鏡の沼、風の稜線―須立山をめぐる秋の記録

- GPS
- 06:31
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 815m
- 下り
- 820m
コースタイム
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:31
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
写真
感想
甲子温泉からトンネルの方を見ると黒い雲。
トンネルを抜けたら、少しだけ小雨が落ちてきた。
でも天気予報では昼から晴れの予報。信じて行くことにした。
この日は、風の様子を何度も見ながらの出発だった。
ヨロイ沢駐車場6:50出発。
林道から鏡ヶ沼の分岐に入ると、黄金色のカラマツ林。
針のような葉がはらはらと落ちてきて、なんとも言えない雰囲気。
鏡ヶ沼に着くと、名前のとおり静かで、空をそのまま映していた。
まるで鏡の中に妖精がいるような感じ。
ここで、ゆきさんと打ち合わせていたハロウィンの衣装撮影と魔女ジャンプ。
2回目で息がぴったり合って、いい写真が撮れた。
笑いながら撮影を終えて、少し休んでから出発。
会津の方から青空が広がってきて、「これはいける」と思った。
鏡ヶ沼から尾根に上がるまではロープのある赤土の急坂。
心配していたけれど、ゆきさんは沢登りで鍛えた足さばきでスイスイ登っていく。
尾根に出ると、一気に景色が開けた。
三本槍岳、裏那須、旭岳、それから振り返ると鏡ヶ沼。
どこを見ても素晴らしくて、「ここが那須でいちばんかもしれない」と思った。
途中で山の会の4人組と出会った。
避難小屋泊で三本槍に行くとのこと。
偶然だけど、なんだか必然のような出会いだった。
須立山に到着。標高はだいたい1,720m。
ぐるりと360度の景色が見渡せて、「天空の応接間」みたい。
風は少し冷たいけど、雲が流れるたびに光が差して気持ちいい。
そこから先はいきなりガレ場の急坂。
ロープはあるけれど、石を踏み間違えると滑りそう。
でもゆきさんは笑顔のまま軽々と下っていった。
「強くなったなあ」と心の中でうなずく。
谷に下りて振り返ると、須立山がピラミッドみたいに見える。
もう一つ斜面を下ると、今度は気持ちのいい稜線歩き。
変化が多くて、歩いていて本当に楽しい。
途中で甲子旭岳への分岐を見逃してしまった。
道が少し斜めになっていて、歩きにくいところが続く。
そのまま進んで坊主沼と坊主沼避難小屋の分岐に着いた。
「分岐逃したね」と笑いながら、せっかくだから行ってみることにした。
坊主沼は静かで、風が通るたびに水面が揺れる。
避難小屋の木の壁がギシギシと音を立て、それもまた山の音。
そこから戻って旭岳方面を見たら、もう藪で進めそうにない。
無理せず引き返すことにした。
下山の途中、朝に会った4人組と再びすれ違う。
さらに若い登山者にも2回会って、なんだか不思議な一日だった。
鏡ヶ沼、須立山、坊主沼。
それぞれ違う表情を持っていて、全部合わせてすばらしいコースだった。
沼、稜線、急斜面、展望。どれも印象に残る。
このルートは、那須の岩太郎お気に入りコースになった。
帰りに日暮の滝と観音沼に寄ったら、紅葉がちょうど見ごろ。
下山して少ししたら小雨が降ってきた。
「完璧なタイミングだったね」と笑い合った。
山が一日の流れを見守ってくれていたような気がした。
最後は甲子温泉みやま荘へ。
湯舟の色が赤茶に変わる源泉で、体をゆっくり整えた。
湯気の中で、今日の景色がいろいろ浮かんできた。
静・急・風・偶然。
すべてがひとつの流れになった那須の一日。
鏡ヶ沼の静けさに始まり、須立山の風で終わった。
山と人の呼吸が、静かに重なっていった。
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※今、ヨロイ沢登山口のまでは、工事中の箇所あり、
土日は、自己責任で、ヨロイ沢駐車までいけるが
運転は細心の注意が必要。
登山ランク:4「険」
鏡ヶ沼から尾根までは赤土の急斜面、須立山からは長いガレ場の急降。
踏み石選びを間違えると危険で、風の強い日は中止判断も必要。
単独行は避け、経験者同行が安心です。
距離:約10km(往復)
累積標高差:±800m前後
行動時間:7時間30分(撮影・休憩含む)
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那須の岩太郎
yuki














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