沼原湿原〜深山湖〜三斗小屋宿跡〜朝日岳〜姥ヶ平


- GPS
- 11:03
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 1,516m
- 下り
- 1,516m
コースタイム
- 山行
- 9:27
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 11:02
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 幸乃湯温泉:17時以降で500円と安かった。打たせ湯のある露天風呂と内湯。女性客と日替わりで露天風呂が変わるらしいので,曜日を変えて再訪したい。 https://www.satinoyu-onsen.info/%E6%B8%A9%E6%B3%89-%E5%AE%BF%E6%B3%8A-%E6%97%A5%E5%B8%B0%E3%82%8A/ |
写真
感想
紅葉の季節が始まったようなので,以前から行きたいと思っていた姥ケ平をメインに,未だ歩いていない処をつなぐ周回ルートを計画した。夜明け頃に歩き出せるように自宅を1時20分頃に出発する。下道を通って宇都宮ICから高速に入り,何時ものように上河内SAでウドンを食べる。順調に走って,予定通りに5時10分に駐車場に到着する。未だ暗い中,既に3,4台が停まっているが,誰も居ない様子なので小屋泊まりかもしれない。空は雲が少し多めの晴れといったところで,気温は8℃だった。
身支度を整え,トイレを済ませて明るくなったところで歩き始める。沼原湿原までは3度目なので気楽に足を進めるが,樹林帯の中は未だ薄暗いので周囲の気配に気を配る。直ぐに右手の笹原から大きなガサッという音がしてビクッとしたが,大きな鹿が跳ねていった。そう言えば,駐車場に居る時からシカの鳴き声が方々から聞こえていた。
沼原湿原まで着くと周囲が開け,上空には月が綺麗に残っていた。雲も薄れて今日は天気が良さそうだ。湿原の向こうには8月に登った大倉山から流石山の稜線が遠望できた。少し歩くと鹿除けの柵があったが,何故だか扉が外されて出入り自由になっていた。路は良く整備されていて歩き易く目印も多かった。一登りすると,後は小さな起伏になり,すぐに「中頭山」と書かれた木札の懸かった小ピークを通過する。両側は樹木で囲まれているので眺望は殆ど無いが,葉を通して朝陽が差し込んでくるので気持ち良い。惜しむらくは未だ殆ど紅葉が無かった。10分余りで鬼が面山に到着するが,ここも眺望が無いので写真だけで立ち去る。
直ぐに降りとなり林道を横切ると傾斜が増す。暫く山道を下った後,石段を下りると,再び傾斜が緩やかになり,かつては車も通ったと思われる道に出た。しかし,石や木の枝が散乱していて歩くのにも邪魔になるほどだった。これが草の生えた砂利道に変わると,ススキが出てきて周囲も明るくなる。緑色の深山湖を挟んだ山並みを見ながら,殆ど傾斜のない路を行くと鬼が面山登山口に出た。
立派な舗装道路が南北に走り,南には何かの建屋があった。帰ってから調べると「森の発電おはなし館」らしい。北に向かい,直ぐの処に架かる鬼が面橋を渡って,深山湖沿いに県道369号線(黒磯田島線)を歩く。湖の北端にある発電所の辺りから後を振り返ると,逆光の中に鬼が面山方面の尾根が光っていた。発電所に向かう道へ分岐する少し手前で,西に向かう路に入る。再び砂利道となったが,歩き易く快調に進む。
駐車場から3時間ほど歩いてきたので,三斗小屋宿跡への壊れかけた標識がある分岐点で小休止。しきりに聞こえるシカの声を聴きながらコンビニおにぎりを食べる。涼しい風が気持ち良く,汗もほとんどかかない。この分岐の直ぐ先で湯川を渡る橋となるが,ゲートがあって一般車はここまでとなっていた。更に30分ほど進むと,麦飯坂方面からの道との合流点に出る。ここから宿跡までは去年も辿った路で勝手が分かっていた。たしか何匹かの猿に出くわしたなと思って歩いていると,大きな雌ジカが路を横切って逃げていった。
宿跡からは,流石山から大倉山への稜線が青空の下に浮かび上がり,8月の山行を思い出させてくれる。今回は山之神社への参詣は割愛させてもらい,小休止の後に三斗小屋を目指す。兎に角,雲の多くならない内にできるだけ高い処に登り,景観を楽しみたかった。湯川への降り口前の小広場には車が3台停まっており,1台の脇にビールの入った段ボールが3箱置いてあった。多分,小屋の人がこれから荷揚げするのだろう。
