に出ると
まもなく甕壺に
濃霧の中
笹原を辿る
2025年09月05日 17:45撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/5 17:45
濃霧の中
笹原を辿る
登山道はまるで水路
たちまちのうちに靴の中がびしょ濡れとなる
2025年09月05日 17:46撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
3
9/5 17:46
登山道はまるで水路
たちまちのうちに靴の中がびしょ濡れとなる
避難小屋のトイレ
2025年09月05日 17:53撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
3
9/5 17:53
避難小屋のトイレ
ようやく瓶ヶ森避難小屋に
2025年09月05日 17:54撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
6
9/5 17:54
ようやく瓶ヶ森避難小屋に
まずはビールを空ける
手前はじゃこ天とチーズちくわ、バケット
2025年09月05日 18:14撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
4
9/5 18:14
まずはビールを空ける
手前はじゃこ天とチーズちくわ、バケット
この日の夕食は鶏の照り焼き、ポテト・サラダに卵
2025年09月05日 18:36撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
6
9/5 18:36
この日の夕食は鶏の照り焼き、ポテト・サラダに卵
翌朝
雲の下に辛うじて
2025年09月06日 05:21撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/6 5:21
翌朝
雲の下に辛うじて
山頂までは濃い霧の中を歩くが
2025年09月06日 05:37撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
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山頂までは濃い霧の中を歩くが
東の空はすっかり晴れている
2025年09月06日 05:40撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
7
9/6 5:40
東の空はすっかり晴れている
山頂の周囲を猛烈な勢いで滝雲が流れてゆく
2025年09月06日 05:43撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
7
9/6 5:43
山頂の周囲を猛烈な勢いで滝雲が流れてゆく
朝日が剣山の右手から
2025年09月06日 05:44撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
7
9/6 5:44
朝日が剣山の右手から
徐々に雲を茜色に染めてゆく
2025年09月06日 05:45撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
7
9/6 5:45
徐々に雲を茜色に染めてゆく
すっかり顔を出した
2025年09月06日 05:47撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
8
9/6 5:47
すっかり顔を出した
ラヴェンダー色の雲に浮かび上がる石鎚山
2025年09月06日 05:48撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
7
9/6 5:48
ラヴェンダー色の雲に浮かび上がる石鎚山
再び朝日
2025年09月06日 05:49撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 5:49
再び朝日
南には筒上山(中央右)と手箱山(左)
男山(手前)が雲の中から現れ始める
2025年09月06日 05:55撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/6 5:55
南には筒上山(中央右)と手箱山(左)
男山(手前)が雲の中から現れ始める
石鎚山に朝陽が当たって
2025年09月06日 05:55撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/6 5:55
石鎚山に朝陽が当たって
朝陽を浴びる山頂の祠を拝んで
2025年09月06日 05:58撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 5:58
朝陽を浴びる山頂の祠を拝んで
笠雲を被る笹ヶ峰(中央左)と寒風山(中央右)
2025年09月06日 06:00撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 6:00
笠雲を被る笹ヶ峰(中央左)と寒風山(中央右)
男山(左)が雲の中から姿を見せる
2025年09月06日 06:02撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 6:02
男山(左)が雲の中から姿を見せる
遠くで雲海に浮かぶ高縄半島の山々
2025年09月06日 06:03撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
5
9/6 6:03
遠くで雲海に浮かぶ高縄半島の山々
登山道ではこの花が多く咲いていた
ハクサンフウロ・・・ではなくシコクフウロらしい
2025年09月06日 06:07撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
3
9/6 6:07
登山道ではこの花が多く咲いていた
ハクサンフウロ・・・ではなくシコクフウロらしい
テント場の展望台より再び
高縄半島の山々を眺めて
2025年09月06日 06:36撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 6:36
テント場の展望台より再び
高縄半島の山々を眺めて
アケボノソウ
2025年09月06日 06:36撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 6:36
アケボノソウ
下山路のシロヤシオ のトンネル
2025年09月06日 06:56撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 6:56
下山路のシロヤシオ のトンネル
台ヶ森の山頂
2025年09月06日 07:07撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 7:07
台ヶ森の山頂
その手前からは石鎚の好展望
2025年09月06日 07:08撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 7:08
その手前からは石鎚の好展望
東乃川に
2025年09月06日 08:16撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 8:16
東乃川に
高宮小学校跡、旧西乃川少年自然の家
2025年09月06日 08:42撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 8:42
高宮小学校跡、旧西乃川少年自然の家
伊予三島に移動してりょう花で塩つけ麺
2025年09月06日 12:19撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 12:19
伊予三島に移動してりょう花で塩つけ麺
いしづち号で
2025年09月06日 13:04撮影 by  E-PL9 , OLYMPUS CORPORATION
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9/6 13:04
いしづち号で
撮影機器:

