慰霊登山と文明の進歩について考え続けた藤原岳



- GPS
- 06:32
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,560m
- 下り
- 627m
天候 | 慰霊登山は雨時々止む。藤原は晴れのち曇り・小雨。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
yさんの一周忌の慰霊登山と、藤原山荘のトイレ建設お手伝いのハシゴに行ってきました。
慰霊登山はあいにくの雨でしたが、傘をさしての実施となりました。
現地ではケルンもそのまま残っており、yさんの妹さんから頂いたメッセージを伝え、また来るよと声をかけて後にしました。
忘れないよと。
藤原山荘のトイレ建設、いよいよあと3週間を切りました。
来週再来週は日曜日に予定があるので参加できるのは残りあと2日。
山荘に泊まるチャンスはこの週しかありませんので、お昼を済ませて午後から登ります。
今回は泊り道具とビール3Lを担いだので結構な重量、汗をかかないようにゆっくりしたペースで進みます。
3時過ぎに着いたので、暗くなるまで一輪車で石運びをしておきます。
翌朝は朝食を済ませたら残っている砂運びを行います。
先週の砂運びで腰を痛めたので、今回は控えめな量にしておきます。
2時間ほど汗を流すと、当日の登山組がどんどんやってきましたので、交代してもらいます。
今日はあまり体力を使わないゴミ拾いの作業に回りました。
ここはその昔、スキー場の小屋がありました。
リフトなどの設備はなく、自力で登って滑るというものですが、小屋があり飲食物の提供が行われていました。
残念ながらその当時のゴミが埋設されており、一部が露出しています。
当時の価値観では、環境がどうのという時代ではなく、貧しさから豊かさへの過渡期にあったと思われます。
ゴミは掘り出し始めると際限なく出てきますので、ある程度表面にあるゴミの処分に留めておかないとライフワークになってしまいます。
空き缶、割れた瓶、プラスチック類の不燃物が中心です。燃えるゴミはありませんが、そのまま燃やしたのでしょう。
一瞬、どうして過去のゴミを今自分が処分しているのだろうという疑問に突き当たります。
人類の資産、遺産というのは、必ずしも良いものばかりでなく、いわゆる負の遺産というも多数あるのでしょう。
スキー場が運営されていた当時は、パソコンはおろか携帯、スマホなどももちろん存在しませんでした。インターネットという単語すらありません。
現代はそのような文明の利器の恩恵にどっぷり浸かっており、さも当然のような感覚で利用していますが、これらは先人の努力と苦労の積み重ねによって得られています。
携帯電話の出発点は「火花通信機」という極めて単純な、ノイズを撒き散らすことで無線通信を実現していた世紀の発明です。
そういう先人の工夫の数々の中で、失敗作も多々あったでしょう。
日本でも全国的公害病に悩まさせていた時代がありました。カドミウムや有機水銀の猛毒による中毒は有名なところです。大いなる失敗だったと思います。
朽ちかけた空き缶、割れたガラス片、瀬戸物片、飲料のプラスチック容器、レトルト食品の袋、といったゴミを拾いながら・・・先人の努力による恩恵を享受しつつ、次の世代にそれを生かし引き継ぐこと。
負の遺産は現代に住む我々ができる範囲で片付け、なるべく次の世代の負担にならないようにするのが責務なんだろうと。
とても深い思いに浸ることのできた2日間でした。
コメント
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慰霊登山含めお疲れ様でした。
「先人の努力の恩恵と負の遺産」
まさしく、その言葉がしっくりきます。
先日、スーパープレゼンテーションという番組で平和学習の先生が「すまない、我々大人は世界をめちゃくちゃにしてしまった。」という言葉とリンクしてしまいました。次世代にいい山を引き継ぎたいものですね。
深いんですよね〜
経済活動の活性化といいつつ実際にやっていることは枯渇資源の浪費、後世から見返すと「景気回復がどうのこうのとか小さいわ!」と言われそうです。
フンコロガシの大センチコガネが立派です
慰霊登山。足元の悪い中、お疲れ様でした。彼は元気そうでしたか?
「先人の努力の恩恵と負の遺産」
ごみを山頂に捨てることが当時はごく普通に「常識」だったのでしょう?!
そう考えると、ひょっとしたら我々も後世に間違った事をしているのかも知れません。
とても元気でしたよ。以前よりもっと笑っているようでした
昔は、野生動物が登山道の真ん中に排泄するように、山の中にゴミを捨てることはごく普通のことだったのでしょうね。
今の時点で何が正解で何が間違っているのかを判断するのが難しいことがたくさんあると思います。将来に放射性廃棄物を残すことと、枯渇資源の石油を食い尽くすことのどちらが正解なんて誰にも分かりません。
ただ、なるべく資源を節約する、古くなったものでも大切に使い続けることは間違いにはならないと思います。
古くなった私も大切に使ってくれますか?
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