甲武信ヶ岳 〜毛木平から反時計回りで〜


- GPS
- 12:30
- 距離
- 16.3km
- 登り
- 1,500m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
↓
7:30 ナメ滝
↓
9:00 千曲川源流地標
↓
10:10 甲武信ヶ岳 [2475m]
↓
10:30 甲武信小屋(昼食)
11:40 出発
↓
12:00 甲武信ヶ岳
↓(三宝岩に立ち寄る)
13:00 三宝山 [2483m]
↓
14:30 武信白岩山直下
↓
16:30 十文字小屋 [1970m](休憩)
17:00 出発
↓
18:00 毛木平
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
60台ぐらい駐車可 トイレあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登り】千曲川源流ルート〜甲武信ヶ岳 慰霊碑から少し登ったあたりから登山道に雪が残っています。 雪質は硬めで踏み抜きはありませんが、斜面を巻くあたりが凍結していました。厚めの氷なのでしばらく残ると思います。 【甲武信小屋付近】 山頂〜小屋間は残雪、凍結があります。 小屋の方かたの情報では、小屋から山頂を巻くルートは雪に埋まっていて危険とのことです。 【下り】三宝山〜十文字小屋ルート 三宝山付近では雪量が多く、ふくらはぎまで踏み抜くことがあります。 武信白岩山付近から大山の下りまでは凍結箇所が多く、鎖場の下りも凍結しているので注意が必要です。 十文字小屋から毛木平までは雪も凍結もありませんでした。 |
写真
感想
GW初日。PEAKS5月号で大々的に取り上げられた奥秩父の甲武信ヶ岳へ。
混雑を警戒して深夜1時に出発したものの、毛木平に到着した5時には先客が5台。警戒しすぎた…。
★★ 千曲川源流遊歩道を登る ★★
しばらく雪はなく、「遊歩道」というだけに歩きやすい。千曲川を流れる雪解け水が澄んでいて見惚れてしまう。
前から下山する2名と話した。早朝から登ったが、残雪が多くて撤退とのこと。
なるほど、標高1800mあたりから雪道となり、斜面には凍結箇所も見られる。2週間前の雲取山で足を滑らせた経験からアイゼンを装着。
山の名言「転ばぬ先のクランポン」 by depor021
水の流れが速くなる。ナメ滝だ。滝と言ってもドドドと落ちるものではなく、岩盤をササーっと舐めるように流れる。
徐々に傾斜がきつくなり、水の音も聞こえなくなる。カラマツ、ダケカンバ、トウヒの森の中に千曲川・信濃川源流地標がある。地標のしたのほうは残雪に埋まっていた。
地標から30分ほど登ると奥秩父縦走路に合流する。標高2400mほどになる稜線だが樹木の中で、大展望ではない。これは「登頂してから展望を楽しめ」という奥秩父山塊の気遣いだと思い頂上を目指す。
稜線にも残雪が多いが踏み抜きはない。樹林帯を抜けたところは岩の重なる甲武信ヶ岳の頂上だ。
国師ヶ岳、金峰山、小川山といった奥秩父西部、南には乾徳山と、遠方には富士山が見える。北東には両神山も。八ヶ岳も見えるが、上の方は雲がかかっていた。南アルプスもかろうじて見ることができた。
★★ 甲武信小屋 ★★
甲武信ヶ岳から南に下りて甲武信小屋へ。
凍結した斜面を慎重に下る。樹林帯なので凍結はしばらく残るだろう。
甲武信小屋は甲武信ヶ岳と木賊山の間にある。稜線の東側なので、この日の西風から守ってくれた。
広いウッドデッキのテラスでランチ。tanyaさんはマテ茶鶏のリゾット、私はインドカレー。各自がSOTOのレギュレーターストーブで調理する。
食事中、10名ほどが西沢渓谷から徳ちゃん新道を登ってきた。数名はテント泊で、小屋でスコップを借りてテント場の雪かきをしている。我々もテント泊といきたいところだが、tanyaさんは寒さに弱い。朝には氷の彫刻になる恐れがあるので、テント泊は雪がなくなってからだ。
テラスの居心地が良いせいか、1時間以上も長居してしまった。下山もロングコースなので片付けて即出発する。
下ってきた道を登って再び甲武信の頂を踏む。先ほどは誰もいなかったが、今回は5名ほどが山頂からの展望を楽しんでいた。
