バイクで登山 新穂高から穂高連峰縦走 南岳→西穂(大キレット、ジャンダルム超え)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 2,971m
- 下り
- 1,928m
コースタイム
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 9:30
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 8:50
天候 | 3日間 共に晴!(夕方一時ガス) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
R116 〜 北陸道(西山IC〜富山IC) 〜 R41・R471 〜 新穂高温泉 距離: 約300km ( 40km + 高速道195km + 55km ) ●新穂高温泉 第2無料駐車場にバイク駐車 ※休前日(金)は深夜で既に満車が常、とのことですが、満車案内の整理員の方が 「バイクは停められる場所有ったらうまく停めていいよ」と入場させて頂けました。 ●下山時 ロープウェー利用 (西穂高口 終電: 16:45) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●新穂高温泉〜槍平小屋: 一部、整備工事による登山道規制有(画像参照) 初めてでショートカットコースが解らず林道をずっと進む。タイムロスしたかな? ●槍平小屋〜南岳(南岳新道): 出だしで南沢を左→右へ斜め上方へ渡る際に沢筋へ行かないよう注意(看板有) 視界あれば問題無いでしょう。 ●南岳小屋〜北穂高小屋(大キレット): 長谷川ピーク、飛騨泣きは高度感あるが鎖もホールドも有り問題無し。 ルートは明瞭で浮石はほとんど無く、手足をフル動員する機会は上記の難所くらい。 ●北穂高小屋〜涸沢岳〜穂高岳山荘: 大キレットよりもむしろ難度は高いと思います。浮石やルートロスに注意。手足をフルに使う機会も度々出てきます。ホールドはありますが、適正なホールドを見つけて使うことができないようだと怖い&ヤバいことになりかねないかも? 要部には鎖・ハシゴ有りますがホールドがあるところは(それをきちんと見つけて使えれば)鎖使わずとも行けます。 ●穂高岳山荘〜奥穂高岳〜西穂高岳: 明け方の山荘→奥穂のハシゴは細かな水滴が凍り付いていて不用意に中央を踏むと滑りました、要注意。両端L字コーナーに靴をじわっと押し付けて慎重に踏むように進みました。 奥穂山頂は日の出時でー4℃、祠の土台の岩面は薄氷で滑ります。風を受ける岩肌は片面に細かなエビの尻尾状の着氷有。馬の背の岩肌の着氷を心配しましたが大丈夫でした。 奥穂→西穂は、逆ルート(西穂→奥穂)に比べて難度が明らかに上と感じました。 全体にマークが解りにくく、また直登か巻くのか大きく巻くのかが解りにくく行きつ戻りつした所が数か所有。 ・馬の背の下り(上りよりも格段に難しいですねこれは) ・コブ尾根の頭からの下りのザレのルート不明瞭(マーク無い) ・畳岩尾根の頭?を大きく飛騨側へ巻くルート不明瞭(マーク小さい): 間違えて直登し戻った。その先の長いルンゼ(L角状)方面も見逃して 稜線に戻ってしまい行き詰った。 ・天狗ノ頭からの下り(逆層スラブに至る、スラブ状岩とザレの岩稜帯): 何度かルートロスしたが、踏まれていない部分は岩が締まってなくユルユルで 怖いこと怖いこと!ザレは蟻地獄だしww、見た目で稜線に戻れると目論み 上がるも掴む岩掴む岩ユルユルでヒヤヒヤした部分も有り。 ヤバいと思ったらひたすら来たルート戻るのが賢明です。 ・逆層スラブ後、間天のコル〜赤岩岳間の急な岩稜帯のアップダウンは手足の フル動員が続きます。集中力を切らさず、視点を手許足許ばかりでなく その先のルートや印も見逃さないように。 ●西穂高岳〜独標〜西穂山荘〜西穂高口: ・独標直下の急登部は昨年と異なり安全改修(枕木や金網段)が施されていました。 ・西穂山荘〜西穂高口は思った以上に長いwwのでロープウェー終電を逃さぬよう 余裕ある行動がベター。独標〜山荘間で▲15分短縮したのもつかのま、 山荘〜西穂高口は急いだのにコースタイム10分超過でぎりぎりでした。 |
