愛宕山縦走☆三頭山〜地蔵山〜ツツジ尾根


- GPS
- 02:59
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 949m
- 下り
- 1,210m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山はJR保津峡駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
三頭山西尾根は多数の倒木により限りなく荒れている。 その他は良好に整備された一般登山道 |
写真
感想
午前中、亀岡で予定があったのだが、亀岡から愛宕山にアプローチすることを考える。愛宕山へは幾度か登っているが、最後に登ったのはヤマレコを始める前だったので、ヤマレコの赤線が愛宕山を通っていない筈である。
以前より気になっていた三頭山から愛宕山へと縦走することは出来ないか思ってバスの時間を確認すると、丁度、用事が終わったタイミングで亀岡駅から山陰本線に乗ると八木駅で三頭山への登山口にアプローチする原行きのバスに乗りつぐことが出来るようだ。ちなみにこのバスは一日わずか3本のみである。
八木駅で京都交通のバスに乗り込んだのは私一人のみであった。途中、古い石垣が並ぶ集落の中をバスがようやく一台通るのにギリギリのところを通過してゆく。おそらく運転手は相当に神経を使うことだろうが、果たしてどれほどの乗客がこのバスを利用するのだろうかと心配になる。
どんどん橋でバスを下車すると、集落の中を登ってゆく細い舗装路を辿り星峠を目指す。集落の奥まで登ると、まさに猫の額ほどの小さな棚田が続いている。わずかばかりの棚田でも貴重なのだろう。
棚田を過ぎると舗装路は杉の植林地へと入り、かなりの急勾配を登ってゆく。杉の樹間からは形の良い地蔵山と、その西側に広がる棚田が垣間見える。越畑の棚田だろうか、訪れてみたいところだ。
峠までたどり着くと小さな雨よけが作られている。雨よけの下にはかつてはお地蔵様が鎮座しておられたのではないだろうか。星峠からはいよいよ山道となる。なだらかな尾根道となり、快足に距離を稼ぐ。
しかし三頭山の西尾根の急登が始まると、道は多数の倒木で荒れている。倒木が登山道を塞いでいるせいで登山道を通ることが出来ず、薄い踏み跡を辿ることになる。山と高原地図では実線で記されてはいるものの十分に難路の範疇に入る道となっているようだ。
地蔵山からの縦走路と合流し、三頭山の山頂へと至る道に入ると途端に踏み跡の明瞭となる。この道は送電線巡視路を兼ねているからだろうか。快適な尾根道を辿るとすぐに樹林の中の小さな山頂広場にたどり着く。PH氏の山名標は三角点の北側の小さな広場にあった。道がかなり荒れていたがこの三頭山まで40分でたどり着くことが出来れば、予定通りのコースタイムである。
早速、折り返すと先ほどの鞍部に戻り、地蔵山を目指す。芦見峠への下に入るとすぐに送電線鉄塔に出る。送電線の下は広範囲に伐採されており、羊歯が繁茂する草原となっており、目の前には地蔵山の展望が大きく広がる。
伐採地を過ぎると芦見峠までは杉の植林地の中を下ってゆく。林道を越えて、登り返しに入ると再び送電線の下の伐採地で下ってきた三頭山の尾根を振り返る。伐採地を過ぎるとしばらくは杉の植林地となる。
やがて自然林の尾根に入ると下草のほとんどない広々とした林が広がるようになる。この自然林は実に雰囲気の良いところで、足早に通過してしまうのが勿体無いくらいの快適な美林である。楓の樹々も多いので、紅葉の季節はさぞかし美しいことであろう。思わず歩調を緩め、林相を愉しみながら歩くうちにいつしか足元の踏み跡が全くなくなっている。二重尾根となり本来の登山路から外れて尾根の間のなだらかな樹林に入り込んでしまったようだ。しかし、樹林の雰囲気がいいのでそのまま樹林を進み、二重尾根が終わったところで西側の尾根へと登ると、すぐに明瞭な踏み跡が見つかった。
