三本杭《日本三百名山》


- GPS
- --:--
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 2,049m
- 下り
- 2,049m
コースタイム
- 山行
- 8:17
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 9:32
天候 | 晴れ一時曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 鬼北町の高月温泉(\300) |
写真
感想
深夜に雨が降った。一時激しく車の屋根を敲いたが、明け方には月が出ていた。昨日案内板で鬼王峠から万年橋に戻る絶好の下山路を見つけ、安心したせいで出発にもたつき、すっかり明るくなった7:20やっと歩き始めた。万年橋の袂に登山口があり、山道に取り付いた。地図にない出来たての泥濘だ林道を2度横断した。標高差200mほど登ると地図にある林道を横断、こちらはアスファルト舗装がされたしっかりした道だった。北東尾根から東尾根に乗換えて登り詰めた先は御祝山(おいわいさん998m)、何とおめでたい山名だろう。4等三角点「藤生」があるが展望はなかった。
急登が終りなだらかな登りとなって距離を稼ぎ、右手に三本杭が見え隠れし出すと横ノ森が近い。ルートは北を巻いてそのまま三本杭へ行ってしまうので斜面を攀じて横ノ森(1,210m)に登頂した。山頂手前から正面に三本杭が見えていたが、ピークは樹林帯にある。愛媛県と高知県の県境尾根の山で、さらに南には小屋ガ森(1,184m)がある。ザックをデポし足を伸ばした。山頂前後からは横ノ森、三本杭が重なって見えていい感じ、黒尊川上流の谷を挟んで向かい側には八面山が見えた。
歩き出しは晴れていたが、雲が出だし、時折雪が舞う天気になってきた。昨夜、下界では雨だったが、標高1,000mを越えると雪だったようで、うっすらと積もっていた。だんだん収まってきたが風があり結構寒い。折り返して横ノ森から県境尾根を進む途中、防護柵で区切られた一角に達した。ここが三本杭(さんぼんぐえ1,226m)への分岐点で、鹿の食害で裸になった植生回復が行われていた。門扉を開閉して通過して三本杭山頂に到った。2等三角点「滑床山」と山頂標識が建つだけで何もないが360°の展望があった。雲が低く遠望は余り良くなかった。三本杭は三角点名の滑床山(なめとこやま)とも呼ばれ、この山域の主峰の位置付けとなっている。
分岐点に戻り再び県境尾根を進み西へと下った。山頂から200mほど下降した鞍部は“熊ノコル”(1,030m)と呼ばれ滑床渓谷の奥千畳への下り道が分岐していた。140mの登り返しで八面山(やつづらやま1,166m)に達した。三本杭や対岸の高月山の展望が良い。写真を撮っていると相次いで2組の登山者が反対方向から登ってきた。聞けば鬼ヶ城山の向こうの鹿ノコルに車を置いて登って来たそうだ。
八面山は双耳峰で100mほど南に少し低いピークがある。踏み跡を辿って行って見るが南峰には何もなかった。しかし、三本杭の展望は南峰の方が良く拾い物だった。八面山に戻り県境尾根を離れ2年前までは宇和島市と津島町(今は合併で宇和島市)の境であった尾根を北西へと進んだ。地形図では大久保山(1,155m)は西側を巻いていたが、ピークを踏む道も付いており難なく登頂することができた。4等三角点「大久保山」があり展望が良く三本杭、鬼ヶ城山が大きく見えた。
下った鞍部は猪ノコル(標高1,050m)で西側の山腹を通る林道への下山路と鬼ヶ城の東山麓を巻き鹿ノコルへの道が分岐した。稜線ルートを真っすぐ進み鬼ヶ城山に登った。山名からは荒々しい山容を想像するが極々普通の山で展望は殆どなかった。ここで3組目の登山者と出会ったが、この小父さんは鹿ノコルではなく鬼ヶ城の西尾根を登ってきたそうだ。
まだ11時過ぎ、時間はありそうなので、縦走路を飛び出して小父さんの登ってきた尾根を下り、その先のピラミダルな山容の権現山に足を伸ばすことにした。ところが下り口を間違ったみたいで踏み跡はすぐになくなり、下草の少なそうなところを強引に下りなんとか山腹を横切る林道に出ることが出来た。ザックをデポし林道を越えさらに進むと道はジグザグに下りアザミ峠(標高860m)に達した。急坂を100mほど登り返して権現山(952m)山頂に到った。3等三角点「権現」があり鬼ヶ城山の展望が良い。そして西の眼下には宇和島市街が見えその中心に宇和島城が誇らしげに建っていた。山頂には山高神社の社殿があり、お参りしていると、中から神ならぬカップラーメンを持った小父さんが出てきてビックリ!?