感想

この週末は高松に出張の予定があるので、ついでに四国の山に登ることを考える。当初、笹ヶ峰の丸山荘に泊まることを考えたが、残念ながら完全に廃業してしまったようである。そこで、瓶ヶ森の避難小屋に泊まることを考える。

瓶ヶ森を日帰りで周回したのはコロナ禍が始まる前、2019の12師走のことだった。瓶ヶ森の笹原の草原に真新しく小綺麗な避難小屋が建てられていることを知る。前回と完全に同じルートとなるが、今回はこの避難小屋に泊まる山行を計画する。この週は日本の南岸で発生した台風が四国を横断する予報となっているが、9/5(金)の午前中のうちには台風は通過するようであり、午後のバスで登山口に向かえば、避難小屋には程よく夕方に時間に到着することになるだろう。

京都の自宅を出発した時は雨が降っていたが、岡山から特急に乗り換えて瀬戸内海を渡る頃には期待と通り、上空には晴れ空が広がり始める。しかし、台風がもたらした雨によるせいだろうか、四国の山々の上には依然として厚い雲がかかっている。

伊予西条は駅前にはいくつかのホテルとコンビニがあるものの、店がほとんどなく閑散とした雰囲気である。駅から10分ほど歩いて、喫茶店マハロを訪ねる。一見、住宅街の中にあるなんの変哲もない喫茶店ではあるが、ここは伊予西条のご当地グルメである鉄板ナポリタンの名店との呼び声が高い。運ばれてきた鉄板の上に乗せられたナポリタンは麺も程よい弾力があり、確かに美味であった。

石鎚山行きにバスに乗り込んだのは私の他は若い男性が一人。登山の格好には見えなかったが、石鎚ロープウェイの駅で降りて行ったので、ロープウェイに乗り、成就の宿に泊まるつもりなのであろう。

終点の西之川で降りると、深い谷間を流れる川は緑白色の濁流となり、轟々と音を立てて流れている。上流に向かってしばらくは林道を歩くことになる。歩きはじめると早速にも数匹の虫が体の周囲を飛び回る。虫除けスプレーを袖に振りかけるが、手掌んい鋭い痛みを感じて手を見ると、蠅ほどの大きさの虫が吸血している。ブヨにしては大きいのが、アブにしては小さい。

谷沿いは独特の冷気が漂っているが、林道が高度を上げて谷底から離れるとその冷気も薄まり、高い湿度を感じるようになる。対岸にいくつかの民家が現れる。名古瀬の集落らしい。いくつかの民家は明らかに廃屋と化してはいるが、明らかに人の気配の感じられる家もある。

さらに上流に進む間にも次々と先ほどの虫の襲来により両手に刺される箇所が増えてゆく。
橋で林道を対岸に渡り、登山道に入ると最初は植林の中を九十九折りに上がってゆく。再び先ほどの林道と交叉し、標高が800mほどに達したあたりでようやく虫の襲来から解放される。虫の毒が強いのだろう、急速に手が腫れ上がり、ドラエモンの手のようになっているのだった。