その他周辺情報 | ●新穂高温泉 深山荘: http://shinzansou.com/ 無料第2駐車場の手前の吊り橋を渡る。 ロープウェー終電に間に合うかどうか不確定のため宿は予約せず、新穂高到着(17時過ぎ)に事前チェックしていた数件にTELするも「食事は用意できない、素泊まりなら可」という返事が続く中でこちらでは食事付で対応頂けました。宿主さんに聞いたところ部屋が満員で無い限りはこの時間からでも食事有で受入できますとのこと。 食事と露天風呂が評判のようだが期待以上でした。部屋や造りはモロ「昭和」な感じで相応のお疲れ感も随所に見られますがww、私の世代だとストライクでかえって和みますね。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
大変ラッキーだったのはガス欠時にPA手前百mほどだったこと。惰性&キックでなんとかたどり着く。
・・前回ここから見上げた際には「とても無理」と思ったのだけど難なくクリアしました。経験・スキルUPしたかな。
ボルダリング始めたおかげで浅いホールド見つけて使えるようになったのが大きいように思う。
装備
個人装備 |
高度計付時計
ハーネス
スリング
ガチャ類
補助ロープ8mm×30m
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---|---|
備考 | <反省点> ●行動開始時間の遅れによる到着遅れ: 初日のトラブル(高速でのガス欠!)で2時間ほどロスし、結果的に小屋到着も17時過ぎ。小屋番さんより「遅い!」と強く叱責された次第です、申し訳ありません。 下山時もロープウェー終電にぎりぎり(5分前)に到着し、既に券売機も電源OFFされており駅員さんに「遅い、安全上気を付けないと」と叱責されました。 重ねて申し訳ありません。。 ●奥穂山頂(日の出時)のハイドレーションの凍結: 初冬のテン泊等時での経験は有りましたが、よもや9月の山行で凍るとは思いませんでした。ハイドレーション装備者同志で「凍っちゃった〜」と言い合ってましたが、お1人より「吸った後に空気を吹き入れてチューブ・バルブ内を空にしておくと良いよ」と助言貰いました、なるほど。次回から気を付けよう。 なお、日が昇り暖かくなった7:30頃には溶けて使用可能となりました。 ●指先の空いたグローブ: 岩が冷たかったです。。 |
感想
昨夏に穂高の岩稜コース(吊り尾根や奥穂〜北穂)に初トライし、その後ジャンや大キレット、槍の北鎌尾根を経て岩稜帯でのスキル経験も相応についたのかな、との想いから、改めて今回各ルートの2度目のトライを通して自分の力量のほどを推し量ってみようとプランした山行でした。
また、槍穂の小屋やテン場で会う方々のうち、関西方面始め西側(新穂高)から入る方々が皆 口を揃えるかのように「さぁ、下りたら温泉だ、飛騨牛だ!」と言うのを羨ましく思っていたので、いつもの上高地ではなく今回初めて新穂高から入山してみました。
<各ルートについて>
●新穂高〜槍平小屋:
上高地から入山での賑わい・混雑と比べて静かでのんびり感有りますね。
ちょっと退屈ですが。
●南岳新道:
長くて単調で退屈ですかね。2度目は無いかなぁ。下りでもできれば使いたくないかな。
●南岳〜北穂(大キレット):
前回(8月)は台風荒天の中、少々無茶?なトライで過去最大の怖い想いをしたのでした。ガスで何も見えず横から吹き付ける強風・雨で濡れた岩も滑る中で長谷川ピークも飛騨泣きも一歩一歩鎖や岩にビレイして渡ったのでしたが、今回の好天の中で「何故あんなに怖かったのだろう?」というほどあっけなく気楽で楽しく行けました。天候の差異でこれだけ変わるのですね。天気が荒れなければルートロスの心配が皆無で浮石も無く、切れ落ちて怖い難所は限られており鎖も有るのでそれほどの難コースではないだろうと個人的には思います。
ですので、もういいかな、という感じで再訪しようと思うほどの魅力は余り感じません。
●北穂〜涸沢岳:
前回(昨夏)、本格的な岩稜帯への初トライでその後のジャンをやれるかどうかの試金石・判断材料にもした、思い入れのあるルートです。前回は穂高岳山荘にテン泊し軽装で北穂までピストンしたのでした。
今回2度目で渡ってみて、改めてこのコースは岩稜帯の基礎力を試すには良い課題ルートであり大キレットより難度は上だと思った次第です。ルート・印は明瞭ですが印以外でもいけそうなルート・ホールド・踏み跡が多いので印のみを盲信せずに自分なりに「ここも登れそう、こっちの岩の方が使える」と観察判断を重ねて進むと良いルート判断力・危険察知の訓練になるし楽しいでしょう。ルート外すと浮石・浮岩も多いのでこれも良い訓練になります。鎖場も鎖に頼らずホールドを見つけて使えればそちらの方が確実ともいえます。
鎖や印が無いと仮定すると、北鎌尾根のP10(独標)ピーク〜P12クライムダウン、の間の小岩峰帯の雰囲気(難易度含め)にも似ているように感じました。
北鎌のシミュレーションにも向いているかも。
ここは再訪しても良いかな。
●奥穂〜西穂:
前回(ちょうど1年前)、逆ルートの西穂→奥穂、をやりましたが奥穂→西穂は格段に難しいと思いました。初っ端のウマノセの下りもそうですが、全体的に奥穂からの方が分岐判断が必要な場所での印が解りにくいor無いことが多く、直登か巻道か大巻きか、で悩み間違えて戻ることや、ミスルート途中から正規ルートへの復帰の際にショートカットして戻ろうとしてユルユルの岩場やザレザレ蟻地獄のザレを渡ってしまい怖い思いもしました。
基本、このルートでは間違えたと判断した時点できっちり来たルートを忠実に戻ることが安全・確実でしょう。
逆ルートだから、ということだけでなく、改めて、ここは難しい・危険の多い(ルートロスするとやばい)ルートだと身に染みました。前回は無我夢中で目先の課題をこなすので精一杯だったのが、今回相応にスキル経験を積んだからこそ、尚一層怖さの本質・奥深さが見えるようになったのかもしれません。それが同時に面白さ・魅力の奥深さとも言えそうです。また何度でも来てみたいですし、西穂or奥穂いずれからのルートであれ来る度に新たな魅力や充実感・ヒリヒリした緊張感を得られそうです。
大キレットや北穂〜涸沢岳、とは別格の難しさです。また、局部的な難所のテクニカルな部分やルートロスした場合の危険度で言えば北鎌尾根と比べてもこちらの方がキツイと思います。北鎌尾根は総合的な判断力・体力が要求される、バリエーションの初級であり、西穂〜奥穂は一般ルートの最難関であり、いわば異種格闘技で同列での比較は一言ではどちらがどうとか言えません。魅力もそれぞれ有りますが異なります。
個人的にはソロ行中心でルーファイが好き(多少自信有?)な登山スタイルの自分としては、北鎌の方が合っているし好みですかね。
●ジャンの直登:
<基本、バツ印地点であり巻道が正規ルートです。行く場合は自己責任にて>
前回は取り付き下まで行って眺めて「とても無理だ」と思ったのでしたが、今回は結構楽に登りました。もっとも岩稜帯登山のスキル経験のおかげ、というよりは、最近始めたボルダリングによる影響が大だったように感じます。浅いホールドを見つけて使える能力がUPしたのかな、と。
難所は一段上がった後の、垂直に近いスラブ岩の左足のホールドを見いだせるかどうか、だと思います。自分は残置ピトンの小突起を左脚指先で捉えて体を上げて上段テラスを超えて左手を伸ばしホールドを掴みましたが、左の手足のホールドを掴まえられないとテラスの縁に手を掛けて体ごと這い上がることになるかと。
●アプローチ:
新潟からだと富山経由〜新穂高/松本経由〜上高地、は距離・時間的にも大して変わらないことが解りました。岐阜側の国道(下道)も空いていてバイクで気分良く飛ばせます。今後も適宜使い分けて行けそうです。
新穂高だと交通規制(バス時刻制限)が無いのも気楽ですね。その分ロープウェー使う場合の終電縛りは同じでしょうが。
●温泉・飛騨牛:
登山後の後泊・風呂が好きなのですが、、これはもう圧倒的に
風呂・メシ・寝床 トータルで岐阜側の圧勝ですねww
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