林道まで引き返えし鬼ヶ城からの1時間の寄り道を終え、山腹を通る林道で鬼ヶ城を巻き鹿ノコル(標高1,020m)へと進んだ。八面山で出会った2組の登山者の車が置いてあり、傍には大きな案内図があった。それによるとすぐ南側に中岳(1,058m)の表示がある。これは登らないわけには行かない。ザックをデポし登るが道はない。藪を縫って登頂したが山頂を示すものは何もなく展望も得られなかった。
鹿ノコルに戻り、前進して毛山に登る。薄い踏み跡で名の如く毛のように生えた林の中に毛山(けやま1,089m)山頂はあった。地形図の登山道は西に向い、林道へと下りているが行きたいのは北東の高月山方向、道があろうがなかろうが強引に進む心算。僅かばかりの踏み跡を辿るがすぐに途切れ石楠花の林の薄い所を掻き分けて進んだ。P1064を目指し進んだが、何とここに櫨ガ森(はぜがもり1,064m)の山頂標識があり、予期せぬ1座を儲けた。
東南東に進路を変え、尾根を下るがやはり道はない。梅ヶ成峠(うめがなるとうげ980m)に下ると道が現れてやれやれだ。滑床渓谷と北の谷、成川渓谷へ下る道が分かれるがそのまま稜線を歩き高月山を目指した。晴れ間は戻ってきたが樹林帯でもどかしい。高月山は滑床の主峰三本杭よりも標高が高く、しかもピラミダルな山容で存在感はこちらの方が高そうだ。4等三角点「梅ヶ成」(1,054m)を越えると西高月山(1,062m’)山頂だが何もなく長い稜線を東北東に進んだ。急斜面を登り詰めて高月山(1,229m)の山頂に達した。展望は三本杭方面が開けるだけで余り芳しくない。
さてこの先はまた道がない。地形図とコンパスを頼りに藪を漕いだ。石楠花林で昨日のように棘がないので危険はない。地形は単純な稜線で密林帯の通過に苦労する場面もあったが、順調にP1196らしき所に到着しここが東高月山だと思い定めて来たがピークはこの先の尾根の先端だった。営林署の手になる東高月山(1,181m)の山頂標識が密林の中にあった。
この先も道はない様だが、微かに踏み跡かな? と思われる部分もあり、時々物好きが歩くのだろう。やがて鬼王峠(おにおうとうげ950m)に着き藪漕ぎは終った。案内板で見つけた滑床万年橋への下山路が右手に分岐するが下山前の一仕事に郭公岳(かっこうだけ1,010m)を往復した。確りした登山道があり山頂には宇和島市からの電波を受けるためのアンテナがあり滑床渓谷のTV視聴を可能にしているようだ。後ろの藪の中に3等三角点「槙尾」があり山頂標識も掲げられていた。
鬼王峠に戻り滑床渓谷へと急斜面をジグザグに下った。滑床渓谷の林道に達し、地図に記されたとおり左に進むと少し登り気味だなといぶかしんでいたら、なんと行き止まり!しかし怪我の功名で行き止まりの谷に素晴らしいナメ滝があり滑床渓谷の一端を見ることが出来た。地図上の位置に混乱を生じながら引き返し林道を進むと滑床渓谷の景勝地“霧の滝”から下りて来る地図に載っている林道に合流することが出来た。万年橋の駐車場に戻り滑床山系一周の登山を終えた。
帰りには尾根の向こう側にある高月温泉に寄り汗を流した。ここも入浴料300円。宇和島駅近くのラーメン屋で時間をつぶし夜行バスで帰京した。
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