斜面をトラバース気味に進み、小さな尾根を乗り越えるところで常住と呼ばれる小さな広場に出る。名称からすると山仕事のために人が常駐していたところだろうか。地図では次の鳥越までの間で水場があることになっている。沢を横切るところで、水を補給するが、少し次の谷に入ると大きな岩の下から水が湧き出している。前回の山行記を読み返すと、ここで水を汲んだことを記してあった。

登山道は鳥越に向かってしばらくはこの谷を登る。谷には霊気のような白い靄が漂っている。鳥越の手前に至ると忽然と立派な石垣と広場が現れ、荘厳な雰囲気のところだ。石垣からして、おそらくはなんらかの寺社があったではないだろうか。

鳥越からは一気に500mほどの急登である。九十九折りに斜面を登ってゆくことになる。苔むす岩が多いのは雨が多いせいだろう。標高が上がると林床には丈の低い笹が繁茂するようになる。いつしか雲の中に入ったのだろう。登山道の周囲には濃厚なガスが立ち込める。

登山道が急に平坦になったかと思うと樹林を抜け出し、広い笹原に出る。氷見二千石原と呼ばれる広大な山頂台地の一角に辿りつく。笹原の中では流れる沢が岩盤に穴が空いている。甕壺と呼ばれるものであるが、典型的な甌穴またはポットホールである。すなわち長い年月の間に水流によって礫が岩盤の上に穴を開けたものである。甕壺に流れ込む沢は以前に来た時より明らかに水が多い。

時間は17時半、ここまでかなりの時間を要してしまったが、避難小屋まではあとわずかな距離だ。18時までは辿り着くことが出来るだろう。笹原の上はかなり濃い霧が立ち込めており、10mほど先の樹の輪郭する覚束ない。笹原の中にポツリポツリと立っているのはほとんどが針葉樹であり、ウラジロモミらしい。

氷見二千石原を横断する道に出ると、あとは避難小屋までは10分足らずの水平な道である。しかし、この道に意外な難儀を強いられることになった。笹原の斜面から流れ出す水によって道は完全に水没しているのである。それでも底の厚い登山靴ならなんとかなったのかもしれないが、この日はトレラン・シューズだったのでたちまちのうちに靴の中はびしょ濡れとなる。

ようやく避難小屋にたどり着いて、小屋の中に入ると暗がりの中には三人の若い男子達がいた。前日の台風の強雨の中を石鎚方面から登ってきて、昨夜はしらさ小屋、明日は笹ヶ峰方面に縦走するらしい。避難小屋には広い2Fがあるので、昇降が多少面倒ではあるものの、2Fを占有させて頂くことにする。

まずは小屋の外で伊予西条のコンビニで求めてきたジャコ天をつまみにビーを空ける。夕食はバケットとポテト・サラダに照り焼きチキンを温める。食事を終えて、就寝すると、程なくして雨の音が聞こえたかと思うと、猛烈な雨となる。登っている間にこの雨に降られなくて何よりだった。

夜半に目が覚めると部屋の中が明るい。西側の窓から満月の光が差し込んでいるのだった。空はすっかり晴れているようだった。階下の若者達は3時に起床し、ラーメンとを茹でているようだ。満月が西に沈んだ頃を見計らって外に出ていると、逆さまになったカシオペアのW字の下で天の川が淡い光を放っている。

若者達が出ていった後で再び外に出ていると星空が霞んでいる。出発の準備を整えるて、瓶ヶ森の山頂に向かうと、雲の下から石鎚山が辛うじて見える。山頂に向かう登山道は次第に濃い霧の中に入っていく。山頂に到着すると、驚いたことに山頂はすっかり晴れているのだった。山頂の周囲では西側から雲が滝雲となって東側に流れ落ちてゆく。

「お早うございます」と声をかけてくる登山者がおられる。UFOラインを辿って、駐車場にから朝の4時に登ってこられたらしい。男山を越えて山頂まではわずかに1時間ほどとのことであった。東の方角からはUFOラインをこちらに向かってくる車のライトが目に入る。

まもなく東の剣山のあたりから朝日が顔を出す。早速にも朝陽が周囲の雲を茜色に染め上げてゆく。次第に周囲の稜線を流れる滝雲も少なくなり、稜線上の男山が雲の中から姿を現す。やがて背後の石鎚山の山頂が朝陽に輝き始めると、

