池平山
- GPS
- 26:31
- 距離
- 28.7km
- 登り
- 3,829m
- 下り
- 3,756m
コースタイム
- 山行
- 4:28
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 4:45
- 山行
- 3:55
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 3:57
- 山行
- 9:59
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:39
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 6:10
天候 | 晴れ、霧、雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
池平山南峰から大窓はガレガレ、激藪、急坂。間違いなく一般ルートじゃない。すべては自己責任です。 |
その他周辺情報 | 宇奈月温泉「フィール宇奈月」値段も手ごろ、朝食バイキングは良いです。仙人池ヒュッテ、池の平小屋とも若夫婦が小屋番をしています。どちらも素晴らしい小屋。雲切新道が少しきついですが自分山岳史に加える価値あり。お勧めは立山から欅平に降りる山行です。 |
写真
装備
個人装備 |
ザイル30m
カラビナ5本
捨てロープ1mx5本
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感想
いつも行きたかった剱、大窓。去年はアクシデントで行けないかった。今年こそはと日程を組んでたら、17日から行けそう。でもスタートが天気が悪いし雨の中ビバークも嫌だなあと(結果は同じ)じゃあ逆の行程で行こうと決める。ゆっくり家を出、混乱のダイヤの中新快速で大阪、雷鳥号で金沢、北陸新幹線で黒部宇奈月、そこから富山地鉄で宇奈月温泉まで。その日は温泉に浸かって地元の居酒屋で美味しいものを食す。2日目は始発のトロッコ電車で欅平まで、いつもの室井滋が延々とガイドしてる。過去何回もこのルートを通ってるけど、いつもは逆ルート、欅平に着いた安堵感から駅でビール買いこんで乗るからゆっくり全ての景色を見たのは初めての経験。
欅平駅外のトイレで山装備をしっかりする。水平歩道までの250mほど登りがしんどい。いきなりこれか?あとはだらだらとお決まりの水平歩道。登山道でごみ拾い登山してる若い人2名と出会う。(後で聞いたらその人たちは阿曽原温泉小屋にやとわれた人でその日は祖母谷温泉小屋に泊まって次の日に阿曽原温泉小屋に移動するアルバイトだった)。長く熱い歩きの中で黒部3大名水志合谷の水がおいしい。トンネル内は今年は水が多くて靴もビショビショ。今日は阿曽原温泉までかそれとも雲切新道越えて仙人湯温泉小屋まで行くかと考えてたけど軟弱物の俺は阿曽原温泉で温泉とビールの誘惑に勝てず本日の行動はここまで。午後は天候がずっと悪いと気象予報でも言ってたのでは山の鉄則「早出早着」です。阿曽原温泉小屋の客は6名。雨も降ってきてるのでテント泊の登山者もみんな小屋泊。でも俺を含めて何人かは一人一部屋でした。夕食もおいしかったです。秋の十字峡のシーズンは小屋は満杯になるそうな。あまりそんなときには来たくないな。
3日目、5年ぶりに仙人に会うと思い弁当2つ、ロング缶4本担いで出発。わかってはいるものの初めて登りの雲切新道。やはりしんどかった。なんでこれが北アルプス3大急登にはいってないんやろうと思うくらいキツイ。あとで仙人に聞いたらやはり高度が低いから熱くて余計につらいと言ってた。ピークにやっとでたどり着く。そこからはもうすぐに休業中の仙人湯温泉小屋。今年は仙人とK氏で小屋の準備をしてるとのこと。一生懸命ビール持って上がったのに、ヘリでビールも酒も山のように持って上がってきてた。もう昼前から宴会です。久しぶりの再会に話も弾んであっという間にその日は終わり。
