小樽天狗山-於古発山-遠藤山-塩谷丸山〜古い平らなスキーツアーコース〜見通し甘く夜間滑降


- GPS
- 06:41
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 823m
- 下り
- 973m
コースタイム
天候 | 晴のち曇り時々雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
※JR塩谷駅からの列車は1時間1本ぐらいしかない。国道の方まで行けばバスもある |
コース状況/ 危険箇所等 |
※天狗山から遠藤山まではだだっ広い尾根で、視界も効かないが、赤布や標識もあるし、迷うようなところはない ※遠藤山から塩谷丸山へはシールを外したが、尾根上は平坦で滑らないところが多く、少しの登りもある ※最低鞍部から塩谷丸山までは200m近い登り |
写真
感想
木曜から金曜にかけて、かなり雪が積もったので、土曜には、
今まで一度も行ったことのない塩谷丸山でパウダーを楽しもうと考えていた。
しかし悪い癖で、それだけでは物足りない気がしてきた。
どのみち10時ぐらいにしか家を出られず、昼過ぎのスタートになってしまうのだから、
本当は塩谷丸山だけで十分だったのだが...
ヤマレコで検索すると、夏の記録ながら、小樽天狗山-於古発山-遠藤山-塩谷丸山と縦走している記録があった。天狗山から太い尾根を南西へ、於古発山、遠藤山とたどり、そこで北へ向きを変えて、今度は割と細い尾根を下り、南側から塩谷丸山へ登る、そういう道があるようだ。
あまり面白みはなさそうだが、天狗山ならバスも行っているはずだし、
コースにはそれほどアップダウンがないので、まあ行けるかも。
ヤマレコの記録は、天狗山から丸山まで2時間足らずで行っているが、
この人は、藻岩山〜砥石山〜手稲山を日帰りで行っているような人なので、
あまり参考にはならない。
しかし、ラッセルを考えても、倍の4時間もあれば何とか行けるのではないか?
あわよくば3時間半ぐらいで(そうすれば塩谷17時過ぎの列車に間に合う)と思ったのだが...甘かった。5時間以上かかってしまった。
小樽駅から散策バスで天狗山へ。既に昼なので、車中で握り飯を食う。
天狗山へ来るのは初めて。チケット売り場がわからずウロウロ。時間短縮のためにリフトで頂上へ。リフトの方がロープウェイより上(というか先)まで行くし、値段も半額。しかし、珍しく貼ってきたシールを剥がさなければならない。
天気が好く、リフトからは塩谷丸山もよく見えたのだが、写真を取り損なう。結構近く見える。そう、直線距離では近いのだが...遠回りするんだよな。
リフト終点から早速山に入る。といっても既に尾根上なので、登りではなくて水平に歩くだけ。途端に天気が悪化。さっきまでの晴天が嘘のよう。
トレースはない。今年は行くところ行くところトレースがあったのだが...。200mほど行って、ちょっと登りになるところでシールを貼る。
だだっ広い尾根で周囲の視界もほとんど効かないが、赤布や赤ペンキが随所にあり、また道があるところは木がないので、何となく判る。
ラッセルはスネ程度だが、体重をかけるとズブズブ沈む重めの雪で、スピードが上がらない。ちょっと疲れる。軽量のウロコ板で来た方が良かったか。
3〜40分行くと、尾根の左側が切れ落ちたところに出る。P.554の南西の地点。勝納川を挟んで対岸に、毛無山の尾根が見える。
右前方からは、イヤな音が響いてくる。スノーモービルだ。私にとって掃除機やバイクの音と同様に、不安にさせられ、落ち着かなくなる音だ。
木に打ち付けられているものを発見。トタン板の標識のようだが、全面錆びきっていて何が書かれていたのか全くわからない。かなり古いもののようだ。50年は経っていそうだ。
582.9mの三角点ピークを右から巻くと、尾根を横断している送電線下の切り開きに出る。尾根の右手の下の方から、スノーモービルの音がひときわ大きく聞こえ、時折人の声も聞こえてくる。
送電線の真下に1本のシュプールが目の届く範囲に続いている。どこから来て、どこへ行くのか? 切り開きが続いている、あの小樽峠付近まで行っているのだろうか?
やがて、今日初めての尾根らしい尾根の登りとなり、この尾根上に出ると、右手に海が見えてくる。天狗山スキー場以来。そして、こちら側に塩谷川の方へ向かってオープンバーンが広がっている。この於古発山の北東斜面、それほど長くはないが、時間があれば滑ってみたいところ。
於古発山への最後の登りは段々緩くなり、ついにはほとんど平らに。なかなか着かない。塩谷丸山が少しだけ見える。陽が差してくる。
於古発山の頂上には特に標識無し。少なくとも雪上には。既に15時過ぎ。塩谷駅17時は難しそう。このあたりから塩谷川沿いの林道にエスケープできそうだが...いや、ここから遠藤山は割と近い。予定通り行こう、と遠藤山〜塩谷丸山コースへ突っ込む。
遠藤山へ向かうと、「スキーコース 天狗山-於古発山-遠藤山」と書かれたトタン板の標識を発見。No.36の数字と、下には懐かしいフルヤキャラメルの広告入り。そうか、ここはスキーツアーコースだったのね?知らなかった。あの錆びた標識もこれだったのか。やはり、かなり古いものだろう。小樽には、札幌の人が知らないスキーツアーコースがあったんだな。
やがて、今日これまで見なかった光景が出現。尾根が細くなっているのだが、尾根上の幅2〜30mには木が全く生えておらず、その状態が200mほど続いている。尾根の左(南東)側に雪が吹きだまって部分的に雪庇を形成し、尾根上は右(北西)下がりの斜面になっている。
ここを抜けると、遠藤山手前の最低鞍部となり、遠藤山まで70mほどの登り。右(北)側の尾根に上がって頂上へ。右手には塩谷丸山への尾根が見えているが、これはかなり下まで下っているように見える。一番最後に今日最大の標高差の塩谷丸山の登りが待っているのだ。たかが200mとはいえ...
