あわや遭難案件。中央アルプス檜尾尾根→空木岳、南駒ヶ岳→中小川下り
長野県
kenji
体力度について
- GPS
- 34:43
- 距離
- 30.3km
- 登り
- 2,746m
- 下り
- 3,170m
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- 山行
- 4:13
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 4:37
- 山行
- 12:55
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 15:26
| 天候 | 1day. 灼熱 2day.ピーカン→雨→夜は豪雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
下りは七窪神社（千人塚）からタクシーで駐車場へ戻り （6000円くらい） |
| コース状況／ 危険箇所等 |
【檜尾橋～檜尾小屋】 小屋まではひたすら1,500mほど登る 檜尾小屋とテン場は新しくよく整備されている 小屋番さんの丁寧さが伝わってくる 檜尾岳から空木、南駒ヶ岳までは割愛 【南駒ヶ岳～越百山】 登山者はぐっと少なくなり、遠くからは歩き易そうに見えた道もハイマツが煩くテント泊装備で外付け装備があると辛い 問題は越百山を越えてからの下山道 【越百山～中小川登山道】 飯島町方面へ下る廃道 ここまで通行止との情報は得られなかったが 当日に下山することと水の確保、最短で降りれそうなこと 藪漕ぎや道迷い、沢筋歩きに懸念はあるものの 藪やバリルートは慣れたもの 試される道だが最善と判断しこのルートで下山 想定をさらに上を行く最難関コースだった 主に要点として ・沢沿い、或いは沢下り ・深い笹藪で足元が見えない ・見えない足元が切れ落ちてるということも多々 ・とにかく滑る、草木に捕まり命を確保 ・目印のピンクテープはアテにならない ・崩落箇所もあり橋になるものはもうない ・地図上ではわからない沢や滝が無数に点在 ・まもなく天気は崩れ極地的に大雨、増水となる 越百分岐から相生滝までの間は特に難儀した 最初は枯れた沢筋を辿り、流れが強くなったり滝がある場所からは逃げ、笹藪を漕ぎ尾根のトラバースを繰り返す 薮の深い未開のルートを歩くくらいの気力と体力が必要 沢登りの技術と装備があればもっと上手く歩けたのかもしれない 沢は気持ちよかった |
写真
途中下車。みんながしらび平へと向かうバスの中、
奥に座ってしまった事を悔やむ…
（通路の席も倒れるんかい！）
みんな立ち上がってズレてくれて気まずい
みんながしらび平へと向かうバスの中、
奥に座ってしまった事を悔やむ…
（通路の席も倒れるんかい！）
みんな立ち上がってズレてくれて気まずい
檜尾小屋テン場3番乗りくらいかな。
よくならされた水捌けの良いサイト。
境界線にガイロープ用の石も置いてくれてる。
小屋番さんの思いやりやマメさを感じる。
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3番乗りくらいかな。
よくならされた水捌けの良いサイト。
境界線にガイロープ用の石も置いてくれてる。
小屋番さんの思いやりやマメさを感じる。
テン場はこんな感じで、数分で檜尾岳ピークまで行けちゃう。夕方ガスってたので動きませんでしたが、お酒を持って夕暮れ見るのもありですねー
夕方ガスってたので動きませんでしたが、お酒を持って夕暮れ見るのもありですねー
赤梛岳の東尾根にあるこれなんて山だろう？
地図に無いんだよな。
側面が崩れてるというより割れて削ぎ落ちた感じ。
地層みたいなのが見えて凄く気になる。
なんて山だろう？
地図に無いんだよな。
側面が崩れてるというより割れて削ぎ落ちた感じ。
地層みたいなのが見えて凄く気になる。
摺鉢窪小屋がマジで崩落に呑み込まれそう下山時の雨の後、オンボロ沢と合流した与田切川が泥と濁流と化してたのが気になってしかたない…
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下山時の雨の後、オンボロ沢と合流した与田切川が泥と濁流と化してたのが気になってしかたない…
これがなきゃ他のどのルートを選んでも厳しかっただろう
※ロープは基本千切れかけています
自己責任で！
飛龍滝を通過しやっと人工補助物なんだか安心感…♪
が、その後直ぐ先に崩壊して首吊り状態のハシゴが…
もちろんそこを降りる
※危険なところはほとんど写真撮ってないので絵で伝えられなくてすいません。
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なんだか安心感…♪
が、その後直ぐ先に崩壊して首吊り状態のハシゴが…
もちろんそこを降りる
※危険なところはほとんど写真撮ってないので絵で伝えられなくてすいません。
過去に整備してくれた人には悪いけど、まったく効果的にマーキングできてないんだよな。
相生の滝あたりだと思うのだがここを渡渉することになってるぽい元々は橋渡しみたいなものがあったんじゃないか？
とにかく慎重にクリアしていく
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元々は橋渡しみたいなものがあったんじゃないか？
とにかく慎重にクリアしていく
これまでに薮の中、足元に落ちたテープを無数に見てきた
こいつ頭悪いんじゃないのか（ボソッ）
沢は氾濫するほどでも無さそうだが
まだまだ安心してはいけない
…でもそっちの方向、道じゃなかったんだよな
でもこの登山口にも通行止表記しないとマジでダメだと思う！遭難者出るぞ
あのキノコにすべすべの呪いでも掛けられたのか？
林道をしばらく下り橋を渡った時。え！
登山道側から来てるのに立入禁止て…
どこへ戻れと？下山禁止て事？笑
今さら危険もクソもないぞ！
むしろ安全じゃないか！笑
