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記録ID: 93290
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無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

秩父 矢岳 (武州日野―矢岳―武州中川)

2011年01月03日(月) [日帰り]
 - 拍手
GPS
06:43
距離
11.6km
登り
1,237m
下り
1,246m

コースタイム

武州日野駅 8:07―9:10 585m峰上鞍部 9:18―9:47 820m峰 9:52―11:39 矢岳頂上 12:13―13:05 1040m峰 13:13―13:45大反山―14:30 車道 ― 14:50武州中川駅
天候 晴れのち曇り、小雪ちらつく
過去天気図(気象庁) 2011年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
最寄駅は秩父鉄道の武州日野、武州中川の二駅で、駅から登山口まではすぐ。駅前には立派なトイレがあるが、店などはない。駐車場などはないが、車で来ても停める場所には困らないと思う。
コース状況/
危険箇所等
矢岳は時折ガイドブックにも登場する山だが、整備された登山道はないと思ったほうが良い。一般的な道は、今回下りにとった武州日野からの道だが、道がはっきりしない個所や、落ち葉に埋め尽くされて足場の悪い急斜面の登降がある。頂上に至るまでには何度か上下を繰り返さねばならず、かなりのアルバイトになる。

登りには武州日野からとりつく北尾根を選んだが、これも踏み跡程度で整備された道ではない。この北尾根は、平成9年に下りにとった登山者が滑落事故を起こしたとのことで、矢岳頂上には北尾根に入らないように記した注意書きの板があるが、雪のない時期に登りにとる分にはこれといった問題個所はない尾根である。今回はルート上には雪はほとんどなく、1000m以上でところどころにうっすら溶け残っている程度だった。登りにとるには武州中川からのルートより、下りがない分だけ楽かもしれないが、道のないルートなので山慣れた人以外には勧められない。

北尾根へは、武州日野駅前で国道に出ず、すぐ右手の細道をいき、安谷川に沿って奥へ入り、「明ヶ指・たまご水」の指導標に従って歩く。安谷川に降りて木橋で対岸に渡り、林道に出たら右に行くと、キャンプ場を過ぎてやがて小さな別荘地の前に出る。そこでたまご水方面へ向かわず、別荘地の中を登り、道が途切れたらそのまま足場の悪い斜面を適当に登り、あとは尾根通しに登っていく。

585m峰を越えてすぐ壊れた祠があり、急登と緩やかな個所を繰り返しながら登っていく。途中何箇所か露岩が出てくるが、問題になる個所はない。急登を過ぎて1130m地点で右からの尾根と合すると、頂上まではもうひと登り。忠実に尾根を詰めきったところが頂上だ。三角点(1357.9m)は最高点よりすこし北側によっており、頂上は1359m位はありそうだ。山頂は樹木に囲まれており、樹間からわずかに長沢背稜、両神山、御荷鉾山などが見える。

