針ノ木岳環状縦走


- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 2,300m
- 下り
- 2,307m
コースタイム
24日5時5分 針ノ木小屋 12時5分種池山荘 15時扇沢
詳細は本文を参照。
天候 | 晴。初日少し雪。 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な箇所はないが、危ないといえば、登山道はどこも危ない。気を抜けば、どこでも怪我をします。よく整備された登山道に感謝です。 |
写真
感想
2011年9月22日(木)
22日(木)が当初より休暇で4連休になるので、21日(水)の夜に出て北アの別の山行を予定していたが、台風のせいで帰宅が深夜となり、計画はオジャン。カラダも疲れていたので、午後にゆっくりと出られる今回の山行を考えた。さいたま市の自宅を午後に出て、上信越道経由で豊科ICを降り、大町で晩飯を食べ、扇沢の無料駐車場に19時半到着。クルマはまだほとんどない。天の川がきれい。シートをフラットにしてすぐに寝た。
9月23日(金)
4時半に携帯の目覚しで目が覚めるが、今日はゆっくりだと思い、結局起床は5時半。駐車場も8割くらい埋まっていた。出発している登山者も多い。天気はよし。おにぎり食べて、パッキングし直して、6時15分くらいに出発。登山者のほとんどはアルペンルートへ。針ノ木岳登山口で登山届を提出。車道を3回くらい横切ってからが山歩きのスタートという感じ。淡々と樹林のなかを歩き、1時間15分で大沢小屋。ここで小休止。ここから少し先に行くと、沢筋になり視界が開ける。シーズンならば大雪渓の始まりであるが、この時期、雪はノドのところに残っているのみ。通常の登山道を行くが、高巻くところなど歩きやすく整備されており、感謝。沢沿いを行くので涼しい。ノドの手前の渡渉は水量も多い。最後、急斜面のジグザグ道を淡々と歩き、出発から丁度4時間で針ノ木小屋に到着。受付でテンバの受付(500円)とビール350ml、発泡酒600ml(各々600円)を購入。テンバは好きなところに張ってよいとのこと。風の通り道になりそうだが、上段の扇沢寄りに設営。ボチボチと他のキャンパーも到着。設営後、蓮華岳に向かう。小屋前から登り出すと少しあったガスもとれ、いい天気になってきた。振り返ると小屋とテンバははるか下に見える。針ノ木からスバリ、赤沢方面の稜線も険しくも美しい。蓮華岳に向かう道も最初は急だがしばらくすると緩やかになり、素晴らしい天上の遊歩道だ。1時間で蓮華岳頂上。大町市街方面からガスがかかりその方面の眺望はないが、山岳の眺望には問題なし。明日歩く稜線も明らかで、新越山荘、種池山荘、冷池山荘もよく見える。ここから北葛岳、七倉岳と続く稜線の迫力もいい。何より先月歩いたばかりの、鷲羽岳から水晶、赤牛を越えて下に続く読売新道のラインから目が離れない。1時間ばかり時を過ごして頂上を辞す。まだまだ蓮華頂上に向かう人とすれ違うが、針ノ木小屋が見えてきてから、あっという間にガスに包まれた。寒いと思ったら、白いモノが舞っている。マサカと思ったが、やっぱり雪だった。若干急いでテンバに戻るが雪は舞い続けテントも白くなっている。稜線にいる人は焦っているかも。テントのなかでしばし休息。そのうち雪も止んだが寒い。17時頃には天気もよくなった。寒いが、外で湯を沸かし、レトルトカレーとスープで夕食を済ます。18時過ぎにシュラフに潜り、ラジオを聞いて過ごす。後立の稜線では、東京のNHKもTBSラジオもよく入る。20時頃外を見たら快晴ですごい星空。今日も天の川がきれい。寒かったが何とか寝れた。
9月24日(土)
