【湖北】妙理山・大黒山の沢登り(鷲見川ぶらぶら)

- GPS
- --:--
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 1,070m
- 下り
- 1,068m
コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
・ 鷲見川は高時川支流の谷で、大黒山や妙理山など、湖北の粒よりのブナ山の水を集める。高時川本流との出合にはかつて鷲見集落が存在していた(平成7年に集団離村)。 ・ 鷲見川沿いの林道は、ところどころ崩壊や藪っぽい箇所もあるが、歩行は十分可能。林道の付き方は概ね地形図に一致している。ただし、地形図上に記載のある2つの橋は失われており、渡渉必要。 ・ 鷲見川は概して穏やかな谷で、目立った滝場としては、B谷下部の30m段瀑区間やC谷・D谷の二俣にある4段8m滝(C谷)と7m斜滝(D谷)くらいだろうか。あとは小滝が散発的に出てくるのみ。古くから鷲見集落の住民の方々が製炭など山仕事のために入られていた谷のようで、大木はあまりないものの、全体的に自然林に包まれており、藪っぽさもなくすっきりしていて谷自体の雰囲気は良いので、妙理山や大黒山などへの登路としては推奨できる。 |
写真
装備
| 備考 | ・ フェルトソール沢足袋使用 ・ 20m補助ロープのみ携行(使用機会なし) |
|---|
感想
最近、気がつけば高時川源流の谷によく通うようになった。京都から比較的短時間で行けるし、どれも小粒で入る人がほとんどない割には意外な変化を見せてくれる枝谷群に惹かれるのもあるけれど、何よりもただ、この流域の雰囲気が好きなのだ。現在人家がある最後の集落である菅並集落を通過し、うねうねと蛇行する高時川の上流に向けて車を走らせていくと、本当に奥地に入りつつあるような気分になる。気まぐれで入った谷の源頭部では、必ずと言っていいほどビックリするような巨樹に出会えるのも魅力だ。もちろん、既に集団離村されてしまったが、小原や田戸、鷲見、奥川並など、奥丹生谷(丹生谷は高時川の別称)七箇村が長年にわたり山河に刻んできた深い歴史もある。何となく、自分が勝手な愛着を寄せている山域の一つである奥美濃によく似た雰囲気を帯びている気がする。そういえば、一つ稜線を越えればそこは揖斐川源流域、まさに奥美濃。この2つのエリアは地理的にも近しく隣り合っている。
今回入ったのは高時川支流の鷲見川。かつて高時川本流との出合に存在していた鷲見集落の人々の生活と共にあった川である。本来なら鷲見集落の鎮守である八幡神社に参拝してから入渓したいところだが、同社は集団離村とともに余呉東野にお移りになってもうない。
何本かの枝谷を回ったが、どれも穏やかな谷だった。製炭を主たる生業としていた鷲見集落の人々が築いたと思われる古い炭焼き窯が随所に残り、往時が偲ばれる。目立った変化は多くないものの、鷲見川は爽やかな清流だし、ほどよく人手が入った山里の自然が美しく残り、落ち葉の散り敷いた晩秋の谷をカサコソ、ジャブジャブと歩いているだけで、何となく豊かな気持ちになる。ブナの森の待つ妙理山や大黒山への隠れた登路としておすすめ。
ここからは余談だが、普段、マイナーな山をマイナーな季節にマイナーなルートでばかり登っているおかげで、山の中で人に会うことはめったにないのだが(そのため、人に会うとそれだけで小さな事件となる)、今回は妙に人に会う山行だった。
まず、鷲見川のC谷の奥で、単独のハンターに出会った。まさかそんなところで人に出くわすと思っておらず、しかもよく見ると肩に猟銃さえ担いでいるので、びっくりしてしまった(先方もびっくりされていたが)。その方からは、何時ごろから山に入ったか、どのあたりを歩いたかを順番に聞かれた。答えると、「ああ、だからシカが全然おらんかったんか、おかしい思ってたんや」と渋い顔をされている。どうやら、私のような沢徘徊者が無遠慮に歩き回ったおかげで、知らない間にエモノを追い払ってしまっていたらしい。すみません。そのうち、もしかしてこの人は鷲見集落の元住民の方なのでは、と思われてきた。わしらの山に勝手に入りおって、と怒られるかもしれない。恐る恐る「鷲見の方ですか?」と聞いてみると、「違う違う、余呉町のモンや、あそこにはもう誰も住んどらん」とのこと。どうやら違うみたい? とりあえず怒られなくてよかった。
また、下山してから鷲見集落跡の前に停めた車の中で着替えをしていると、一台の軽自動車が菅並方面から走ってきて、そのまま走り過ぎるかと思いきや、私の車の横に停まった。何ごと? と思っていると、初老の男性が運転席から降りて来て、「この道は中河内のほうへ通り抜けできるのか?」と聞かれた(そっち方面に通り抜けたことがなくて分からないです、すみません)。そこからトチノキの巨木に関する話が始まった。男性は滋賀県の大トチに関する本を取り出してきて、奥川並に幹の周囲9.8mの県下一の大トチがある(知らなかった…)、自分はそれを見たい、今日はその下見だ、と熱く語った。話題は朽木の平良にある大トチの話や、ブナの大木もなかなかかっこいいが巨木としての格はトチの方が上や、などなどディープな方面に膨らみ、どちらかというと巨樹には目がない私としても時間が許す限りゆっくりとお相手をしたいところだったのだが、折悪しく私は沢歩き後の着替えの真っ最中で、タイツ履き替え中に声を掛けられたため、あいにく下半身がほぼ半裸状態の情けない姿であり、寒くて仕方がない。すみませんが今着替え中で…と誠に遺憾ながら話を切り上げさせていただいた。でもあの人が持ってた滋賀県の大トチの本、欲しいな。買おうかな。
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