3年分の天気運を使い果たした快晴の屋久島_宮之浦岳縦走


- GPS
- 56:00
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 998m
- 下り
- 1,755m
コースタイム
9. 20 起床(4:20)〜淀川小屋(5:46)〜小花之江河〜(7:25)花之江河(7:45)〜(8:27)投石平(8:35)〜(9:30)翁岳鞍部・最後の水場(9:40)〜(10:25)宮之浦岳〜(10:30)頂上直下の岩・一品法壽大権現の祠(10:55)〜焼野三叉路〜平石(休憩)〜第二展望台〜休憩〜(13:25)新高塚小屋(13:45)〜(14:50)高塚小屋 幕営 縄文杉拝観・水汲み
9. 21 起床(4:50)〜高塚小屋(6:10)〜(6:20)縄文杉(6:40)〜(7:40)ウイルソン株(7:50)〜(8:20)大株歩道入口(8:50)〜休憩〜(10:05)楠川分れ〜(10:30)小杉谷集落跡(10:40)〜(11:25)荒川登山口〜タクシー〜(12:35)宮之浦港(13:30)〜フェリー屋久島2〜(17:30)鹿児島港
天候 | 9. 19(土) 晴れ 9. 20(日) 晴れ 午後ガス 9. 21(月) 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
船
タクシー代:宮之浦港−淀川登山口 9,500円(紀元杉までの料金に割引いてくれた金額です) 荒川登山口−宮之浦港 8,330円 縄文杉荒川線保全チケット:250円 鹿児島港駐車場代:3,950円(3日間) 静岡⇔鹿児島往復2,563km (当時はETC休日上限千円でした) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト:淀川(よどごう)、荒川(あらかわ)の各登山口にあります。 トイレ:各登山口と避難小屋、大株歩道入口にあります。 淀川登山口の駐車スペースは7,8台。レンタカーの場合は早出が必須です。 淀川登山口への車両規制はありません。(工事や天候によるものを除く) 尾立峠にゲートがありシーズン中は荒川登山口へは許可車しか入れません。 基本的に徒歩での通行も出来ません。 荒川登山口を利用する場合は何らかのチケットが必要です。 (バスとタクシー、片道と往復で異なる・当時) 登山道に危険箇所は特にありません。 (トロッコ道の崖崩れ発生以前に行きました) ただトロッコ道に欄干の無い橋があります。 水場は各所にあります。 新高塚小屋の水場は細かったです。(水汲み渋滞が出来ました) 高塚小屋に水場はありません。縄文杉まで汲みに行きました。 (山と高原地図には水場のマークがありますが場所が分かりませんでした) 投石岳付近で登山道が沢になっているような場所があります。大雨の後は要注意。 避難小屋にはネズミがいますので食料の保護が必要です。 提供されるものは建物だけですので食料・寝具は持参です。またハイシーズンには入り切れない場合のことも想定しておきましょう。 屋久島にはコンビニがありません。買出しはスーパーで済ませました。 繁忙期には事前予約しておかないとタクシーは来てくれません。 ジェットフォイルは全席着席で予約必須です。波浪や流木による欠航のリスク有り。 島内は全て幕営したのでフェリーのシャワーを利用しました。 http://ferryyakusima2.com/ (残念ながら湯船に湯は張られていません) 鹿児島では桜島にある白浜温泉を利用しました。 http://www.city.kagoshima.lg.jp/_1010/shimin/2kenko_hukushi/2-3kenkou/2-3-2kenkodukuri/_36123/2-3-2-3/2-3-2-3-3.html 1回300円と安く濁り湯で家族風呂もあります。 |
写真
推定樹齢3千年は縄文杉と並んで最長。