4時前に起床。まだ星空が美しい。テントの撤収、後片付けを済ませて5時5分に出発。蓮華岳の後ろ辺りから赤く空が染まってきている。ヘッデンを点け、テンバのすぐ横からの急登でスタート。一登りすると傾斜が緩む。ヘッデンはもう不要。気持ちのいい平地があるが、キャンプ禁止の看板の真横に3つのテントが張られていた。いやなものを見たが、山岳眺望は最高。頂上への期待が膨らむ。出発して45分で針ノ木岳頂上。360°の大展望とはこのことか。見えるはずの山が全て見える。針ノ木谷を挟んで裏銀座の山なみがデカい。その右手には、読売新道から赤牛、水晶の連なり。その奥には槍ヶ岳が聳え、その左には前穂が槍ヶ岳と対のように鋭く屹立している。振り向けば、これから歩く後立山のスターたちが白馬岳までずっとつながっている。そして何より、これからずっと左手に見ながら歩く、剱・立山が目の前。その連なりは五色が原を経て、薬師岳につながっているのだ。山岳だけでなく、下を見ると黒部湖、高瀬ダム湖の水面。全く、針ノ木岳は北アルプスを知るための最高の展望台といってよいのではないか。もちろん遠くには、南ア、富士山、八ケ岳のシルエットも鮮やか。全く見飽きない眺めだが、長居も出来ず。6時10分に出発。針ノ木岳からのガレ場の急下降そして急登をしのぎ、45分くらいでスバリ岳の静かな頂上。ここまでの途中、黒部湖畔のロッジくろよんの青い屋根を見下ろす。先月、あそこに着いたときは相当バテていました…。スバリ岳からのガレ場を下ると、次は赤沢岳までの長めの登りとなる。途中危ないところはなく、前後左右、素晴らしい眺めを満喫しながらの稜線漫歩。振り返ると、蓮華、針の木もかなり遠くなった感じ。右手の下方には扇沢の駐車場が見える。8時半くらいに赤沢岳の頂上。けっこう広い頂上だ。鹿島槍から白馬までの連なりが大分近くなった感じ。少し長めの休憩をとる。ここからハイマツ帯の気持ちのいい稜線だ。この下をアルペンルートのトンネルが通っているのだ。最後少しのガレ場を過ぎて9時半に鳴沢岳頂上。ここまで順調。ここからガレ場を下り、少し歩いて新越山荘に着く。周りは草地のような感じで、稜線上の割にいい雰囲気の小屋だ。ここでベンチに座らしてもらって小休止。何もお金を使わなかったのに、出発の際、若い従業員の人に、「お気をつけて」と声をかけてもらった。「ありがとう」と返事する。営業は明後日までということだが、次回、逆回りの時にでも泊まってみたいと思った。まず目の前の小山を越えていく。北アの稜線とは思えないような草原の小山。この山を越えて次のピークが岩小屋沢岳。11時5分。ここから種池山荘の間も、笹やハイマツの優勢な穏やかな緑の稜線だった。途中、ハイマツや笹藪越しの剱・立山や鹿島槍の眺めを楽しみながら歩く。いいところだ。同じ高さに見えていた種池山荘を見上げるようなところまで下りて、最後その分、登ったところが種池山荘だった。12時5分着。これまでと違い、すごい大勢の人で賑わっていた。ほとんどの人が鹿島槍方面を行き来する人なのだろうか。遠くに見える針ノ木小屋からのルートを振り返り、しばし休憩。素晴らしい縦走ルートだった。12時半前に柏原新道を下る。それほどのきびしい下りはないのに、石や木を使って丁寧に整備されており、1000mを2時間半くらいで下してくれる素晴らしい道だ。淡々と下って3時過ぎに新道の入口に着く。最後、扇沢の駐車場まで一登りが待っている。途中の駐車場で帰りの準備をしている下山してきた登山者たちが、「お疲れ様でした」と声をかけてくれる。皆、いい山歩きをしてきたからか。それとも、俺がよっぽど疲れているように見えたのか。クルマに戻って、ほっと一息。少し下って、「薬師の湯」で汗を流す。気持ちいい。その後大町のガストで食事。帰りの高速は空いていて、21時半頃自宅着。疲れたが、いい山旅だった。
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