え！
登山道側から来てるのに立入禁止て…
どこへ戻れと？下山禁止て事？笑
今さら危険もクソもないぞ！
むしろ安全じゃないか！笑
写真で伝えられないっす
オンボロ沢大丈夫か！さっきの雨で何あった⁉︎
この全力立入禁止感…笑
なんか、すいません
下りの道端に落ちていた石なんだけど、疲弊していたせいか、捨てられた子犬にしか見えなかったんだよなこれ。近づいて何度見ても。
…キノコの魔法か
そういえば沢に落ちてた真鯛の切身に似た石も美味しそうだった…
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近づいて何度見ても。
…キノコの魔法か
そういえば沢に落ちてた真鯛の切身に似た石も美味しそうだった…
さらに林道を歩き倒し、千人塚公園を通過する空は暗くなり雷の音がすぐ近くまで迫ってきている
ようやく電波が繋がりタクシーを呼んだ
こんなに心強いこと、なかなかない
お疲れさま
しっかりと命を繋げられた
一線を超えた経験は力になる
次、お盆の南アルプス縦走の前に良い山をできた
１週間近い山旅、どんなことが待ち受けているのか…
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空は暗くなり雷の音がすぐ近くまで迫ってきている
ようやく電波が繋がりタクシーを呼んだ
こんなに心強いこと、なかなかない
お疲れさま
しっかりと命を繋げられた
一線を超えた経験は力になる
次、お盆の南アルプス縦走の前に良い山をできた
１週間近い山旅、どんなことが待ち受けているのか…
感想
正直、
もしかしたらこれ
遭難するかも…
と本気で思った
引き返せない、先にも進まない
沢下りで雨雲は迫っている
しらび平ロープウェイ行きのバスを途中下車し、
檜尾尾根からテン泊で入山した
2日目、空木岳、南駒を経て越百山から下山する時のことだった
檜尾テン場から既に10km超、参考TC10hのコースを歩いてきている
午後から天気は崩れる予報だったがその頃には麓まで降りてる予定だった
11:30 越百分岐
予定していたエスケープルートが通行止
選択肢は4つ
①空木方面へ戻り池山尾根で下山
（安全第一駐車場まで直降、ハイマツが煩い、戻るのら気が乗らない、体力的にもキツい)
※15km CT 11h
②烏帽子岳経由で下山、上片桐駅
（大部分がさらに藪漕ぎの予感で距離もえぐい、水場や小屋はなし）
※18km CT 10h～
③中小川のエスケープルート
（情報ほぼなし） 通行止、水場あり
※13～15km CT不明 破線のみの表示
④最寄りの越百小屋を目指し作戦練り直し。
（ここまで来て1番安全だが当日家に帰るのは絶望的）
先ずは下山できる事
そして水は残り一本
中小川の水場を期待していた
しかし、分岐にたどり着くや
［通行止］の看板
本来なら通行するべきではないが水無しでは
そもそも行動不能になる
これまでに藪漕ぎやバリエーションは幾度とやってきたので自信はあった
幸い電波が微弱に受信できたので可能な限り情報を集めたが、通行止の原因や詳しい状況はわからなかった
気になるのは摺鉢窪の崩落がそのルートに影響していないか
乗っけから道の痕跡がわからない藪漕ぎ
笹は数年でよく伸びるもんだな
でも笹藪ならまだ可愛いもの
そう思っていたのも束の間
廃道になる前もきっとワイルドなルートだったんだろう
たまにピンクテープなどのマーキングが足元に落ちていたが見つけるのは難しくアテにもならなかった
沢筋を下りようやく中小川の源流
ちょろちょろ流れる水を汲み、
身体に生気が戻る
よし！これで行ける！
その後、これまでの経験で得た事、
今の自分の実力、立ち位置を確認させられる
命を守る行動とは如何に
まだここで死ねないという思い
アドレナリンがドバドバ出ていたと思う
ここまででかなり疲弊していた筈だが気持ちは昂り疲れを感じなかった
途中、獣臭を何度か感じたが、今は熊だの何だのそれどころじゃえねぇだ！
遭難したら沢は下るな
という格言がありますが
上に登るにも足元の見えない急峻な藪漕ぎを続けるのも体力が尽きるのが見えてるので
そのスレスレを攻めるライン
本当ならヘルメット、ザイル、パートナーが必要な案件なんでしょう
アテにならないマーキングを頼って彷徨うより
自分でルーファイして進む方が断然いい
沢を歩いては逃げて、何度も道を引き返し藪を漕ぐ
とにかく命の危険を感じたのは滑ること
アザミだろうがなんだろうと命綱に何でも握って歩いた
それでも何百と滑って転けた
雨は強まり、いつ増水するかわからない沢を何度も渡渉し、崩落箇所をトラバースする
道であったであろう場所と沢を逸れてはまた戻り、
なんとか相生滝付近まで降りてきてようやく危機モード解除
やー、これ過去一最難関かもしれんわ
越百分岐から飛龍の滝らへんまではとくに
その後もコースから離れては戻りを繰り返し、長い林道を越え、電波が届いたところでタクシーを呼ぶ
当初は駅まで歩こうとか思ってたけどタクシー心強すぎる
朝出発から実に15時間半、濃い1日だった！
無事に帰ってこれて良かった！
その夜、傘も役にたたないほどの土砂降りとなる。
あのまま遭難して諦めて沢沿いにビバークでもしていたらと思うと震える
気力と試行錯誤で命を繋げられた実感があった
なにより、
早起き早出出発
コースタイムは巻く
エネルギーとなる食料、非常食
体力作りと困難なルートの経験
そして時々立ち止まり、冷静に考えること
それが本当に大事だって身に沁みた
エスケープルートこそ事前情報をもっと集めておく事も忘れずに次の山へつなげよう
次の南ア縦走のいい教訓になった
こっそり拍手
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katakai さん
御意！
長文最後までご清聴ありがとうございます。
山からは学ぶことが多いですね！
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