下りの武州中川への道は山頂から北北東へとテープを頼りに降りていく。落ち葉の積もった足場の不安定な急斜面の下りが数か所あり、雪がうっすら積もった時など厄介そうだが、道を誤る心配は少なく、1144m峰、右側が伐採されて眺めのある1040m峰と過ぎ、962m峰で左へ折れて送電鉄塔のある大反山との鞍部に下る。鉄塔の巡視路を探して左へ下れば芦川経由武州日野方面へ出られそうだが、ここは正面を70m登り返して大反山頂上へ。頂上は平らな樹林の中で道を失いやすい。頂上からは真北の若御子山(730m圏の小ピーク)経由で下るつもりだったが、テープを追いかけるうちに一本西の北西尾根に下りかけてしまった。2万5千図上、先に道があるようなのでそのまま下ると、結局これが正解で、やがてはっきりしたジグザグ道に出た。右手に回り込んで沢を渡ると間もなく車道に出て、さらに15分ほどで武州中川駅に着いた。
安谷川を渡る
2011年01月03日 04:15撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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安谷川を渡る
820m峰から振り返ると東御荷鉾山(左端)が見える。その右下に白く見えているのは苗場山手前の上ノ倉山(2120m)を中心とするセバト連嶺。ほとんど人に登られない藪山だ。
2011年01月03日 05:31撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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820m峰から振り返ると東御荷鉾山(左端)が見える。その右下に白く見えているのは苗場山手前の上ノ倉山(2120m)を中心とするセバト連嶺。ほとんど人に登られない藪山だ。
820m峰から北方向の眺め。遠方中央に高く見えるのが日光の奥白根山(2578m)その左に錫ヶ岳(2388m)、笠ヶ岳(2246m)、三ヶ峰(2029m)。奥白根山の手前に皇海山(2144m)が重なって見える。
2011年01月03日 06:13撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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820m峰から北方向の眺め。遠方中央に高く見えるのが日光の奥白根山(2578m)その左に錫ヶ岳(2388m)、笠ヶ岳(2246m)、三ヶ峰(2029m)。奥白根山の手前に皇海山(2144m)が重なって見える。
標高950m付近から見る城峰山(中央、1038m)とその奥に谷川連峰。城峰山の右肩が谷川岳、左に万太郎山、仙ノ倉山、平標山
2011年01月03日 06:13撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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標高950m付近から見る城峰山(中央、1038m)とその奥に谷川連峰。城峰山の右肩が谷川岳、左に万太郎山、仙ノ倉山、平標山
山頂の標識
2011年01月04日 08:59撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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山頂の標識
1040m峰から見る武甲山(左)と小持山、大持山(右)
2011年01月03日 08:58撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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1040m峰から見る武甲山(左)と小持山、大持山(右)
1040mから見る有間山。平らな稜線が特徴的。
2011年01月03日 08:59撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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1040mから見る有間山。平らな稜線が特徴的。
1040m峰から振り返る矢岳(右の三角の山)。中央雪雲に隠れているのが七跳山(1651m)、その左大平山(1603m)
2011年01月03日 09:14撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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1040m峰から振り返る矢岳(右の三角の山)。中央雪雲に隠れているのが七跳山(1651m)、その左大平山(1603m)
武州中川駅付近からの熊倉山。雪雲に包まれている。
2011年01月03日 10:55撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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武州中川駅付近からの熊倉山。雪雲に包まれている。
2011年01月03日 10:57撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
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撮影機器:

感想

正月で埼玉の実家に帰省したのを利用して、以前から気になっていた秩父の矢岳に登ってみました。矢岳は古いガイドブックなどでは「玄人好み」「篤志家向きの山」などと書かれていますが、平たく言えば苦労に見合う見どころの少ない山、ということになるでしょうか。大体、矢岳という名前はついていますが、この山の実態は、長沢背稜から北に階段状に延びる尾根上の一段、というに過ぎず、目立ったピークではありません。麓からの標高差は結構あり、上り下りの苦労が大きい割に山頂は樹林に囲まれて眺めもすっきりしない。道理で登る人も少なく、そのため道も整備されず、さらに人を遠ざける、という循環になっているように思います。西隣の熊倉山と比べても一段と地味な山です。その反面、山でいい汗をかいて、静かな一日を過ごしたい人にはうってつけの山といえるでしょう。

途中から曇ってきましたが、この日は正月で経済活動が止まって空気が澄んだ上、関東南岸に小さな低気圧ができて冬型が緩み、上信越の脊梁山脈を見るのには素晴らしい日でした。木々に遮られて存分眺めを楽しむわけにはいきませんでしたが、それでも浅間山から草津方面、谷川連峰から尾瀬の至仏山、日光連山がはっきり見えました。登りに3時間半、下りも2時間半の充実した一日でした。

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コメント

お疲れ様です
以前にまったく逆で歩きました。懐かしいです

http://roadman1971.naturum.ne.jp/e694642.html
2011/1/6 2:42
コメントありがとうございました!
Roadman1971さんこんにちは。

実は、今回のルート選定では、お示しいただいたRoadman1971さんのHPと、そこにリンクがあったkomadoさんのページ(http://www.geocities.jp/yama_archive/2005.05.03.htm
 )を参照させていただきました。情報ありがとうございました。ヤマレコにも参加されていたのですね。世間は狭いものです。

逆コースだと確かに下りの尾根を外しやすいですね。どちらから登るにしても、渋い山でした。。。
2011/1/6 10:52
プロフィール画像
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