槍ヶ岳 -北鎌尾根から

- GPS
- 10:55
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 1,536m
- 下り
- 1,540m
コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
水俣乗越からの下りは右岸に立派な巻道がある。 北鎌沢出合にはケルンや幕営適地があるとの情報だったが、暗くて分からなかった。 北鎌沢は初級の沢登りのような感じ。登りにくい大岩には巻き道がついていた。 北鎌尾根自体は各種記録を参照のこと。 独標の尾根伝いコースの出だしには古いロープで支点もどきがあるが全く信用できず。 また巻道で一度、尾根伝いで一度懸垂支点があった。支点が信用できそうではなく、また十分にクライムダウンできる斜面だったので懸垂下降せず。 |
写真
装備
| 個人装備 |
ツエルト泊一式
30mダブルロープ
ケブラーロープスリング7.5m
スリングカラビナ・アルパインヌンチャク
カムナッツトライカム
下降器
マイクロトラクション・タイブロック・捨て縄
|
|---|
感想
13日から5連休を準備。
湯俣から入るつもりだったが二日目の14日の天候がかなり悪い。時間的に安全地帯に入れない可能性も高く断念。15に新穂高から入ることにした。それにしても14日は南沢が通行できず15日朝からヤキモキした。
15日は移動のみ。時間的には十分に余裕があったのでこの日のうちに北鎌沢出合まで行ってしまおうか悩んだが、装備の重さから殺生ヒュッテにテン泊。
よい岩陰にいつになく完璧にツエルトが張れた。快適な夜を過ごした。
1時起床、準備出来次第出発。暗い中の東鎌尾根は怖い。いやある意味高度感が無く怖くないのかも。
肩の小屋からと思われる後続二人のヘッドライトが見える。水俣乗越にも入ったようだ。
水俣乗越からの下りはもっと怖いが立派な巻き道があった。沢歩きは単調で閉口した。
北鎌沢は大岩だらけのアスレチック大会。体力が奪われる。あと150mほどで稜線というところで、何処かから声がする。出たか、幽霊か…
そうではなく左岸の樹林に一人ビバークしていた。すわ、遭難か⁈と思いきや、そうではなくルート確認したいと声をかけられた。いや、ここしか登るところはないけれども…
この沢を右に右に詰めればコルに出ることをお話し、まぁとにかく安心したようなので先に進む。以後、幽霊さん(失礼!)。
14日の大雨の影響かコルの50m下まで水があり、早くに汲んだのは失敗だったか…(3Lだけども)。
コルでしっかり休憩。
さぁやっとアプローチが終わった。なんて遠いのだろう。湯俣なんて身の程知らずな考えだったなぁとか思いつつ、再スタート。
しばらくルートを考える必要もない樹林の中の踏まれたルート。こんなに明瞭なんだ…少し拍子抜け。時折トレース通りにせずに直登しようか?とも思うが慌てないでおく。
独標が見えるところで先行二人が独標を尾根通しに歩いており、ピークで手を振っていた。
こちらもサクサク進んで独標の基部についた。右に巻道を確認。
でもここは尾根通しで。
真正面に三角形の岩があるがその裏に古いロープが残置されている。そこからまっすぐ稜線が伸びているが最初にわずか5mほどだが壁がある。雑穀谷のAフェースみたいなもの。ここは5.7とのことだが確かにそんなところか。しかし落ちたらどうしようもないのであれこれ工作。壁を1.5往復してようやく安堵。重い荷物もこのため… 馬鹿なことをしているなぁ…
壁に取り付いている間に幽霊さんは巻き道に入っていった。テント撤収して追いつくんだ。強いなー。
そこから先もなかなか高度感のある細尾根を上りハイマツの間(しっかりトレースが…)を通り独標へ。一つの目標は達した。
後ろに後続が見えたが以後は見えず。
その後はできる限り尾根を通るようにしつつ時折巻道へ。さほど迷うようなこともなく進むが、独標までとは違い少しルート選択の必要があった。
尾根を通っている間に幽霊さんを追い抜いていたが、北鎌平で大休憩している間に先に行ってもらった。テン泊装備を担いで体力のある女子だった。
壁に取り付く。遠目で見ているより斜度はないし、何より踏まれている。壁を遠目で見ていたときの想定ルートと全く違っていた。
あまり迷いようがない状態でルンゼに入る。手も足も置くところがあるので登り、庵の真後ろに出るという話だったが、カメラマンからすると右手に上がってきた。
まさにいま撮るところだったので、スルスルーと体と頭を一旦下げて、頃合いをみてまた上げて、確認してピークに。
写真撮影の列に並ぶ気にはなれなかったので、遠目に撮影するに留めた。
幽霊さんはまだ居たので、お互いの健闘を讃えあい握手をした。
下ってキーマカレー。ビール。満喫。
そしてまた殺生に降りて爆睡した。
夕方に少し食べてまた爆睡。夜中に大雨で起こされ水害対策をしてまた寝た。まあまあ浸水したがSOLのビビーのお陰で濡れずにすんだ。
朝はガスのみで雨は少なく、淡々と片付けて槍ヶ岳山荘に登り返して新穂高に降りた。
湯俣から…と冬くらいから計画していたので気にしていたのはP2-7ばかりで、北鎌尾根自体は独標の直登ルートくらいしか調べなかった。ルートは選びようによっていくらでも難しくできるし簡単にもできた。
さて果たしてこれで満足できただろうか。もう一度行こうと思うだろうか?
とりあえず今日はそれ以上考えずに爆睡しよう。
コメント
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しんもん










ソロで行かれましたか。
読みながら、ドキドキ、拍手👏!
カズミさんと日〜月曜で湯俣方面とか西岳を候補にしてました。行ってたらニアミスでしたね。
湯俣から入ってたら…もちろん出口は伊藤新道と考えて居たのですが、
経験・装備・体力、そして天候の運、全て足りないなぁと思うばかり。
まだ足りないなのか、もう足りないなのか、そんなことを考えるようになってきました。
パワフルミエリン&カズミンには関係ない悩みかも知れませんが!
お互い安全登山でぼちぼち頑張りましょー
私の同僚が9月17日から横尾山荘〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜奥穂高〜西穂高間の山域に入り行方不明になっています。
最後に確認されているのは9月17日9時頃、横尾山荘付近の位置データで、その後の行方が分かっていません。
同じ日にこの山域を歩かれた方で、似た方を見かけた、またはすれ違った記憶がありましたら、些細なことでも結構ですので教えていただけると助かります。
すでに警察・救助隊には通報済みで、捜索が進められています。
皆さまの情報が、捜索の大きな手がかりになる可能性があります。
ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。
特徴
• 青いジャケットかオレンジのレインウェア
• 青いザック
• 30代男性
• 身長171センチでガッチリ体型、坊主頭
17日は日の出くらいに殺生ヒュッテを出発し、6時には槍ヶ岳山荘を過ぎ、その後飛騨沢から下山しています。残念ながらすれ違いようはないと思います。
お役に立てず申し訳ありません。
予定のルートで水俣乗越‐北鎌尾根‐槍ヶ岳の間以外はどこかに宿泊の記録が残ります。
そこから居る場所を絞り込むしかないのではないでしょうか。
早く足取りがつかめることを祈っております。
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