薬師岳〜五色ヶ原 まさかの惨事で



- GPS
- 31:22
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 3,399m
- 下り
- 2,323m
コースタイム
7:00 折立発
8:11 青淵三角点
9:59 太郎平小屋
10:20 薬師峠
10:52 薬師平(昼食とそこに水を忘れ戻って15分ロスト)
11:54 薬師岳山荘
12:30 薬師岳避難小屋跡
12:52 薬師岳
13:41 北薬師岳
14:37 間山
15:33 スゴ乗越小屋着
(8/10)
5:00 スゴ乗越小屋発
6:25 スゴの頭
7:45 越中沢岳
9:11 鳶山
9:36 五色ヶ原山荘
10:21 ザラ峠
11:25 獅子岳
13:44 一の越山荘
14:13 立山室堂山荘
14:21 室堂
天候 | 8/9(金)快晴、8/10(土)ガスって真白け |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
コースは不明瞭な場所も、迷いやすい所もなく、雪渓は鬼岳の辺りのみ。 薬師岳から先は、あまり大きなupdownはないが、北薬師岳、間山、スゴノ頭、越中沢岳、鳶山、獅子岳、鬼岳、龍王岳とピークは数多く、急登もあるのでそれなりに空中散歩と楽観すると大変。 |
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
感想
昨年みた龍王岳からの五色ヶ原、薬師岳をのんびり稜線散歩で歩こうと決行。ただし下山時の交通の便数、時間制約を考え、立山駅に車を駐車して、朝一番の5:37の地鉄富山行きで有峰口まで行き、予約しておいた6:09のバスで折立へ向かう。有峰林道のゲートが山時間には遅すぎ、スゴ乗越小屋着まで時間余裕がない。平日とはいえシーズンピークの金曜日は車が溢れ返り、路駐が長々続いていた。人混みに呑まれるとペースが合わないので、はやばやと登り始める。
朝からはれて、第1三角点で樹林帯を抜けると太陽の直射が厳しいが、周りが開けてこれぞ夏山本番。草原の景色、振り返ると有峰湖、左手に薬師をみて歩き続けると、太郎平小屋に着いた。胡瓜をかじって一息入れ、薬師岳に向かう。薬師峠のテン場からちょっと急な登り返しだが、沢の流れが涼やかで気持ちいい。シャリバテてきたのを我慢して登りきると薬師平が広がり、遠く小さいがはっきり槍の穂先、笠ヶ岳が見える。ベンチはあるが日向の暑いのは避けて、薬師の稜線が見渡せる登山道の脇の日陰で、お握りにかじりついていると、<登山者の肖像>で写真をとらせてと学生さんに頼まれて写された。
お腹も落ち着き、薬師まで頑張ろうと歩き始めて十数分。・・・まさか水のボトルがない! あわてて、ザックをおいてせっかく登った道を取りに戻って、空身だが15分程度のロスでガックリ。それでもめげずにすすむと、新しく立て替えられ立派になった薬師小屋に到着。そこから山頂に向け傾斜がきつくなるが、石室のある稜線まででると目の前に水晶から赤牛までが広がっていた。そこから薬師山頂までは遠く見えるようでもすぐに到着。以前来たときにはガスの中で何も見えなかったが、今回は360度視界が広がり、とくに目の前の赤牛〜水晶が赤と黒のコントラストで素晴らしい。山頂は人が多かったものの、北薬師にすすむのはほとんどなく、一人が先行するのみ。北薬師までは距離もそこそこ、アップダウンもそこそこで、疲れ始めた足には中々厳しかった。途中ふりかえると、黒いシルエットにカールと残雪の薬師岳が荘厳に見えて、薬師小屋方面からは見ることはできない山容にシミジミとした。
北薬師には先ほどの先行者がいて、よくみると第一三角点手前でスイスイと抜かれた人だった、話を聞くと、『同じコースでスゴ泊まり、交通の便から立山に向かう』とのこと。また『太郎平小屋で一休みしてBeerをあけたら酔いがまわって、だるくなって足が重くなってしまった』とのこと。でもそこからは酔いが抜けたようで、アッという間に遠く離されてしまった。そこからは足の疲れに悩まされながら、しばらく我慢して下っていくと間山に到着。