遠藤山頂上16時。シールを外して北へ下る。快適に滑れたのはほんのちょっとで、すぐに緩くて木の多い尾根の下りとなる。570mや498mの独標のあたりなど、尾根上には等高線に現れない登りもあって結構滑って難儀する。昨日ワックス塗らなければよかった。本当はシールを貼った方が早いのだが、すぐにまた剥がすのがイヤなのだ。
やはり、ここはウロコ板の方がよかった。500mの等高線のピークなどは、多少巻きつつも、相当緩い斜め階段登行で何とか乗り切る。
下りになると、木々の向こうに塩谷丸山が見えてくるが、木がないせいか、かなり急で標高差があるように見える。
438m最低鞍部に着いたのは17時10分。もう列車は行ってしまった。さあ、最後の登りだと気合いを入れ直すが、雪も降ってくる。相変わらずの雪質で、傾斜もきつくなり、スピードはあまりあがらない。暗くなってくる。振り返れば、遠藤山からの尾根が黒々と手前に延びており、左上には天狗山からの尾根も見える。
塩谷丸山の頂上の向こうに、夕陽が暮れ残っているが、いつまで保つことか。北側の斜面はシュプールだらけだろうと、わかっているからいいようなものの、初めて滑る山に、こんな遅い時間に登るなんて無茶だと怒られそう。ピークの左には余市の灯が見える。ようやく着いた思ったら、まだ先があるというのを2,3度繰り返して、頂上に立ったのは18時過ぎ。塩谷や小樽の灯りが見える。
クラストしているので、少し下ってシールを剥がす。ヘッドランプをつけて滑るが、LEDの光はごく近くまでしか届かず、あまり役に立たない。こんなに暗くてはパウダーもクソもないと思っていたが、滑ってみると、何とか木は見えるぐらいなので、結構曲がれる。これもファットスキーのおかげか、それとも滑りやすい斜面の故か。
大勢が通った登りのトレースは、クラストしていて滑りにくいのでなるべく避ける。下ってくると、顔に木の枝がバシバシ当たるようになる。直前まで見えないので、ストックを持った両手を顔の前にかざしてガードする。
沢筋の右の尾根を下って林道に出ると、すぐに人家の灯り。スキーを履いたまま車道の端を滑る。かなりスピードが出る。車が来たので、轢かれないように、踏切の少し手前でスキーを脱ぐ。塩谷駅では数分の待ち時間で19時3分の小樽行きに乗れた。これを逃していたら、次は1時間半後だったので危なかった。
列車内には、大きいザックとスキーを持った単独行の?外国人(欧米人)山スキーヤーがいた。
琴似駅からタクシーで帰宅したが、父を2時間も待たせてしまった。反省。こういう山行はやめなければと思うのだが...。
いつも埼玉県から懐かしい思いで拝見してます。このコ
ースがツアーコースだったとは知りませんでした。天狗
山からは、私の父方の実家が見え、また山行記録として
常時記載されている三角山方面は、正に実家のすぐ近く
ですので何時も興味深く拝見してます。
私も真夜中のスキー滑走を余市岳等で余儀なくされまし
たが、その恐怖と醍醐味は忘れられません。
羨ましい限りです。
北海道の山スキー最高!
yanasanさん、どうも
私は天狗山へ行ったのも初めてで、スキーじゃないコース(道)があるのさえ、数日前まで知りませんでした。
私は真夜中に滑ったことは無いですが、日没後の滑降は、高校のとき以来の悪い癖で、まあ何とかなるだろうと、ついついやってしまうことがあります。
初めてのところの場合は、それほど急ではなく、
コースがはっきりしているところ、という条件がつきますが、本当はやめたほうがいいですね。
今回は、多少は斜面が見えたし、傾斜も比較的緩かったですが、以前、真っ暗な中で急斜面を滑ったときは、不思議な感覚でした。
斜滑降しているつもりなのに、体の片側、肩から足にかけてが何だか冷たい。気がつくと、いつの間にか転んで体の側面が雪面に付いている、そんなことの繰り返しでした。
yanasanさんは、上越国境のあたりによく行かれているんですね。私も結構好きで、何回か行きましたが、登り残したところが多く心残りです。また行く機会があるといいのですが...。
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