【正丸雪上演習】新旧正丸峠・正丸山・川越山【戊21.4】


- GPS
- 03:53
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 773m
- 下り
- 780m
コースタイム
- 山行
- 3:26
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 3:53
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:どんな道でも積雪で難易度倍倍 飲食店情報:正丸峠の奥村茶屋 |
写真
感想
この週末は外に出かける気がいまいち起きなかったのだが、晴天というのに二日続けて家に篭っているのも不健康だと思い、最近購入したブーツの履き心地でも確かめるかと出かけることとする。
ブーツなんだから雪の上を歩こうとわざわざ雪を求めて正丸へ。吾野を過ぎた辺りから雪景色となり、当地が奥武蔵と言われるのもむべなるかなといった感がある。
今回の予定としては、正丸峠から西武秩父線の北側の峰を巡って横瀬に降り、入浴するというものだったが、その割には出発が遅くなった。その理由としてはまず、歩くであろう距離・時間からすれば、日が出るか出ないかという時間に行くこともあるまいという考えがあったのだが、さらに乗車駅でGPSナビゲーターを置き忘れたのを取りに戻ったり、一度寝過ごしたりしたのが致命的だった。
こんなことで日が暮れる前に終わるのかということになるのだが、いつも「行けるところまで行く」私はとりあえず出発した。奥武蔵北稜には奥武蔵グリーンラインという舗装道路が走っているので何とかならんこともない。
道は最初沢沿い、その後分岐点辺りから沢を離れて上り始める。
「なぜ山に登るのか」という問いは、陳腐な回答と共によくなされるものだが、「なぜ雪山に登るのか」という問いにはどう答えよう?
雪化粧というくらいだから、山がより美しく見えるというのは回答としてあり得るが、私はすっぴんの山も十分好きなんだよなあ。化けるから化粧というので、化けた姿見たさに来ているというのもありかな。いや、見た目より中身だろう…。
そんなことを考えながら歩いていたら奥村茶屋が見えてきた。
途中、数人の下山者と擦れ違ったものの、奥村茶屋はガラガラだった。登ってきたときに、あまりに静かなので今日は休みかと思ったほどである。店内で肉うどんを頼んだ後におでんセットにすればよかったかなと思ったが、それは次来るときに頼むとしよう。
茶屋の人の話ではコンディションがよければスカイツリー、東京タワー、サンシャインと見えるとのことだったが、今日は残念ながら東京上空は霞んでいる。「昨日も晴れてましたが」と訊くと昨日の方がよく見えたとのこと。
「またかよ」と思った。「またかよ」というのは、以前両神山でも二日続けて晴れの二日目に行ったら一日目の方が天気が好かったと言われたことがあるのである。一日目に行けば良いのだが、気持ちが付いて来ないのではいかんともしがたい。
昼食を終えて、いよいよ稜線の雪道歩きへ。下と比べて歩く人が極端に少ないということはすぐにわかった。また、以前伊豆ヶ岳まで雪道を歩いたときには無雪期の道とほぼ一致していたように思うが、今回歩いた反対側の道は無雪期の道を雪上のトレースが外れる箇所が上り下りの局面で多く見られ、これから歩いていく道の険しさを感じさせた。川越山から先はさらに歩く人が減る模様。
そして各ピークごとにある急な上りと急な下り。上りはまだ良いが下りは勢いがついているだけに下手をすればずっと下に滑走していきかねない。こういう時は焦らず一歩一歩ゆっくりでも確実に歩いていくことが重要である。そのためには焦らなくてもよいように十分な時間を確保することだ。
サッキョ峠で虚空蔵峠まであと1.1kmと確認した直後のピーク。トレースはピーク到達後、右折して尾根を下っている。最初、このトレースに従って歩いていたのだが、ピークから300m程下った後、ガーミンに目をやると、何とルートから大きく外れた尾根を下っているではないか。
「道を誤ったか?トレースは何人もの人が歩いたことを示しているが。」と来た道を戻りながら他に道が無いか探す。辺り一面雪だと、この戻っている道が本当に自分の歩いてきた道なのかということにも自信が無くなってくる。道を見つけられないままサッキョ峠の標柱にたどり着く。つまり、先の道は現在このトレースしかないわけだ。ピークに上りなおし、地図上でルートがある方向へ進んでみる。そちらの方にトレースは無いので、ここでは私が道の開拓者だ。
「ズモッ」
早速、脚が大腿部まで雪に埋まる。一歩、二歩、三歩。ズモッ、ズモッ、ズモモッ。こりゃダメだ。山腹なら積雪が少ないかもしれない。ああ、こっちもあかん。膝上まで雪が…。
さて、ここで問題です。
時期は1月中旬。時刻は14時20分頃。場所は低山とはいえ雪山。天候は晴れだが稜線かなり風強し。約1km先の虚空蔵峠で奥武蔵グリーンライン(舗装道路)に出る。
このような状況下、雪上のトレースは本来の道とは別の尾根(地図上にルートは無いがリボンは付いている。)を下っており、他にトレースはありません。どうしますか?