その先でうちの奥さんに大惨事が発覚。まさかまさかのシューズのソールの踵が裂けてしまっている! 今日はもう少しでスゴの小屋だが、明日はまた長時間歩かないと立山室堂までたどり着けない!!! とりあえず紐で縛って歩き始めたが、尖った石のうえですぐに切れてしまった。きれた紐を結んで再び縛ったが、そこから小屋までは丸い石が中心になり、そのまま辿り着けた。
小屋の受付で相談すると針金をくれるというのでそれに期待することにした。靴自体は7〜8年経つものの3年前にソール張替えを行っていたので、踵が爆裂するとは! ポリウレタンの加水分解でソールが剥がれるというのは何回か遭遇したり、ネットで見たりしていたが、それも何年か履かないでいて起こった様だったので気にしなかったが、踵が裂けて壊れるなどとは絶句!!! 前の週に朝日・雪倉で泥だらけになり、それを洗い落としたときには裂け目などきがつかなかった。幕営しないので荷物も10kg以下で、体重も軽い(40kg前半)ので負荷も少ないはずなのに壊れるとは・・・。
受付や同宿の人は、先にすすむのは岩場で厳しいから薬師、折立に戻ったほうがよいのではとの雰囲気であったが、交通の便からも、北薬師・薬師をこえて戻るの厳しさはもどっちもどっちと思われ、すすむことを選択。
翌朝5時前に借りたペンチと針金で、壊れた踵部分を巻き、念のためつま先側もまいて出発。快晴だった昨日とうってかわって、周りは濃いガスで真っ白。
足首に回した3本は足首の動きで緩み10分くらいで外れてしまった。つま先側は動かないので緩まないが、足首部分は動きがあるのですぐに緩んでしまう。ペンチもなく、手では絞まらないので、カラビナを使って強く締め付けるようにしたらしばらく持つようになった。しかし締めすぎると針金がその場で切れてしまったり、踵から斜めにまくのは緩みやすいため、土踏まずから真直ぐ巻くのが緩みにくく長持ちした。そんなことを繰り返しながらも越中沢岳、鳶山とこえて五色ヶ原山荘まで辿り着いた。周りはガスで真っ白のまま、すれ違うスゴに向かう人も午後からさらに悪くなる様などというし、気分は最悪。ザラ峠までは少し下って、それから獅子岳までは300m程度だが結構な急登でそれまでの疲れも重なってきてバテバテで獅子岳山頂に着いた。そこは室堂からも一息入れるポイントで狭い山頂に10人近くが休んでいた。昼食を軽く食べて、すすむとその先の鬼岳は山頂を巻いているので程なく鬼岳東面に着いた。それからロープの渡してある雪渓の縁と、もう一箇所の雪渓をこえて「あーもう一息」とおもったが富山大観測所までは順調なのぼりで、しかもどこを進んでいるかまったく見えない状態で気分も足もヨレヨレ。
そうは言っていても、歩いていれば進むもので、観測所にたどり着いた。一ノ越へのくだりでまた針金がはずれ、最後の巻き直しを行って、人が急に湧き出した一ノ越山荘に辿り着いた。そこからバスターミナルまでは舗装路で、子供やら、学校登山やらに溢れかえり気分的に疲れるばかり。室堂バスターミナルに着いたときは、ソールが崩壊しないままでつけたことで本当に安心できた。
速攻で立山までのチケットをJAF割引で買って並ぶと、2:35くらいの臨時直通便がでて、3:30のケーブルカーで立山まで到着できた。無事に到着できたが、下界は猛暑でむせ返り、ガスって真っ白でも涼しさは天国の稜線との違いを感じた。
着替えもそこそこに、<吉峰グリーンパーク>で汗を流して、途中拉麺をたべて、R41〜R147〜安房峠〜R158〜中央道で帰京した。安房峠のトンネルはETCゲートに変わり料金支払いが楽になっていた。
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