記録ID: 1815600
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
剱・立山
イグルー泊で黒部五郎と薬師岳
2019年04月28日(日) 〜
2019年04月29日(月)


体力度
10
2〜3泊以上が適当
- GPS
- 26:19
- 距離
- 65.5km
- 登り
- 4,015m
- 下り
- 4,030m
コースタイム
1日目
- 山行
- 11:51
- 休憩
- 4:19
- 合計
- 16:10
距離 36.9km
登り 2,784m
下り 1,415m
2日目
- 山行
- 9:35
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 9:50
距離 28.6km
登り 1,245m
下り 2,621m
2日目のログが上手く記録されなかった。空を飛んで進んだわけでも穴を彫りながら進んだわけでもありません。
天候 | 4月28日:晴後曇 4月29日:晴後雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
また、和佐府に入ってしまうと買い出しやトイレ施設が無くなってしまう。国道471号線上にあるコンビニが最後である。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【駐車スペース〜飛越トンネル】 本来飛越トンネルの登山口まで車で入れるとのことだが、大規模な土砂崩れのため途中までしか近づけない。そのため約4kmの林道歩きとなった。約8割は雪上歩行である。入山前日の新雪がたっぷりと積もり膝下くらいまで沈んだ。ワカンを履きたくなった。復路ではかなり減っていた。今後はアイスバーンによるスリップに注意。 【飛越トンネル〜寺地山】 樹林帯の中を歩く。歩行距離に対して中々標高が稼げないルートである。しかしながら積雪期のため登山口右手側に直登のショートカット有り。その他いくつかある小ピークを踏まずにトラバースしまくることもできる。今年は積雪がまだたっぷりとあったため、ルート取りに関しては自由度が高かった。逆に自由度の高さから悪天時は道迷いのリスクも高まると思われる。こまめに現在地の確認を。 【寺地山〜北ノ俣避難小屋】 1回下ってからダラダラと登り、北ノ俣岳の大斜面が目の前に広がったら到着と思われる。雪質が不安定で午後は踏み抜きに注意。全体的に雪が重たかった。ちなみに今回山行では避難小屋の存在を確認できなかった。おそらく雪の下である。ここから北ノ俣岳へ取り付く。 【北ノ俣避難小屋〜北ノ俣岳】 ここから約600mの標高を一気に稼ぐ。このルートで唯一のガッツリとした登りとなる。視界が広がり絶景である。雪質が緩む午後は踏み抜きや転倒に注意。また、斜面が広大なため悪天時のルート取りは慎重に。 【北ノ俣岳〜黒部五郎岳】 結構近くに見えはするが決して近くはない。いくつかのピークを越えつつ一回標高を2,450mほどまで下げ、そして400mを一気に登りきってようやく到着である。ちなみに今回はトラバースしまくったため赤木岳等のピークを踏まずに通過した。途中の雪質はそれなりに悪く、ワカンを履いていても重たい上に膝くらいまで沈む。往復するとそれなりに体力を使う。体調や天候と相談しつつ挑みたい。また、このエリアは槍穂とは全く異なる雰囲気で、広大な稜線歩きとなる。晴天時は最高に気持ちの良い空中散歩となるが、悪天時はその広大さが牙を向く。悪天時の遭難も多発している。ルート取りは慎重に。 【北ノ俣岳〜太郎平小屋】 広大な稜線をダラダラと下り太郎平小屋へ至る。雪質は今回で1番重くしんどい。ワカンを履いていても膝まで沈む。山スキーの方々が本当に羨ましい。ルート的な難易度は決して高くないが、とにかく広い稜線上を歩くため位置確認はこまめに行いたい。悪天時は正直あまり歩きたくない。 【太郎平小屋〜薬師岳】 薬師峠まで1回下り、600m以上の標高をガンガン稼ぐ。北向斜面のためか比較的雪質が締まっていて歩きやすかった。しつこいようだが悪天時は位置確認を怠らずに。 ※全体的に言えることだが、ルート取りの自由度が高く1つ1つの山々が大きく広大なエリアである。槍穂のような痩せ尾根や雪壁が連続しピッケルフル活用なんてことは無いが、道迷いやシャリバテには十分注意して挑みたい。 |