再び避難小屋に降ると男女二人のカップルがおられる。避難小屋の裏手にあるテント場でテン泊されておられたとのこと。朝陽の山影となっている東乃川への登山道を下降する。ここでも登山道は水路のようになっている。果たして以前の山行はどうだったかと振り返ってみると、前回は12月であり、完全に水が凍りついていたのだった。

しばらくは九十九折りの急下降が続くが、細尾根を辿るようになると尾根の周囲はほとんどが五葉躑躅であることに気が付く。おそらくはシロヤシオであろう。花の季節に訪れることが出来れば、純白の躑躅のトンネルとなるに違いない。尾根の突端は台ヶ森と呼ばれる小ピークであり、立ち寄ってみる。ピークは樹木に囲まれて展望はなかったが、その手前からは石鎚山が綺麗に見えていた。

斜面に刻まれた細いステップでトラバース気味に下降する箇所が多いが、大雨などによりいつ崩壊してもおかしくないような箇所も少なくない。実際、この道が崩壊による通行止めを免れているのは入念な整備の賜物なのだろう。

高度が下がると当然ながら徐々に暑さが感じられるようになる。植林の中を下って行くと唐突に廃屋の民家の裏手に出る。民家を通り過ぎて東乃川にかかる小さな橋を渡ると舗装路に合流する。あとは30分ほどの林道歩きとなる。

虫除けのスプレーを振りかけるが、歩き始めるとすぐにも虫が襲来する。白い帽子を被ると頭の周りの虫は少なくなったようだが、今度は右手を二箇所ほど噛まれる。山行後、調べてみるとイヨシロオビアブと呼ばれる吸血性の虻で、一般的な虻よりも小型ではあるが、かなり攻撃的な性格らしい。最初の報告されたのが石鎚山の南麓を流れる面河渓であることに名称は由来するが、渓流には広く分布するようで、ブヨと同様に朝夕に活発に活動するらしい。これまでにもブヨと思っていたが、噛まれた時に痛みを感じるのはこの虫だった可能性が高そうだ。

防虫スプレーの効果だろうか、幸いにしてその後は噛まれることなく西之川に無事、帰還することが出来る。川の手前には小学校の校舎のような白い建物がある。かつての高宮小学校のもので、廃校となったあとは西之川少年自然の家になったが、それの使われなくなって久しいようだ。


西之川のバス停に時間は8時43分、避難小屋から2時間と少々、台ヶ森の往復に10分ほど時間を要したとはいえ、コースタイムをわずかに短縮した程度だろう。訪れる度に思うが、四国の山のコースタイムはかなりタイトに設定されているので、他の山域と異なりコースタイムの短縮は期待出来ない。

伊予西条行きのバスの時間は9時10分なので十分に余裕がある。バス停ではすでにバスが到着していたが、石鎚ロープウェイまで歩くことにする。バス停に到着すると、売店のご主人がバスの乗車券を売りにくる。バスを待つ間、冷えたコーラで休憩する。伊予西条の駅に着いたところで背後を振り返ると、山々はすでに雲に覆われていた。稜線からの景色が眺めることが出来たの朝のわずかな時間のことだったようだ。

特急いしづち号で伊予三島に移動する。ここも伊予西条と同様、駅前は閑散とした雰囲気ではあるが、駅前の通りを歩いて国道に出るとスーパーなどがあり栄えているようだ。温泉施設の湯遊び広場を訪れると、午前中であるにもかかわらず賑わっていた。湯上がりにスーパーに入っていると近辺の血酒が色々とあるので、思わず2本ほど購入する。近くのラーメン店りょう花で珍しい塩つけ麺でランチをとった後で、出張先の高松に向かうのだった。

夜に京都に帰宅しても依然として左手はドラエモンの手のように腫れ上がった状態のままであった。夏の季節にここを再訪する際は虫対策に気をつける必要があるということだ。

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