最も簡単に見ることが出来る屋久杉のひとつです。
ここまで路線バスもあります。
木の周りを一周する通路(手摺り付きの木道)があります。
実際の紀元杉はすでに枯れたような状態でした。
大袈裟に言えば夢に見た出発点。
中央の箱は使用済み携帯トイレの回収箱。
町道淀川線が尾之間歩道と当たったおかげで淀川小屋までわずか40分で行けます。
駐車スペース有り。
予想通り満杯で幕営に移ります。
小屋は平屋ですが繭棚形式の2段床になっていて収容人員を増やしています。
別棟のトイレ有り。水は裏の淀川から。
皆さん外で食事の支度です。
(小屋内は暗く狭いので)
トロッコ道の終点であり水場もあります。
携帯トイレ用のテントもあります。
男性用の個室が少なく、男女共に並びます。
賑わっていますが売店や茶店は一切ありません。
感想
屋久島の素晴らしさは私ごときが説明するまでもないことですので、静岡からのアプローチについて書こうと思います。
○期日 2009/9/18_12:30〜9/23_3:30
○移動手段
静岡−鹿児島港⇒自家用軽貨物自動車
高速道路代5,700円 燃料費23,149円/178.45L/2,563km
鹿児島港県営駐車場 3,950円/3日間
鹿児島港−宮之浦港⇒フェリー屋久島2 7,400円×2人
宮之浦港−登山口⇒タクシー
宮之浦港−淀川登山口 9,500円(メーターを紀元杉で止めてくれました)
荒川登山口−宮之浦港 8,330円
○その他費用
縄文杉荒川線保全チケット:250円×2人
桜島フェリー代:1,070円
ホテル宿泊代:9,200円(熊本)
データは2009年当時のものです。
□計画編
2009年3月頃の新聞に、屋久島が環境保護のため入山規制を検討しているという記事が載りました。
折りしもこの年は秋にシルバーウイーク5連休があります。
酷暑の夏場を避けて有給を取らずに行ける貴重なチャンスです。
5日間ありますが前後の1日は移動日で山行に使えるのは2泊3日です。
一番の問題は、どうやって屋久島へ渡るかです。
早く・安くが理想ですが、飛行機の直行便は伊丹からの1日1便のみ。残りは鹿児島空港からでした。(現在は福岡便もあります)
飛行機は費用の点と予約の難しさでパス。
次の手段は鹿児島から船で渡る。そして鹿児島までは自家用車か高速バスで。
自家用車だと運転で疲れるので往きは大阪からフェリーを利用のつもりでした。
フェリーで朝に宮崎へ着くと鹿児島港の高速船に乗れるのは午後になります。ところがこの午後一番の便が予約で一杯で取れないのです。
(ネット予約開始日に時報を聞きながらエンターキーを押したのですが…)
朝の便なら空きがあるのですが、それに乗るには大阪からのフェリーに乗っては間に合わない。ならば自走で一昼夜走り、そのために無理やり前日半休を取りました。
徹夜で走るため屋久島へは高速船からフェリーに切替えて雑魚寝で睡眠を取る寸法です。
カミさんは休みが取れず、定時後に新幹線で追いかけて小郡(現:新山口)のマックで待ち合わせとしました。
(実は高速船の午後便にキャンセルが出たのですが、カミさんの事情で大阪発のフェリーには乗れないので高速船もパス)
高速バスにしなかったのは、万一気象等で屋久島へ渡れなかったときに、他の山域へ変更が利き易いことです。登山口までの足は確保出来ますので。
宮之浦港から紀元杉までは路線バスがありフェリーの到着時刻と連絡しています。しかし収容人数が桁違いですから乗れるかどうかは未知数。しかも大型連休中です。ここは確実性を取ってタクシーを予約しました。
今回は縦走したいのでレンタカーや自家用車の航送では不便です。
帰りもタクシーを頼みました。
荒川登山口からのシャトルバスは屋久杉自然館で乗換えとなります。
昼前に下山すると午後一のフェリーに間に合いません。
屋久島内は全て幕営なので風呂には入れず、大きなザックを持って高速船(原則として着席)に乗るのは憚られるからです。