美しい林相の自然林は終わり、アセビやネジキの低木の中を進むようになる。登山路の右手に防鹿ネットが現れるが、ネットは所々に大きな穴が空いており、すでにその役を果たしていないものと思われる。ネットに沿って灌木の中を辿る。防鹿ネットが切れたあたりで登山路を少し西側に外れたところ、灌木の中にお地蔵様がおられる。
地蔵山の山頂・・・、丁度1時間半、想定通りのコースタイムだ。次はいよいよ愛宕山。地蔵山の山頂から少し南下すると低木の樹林の向こうに特徴的な愛宕山の山頂が目に入る。地蔵山を下ると途端に道が良い。ここまでは多くの人が往来するのだろう。
愛宕山に向かって稜線が東にカーブしてゆく。反射板のあるピークに向かって鞍部から登り返すと地蔵山のビークを展望する。右手には亀岡の市街に西陽が輝いている。反射板を過ぎて愛宕山に向かうと、杉林の中にかつての愛宕山スキー場の案内板がある。ここまで想定通りのコースタイムで来ているので、少しスキー場の跡地に寄り道することにしよう。
杉林を抜けて左手の斜面に飛び出すとなだらかな緩斜面が広がっており、正面に竜ヶ岳を望む。斜面には既に木が生えて、かつてのスキー場の趣は失われている。この樹林の中を散策するのも良さそうだが、それはまたの機会にして先を急ぐことにしよう。
小さな鞍部を過ぎると愛宕山へは尾根の東側のなだらかな林道を進む。この林道は随所に好展望が開け、京都の北山の山々の向こうに蓬莱山から武奈ヶ岳に至るまで比良の山々まで綺麗に見える。斜面を吹き上がってくる風は肌寒く感じられる。
愛宕神社にたどり着くと流石に時間が遅いせいだろう、山頂のあたりはひと気はなく静寂に包まれている。2時間ほど走り続けてきたせいだろうか、長い石段を登る足取りはいつになく重く感じられる。お参りを済ませて静かな山道を下り始めると、参道を下る数組の登山者達に追いつく。普通に清滝に下るには最終の時間帯だろう。
水尾別れを過ぎると清滝への参道を見送り、ツツジ尾根へと入る。間も無く登山道は急下降となり、荒神峠までは急坂が続く。保津峡まではかなりの距離があるので、緩やかに下るのかと思いきや、地図をよくよく見てみるとこの荒神峠までに一気に高度を下げるようだ。下るにつれて空気に暖かさを感じる。
杉林の中の鬱蒼とした荒神峠を過ぎると明るい自然林の尾根が続く。尾根のトレイルはなだらかであり、快足に飛ばすことが出来る。やがて尾根の先からJR保津峡駅の列車の接近を知らせるアナウンスが聞こえる。この奥深い山間で聴くにはなんとも非現実的な音声である。
樹間から保津峡の橋の上にあるJRの駅が見えたかと思うと亀岡方面行きの電車が到着する。保津峡の駅では最後に愛宕山に登った時には出店があってビールも売られていたが、駅前には人の姿ものなく森閑としている。ホーム上には鉄道マニアと思われる立派な一眼レフを抱えた男性が一人いるばかりであった。
次の列車が来るのを保津峡の流れを眺めながらのんびりと待つ。山陰線の列車に乗ると、保津峡の次の嵐山駅では多くの観光客が乗り込み、それまでの閑散とした車内は瞬く間に満員電車となり、一気に京都の街の喧騒が充満するのだった。
コメント
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yamaneko0922さん、こんばんは
日曜日は愛宕を走っておられたのですね。奇遇にも私も走っていました!
一部重なるコースですが1時間ばかり私の方が早い時間でだったようです。
少し涼しくなって、走ってもちょっと楽になりました。
なんと!滅多にお休みのない人がよりにもよって私の少し前を走っておられたとは!