A.来た道を戻る。
B.自分が虚空蔵峠までの道を拓く(強行突破する)。
C.トレースに従って先へ進む。
D.「誰かぁ〜助けて〜!」
私が選択したのはC。最初は「積雪が酷いので迂回路になっているのかもしれない。しばらく進んで様子がおかしかったら戻ろう。」という考えで降り始めたのだが、迂回路かそうでないかは本来の道との間がどうなっているか見ればすぐにわかる。そもそも迂回路にしては大きく外れ過ぎだ。それでは、この尾根はどこに下りていっているのだろうと改めて地図を確認すると、尾根は下の国道299号線に向かって下っており、しかも残距離は数百m。道理でトレースがあるわけだ。道の先がどうなっているかわかれば何も恐れることは無い。後は自信を持って下る。しかし、前述のとおりピンクリボンが付いているものの地図上に無い道である。恐らく林業作業者用なのだろう。急坂で道もハイキングコースのような道ではない。最後まで気を緩めるなかれ。車も通れるような広い道に出れば舗装道路までもうすぐである。
しかし、みんな虚空蔵峠方面に行かないのだろうか。
結局、帰着も正丸となってしまったが、そもそも靴の試し履きが主目的だったので良しとしよう。ブーツというものを初めて履いたので歩きなれないところはあったが、靴擦れもせず良い買い物をしたと思う。何より靴の中に雪が入ってこないのが良い。今後も積雪期山行で重宝することになるだろう。
温泉については帰着が正丸だったこともあり、西武秩父方面行きの電車が先に来たら行こうと考えていたが、飯能行きの電車が先に来たので今回は入浴なし。
帰りの電車には山歩きからの帰りと思われる人が正丸から吾野の間で多く乗ってきた。今回正丸峠以降では私の後に一人入山したのを確認した他は誰とも会わなかったのだが、多くの人は伊豆ヶ岳・子ノ権現等南側を歩いたのだろうか。
さて、上に掲げた四択について。
この四択、或いは実際には他にも選択肢があるのかもしれないが、状況によってどの選択肢もあり得ると考える。
Bについては今回ラッセルするような格好ではなかったので断念したが、どの雪道も必ず最初に道を拓く人がいる。先頭を切ってラッセルする人には脱帽である。
Dについては、その前にもうちょっと頑張れよということになろうが、一言付け加えると、年末年始も高山低山で山岳遭難があり、その報を見聞するにつけ、最近特に山岳遭難者への視線というか風当たりが厳しいように感じるのである。
自分も「その状況でその判断はどうなの?」というものはよく思わないが、ヤフーニュースに付くコメント等率直な感想を述べるものの中に見られる、遭難の一報があれば装備の多寡、ベテランか否か、当時の状況の如何に関わらず即バッシングする向きについては懸念を抱いている。
感情的な批判が行過ぎると、山行者が萎縮して「自分で何とかしよう」とした結果、さらに状況を悪化させるようなことが起きるのではないか。このような心配が杞憂に終わるよう祈るばかりである。
〜おしまい〜
【追伸】
他の方の山行記録を見ると、2日前に虚空蔵峠に向かった方がいらっしゃる。そちらの方へ向かうトレースを私は見つけられなかった。自分もまだまだである。分岐はピークの下の方または取り付き近くにあったのだろうか。
近いうちに再度行く機会があれば、今度はラッセル覚悟、必ず虚空蔵峠に到達する覚悟で行こう。
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