4日目、K氏は毎朝3時起き、仙人は4時起き。仙人になるのがわかるわ。朝からすごいご馳走をいただいてもう2,3日泊っていけというお誘いを固辞して出発。来年はまたゆっくりと遊びに来ます。仙人谷を登り詰めて仙人池ヒュッテへ。久しぶりにアルコールの入ってない味のある飲み物を口にする。ここも前のおばあちゃんから若い孫夫婦の小屋番のに変わって新しい風が吹いています。少し休憩して池の平小屋へ。こちらも去年から変わった新しい小屋番夫婦。仙人からもらった名刺(俺をよろしくと書いてくれた)を見せて仙人湯温泉から来たと告げる。最初はここで一泊とか考えてたけどまだ朝の10時だし、そのまま今回の山行のメインイベント、池平山、大窓、馬場島へと進む。池平山から小屋を見下ろす風景が俺は北アルプスで一番好きです。今度はゆっくりと来ます。もうそんな歳やし。これを本当に最後の冒険にする。かな?池平山南峰から北峰はおととしも雨の中来て撤退した経験あり。今年は用意周到できた。西側に降りるもガレガレ。足を乗せた大きな石が崩れて膝に当たりズボンやぶけて後で見たら血も出てる。いきなり嫌になる。でも降りていくとものすごい断崖。ロープ出して支点を取ろうとしても動く岩しかない。もうこりゃやめやと引き返す。少し上がると違うルートを見つける。ここもガレガレながら横の這松に縋り付きながら降りることができた。そこで誰かのビバークの跡。やはり人は来てる。そこやかしこに人の形跡らしきものが落ちてたりする。這松の藪の中は人の踏み跡らしきものもある。でも稜線は熊の通り道でもあるし、過去に大窓で頭をかじられた人もいたそうな。ヘルメットにかじられた跡がくっきり残ってて何とか助かったらしい。北峰からの下りでまたも進退極まる。3mくらいの落差やけど、それ降り損ねたら大変なことになりそう。こんなところロープでもなかったら降りられないと思って2度見したらどう見ても新しい残置ロープが取り付けてある。あとは書くのもはばかれるようにしておりました。でも足元に古いロープが落ちてたから新しいのに取り替えたようだった。後ろ向きで下るとどうしてもおりやすい方向に降りてしまって行き過ぎてルートを外れる。気が付くと正規のルートに戻るのに這松の藪の中を枝をかき分けて元に戻らなくてはならない。足元が見えないし、気が付けば足元が急に切れてる時もある。岩に足をぶつけるときもある。ガスも出てきて何も見えないときは自分に「慎重に」と声を掛けながら進む。なんとか大窓まで。お地蔵さんに安全に帰れますようにお願いして先を進む。水がもうなくなってるから何とか水があるところまで下りて今夜はそこでビバークしようともう少し進む。ガレ場がずっと続くのではなくまた藪の中に。少し降りると石垣が現る。人工の石垣だと思う誰が作ったんやろう?小さい虫が顔にまとわりついて虫よけネットを被る。これは今回持ってきてよかったものベスト3に入る。雨が降り出す。最初は傘でやり過ごそうとしたが全然止む気配がなく本降りに。レインウェアを着込み進む。今度はガンガン雷が鳴りだす。これは藪の中にいる方が安全だと思う。水が欲しいと谷に出たら土石流になってごうごうたる泥水が流れてる。。今日の行動はあきらめビバークするため少し平坦な場所まで戻る。北峰で電波が繋がり見た天気予報では本日午後は霧、雷雨、のち明日午前中まで晴れの予報。ツエルトかぶって合羽の中に持ってる乾いた服をみんな入れる。小降りになってから長袖シャツとフリース着込んでシュラフ、その上からツエルトを被る。エアマットが滑るが何とかザック枝に固定してコップにためた雨水でコーヒー作ってその日は終了。疲れてるので起きたり眠ったり。横になると地面から離れた背中が寒い。ビバークの夜はいつも長い。
5日目天候は晴れ。西側斜面は明るくなるのが遅い。5時過ぎに起きだして荷物を詰めて出発。ほかのルートを捜しても昨日のルートが最善と判断。昨夜の様相は鳴りを潜めてるが岩はガレガレ。浮石に気を付けながら慎重に下る。遠方に白萩川と富山の街並みが見える。この景色だけはここに来なけりゃ見れない景色だ。1700mで水が出てきた。やっと生きた心地。左から西仙人谷の大きな滝が表れる。一晩中聞こえてた激流はこの音だ。安全な場所で昨日の朝以来の大休止そして朝食。仙人谷は大きな岩がゴロゴロ、途中でまたも藪に入る場所もあり、際限なき渡渉。雪渓がほんの少し現れる。雪渓が中途半端にある時は危ない。1150またりからの右岸の高巻きがわからずそのまま白萩川を下る。工事現場上の堰堤は問題なく乗り越えれた。林道に到着。俺のプチ冒険は終了。40分ほど林道歩きで馬場島に到着。本当に「試練と憧れ」でした。
もう少しで富山県警に電話入れるとこやった。
なにわともあれ生きてて良かった。
8日にヤマ談義🍺ですよ。
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