風巻ノ頭〜袖平山 (準備不足は悪い結果となる)


- GPS
- --:--
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,287m
- 下り
- 1,276m
コースタイム
日陰沢橋(神ノ川ヒュッテ)8:00
風巻ノ頭
袖平山
姫次
地蔵平
広河原
日陰沢橋16:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
昭文社の山と高原地図「丹沢」にも注意書きがあるように地蔵平から広河原への破線ルートは危険を伴います。 |
感想
梅雨の中の貴重な晴れ予報と休暇が重なったので、次はここと決めていた袖平山へ行ってきた。
メインは神ノ川に掛かる橋を渡ってから3時間余り掛かるという袖平山までの登り。もうひとつは地蔵平から広河原までの下り。この下りに苦労することになった。
準備不足は悪い結果となることを思い知った。
前日の寝る前まで行くかやめるか決断がつかないまま就寝。次の日に起きるとたまたま5時半だったので行く事にする。そこから準備を整えて家を出たのが6時半過ぎ。神ノ川ヒュッテの手前にある駐車スペースに着くと8時前だった。
大きめの登山靴を買ったためこれまでは靴の中で足が前後しまっていた。今日は古い靴からインソールを移しておいたので快適なスタートとなる。と、そのはずがスタートの時刻記録写真を撮ろうと探したカメラ代わりの携帯電話が無い。充電しながら家に忘れてきていた。更にGPSロガーも忘れてきている。ここでかなり戦意喪失。
だけど記録を取るために山登りをしている訳ではないと自分に言い聞かせてのスタートとなる。
金曜日と平日のため登山者は居そうにもないが車が6,7台停まっている。これは工事関係者か。
進入禁止のゲートを越えてしばらくすると林道から河原へ向かって下り神ノ川公園橋を渡る。ここでカメラがあれば撮りたいポイントだけど仕方がない。ここから登山道はガンガンと高度を上げて風巻ノ頭と向かう。今日は体調が良いのか同伴者が居ないのでマイペースで行けるからなのか息が上がらないで済んでいる。順調に風巻ノ頭へ到着。見晴しは取れないもののこじんまりとした広さがあるため山頂の雰囲気を出している。
地図を見ると次の袖平山までの高低差は355m。まあ楽に行けると思っていたが手前にいくつかのピークがありそこを山頂だと勘違いし易くあれっ?まだかというがっかり感がある。ともあれ袖平山の表示がある分岐標までたどり着く。
進行方向の左手を見ると本当のピークがあったが今回はやめておく。
ここから姫次までは20分。姫次は一度来ている。あの時は原小屋沢を詰めて尾根まで出ようと思ってたのに技術と装備が足りなくて断念となったんだっけ。
何で姫なんだろうと考えつつ地蔵平への木段を降りていると、でっ出た!
「ヤツワクガビル」相変わらず気持ち悪いやつだ。しかも20cm以上あって長い。カメラが無くまた残念。
この後おじさんとすれ違った。今回はあった人はこの人だけ。
見覚えがある原小屋平を通過してブナの中のわかりにくい道を進む。そこで地蔵平を示す指示標があった。そこで考える。ここは1376ピークなのか?地蔵尾根への分岐はどこに?いつもなら2万5千分の1地図のコピーがあるのに今回は用意してこなかったのでまた後悔する。
戻ったり進んだりそれっぽい尾根を降りてみたり2往復はした。見付けられなければ袖平山へ戻ろうと考えていた。自信の無い疑わしい道を降りていくのはやめようと。でもその裏側にはどこをどう降りて行っても周囲の沢が広河原に向かっている以上、道に迷うことはないだろうとも考えていた。(これが道迷いや遭難につながる典型的駄目パターン)
鹿2頭とばったり出会いながら分岐点を探していると蛭ヶ岳へ向かう登山道に合流してしまった。蛭ヶ岳〜源蔵尾根経由だと時間も体力も使ってしまうので引き返すことにする。そこへだいぶ古くなってしまった分岐標があった。はっきり読み取れないが最後の白い文字はヒュッテと読める。また○○時間△△kmとも書いてあるようだ。ここは今通ってきた道だけど、見つからなければ今度こそ袖平山へ戻るつもりで進む。
逆から歩いてきた時には気付かなかったもののはっきりとした地蔵尾根への分岐標が見付かったので迷うことなく下って行く。赤・ピンク・黄・白のテープがあり迷うことはないが何しろ傾斜のきつい激下り。立木や木の根に捉まりながらでないと降りて行けない。また岩は層状で脆くまったく役に立たない。
10分ほど降りたところで進路に迷ったがうっすらと付いているように見える踏み跡を進む。振り返ると黄色のテープが上のほうに見えたが周りには何のテープも見当たらなかった。まあ間違っていないだろうと下って行くと周りの様子がなんだか沢のようになってきている。これは本で読んだにっちもさっちも行かなくなる遭難のパターンだ。まだ涸れ沢なので降りられるけど水が出てきたら降りなれなくなるぞと考えながら進んでいるとちょろちょろという音がし始めた。
川や沢の水は見える範囲(水深)だけに水が流れているのではなく川底より深い所にも水の流れがあって表面を流れている水は川や沢の一部であると本で読んだことがある。そのためか沢の源流部を降りてくると最初は涸れているのに突然岩や石の間から水が流れ始めているところを見る。知らなければそこから水が湧き出しているように見えるが実際は違うらしい。
いよいよ沢の水は水量を増してその先は見えない傾斜となって落ちていっている。ルートを修正する最後のチャンスは今でしょ(苦笑)最後に見た黄色テープまで戻るのが王道というのは分かっている。落ち着いて周りを見渡すと分岐した尾根がずいぶん間近にある。だいぶ降りてきたと思っていたのに地図の上ではほとんど進んでいないようだ。コンパスや目の前に見える山の稜線等の情報を総動員するとどうやらルートを外れて岩水沢へ迷い込んでしまったらしい。
それが正しければ本来のルートはこの沢から抜け出した南方向にある事になる。邪道ながら沢の傾斜もきついのに更に傾斜のある左岸を登る事にする。下から見上げるのと斜面に張り付いた状況は違っていてなかなか前に進めない。両足だけでは体が支えられないので何かに掴まりたい。ところが手の届く範囲に木の根や立木がうまくなかったりする。足が掛かるように斜面に窪みを掘ったりした。木の根だけに体重を預ける場面もあったのでもしもの時に備えて2か所(両手)で掴むようにした。足元が崩れて立木にぶら下がったりもした。万が一落っこちた時には下に見えるあの木に掴まろうと次の次まで考えた。行き詰ったら引き返した。あそこまで行けば、あそこまでいけばを2度3度繰り返して難所を越えた。
落ち着いてまた目の前の景色と地図を見比べていると本来のルートが南にあるというのは間違いが無さそうである。心配はひとつ。これがひとつのピークであって結局どこかを下る羽目になるかも知れないということ。5万分の1の地図ではそんなところまで読めない。
実際そこからはそれ以上の難所もなく登れた。そしてそれは突然現れた。
岩に書かれたルートを示すオレンジ色の○。
木々の隙間からそれは見えた。元のルートに戻れたのだ。時計が無いのでどのくらいの時間が経ったのかわからないものの随分余計な苦労をしてしまった。
その後も激下りは続いた。テープとオレンジのマーカーだけは外さないようにゆっくりと進んだ。痩せた尾根があったりトラロープが張ってある鎖場もあった。
地図の注記にある「上級者向き 下りは危険」はその通りのコースだと実感した。
そして準備不足は悪い結果になることが身に染みて分かった。
反省して次に活かさなければ。
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