踏み抜き多発徒渉点渡れずストック1本壊れ、疲れ果てた武奈ヶ岳


- GPS
- 10:06
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,118m
- 下り
- 1,108m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 10:05
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特にヨキトウゲ谷は雪の状態が悪く踏み抜き多発なだけでなく、夏道通しで通れないところや徒渉点も多く、その度にその悪い雪の中を巻いたり渡ったりトラバースしたり、やはりちょっと慣れた人でないと勧められない状況かも。 |
写真
おそらくこの場所で50センチ以上溶けたり沈んだりしてると思う。
まだつぼ足でもしばらくは大丈夫そうだったが、この日は長丁場を計画してたので手間を取らないようここでアイゼン装着。
ワカン持って来るか迷ったが、もう雪も少なくだいぶ締まってるだろうからとアイゼンしか持ってこなかった。
二つのと少し向こうにもう一つの計3人分。
初めて見たが簡易的なシェルター形雪洞か。
おそらく足を突っ込んで頭が出た状態で寝るのではと思われるが、上にタープかツェルトでも張って使うんだろうか。
おそらくこの左斜面の真ん中あたりまでいったところで蹴り込んでも蹴り込んでも雪が崩れてしまってそれ以上登れなくなったが、この状態なら登れるか。
やはり積雪期はみんな尾根を通るため入る人もそこまで多くはなくて踏み固められることがなかったためか踏み抜きが多発。
3〜4歩毎に踏み抜いたりいきなり両足とも腰まで落ちてしまったり、抜くのに苦労する落ち方をすることも多くてだんだん足が上がらなくなってくる。
ヨキドウゲ谷真ん中あたりにある無雪期なら岩を抱きながら通る小滝は雪で通れず、その岩の上を越した。
そのどれもがまだ水面から雪の上まで距離がある上に水量もそこそこあって上手く降りれるところがなく、どれも少し離れたところで徒渉してそこから斜面を上がってトラバースする羽目に。
この状態だと雪に突いてもストンと手元まで入ってしまうただの棒で何の役にも立たず、この後はシングルで歩く羽目に。
慣れていないので気力体力共にだいぶ疲れた気がする。
特に最後の青ガレの下りは神経も時間も使いまくってしまった。
こうして見ても木々の根元はことごとく穴が開いてシュルンド状態になっており、雪の下は相当空洞になっていると思われ、踏み抜き多発するのも納得出来る状態なのが分かる。
下りだしてみるとなぜかここは踏み抜きもそんなに無く、アイゼンも結構効いてくれてシングルストックの心配も無く気持ち良く歩けた。
地形図ではゆるく見えたが登ってみるとそれなりに傾斜はあり、たまにだいぶ前らしいワカンの跡は現れるが基本ルートもテープも何も無いのでとにかく少し右に巻くように、ワサビ峠側ではなく直接西南稜の登りに出合うよう直登していく。
上手く合流出来たところではもう足が上がらず息が切れてしまっていた。
標高が下がってくるとまた踏み抜きが多くなってきたが、ヨキトウゲ谷よりははるかに分かりやすく歩きやすく、おそらく多くの人が積雪期はこちらのルートを選ぶのかと思う。
そこを通ったことがあれば先日も無理な直登ではなくもう少し楽なルートを見いだせたかもと思ったが、積雪期ならではの直登も魅力的なのでやむなし。
標高も下がって雪も割れて歩きにくくなってくる。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
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感想
一週間前の氷ノ山でさえもう雪はグズグズの所や抜けるところもあり、その後も暖かく雨も降ったのでもう雪を楽しめるのも終わりかなと、3週間前に最後の寒波降雪の次の日に入って途中で諦め撤退した武奈ヶ岳は登っておこうと、定番の正面谷からヨキトウゲ谷を詰めて中峠からワサビ峠に渡って武奈ヶ岳に。
帰りは3週間前辿れなかった上林新道を最後まで下りてこようと計画。
さすがにもう雪も溶けたり締まったりしてワカンは必要無いだろうとアイゼンとダブルストックで出発。
青ガレを上がって金糞峠からヨキトウゲ谷に入って上林新道四つ辻への分岐までは雪の状態はもう良くないながらもトレースもしっかりあって順調だったが、その分岐を過ぎたとたん、踏み跡は数日前と思われる薄いワカンのお一人とたまにアイゼンの跡だけ。
なんとか微かに汚れの残る古いトレース痕を辿るが、そこら中で踏み抜けてしまって手間取るばかり。
時に両足とも落ちて雪の下の空洞に腰まではまってしまったり、片足が変な角度に入ってしまってもう片方の足の下敷きになって動けなくなったり、ここは大丈夫かと一息ついたらそのとたんズシンと落ちたり、そんなことを繰り返して中峠に上がる頃にはもう足が上がらなくなってしまった。
その上幾つかある夏道の徒渉点は全てその場所では降りれず、前後を探してもう落ちそうなスノーブリッジを渡って対岸の斜面を這い上がってグズグズの雪を四つん這いでトラバース。
その間にいつもダブルで使っているストックの片方が雪の下で何かにはまってしまってどう傾けても抜けず、やむなく無理矢理抜いたら先端のゴムキャップだけでなくスノーバスケットまで取れてしまい、ただのゾンデ棒に。
ヨキトウゲ谷の残雪の状態がここまで悪いとは思いもよらず、他の人達がみんな上林新道にエスケープしていく理由がよく分かったと同時に、皆さんどうしてこの時期こんな状態なのを知っているのか不思議だった。
その後は慣れないシングルストックと上がらなくなってしまった足でワサビ平からワサビ峠への狭い谷の雪の状態がヨキトウゲ谷と同じように踏み抜きだらけだったらと思うとどうしても突っ込む気になれず、右側、武奈ヶ岳側の小尾根を直登することに。
地形図では緩そうだったのにどう見てもそんな楽な傾斜ではなく、結局ますます足を疲れさせてなんとか西南稜に合流。
最後はヨレヨレになって武奈頂上に。
下りは上林新道が分かりやすくなだらかだったので助かったが、最後正面谷の下りは登りではダブルストックだった青ガレの下りがシングルストックだと心許なく不安で神経使ってこれまた疲れてしまった。
まあ夏も冬も何度も通ったところだし、天気も良かったのでなんとか歩き通せたんだと思うが、やはり雪があるときはたとえ残雪期といえども状態によっては大変ということをあらためて感じた山行でした。
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