奥秩父主脈縦走 大弛峠で敗退

- GPS
- 08:31
- 距離
- 24.2km
- 登り
- 1,405m
- 下り
- 1,538m
コースタイム
- 山行
- 4:41
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 5:06
| 天候 | 曇りから荒天後シトシト雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
帰宅時は大弛峠から北側の林道で長野側に降りて川端下BSから川上駅へ。バス停までは林道を13km程下る。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
梅雨明け直前だったので降り続けた雨で金峰山から大弛峠への下りは泥濘と大きな水たまりの連続。 |
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
|
|---|---|
| 備考 | 雨予想が一日だけだったので、二日目以降も雨だった場合の服を持っていけば良かった。 |
感想
半年前から楽しみに計画してきた奥秩父主脈縦走。
2泊3日で奥多摩駅までの70kmの長旅計画。
ヤマレコ等々で皆さんの記録を参考に、何度も標準CTと自分のスタミナと相談しながら、等高線とルートを数え切れないほどなぞりながら計画。荷物もすべてグラム単位で計算して組み合わせた。ザックも軽量なものに買い替えた。ココヘリにも入会し、登山に興味のない妻にもコースとエスケープルート、帰宅連絡がない場合の行動を刷り込み。2週間前からは数え切れないくらい天気予報を見て気をもんできた。
それが二日目のスタート時に撤退決定になるとは。というトホホな記録です。
【初日】
新宿駅->韮崎駅->瑞牆山荘->金峰山->大弛峠(大弛小屋)
あずさ1号で新宿から韮崎駅へ。
途中甲府駅を通過して、次回は甲府からバスで北岳に行きたいなと既に今後の予定に思いを馳せている。韮崎駅から瑞牆山荘までは通常はバスがあるのだが、現在は一時休止となっていてタクシーで登山口へ。かつては捜査一課の刑事、そして富士山での救助隊に入っていたという運転手さんと話が弾む。最高に楽しい初日のスタートであった。9:30過ぎに瑞牆山荘に到着。
山の天気はてんくらによるとA評価、これから晴れて最高の登山日和になる予定。やや広い登山道をスタートに登り始める。
途中から小雨になり、シャワー程度ならばと覚悟はしていたので、雨具を着て、脚は念の為にシールスキンの完全防水靴下をはく。小学生50人以上のグループが途中で昼休憩している脇を声がけしながら進む。
雨は徐々に大粒になり風も出てきた。2000mを超えると多少呼吸も荒くなるが、気持ちよく開けているはずの山頂を目指す。鎖場、岩を掴んでの急登、千代の吹上からは大きな岩の上を慎重に踏み越える。が!流石に風と雨で寒い。いや、立ち止まると冷えるので立ち止まりたくない。こんなアドベンチャーなルートは晴れていたらめちゃくちゃ楽しいに違いない!景色も絶景だったはずだ。そして、頂上(2,599m)についたら五丈岩の頂点まで登ろうと楽しみにしていたのに、雨のせいでカメラを出すこともためらわれ、昼飯もとらず、休憩もとれずに大弛峠方面への下りを探す。広い頂上で大きな岩がゴロゴロしている場所を抜けると金峰山頂上の看板。この裏側にまわると大弛峠へのルートがあるらしい。ペンキ塗ってなかったらこの雨と霧でルートわからず右往左往してたはず。ちなみに富士見平に戻るお方と私の二人しか山頂にいない。そりゃそうだ、平日のこんな天気だもの。
もうさっさと大弛小屋まで行ってテントで休もうと決めて下り始めたものの、岩の少ない樹林帯を進むが、今度は泥濘と避けきれない水たまりに嫌になる。完全防水靴下を履いているのがせめてもの救い。
途中、川口からやってきたKさんと談笑しながら下ったのが、初日で楽しかった時間の一つ。ご近所さんという親しみもあり、天気予報に裏切られた男二人、奥多摩付近のルートなど情報交換しながらの楽しい時間。大弛峠にておわかれ。私は登山道で色々な人に声をかけながら進むのだが、おっさんの行動特性の一つかもしれないな。
【初日テント場】
予約済であるが、小屋は開いていないので好きなところにテント設営。毎日大雨だったはずなのに水はけが良く、躊躇せずに場所決めすることが出来た。本日の幕営者は私一人。小屋にも誰もいないので、天候の悪さも手伝い朝までひっそりと一人。咳をしても一人である。
