山スキーシーズンのフィナーレは摩利支天山からの滑降で締め



- GPS
- 10:57
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,560m
- 下り
- 1,550m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
この一週間で雪がなくなっている部分がかなり増えてきました。 滑るためにはどんな苦労もいとわない!という方であればまだ行く価値はあると思いますが・・・。 |
写真
感想
当初はまた単独で継母岳のリベンジでも・・・と考えていたところに同行依頼が届き、3名のパーティーでチャオ御岳から継子岳と摩利支天山に行ってきました。
もともとチャオからのルートはレベルが高いため、はて如何にリスクを管理して山スキーを楽しんで頂くか、という点がポイントでした。
とは言え山岳会の先輩諸氏であり、かつ皆さん遭難対策委員でもあるので、基本は問題ありません。仮に滑落しても大きな問題にならないことを前提とした内容にしました。
継子岳への登りは早々にアイゼンに履き替えます。これは安全を考えると必然になります。
ロープによる確保は必要なし、万が一の滑落の際にはヘルメットによる頭部保護、自力での滑落制動となります。
ロープでつなぎ合うと、万が一の際に全員滑落するリスクを作るだけです。
歩くペースは一般的なものにして、確実に登ることを目指します。
継子岳からの滑りは、途中で雪が途切れているので歩きが入りますが、斜度は急ではなく問題なし。
四ノ池沿いにトラバースしてから登り返して飛騨頂上に到着。
ここでネパール遠征帰りのMさんが、中途半端に空気が薄いからか?調子が出ないとのことでここで待機。
もう一人のMさんと私の2名で摩利支天山を目指します。
乗越までのルートが固めの急斜面の登りで、しかも急斜面はどこまでも落ちていくような深いもの。
ここはクトーを効かせて慎重に歩きます。
乗越からは、夏道沿いにこれまたクトーを効かせてトラバース的に進んでいきます。稜線沿いは途中までは順調ですが、最後は雪が減って岩の上を歩いたり、かなりワイルドな仕様に。ここはちょっと無理させてしまったかと。
山頂が近づくと本当に雪がないので、板をデポして歩いて摩利支天山頂に到着です。
滑り降りる斜面をチェックし、急斜面のドロップインにテンションが上がります。
ここは賽の河原へのドロップインなので、岩のないところであれば途中で転倒して滑落しても板が外れても大きな問題にはなりませんから、Mさんにも一番安全(?)なところからドロップインしていただきました。
入り口は慎重に斜滑降で進み、雪の割れ目に足を取られた以外は、問題なくクリア。素晴らしい。
私もドロップイン、一番斜度のありそうなところからそのまま垂直に落ちてからターンしてスピードをコントロール。
一瞬不安定さによる恐怖を感じるも問題なく、それがまた雄叫びを誘発。この1本で満足です(笑)
賽の河原に滑り込み、カリカリの斜面を避けるため摩利支天乗越には登り返さず、三ノ池に滑り込むことにします。
しかし三ノ池、この地点からのドロップインは雪庇もあり摩利支天山に負けず劣らず急峻。一番マシなところからトラバース的に入るようにしたのですが、Mさんは慎重に入った結果、最初の70〜80度の壁が耐えきれずそのまま滑り姿勢で滑落。ずるずると落ちて行く姿を思わず動画撮影。
ここは落ちても岩もなく徐々に斜度が緩むので大丈夫と見ていましたが、やはり大丈夫でした。停止地点に合流してから、乗越の下部をトラバースして飛騨山頂に向かいます。
またまたシールで登り返すと、ネパールMさんが待ってました。2時間半くらい待って頂くことになって恐縮です。
さてここからは四ノ池側にトラバース的に滑り込み、進まなくなったところでシールを貼って登り返しです。
雪は雨が氷になったものやエビの尻尾状の雪が融けて、ある種のザラメになってました。これはかき氷みたいで滑るのには好都合です。
登り返しではまた雪が途切れていたポイントを歩いて渡り、再び継子岳山頂に。
ここからは先週の西側のガリー(ガリー1とか呼ぶらしい)を滑ることに。中腹で岩に阻まれて少し狭いところがありますが、問題なしとみました。
まずは私が滑り、続いてネパールMさん、もう一人のMさんと続きます。
ネパールMさんの滑りは素晴らしく、安心して見ていられます。(逆に私の滑りは豪快過ぎてドキドキもの?)
もう一人のMさんも毎年のようにレベルを上げておられ、かなりの急斜面ですがザラメ雪にも助けられて無転倒でクリアしました。
樹林帯に戻るポイントでは雪で埋もれていたハイマツが先週以上に茂っており、進入は困難に。スキーを脱ぐ必要があります。(私は脱がずに強引に突破しましたが…)樹林帯は我慢の滑りとスキー制御、ここも油断するとコースを見誤りゲレンデから外れたところに出てしまうので、まめにGPSを見て軌道修正して、無事にゲレンデトップに帰還。
チャオは今日が今シーズン営業最終日。ゴンドラは15時までなので、もう止まってました。
名残惜しむような若いボーダーの方々。
ベースまで雪がつながっているのはありがたいです。この週末にはもうないでしょう。
この雪の減るスピードを感じて、ようやく今シーズンの山スキーもこれが最終日と決心することができました。
数えてみれば35日くらい行ってました(笑)
スリリングな体験はありましたが、ピンチに陥ることも滑落も怪我もなく。
しかし、リスクは常に潜んでいます。悪条件が重なった時に、少しの油断や慢心から襲ってくる危険。
可能な限り、安全な山スキーを楽めれば、そして山スキーにチャレンジする皆さんに安全に楽しんでいただければ、と願っています。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する