フェリーならシャワーで洗った後に着替え、銀マットを敷いて寝ることが出来ます。
コースは淀川登山口⇒宮之浦岳⇒縄文杉⇒荒川登山口のゴールデンコース。
登山口の標高差で体力的に楽なのと、縄文杉日帰り登山者と行程が重ならないのが一番の利点です。
白谷雲水峡へ寄らなかったのは、小杉谷集落を見たかったこと。片道のみの通過では周回コースを取れないこと。午後一のフェリーに乗りたかったからです。
高塚小屋を早立ちすればいいのですが、暗いうちに大株歩道を歩いたのでは価値が半減します。
□実際
山口県へ入って佐波川SAで時間調整。土曜日に日付が変わってから高速を出てカミさんと合流しました。高速上限千円適用のためです。
九州に入ってからの高速が実に長く、運転交代と小休憩で凌いで出港2時間前に鹿児島港へ到着。しかし乗客が長蛇の列です。
台風の余波で高速船は欠航。あぶれた人がフェリーに集中したためでした。
手前のSAで山支度を完了させていたのですぐに列へ並び乗船出来ました。
しかし船内は寝る場所を容易に見つけられないほど混雑し、甲板は日差しと波浪で寝ていられない。床にしゃがんで過ごすハメになりました。
宮之浦港へは定刻で着いたのですが、接岸に手間取り1時間遅れ。路線バスは待っていましたがステップまで人が溢れとてもザックを持って乗れる状況ではありませんでした。タクシーを予約しておいて本当に良かった。
接岸中のフェリー内からレンタカーの予約電話をしている女子会がありましたが、かなり苦戦の様子。そりゃこの状況じゃそうでしょう。
待っていてくれたタクシーの運転手さんと合流。ここで足にあぶれた単独の方が便乗することになりました。東京から夜の飛行機で鹿児島入りしたとか。地方への移動にかけては東京は便利です。
紀元杉に立ち寄り淀川登山口で下車。下山時刻を確認してタクシーと分かれます。料金を負けてくれて感謝です。
登山の感想は書き切れないので特記事項以外は割愛します。
5連休もあるのに宮之浦岳を日帰りにする人が多いこと。新高塚小屋方面へ行く人は半分以下でした。
永田岳へ向かう人も見えたのは1パーティーのみ。
高塚小屋でテントを張り暗くなり始めたとき、小屋をアテにしてテントを持たずに来た3世代家族が居ました。結局テントを持っていた小屋泊予定の人が小屋を譲ったようです。もし誰も譲れなかったらどうなったか?
縄文杉と高塚小屋の間に休憩舎(東屋)があるのですが、ここに泊まるようにガイドの方がブルーシートを敷いていました。営業のためとはいえ不法占拠の悪い見本を地元の人が率先して行うのはどうなのでしょう?
朝夕空いた縄文杉に逢うことが出来たのに残念な2件でした。
荒川登山口で予定通りタクシーに乗車。運転手さんがなんと差し入れを持って来てくれました。親切にしていただいて感謝感激!港で降りるとき「おつり要りません」と言ってしまいました。
この日は高速船も運航していたためフェリーはだいぶ余裕がありました。
シャワーを浴び床に銀マットを敷いて寝ることが出来ました。
夕刻に鹿児島へ着き桜島の温泉で少しゆったりした後にすぐ移動。少しでも本州へ近付きたいところ。ところが九州自動車道は渋滞していて思うほど進みません。日が替わってしまうと飛込みでのチェックインが難しくなるので熊本で行動を切り上げました。
翌日も早朝から移動開始。しかし兵庫あたりからはずっと渋滞の中という感じ。家に着いたのは23日午前3時半とヘロヘロの状態でした。
24日は絶対休めないので予備日を1日設けていたのが幸いでした。このままじゃ仕事にならなかったと思います。
屋久島では全く雨に降られなかったのが幸運でした。しかし後の山行を顧みると屋久島で天気の運を使い切っていたのが分かります。
山は家を出てから帰るまで。どうにか思惑通り事が運べました。
あのとき思い切って行って良かったと今でも強く思う山行でした。
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