その他周辺情報 | それなりの秘境となっている。携帯の電波もまちまち。最寄りのコンビニまで40kmほど離れている。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コッヘル
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
シェラフ
|
---|---|
備考 | ワカンを持って行かなければ1泊で黒部五郎と薬師両方に行くことは難しかったと思われる。とても重たい雪に始終苦戦した。逆にピッケルとアイゼンは飾りになってしまった。まあお守りなので持って行って正解と思っている。 |
感想
今回が平成最後の登山となるだろう。
記念に秘境感溢れる西銀座ダイヤモンドのど真ん中でイグルー泊することにした。
しかしながら中々上手く作れず。
屋根を防ぎきれず、結果として満点の星空を見上げながらの寝室が出来上がった。
まあ夜も天候は安定するようなのでこれはこれで良しとしよう。
黒部五郎岳を往復してくると最高のアーベンロート。黒部五郎のプレゼントだ。
程良い疲労感と空腹具合。夕食も早々に済ませ、とっとと寝てしまった。
寝室から見上げると満点の星空。明日の好天を期待させる。
01時30分。見上げると空が暗い。おかしい。外へ乗り出す。視界が15m前後のホワイトアウト。おかしい。再び頭の中で繰り返す。とりあえず眠いからまた寝よう。
02時30分。見上げると星1つないホワイトアウト。薬師岳断念が頭をよぎる。とりあえず眠いからまた寝ることに。
03時30分。顔が冷たい。自然と目が覚める。顔に雪が積もっていた。外は星1つないスノーシャワー。薬師岳断念が全身をよぎる。とりあえず明るくなるまでシュラフを頭まで被って寝ることにした。
04時30分。手が冷たい。変な寝相になっており血が巡っていなかったようだ。痺れた。見上げると白一色の世界。ラーメン食って下山と考え準備を進める。
05時10分。片付けをしていると天候が急回復。慌てて飛び出す。薬師へ行くなら今しかない!!
どうやら薬師様が微笑んでくれたようだ。
2日間にわたって快晴の登山とはならなかったし顔に雪が積もったりしたが、平成最後に印象深い素敵な登山ができた。
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コメント
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kagoru-dakeさん、黒部五郎に薬師の2座登頂、お疲れさまでした
黒部五郎を加えると60キロ越えなんですね。1泊2日にはキツすぎます
お二人がイグルー住人だったとは知りませんでした
私が写真を撮った時、工事中かと思ってましたが、あれが完成形だったんですね(笑)。星空見ながら寝るとは本当にタフです
レコを拝見したら頷けました。厳冬期に槍や穂高を日帰りとは凄すぎます
でもあの歩行なら納得です。脚力、体力ともに桁違いです
ほんの短い下りの区間でしたが、後をついて行って実感しました
ヒマラヤ山脈も行けそうです
これからも楽しい登山を続けてください
Pinball_1957さん
おそらくあのイグルーがほぼ完成形かと思います笑
最初は綺麗な星空でした。
後ろからピッタリくっついて来るPinball_1957さんは只者ではないと思っておりましたが、色々な所へ行かれているのですね!!
いずれどこかで出会うかもしれません。
その際も是非お話させて頂ければ幸いです。
はじめまして、少し下でテントを張っていたものです。
夜間のくだりがまったく同じでウケました。
星空残念でした…朝もこのままだと撤退かなとか思ってましたが
晴れてくれて何よりでした(;・∀・)
そういえばときた君知ってますかね?
どこかのお山でkagoru-dakeさんに会ったようなのですが
よくkagoru-dakeさんの話してるんですよ。
ヤマレコ見て凄い人がいるなぁって。
初見なのに失礼しましたm(__)m
alsoさん
はじめまして。
ドローンを飛ばされていた方ですね!!
薬師岳往復する際にお会いしていたかもしれません。
常田さん知っていますよ笑
雨飾山でお会いしたり、晩秋の白馬大雪渓で会いそびれたりしております。
常田さんも常人離れした健脚者ですね。
alsoさんも2月の白鳳三山の記事を拝見して驚いたのを覚えております。
どうやら先日の日程で西銀座ダイヤモンドに相当数の猛者が揃っていたようですね笑
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