私は愛宕山は2年ぶりでした。
昨日は始終、涼しい風が吹いていて、トレランに格好の午後でしたね。
さすがにその時刻のバスは登山客も利用されないでしょうね。そのルートを歩くときは、始発か第2便に乗ります。それにしても早〜いです。私なら保津峡駅に着いたときには星空が見えていますよ。
第3便は、越畑・原(樒原)まで行くので登山客は、その便が殆どです。秋などのいい季節には、立ち席の時もあるんですけどね。
三頭山への尾根道は、だいぶ荒れているようですね。情報ありがとうございます。
yamanekoさんのレコは、情景が目に浮かぶような感じで詳しく色々なことに触れられているんですが、地蔵山への杉の植林地にて朽ち果てた小屋のことには触れられていなかったので、もう目に付かないほどに朽ち果てたか、昔の面影など無くただの残骸に映ったんでしょうね。
越畑スキー場の売店だったとか。珍しい「mission cola」の看板も掛かっていたんですけどね。あの看板どこ行った?? 売れそうな…
ググったら状態のいい看板だと最高落札価格139,000円ですって! まあ100円も付かないだろうと思われる状態でしたけど。
つつじ尾根を下っていると嵯峨野線の電車の音が聞こえてくるようになり、アナウンスまで聞こえますよね。駅も近いなって安心感が出るころにあのガレた下りは要注意なんですけどね。
ホームに撮り鉄さんがおられたんですね。たぶん、京都よりの反対側におられたのでは? トロッコ列車の撮影にいいポイントがあります。
先ほどのガレた急峻部にも撮影スポットがあり、16時前の亀岡行きを狙って構えておられる撮り鉄さんを幾度か見かけました。
HB1214さんも愛宕エリアをトレランされていたんですね。みなさん凄いです。絶対山道なんか走れません。歩くのも精一杯。
ザックを押えてフラットな稜線と林道を小走りしたのは、野呂川出合で最終バスに乗り遅れるとその日のうちに帰って来られなくなる状況だけです。
ののさん コメント有難うございます。
ののさんも4月のコバノミツバツツジが美しい季節に三頭山から愛宕山を越えて保津峡まで歩かれておられましたね。実はののさんが歩かれた時のログをダウンロードして行きました。三頭山の東尾根を下る余裕はありませんでしたが
三頭山の西尾根はののさんが歩かれた時は荒れていなかったのだろうか・・・などと思いながら登っておりました。
>地蔵山への杉の植林地にて・・・
小屋があったんですか!不覚にも見落としていたようです。今度、訪れる際は注意深く探してみます。
>京都よりの反対側におられたのでは?
その通りです。16時42分頃、嵯峨野行きのトロッコ列車が保津峡の上流から近づいてきたので私も慌てて反対側のホームに移動したのですが、撮影には間に合わず。しかし、その時には撮り鉄さんは既に京都側のホームに移動しておられたような。
no2さん、こんにちは
いつもレコを参考にさせてもらってます。今回も竜から地蔵へと滝谷越えでいこうかと考えていました。もちろん、no2さんのレコを参考にです。ただ清滝の駐車場が閉まる時間が気になったので果たせず終いです。実は地蔵山へは中学生の頃から行っていません。クマザサのひどい藪だったことだけ記憶しています。今度は久しぶりに行ってみます。
地蔵山も熊笹の藪に覆われた山だったのですね。私は昔の北山のことはわからないのですが、八丁平から鎌倉山のあたりも背丈を越える熊笹が繁茂していたと聞きますし、芦生の森のあたりもそうだったようですね。
笹が消えたのは鹿害という話を聞きますが、背丈を越える熊笹はさすがに鹿は食べないようです。竹や笹は数十年に一度、一斉に枯死するようですが、検索すると2001年から2003年の頃にかけて京都の北山で広範囲に笹が一斉に枯死したようです。
いまは北山の多くの山では歩きやすい林床が広がっていますが、今とは全く異なる林相が広がっていたことと思われます。むしろ笹が繁茂していたからこそ他の植物が生えにくい状態なのかもしれませんね。
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