★★ 十文字峠へ ★★
十文字峠に向かって下山となるが、こちらのコースはアップダウンが連続する。
甲武信ヶ岳より8m標高が上の三宝山は埼玉県最高峰だが地味な存在。実際、山頂からの展望はない。しかし、登山道から少し外れたところにある三宝岩は面白い。金峰山や小川山の展望は素晴らしく、南側からは甲武信ヶ岳が目の前。富士山も見られる。
三宝山の頂上付近で初老の女性に同行を求められる。快諾して共に歩く。
三宝山と武信白岩山の間にある尻岩。見事なまでに割れ目があり、「尻」であることが分かる。岩だけど。
武信白岩山は地図に「登山禁止」と書かれている。実際、恐ろしいほどの岩壁で、私には登れないだろう。山頂直下を巻いていく。
そこから少し下ると夏道が見えてきて、全面凍結もしていないためアイゼンを外して歩く。
その直後の登りで同行女性が2mほど滑落してしまう。後ろ向きに一回転するのが見え、樹木にぶつかって停止。遭難かと思ったが自力で立ち上がった。太腿を打ち、右手に擦り傷。大したことはなく下山可能とのこと。
滑落の原因は、浮石か枝を踏んだか掴んだかによるものらしい。滑落を目撃したのは初めてだったので緊張したが、心を落ち着かせて歩き始める。
武信白岩山と十文字峠の間にある大山には鎖場の急斜面が2ヵ所。しかも凍結しているので再度アイゼンを装着。凍結がひどく、tanyaさんと同行女性は6本爪アイゼンで苦労している。残雪期は凍結箇所が多くなるので12本爪アイゼンが好ましいと思った。
滑落の後なので「慎重に、ゆっくりでいい」と指示。
なんとか十文字峠、そして十文字小屋に到着。ここから先は雪も凍結なさそうなのでアイゼンを外す。
怪我の状況を聞くと、「大丈夫」とのこと。実際、滑落から1時間以上歩いているし、話していても呂律が回らないこともないので本当に大丈夫と判断。ここからは別々に下山することにした。
★★ 毛木平に戻る ★★
なんだかんだで十文字小屋を出発したのは17時。日照時間が長くなったとはいえ、山で行動するには遅い時間になってしまった。途中の道標に「梓山」とあり「毛木平」の文字がないので間違えたかと思ったが、よーく見るとうっすらと「毛木平」と書かれている。梓山とは川上村の地名らしい。
下山中の17時半、テント泊装備の3人組と単独行者が登っていく。十文字小屋でテント泊するとのことだが、登り始めが遅すぎると思った。この時間まで下山中の我々が偉そうに言えることではないが、この時期の夕方は雷雨になることもあるので16時までには行動を完了させたいと思う。
18時、日が沈む前に下山。
駐車場で、同行した女性が無事下山したことも確認できた。
【反省】
◆装備不十分
雪山用グローブでなかったため、手が冷えてしまった。
防水グローブは素材のせいか冷たくなってしまい、メリノのインナーのみのほうが温かいことが分かった。
◆同行を求められたときどうするか?
滑落は同行しても防げないし、我々の携帯電話は圏外。事故の責任は負えないし、救助も出来ない。だからと言って簡単に断るのも気が引ける。
同行したことを後悔しているわけではないが、初めて歩く山だということを考えると少々軽率だったのかもしれない。逆に断ったとして、単独行で滑落していたらサポートも出来なかった。
全員自力で下山できたから正解だったと思いたい。
【次回の予定】
GW後半の5月3日、場所は未定。
登ったことのない山を歩きたいので、大菩薩嶺が有力候補。
三本槍岳からその先の大倉山まで足を延ばすことも検討中。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
お二人が下山途中に十文字峠と毛木平の間ですれ違ったテント泊3人組の一人です。
軽快なステップのお二人にびっくりしました!
こちらも何とか日暮れまでに十文字小屋にたどり着けました。
良い天気、良い山行でしたね^^
でわ、またどこかの山で
コメントありがとうございます。
暗くなる前に小屋に到着出来たんですね
滑落目撃後だったので、余計に心配してしまいました。
天候に恵まれて、最高の連休スタートとなったのでは
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する