丸沼高原〜錫ヶ岳〜白檜岳〜五色沼


- GPS
- 11:24
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,594m
- 下り
- 1,001m
コースタイム
- 山行
- 9:43
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 11:22
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
ロープウェイ:片道1250円(14:00以降の料金)。16:30 最終。 |
その他周辺情報 | シャレー丸沼 座禅温泉:800円。最終受付 17:00。 洗い場が使いやすく汗を流すには最高。 https://www.marunuma.jp/winter/center-station/ |
写真
感想
去年,白檜岳から見た時以来,登ってみたいと思っていた錫ヶ岳を含む周回ルートを辿ることにする。全体の時間が読めないので,早目の0時45分に自宅を出発する。約3時間半のドライブで,4時15分に駐車場に到着。何時ものことながら夜道は鹿に遭遇することが多い。今回はいろは坂から始まり,都合9匹と出会ったが,特に金精道路の辺りは多かった。立派な角を持った大きな雄が,徐行しているこちらに向かってきた時は,一瞬,体当たりされるかと思った。
駐車場には他に10台以上が停車していたが,未だ動き出している人はいないようだ。暗いのでヘッドランプを点けて歩き出す。気温は15℃。空には少し雲も出ているが,オリオン座が輝いていた。スキー場の中の舗装路を登り,途中からはゲレンデの端を通ったりするが,今一つ現在地が良く分からない。適当に登っていると,去年,通った路に出合えた。螢塚山への登り口を過ぎると,直ぐに未舗装路の分岐に出,これを降る。作業用と思われる道を10分足らずで小屋のようなものが見える。地形図ではリフト乗り場のはずだが,リフトは取り壊され,乗り場の小屋だけが残っているようだ。右手に車止めのゲートがあり,林道が下に続いている。更に10分ほどで目指す沢の出会いに到着する。水は流れておらず,車も通れそうな道が続いている。数分で第一堰堤に着くが,路は更に続いている。第二堰堤まで来ると水流が現れ,道も山っぽくなる。その後も堰堤は次々と現れるが,何れも踏み跡がしっかりとあり,赤目印も随所に出てきた。第七堰堤を過ぎると,沢を何度も右に左にと渡り返しながら歩き易い処を選んで登って行く。天気も良いので河原歩きの気楽な気分だ。やがて沢の奥の方に,錫ヶ岳に続いていると思われる稜線が見えてきた。右や左から落ちてくる支流には,ゴロゴロと石が転がっていて,大雨の時には落石が凄いのだろうなと思われた。
やがて沢が左右に分かれ,岩で挟んで立てられた枯れ枝に赤テープの目印があった。これから登る向かって左の沢には,更に2つほどの目印があった。水は伏流しており,石と枯れ枝がゴロゴロした斜面を登って行く。10分ほどすると再び細い水流が現れた。更に10分ほどすると左側に稜線らしきものが見え,そちらが本来のルートだったと思われるが,そのまま直進してしまう。やがて沢筋は石屑が積み重なって崩れやすくなってきたので,右手の尾根に取り付く。下からはホールドが豊富に見えたのだが,実際は直ぐに剥がれる岩と枯れ木が多くて,しっかりとしたものがない。10mほど上がったところで,更に50cm右上に上がろうとしても確実なホールドが見つからない。しかし,ここで焦ってはいけないと気を静めた後,再度,周囲をよく観察する。左側は上の方が密集したブッシュになっていて,通るのが難しそうだったが,その下の方には1,2cmと細くはあったが,何とかなりそうな枝があった。その枝を折らないように出来るだけ幹に近いところを押さえつけながら,じりじりと這いずり上がる。ブッシュで押し返されるが,しっかりした枝に持ち替えて,頭からねじ込んで行く。何とか,直ぐ上の小テラスに着いてほっと息を吐いた。その後もシャクナゲのブッシュ帯を10分ほど掻き分けると踏み跡に出て,赤テープもつけられていた。そこから2,3分で稜線上の踏み跡に出られた。家に帰ってから確認すると,難儀した処で10mの高度を稼ぐのに15分もかかっていた。
