快晴紅葉の天覧山−多峯主山


- GPS
- 03:36
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 281m
- 下り
- 275m
コースタイム
- 山行
- 1:59
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 3:36
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・天覧山から尾根伝いのルートは「倒木で迂回」の表示があり、回避。いったん下るメインルートは階段がぬかるんで滑りやすくなっていました。 ・能仁寺参道や境内から天覧山一帯は遅めの紅葉がちょうど見ごろでした。 |
写真
感想
遅れている紅葉がちょうど見ごろに当たりそうなので、久々にヤマノカミを誘ってギリギリ晩秋の奥武蔵へ出かけた。朝から雲一つない快晴で、飯能まで巨大窓の眺めが売り物の西武特急ラビューを奮発。と言っても、たった600円のプチ贅沢だが。
駅ビルでトイレを借り、コンビニでランチを仕入れて出発。広小路とか本町とか、地名からしてかつて賑わったであろう中心街を抜けて、まずは観音寺に寄り道。漫画「ヤマノススメ」の聖地とかで、鐘楼の白い象でも知られるが、ヤマノススメならぬ我がヤマノカミの方は「張りぼてじゃん」と手厳しい。御朱印への対応もイマイチとかで、自称仏教研究家による採点は辛めだった。
観音寺から5分も歩くと、中央公園通りの向かい側に天覧山入口の看板が見えた。ただ、通りに信号も横断歩道もないのは解せない。発酵食品のレストランを横目に紅葉のモミジが目立つ舗装路から登山道へ。低山ながらハイキングらしい装備の方が目立つ。ふだん山とは無縁のヤマノカミに飛ばし過ぎないよう注意したが、「大丈夫」と子供連れらをどんどん追い抜き、中段の広場も休まず通過。二股を左へ十六羅漢道の方へ辿った。
軽く下って登り返し、岩の見えるやや険しい石段を上ると天覧山頂上が待っていた。ざっと20人以上が都心から丹沢、富士山、奥多摩の展望を楽しんでいる。ひとしきり撮影に勤しんで、少し早めのランチにしようと話が決まったが、「こんな混んでる所は嫌」とヤマノカミ。じゃあ、中段の広場まで戻ろうと裏手に回り込んだら、古い二人掛けのベンチから先客が立つところだった。これ幸いと腰かけて、テルモスの紅茶も飲みながら昼食を採った。
悲劇が襲ったのは、出発しようと当方が立ち上がった瞬間だった。古いベンチが壊れていてバランスを崩し、後ろに倒れた。スローモーションのようにヤマノカミが仰向けになり、次いで視界から消えていく。すぐ後ろが急斜面で、頭を下にずり落ちているのだった。ヤマノカミが悲鳴を上げる。幸い下草のある土の斜面で、1.5mほど落ちた所で捕まえることができた。悲鳴を聞いたハイカーも大勢駆けつけてくれて”ヤマノカミ救出”に手を貸してくれた。
本人いわく毎日のストレッチの賜物で、かすり傷一つ負わずに済んだのは不幸中の幸いだった。問題のベンチは、助けてくれた人たちが危ないからと別の場所に移してくれた。やれやれ一件落着と言いたいところだが、山の服などないため街着で来てそれを汚すことになったヤマノカミはご立腹。「あんたが急に立ち上がったのが悪いんだからね」との判決を下された。
中段の広場へ戻ってトイレに寄り、気を取り直して多峯主山へ出発。分岐が多く、分かりにくい。紅葉が見事な東屋があり、「ここでお昼にすれば良かった」などと話しながら、うっかりメインルートの谷へ下りるコースを進んでしまった。実は東屋が分岐点だったのだが、戻って確かめると予定の尾根道は倒木のため通れないような告知があったため、改めてメインルートを下降。階段が整備されているが、途中から水に濡れて滑りやすくなり、後ろの女性が滑って尻餅をついた。
水田跡のような低地に着き、右折。分岐の道標に注意して再び登りに掛かる。木段が線路と枕木のように見えるこの辺りが見返り坂だろうか。秋の斜日が差し込む森の中の道を快調に進んでいくと、最後の標高差をジグザグの急坂で稼ぐ区間に至った。次いでまっすぐ伸びる石段の先が多峯主山の頂上のようだ。足元には鎖があるが、だれも使っていない。ヤマノカミも難なく標高270mの頂に辿り着いた。
賑わう山頂には評判にたがわない絶景が待っていた。天覧山と似たようなものと言ってしまえばおしまいだが、東は都心のビル群から武蔵野を経て南の丹沢山塊、富士山(時間的に逆光になってしまったが)を経て西に大岳山をはじめとする奥多摩の山々。裏手を振り向けば武甲山をはじめとする奥武蔵の連山が一望できる。予想外の事故で少々ご機嫌斜めだったヤマノカミも、自分の足で稼いだこの絶景には満足できた様子だ。
景色を堪能し、御嶽八幡神社への道で下山する。結構な急坂が続くのでヤマノカミの体力を心配したが、鳥取県の”日本一危険な国宝”三仏寺投入堂を登降した脚はダテではなく、何の不安もないようだ。
バイオトイレわきの分岐を右へ軽く登り返すと御嶽八幡神社。由来の説明を読んで一休みし、さらに階段の連続する急坂を下り切ると鳥居が現れ、水田跡のような谷戸に出た。もう一つ鳥居が見えれば山道は終了。東へ天覧山登山口の能仁寺を目指す。途中、また同名の御嶽八幡神社があったので寄ってみた。本家VS.元祖ではないが、二つ存在するのには何か事情があるようだ。
ヤマノカミが民家の庭木で遊ぶ小鳥たちを見つけた。シジュウカラ2、3羽にメジロも2羽混じって、枝から枝へと渡っている。立派な道だが先ほどから歩く人影は見えず、車もほとんど通らない。のどかな晩秋の里を散歩しているようで気持ちいい。ようやく人の姿が見えたと思ったら、ゴールの能仁寺の山門前に着いていた。山門から参道を経て本堂の前まで、境内はモミジが正に紅葉の盛り。頂上でとんだアクシデントがあったものの、最高の紅葉狩りウォークを楽しむことができてヤマノカミもご満悦だった。
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