南八ヶ岳クライミング三昧 阿弥陀南陵~赤岳主稜~中山尾根~小同心クラック~稲子岳南壁左カンテ~ニュウ



- GPS
- 57:06
- 距離
- 36.8km
- 登り
- 4,009m
- 下り
- 4,137m
コースタイム
- 山行
- 6:37
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 9:02
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 4:42
- 合計
- 9:52
- 山行
- 11:22
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 11:59
天候 | 1日目曇りのち雨 2日目曇り一時雨 3日目曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
朝7時で空きはあと3台程度でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
赤岳主稜へのアプローチはガレガレでした。 ルートも全体的に脆い岩が多めで注意が必要でした。 |
その他周辺情報 | もみの湯を利用 650円/人 夕食はテンホウ富士見店で。やはりここの餃子は美味い。 |
予約できる山小屋 |
オーレン小屋
|
写真
感想
元々は剱岳南壁の予定でしたが日本海側の天気が悪く断念。せっかくの3連休だからとOさんがトレーニング山行を企画してくれました。
登攀5本を含む40kmを全て全装で繋ぐという魅力的なルート。またOさんのこだわりで同じ登山道をほぼ使わず(そのためにオーレン小屋まで降りた)、一筆書きで綺麗なラインを引けるようになっているとのこと。また今回なるべく残置物に頼らず、支点をカムやナッツでとるという課題も。
阿弥陀南陵
まずは冬の下見も兼ねて阿弥陀南陵でしたが、ほぼ歩き。ルンゼを上がっていくところが水が流れていてかつ浮石多数で緊張しましたが、ロープは出さずに早々にピークへ。
赤岳主稜
こちらも冬の下見。夏はあまり登られてないとの情報通り浮石は多かった。また最初のトラバースが冬は雪面で楽々ですが、夏はガレ場をトラバース。これが結構時間かかりました。
1P目は洞窟のようなルンゼを登り右上したところでピナクルで終了点をとる。そこからは岩場と歩きが交互に出てくる感じ。全てスタカットで登りましたが、コンテにしても良かったかもです。気づいたら登山道に出てました。
文三郎尾根を降りて行者小屋を目指す途中、結構な雨が降ってきて足早にテント地へ。テント内はまるで沢山行のような匂いで満たされていました笑
また今回Oさん直伝のロープマットを初体験。思ってたより快適でハマってしまいそうです笑
翌日はガスは出てましたが雨は止んでおり、予定通り中山尾根へ
中山尾根
まずアプローチは広い尾根から一気に狭い尾根になって取り付きへ。こちらも綺麗なボルトの支点がありました。
1P目、凹角を左上した後は、真上の凹角を登る。こっちはホールドが小さめで濡れてると怖く感じました。その後少し歩いて、上の灌木で終了点をとる。
ここから上部岸壁まではコンテで歩きました。
2P目は凹角を一気に上がる。ただ岩が脆い箇所があり、セカンドが置いた足場が崩れ頭ほどの岩が何個も私のすぐそばに落ちてきました。事前に言っていたフォールラインの意識の重要さを痛感した瞬間でした。
3P目は岩場にナッツで支点を取りながらも、ほぼ草付きの歩き。最後大きなピナクルも登ろうとしましたが、ここで風とガスが強まりビレイヤーが全く見えず、声も聞こえない状態に。ピナクル前でピッチを切って、もう1Pで上まで登りました。
4P後はそのまま日ノ岳へ直上するルートもありますが、風が強くなっていたため、バンドをトラバースして一般道に合流。
その後は横岳を通過してすぐさま小同心へ。ガスが出ていて視界はあまり良くないですが、個人的に目印と思っていた倒れた柵を発見し、そこから下降。懸垂下降を一回挟んで小同心クラック取り付きへ。
小同心クラック
ここへくるのは去年の10月以来2回目。前回は早朝の雨で断念しましたが、ぶっちゃけ今回の方がコンディションは悪い笑なんなら取り付きで今回一番の雨が。ただ、岩は濡れていますが、ホールドはガッチリあり中山尾根よりは安心できました。
1P目はフェースを左上してチムニーへ。
2P目もチムニーを抜けていきますが、なかなかカムが決まらず、綺麗なリングボルトを使用。最後の分岐は左のクラックへ行きました。すぐ上に小同心の頭が見えてましたが、手前のリングボルトでピッチを切る。
3P目すぐ上がった後はコンテにして最終4P目の取り付きへ。
4P目はしっかりカムをつかい、終了点もピナクルで取るなど、ナチュプロをしっかり使えました。
横岳山頂では電波が入り、天気予報を確認したところ天候良化の傾向が。最終日に期待を膨らませながら本沢温泉へ向かう。2日目は西風がずっと強く、稜線上ではまっすぐ歩けない場面も。逆に夏沢峠を過ぎてからはとても穏やかでした。
翌日予報通り雨はなく、東面なのもあってどんどん明るくなる空に心を躍らせながら歩く。中山峠へ至る道で分かりやすいピンクテープの地点から分岐。ここから初見でのアプローチを任せてもらいましたがやはりだだっ広い平地は迷いやすい。Oさんのアドバイスを受けながらなんとか踏み跡を辿りました。急斜面になってからは分かりやすかったが、取り付きを見つけられない。最後まで迷いましたが「カンテの取り付きである」ことを頼りになんとか取り付き点のテープを発見。課題はありましたが、自分達でアプローチを探り当てるのは楽しかったです。
稲子岳南陵左カンテ
取り付きにボルトはなかったので、クラックにナッツを3つきめてセルフビレイをとりました。
この頃にはカムやナッツにも慣れて、ほとんどの支点をナチュプロで取れました。
1P目は岩の間を抜けて、右手の凹角の前でピナクルで終了点をとる。クラックは豊富でカムは決めやすかった。
3P目は右側のルートと左側のクラックをいくルートに分かれてましたが、難易度の高い左側を選択。ここで4番のカムを持ってくればちょうどきまるそう。今回は置いてきたのでボルトで中間支点を取りました。終了点は迷いましたが、240スリングを使ってピナクルで取りました。
トップアウト後は稲子岳~ニュウを目指して北へ。一般道ではないので藪漕ぎっぽかったり倒木が多かったですが、踏み跡は見つけやすかった。
稲子岳はちっちゃな標識があるだけでしたが、ニュウは割と岩稜と行った感じでかっこいいピークでした。
そこからはひたすら一般道を通って赤岳鉱泉へ。天気も良くなっており快適な稜線歩きが楽しめました。また天狗岳手前あたりで稲子岳の登ったルートが見えたのも良かった。
さらに赤岩ノ頭まで出ると阿弥陀岳、赤岳主稜、中山尾根、小同心が見える大展望が。3日間の大冒険のクライマックスを飾るに相応しい光景。良く登ったなぁとその道筋を目で辿りながら思いに耽るのでした。
ps
大満足の山行を終えて八ヶ岳山荘に降りてきた後、中山十字路駐車場まで荷物を置いてOさんが車を取りに行っていただけることに。
しかしなんとスタートして10分も経たないうちに雨が本降りに☔結局1時間後にずぶ濡れになったOさんが車で現れ、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいに。。。下の温泉は全く地面が濡れてなかったことから、夏山は麓でも最後まで油断できないなと肝に命じました。
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