兎も角,尾根上に出られたので一安心して,クリームパンを齧る。ここからは明瞭な踏み跡があり,赤目印も多かった。樹林の中の踏み跡を気持ち良く進むと,小さな池塘が現れた。この先は笹藪が続くが,丈は腰程度までとそれ程高くはない。時々,踏み跡を見失うが,登りなのでそれほど気にせず進む。途中,樹林が消えた処で中禅寺湖や男体山,社山などを拝むことが出来た。錫ヶ岳の山頂は樹木に囲まれてはいるが,東から南にかけては眺望がきき,先週登った庚申山などが見渡せた。鳥の声も聞こえない静かな山頂だった。
降りでは気分よく歩いている内に目印の確認を忘れてしまい,ルートを外してしまった。しかし,大きな方角さえ間違わなければルートに戻れると考え,やや右寄りに修正しながら歩いていると,登りに通過した池塘に再会でき,元ルートに戻れたことを確認した。
その後,樹林の間から見える燧ヶ岳や四郎岳や燕巣岳などを楽しみながら踏み跡を辿って行く。水場への下降ポイントを過ぎた辺りから樹林の密度が高くなり,見通しが利かなくなる。歩いた時間と,周囲により高い地形が見当たらないことから,2296mの標高点に着いたと判断して一休み。この先は進行方向が東南東に変わると思って進むのだが,踏み跡はどちらかというと東北東よりで,目印も見当たらない。不思議に思いつつも,しばらくは踏み跡を歩く内に,一本の木に沢山の目印が付けられた地点に辿り着いた。どうやら,ここが本当の2296m地点らしい。周囲を見回すと,正に東南東方向に赤テープと踏み跡がある。ここからは特に迷うことも無く,気持ち良く歩けた。
暫くすると北の方には白根山,南の方には皇海山が見える開けた処に出る。白く立ち枯れた木が多く立っていて,中々に見ごたえのあるシーンが続く良いルートだった。笹藪の丈はそれ程でもないのだが,踏み跡以外を歩くと掻き分けるのに力を要するので,結構,疲れてくる。それでも景色に気を良くしている内に白檜岳に到着した。山名標を探して周囲を探し回ったが,きちんとしたものは見当たらず,立ち枯れた木の高い処に判読不明の札がかかったものだけだった。
兎も角,ここで目的の山頂は踏んだので,この先をどうするかを思案する。既に13時近くになっており,16時半の最終R.W.に間に合わせるには,白根山経由は無理。白根隠山を経由するルートも時間的に厳しそう。ということで,昨年,登りに使った北面側の尾根を降って谷(瞑想の谷と呼ばれているらしい)に降りることにする。ただ,前回は,尾根の登り始めで苦労したので,先ずは北のコルを目指して降ることにする。降り始めはシャクナゲが密生していてルートが判然としない。できるだけブッシュの薄いところを選んで強引に突破する。10分ほどでブッシュを抜け,尾根につけられている踏み跡を辿る。正面に聳える白根山を見据えながら降って行くと窪地に出た。
思っていたところから50m程西寄りだったが,東に移動すると直ぐに大きな谷間が目に入ってきた。現在地からは,左側の斜面をトラバースするような踏み跡が東に続いている。これは50m下の谷まで降りずに済むのかなと思って歩き始めるが,途中から踏み跡が途切れ始め,歩き辛くなってきたので,結局は適当な処から谷底まで降った。去年,谷底を通った時は7月だったのでコマクサが沢山咲いていたが,今は枯草色の葉ばかりだ。
谷底から再び50m余りを登り返して平坦になった所で最後の休憩をとる。コースタイムでは,ここから山頂駅まで1時間50分ほどで,現在は14時過ぎ。何とかギリで間に合いそうだなと安堵する。余裕があれば座禅山にも寄りたかったが,今は時間を間に合わせることを最優先にして最短コースをノンストップで歩いた。途中,元気の良い4人組に追い抜かれたりする。流石に70近くになって20代と張り合う気も無いが,少し悔しい。山頂駅に着いた時にも,一部を雲に覆われながらも白根山は顔を出していた。午後は雲で隠れることが多いのにラッキーと思いながらロープウェイに乗り込む。前方に丸沼と,その向こう側に下の方を雲に覆われた四郎岳,燕巣岳が見えた。未だ登っていないので興味をひかれる。
未だ17時までの受付時間に間に合ったので,座禅温泉で汗を流すことが出来た。宇都宮のファアミレスで晩飯を摂り,帰宅したのは21時40分だった。
今回は最初の沢の詰めでルートミスをしてしまったのが悔やまれる。もう少し,地形図を読み込んでいればと思うが,ミス地点までがそれ程の緊張を要しなかったことで気が緩んだようだ。単独行でのミスは命取りになりかねないので気を引き締めよう。今回はずっと天気が良かったので,幾つかのルートミスにも気分的に楽に対処でき,GPSを一度も使わなかったのは良かったのだが。
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