湯川を古い木橋で渡り,登山道を登り始める。ここも幅は狭いが良く整備されていた。歩き始めて少しの所で,いきなり前方から大きな足音が聞こえ,熊かとギョッとする。しかし,現れたのは駆け下りてくる若い男性で,背には背負子をしょっていた。先ほどのビールを担ぎ上げに戻ってきたのだろう。ご苦労様です。更に三斗小屋温泉までの間に,休憩中の2人連れに先を行かせてもらったのが,前半に出会った人の全てだった。温泉から先は人が増え,特に朝日岳から茶臼岳への稜線上は多くの人で賑わっていた。
三斗小屋温泉の大黒屋前のベンチで一休みした後,小屋裏にある路から登り始める。温泉神社を経由して暫くで周囲の山が見え始める。温泉源では,勢いよく吹き出す白い蒸気が青空に良く映えていた。この辺りからは黄や紅に染まった樹木が増え,秋の景色を堪能できた。白い雲の浮かんだ青空と相まって最高の山日和である。
景色を楽しみながら,源泉から200m程登ると隠居倉に到着。女性が一人もぐもぐタイムだった。既に朝日岳を登り,今日は三斗小屋泊まりとのことだった。自分もアンパンを食べながら360°の景色を堪能する。茶臼,朝日,三本槍は勿論のこと,流石山から三倉山への稜線,遠くは尾瀬の燧ヶ岳の方まで見えて大満足である。この天気が最後の姥ヶ平までもってくれればなと願う。ただ,雲は少しずつ増えてきているようではあった。
ずっと眺めていたい気持ちを振り切って,次のポイントを目指す。一旦,小さく降った後に,緩やかな登りを少しで熊見曽根に着く。ここからの景観も素晴らしかったが,朝日岳への最後の登り道が印象的だった。早々に肩を経由して朝日岳に登頂する。
朝日岳の山頂からも全方向の景観を楽しむことが出来た。特に三本槍岳の右横に顔を覗かせている旭岳の三角錐には登ってみたい気持ちを掻きたてられた。8年ほど前に茶臼岳を経て朝日岳に登った際には天気が悪く,白い霧の中を震えながら登ったので,印象が良くなかった。今回は最高のコンディションの中の登山で,一遍に好感を持ってしまった。ただ,この時点で茶臼岳には雲がかかり始めていた。
再び朝日の肩まで下り,分岐を茶臼岳に向かう。朝日岳から南側に延びる岩稜の綺麗なスカイラインがのびやかで気持ち良い。もう登るだけのパワーが無いのが少し寂しい。一方,剣が峰の方は下から見る限りは何とかなりそう。今日は先があるのでパスするが,何時か登ってみたいと思った。
避難小屋を通り過ぎ,硫黄鉱山跡の分岐に来たところで,ベンチに腰を下ろしてスマホを充電器に接続し,カメラのバッテリーを交換する。いよいよ本日のクライマックス,姥ヶ平に向かう。既に下の方に姥ケ平の白い平地が見え,それを囲む錦秋が鮮やかに見えている。歩いている多くの人も見え,皆さん目的は同じようだ。周囲を見回しながら,姥ヶ坂から色付いた葉の間を降ること20分で姥ヶ平に到着した。
紅葉の向こうに荒々しい茶臼岳が構えており,本当に見事だ。更にひょうたん池まで来ると,水面に映った茶臼岳も含めて一幅の絵になった。残念なのは,太陽が雲間に隠れてしまっているので,100点満点とはいかないことだ。とは言え,朝からの行程を含めて十分に楽しめた山行だった。後は,以前にも通った日の出平登山口を経由して駐車場まで。日が暮れるのが早くなっているので少し急ぎ足で歩くが,疲れも溜まってきておりスピードが出ない。何とか日没前に駐車場に着いた時には6台が停まっていたが,皆帰る直前で,着替えをして駐車場を出る時には2台になっていた。疲労感と満足感を感じながら,暗くなり始めた道路を走った。
事前に調べておいた初めての温泉で露天風呂に浸かり,ゆっくりと手足をマッサージする。気持ちの良い温泉だったので再訪したいと思った。高速までの道中にあった定食屋の海鮮丼で腹を満たした。一寸予算オーバーだったので,高速は一部だけにして殆ど下道を走り,3時間のドライブで22時過ぎに帰宅した。
今回は通常の登山道だけだったのでルートに関しては気楽だった。ただ,前半はクマの出没が多そうな地域で,人通りも殆ど無いので鈴を目一杯ならしながら歩いた。去年12月に行った千葉の梅ヶ瀬渓谷以来の紅葉巡りで,十分に満足できた山だった。今度来るときは,是非とも青空をバックにした紅葉が楽しめればと強く思った。
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