1839峰〜シビチャリ山


- GPS
- 80:00
- 距離
- 54.2km
- 登り
- 2,823m
- 下り
- 3,129m
コースタイム
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 7:25
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:33
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 6:02
天候 | 10/2 晴れ→曇り 10/3 晴れ 10/4 晴れ 10/5 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
日高の未踏の山で最後に残ってしまったシビチャリ山。1839峰の南西に位置する地味な山で、積雪期に1839峰へのアプローチの途中に踏まれるか、一部のマイナー志向の方がサッシビチャリ沢から沢登りで登られている。せっかく登るなら記録の無いルートから行ってみたいし、ピークハントよりも縦走が好きなので、1839峰から稜線を藪漕ぎで繋いでみた。
【1日目 10/2】
記録的な夏日が3日間続くという予報に期待して、札内川ヒュッテから出発。前夜まで雨が降っていたが、コイカクの沢はいつもの水量で問題無く、目前には青空の下に稜線がくっきりと見えていた。濡れた藪に備えて上二股から沢足袋のまま夏尾根に取り付く。下草が乾いてきてから・1305で登山靴に履き替えた。これは成功で、その後登山靴は最後まで乾いた状態を保てた。
コイカクからヤオロの主稜線はガスが多めだが視界は十分。風も無くて歩くと汗をかくくらい。でも立ち止まるとすぐ涼しくなるあたりに秋を感じる。ヤオロマップ岳から1839峰側に2分下った場所にテントを張り、尾根歩きに備えて直下の水場に下って5L汲んでおいた。やることもなくなり、夕飯を食べて17時には就寝。
【2日目 10/3】
4:30起床。普段の睡眠負債を解消すべく11時間も寝てしまった。外は朝から快晴で、ヤオロマップ岳から見る朝焼けの山脈は美しかった。撤収してまずは1839峰へ出発。
1839峰までは6年前に1度歩いている。この区間はヤオロまでの主稜線よりも少しヤブ度が上がり、笹被りや枝打ちされていないハイマツも増えていく印象。それでも足元には明瞭な道があるので、日高の稜線としてはかなり歩きやすくて快適な部類だと思う。
1839峰からはいよいよ藪に突入。南西のハイマツの海のような斜面を下っていく。泳ぐような藪を予想していたが、ハイマツは腰丈程度で寝ているので、枝歩きで思ったよりサクサクと下って行けた。コルから1680mポコの先までは稜線上部はハイマツが濃いが、北側に藪の薄い草地と鹿道が少しあって助かった。・1742への登りは逆目の濃密なハイマツで、この日一番のキツい区間ではあったがそれほど長くはなかった。
・1742ピークはベニカル沢の上流部にあるからか、一部のコアな山屋から「ベニカル山」と呼ばれている模様。山容的にもシビチャリ山より目立つし、ピークからの眺望も360°開けていて、1839峰の南西面や主稜線を見渡せる。実際に登ってみると、こちらに名が付かなかったのが不思議なくらい良い山だった。
・1742から南の細い稜線は、それまでよりも僅かにハイマツが薄くなったような気がした。途中の1630mの2つのポコ周辺からは西側に草地と鹿道が現れ、それがシビチャリ山の直下まで続いた。1839〜1742までと同じ時間がかかると見込んでいたが、薄藪に助けられて予想より1時間近く短縮してシビチャリ山に到着。笹に覆われた三角点周りを綺麗にして、直下の平場でテン泊。
【3日目 10/4】
2日連続で山頂からご来光を拝めて幸せな気分。ルベツネ〜ペテガリと南に続く稜線を一望できる良いテン場だった。
シビチャリ山からまずは1590mポコへ下る。直下は背丈ハイマツと笹のミックス藪が濃く、1590mポコに近づくと薄くなる。1590ポコからは南西に向かい、サッシビチャリ沢のなるべく下流部まで尾根通しで下ってみることにする。尾根の北西側には藪の薄い草地と鹿道があり、藪漕ぎらしくなる所はほとんどない。・1370〜・1121と続き、1050mまで薄藪と鹿道が続いた。
1050mから南に向きを変えると腰丈〜肩丈くらいの笹藪になり、鹿道も消えてそこそこの藪漕ぎとなる。それも長くは続かず、700mあたりから再び薄藪になり、下草程度の急斜面を下るとサッシビチャリ沢の右岸に降り立った。今回下りで使った南西尾根は、沢登りの後の下降にはもちろん、ピークハント目的で登りで使うこともできるような気がした。ただし薄藪の代償としてダニはかなり多かった。
染退橋からは快適な寝床を求めてペテカリ山荘へ。山荘には札幌から来たという3人(登山者ではない)が焚火を囲んでいた。お誘いを受けて入らせていただき、日高の山談議をしつつビールにホッケ、モツ鍋、スペアリブ・・・ご馳走をいただいてしまう。快適な山荘に豪華な夕食、天国のような3泊目だった。
【4日目 10/5】
この日はペテカリ山荘から下界へ。
いつもならベッピリガイ乗越で元浦川林道に下るのが一番早いのだが、今年は林道手前の道道が通行止めになっている。なので今回は三石ダムの奥にバイクをデポしておいた。
ルートは山荘〜東の沢林道〜道道111号〜高見橋〜高見林道〜美河林道経由で32km。100%林道歩きで過去に何度か通っている安心感からこのルートにした。
高見林道は以前に増して崩落が増えていたが、大崩落地点のワイヤートラバースも徒歩なら何てことは無く通過できる。さすがに距離が長くて脚の疲労感が出てきたが、7時間ちょいで三石ダム奥まで到着。
デポしておいたバイクに乗り、文明の利器のありがたみを感じながら札内川ヒュッテに戻った。
【まとめ】
久々に連休と好天がばっちりはまって念願の縦走ができた。1839峰からシビチャリ山は下降尾根も含めて意外と藪が薄い所もあり、無雪期でも十分歩くことはできた。ちょうど1年前に行ったカムエク南西稜〜シカシナイ山と並んで面白いルートだと思う。日高の山を東西に横断する縦走は長い林道歩きが加わってくることが多いけど、そういう所も含めて旅っぽくて好きだったりする。
今回の山行で日高山脈の名のある山はほぼ全て登頂することができた(人為的な規制のある山、地形図に山名表記が無い一部の山を除く)。全山と言ってもとりあえずピークに立っただけであって、日高の山の本当の姿をまだ3分の1も見ていない気がする。今後は別の山域をメインに登りつつ、気が向いたらまた日高の奥地に行ってみたい。
コメント
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ずっと前からチャリでペテガリ山荘まで行ってみたいと思ってましたが、大崩落地点を通過するのはキツい感じでしょうか?
崩落地点の通過ですが、チャリを担いで落石防止ネットの斜面をよじ登り、ワイヤーの上をトラバースする必要があります。気合いと根性があれば突破できます(笑)
三石ダムのゲートから山荘まで4時間くらいで行けると思います。
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