靴を脱いだら完全防水の靴下の中がびっしょり。穴があいたか、レインパンツ内側の大汗を受け止めてしまったのか、とにかくぐっしょりである。さすがにこれは精神的にきつい。翌日から脚がふやけたまま歩かねばならない。トホホだ。
テントの外の風は強くなるばかりで雨も小雨になったり大粒になったり繰り返す。明日からの予定を考えるに、5時にスタートして10時間の行動予定を雨天で決行するのは精神的にきつい。全く楽しくないどころか、標高2500m付近を進むので色々な危険が想像できる。ここ半年間の計画と妄想の中ではここまでの長い雨天は想像してこなかった。多少の雨は想定、対処方法をイメージしていたものの、二日間の雨はなあ。。。甲武信岳まで行かないとエスケープできないし、エスケープ決めてから下山するのもそれなりの距離だ。夜中に何度も雨音で起きては楽しみとリスク、半年間進めてきたトレーニングや計画を天秤に撤退と決行の判断を模索して眠れない。結局、楽しくないのならばやめようと決めて、朝の天気次第で判断することに。
【二日目】
3:30から朝飯を無理やり食べてカロリー補充。4:30くらいには雨音がおさまりうっすらと青い空が覗き始めた。一晩沈んでいた気持ちが一瞬上向くも、コーヒー飲み終えたら再び真っ黒な雲と降雨が始まり敗退を決意。気持ちはもう「また来ればよいか」と開き直り。一番想定していなかった長野側へのエスケープルートをたどることにする。ちなみに、このルートはマイカーで通過できる日本で二番目に高い場所にある車道峠。山梨側は舗装されているが、長野側は車高の高い四駆でないと抜けられないガレた道である。ひたすら林道を進み、淡々と標高を下げること14kmで川端下のBSへ到着。ここまで3:30程下った。振り返れば山の上のほうはガスがかかっていてかなり寒そうかなと想像するものの、見上げた空は梅雨明け宣言が出た真っ青な青空。撤退判断が正しかったのかどうか、平日金曜の朝に下ってしまってもったいなかったなとも思いバス停で着替えをして身支度。はあ。
大弛峠->川端下BS->信濃川上駅(小海線)->佐久平駅->上野駅
【金峰山の瑞牆山荘からのルート】
一言で表現するならば「このルートのファンになってしまった」という感じ。
広い登山道から始まり、右に左にと向きを変える急登。かと思ったら林の中の細い平坦な道を歩いたり、大きな岩を回り込むような場所もあり非常に上下や奥行きを感じるダイナミックで立体感のあるルート(逆に奥多摩付近は整備されたルートを山に歩かされるようなイメージがある)。突如現れる鎖場も良いアクセント。一気に標高を上げる砂払ノ頭から千代の吹上は岩の間を縫うように進み、今度は大きな岩の頂辺部に脚を注意深くかけながらグリップを確かめ進む場所も。雨天でなければ最高に楽しいルートのはず。森林限界を超えると周囲の山々が見渡せ、涼風がぬけて気持ち良いでしょう(初金峰山はあいにくの荒天だったので想像ね)。頂上も大変広く、周囲を気にせずに休めそうだし、五丈石を攻略するのも良さそう。欲張りせずに瑞牆山荘から大弛峠へ抜けて一泊して、翌日甲武信岳から降りる1泊2日でもかなり楽しそう。金峰山ピストンで帰りに富士見平小屋でコーヒータイムも良いな。奥多摩までの主脈縦走でなければ年内にまた来れるはず。
大弛峠から金峰山へのルートは頂上付近までは特記することない樹林帯だったかな。大した登りでもないので「ズル金」とも呼ばれているらしい。気持ちはわかる。
秋までは色々な予定が詰め込まれているので、年内の奥秩父主脈全縦走はだぶん無理でしょう。時間を見て1泊2日で細切れにルートの様子見調査登山でつなぐことは可能かな。このモヤモヤ感を解消するためにどこか達成感のあるところに登ってこないとな。
予定外に下山してしまい、装備の片付けも終わったうらめしい晴天の土曜日に残した登山記録。
【他の記録】
瑞牆山荘->大弛峠
獲得標高:1,231m
距離:10.40km
時間:4:57(雨でほぼ休憩なし)
距離の割に時間がかかるのは手強い地形だったということ。
登山は単純に距離では計れない。
大弛峠->川端下BS
獲得標高:43m(こんなに一方的な下りは初めて)
距離:14.21km
時間:3:00
白樺の森の脇を通り清流の水音を聞けるルート。
【パッキング】
ベースウェイト:7.5kg
パックウェイト:11kg
テントをツェルトに変更すると居住性と安心感が落ちそうなので無理かな。
TakeuchiYo















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