五竜岳/その先は雨天撤退

- GPS
- 13:00
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 1,714m
- 下り
- 1,714m
コースタイム
- 山行
- 4:22
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 4:50
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 8:07
| 天候 | 8日:晴れのち曇り 9日:雨のち晴れ(山上はガス) |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
遠見尾根は西遠見の上に軽い鎖場・岩場がありますが問題なし。五竜岳直下には濡れるといささか緊張する岩場があります |
| その他周辺情報 | エスカルプラザ地下の温泉竜神の湯は800円 |
写真
感想
旧友Alps165との毎夏恒例アルプス山行も15回目を迎える。何とか体の動く歳のうちにと五竜から八峰キレットを超えを目論んだが、悪天候と体力を勘案して断念。遠見尾根ピストンの雲中五竜岳登山となってしまった。
【7日】 信濃大町駅前で前泊し、五竜テレキャビンゴンドラの動く時間に合わせて最寄りの神城駅へ。無料送迎バスまで少し時間があり、爽やかな朝のように感じたのでウォーミングアップがてらゴンドラ乗り場まで20分余を歩いたら、汗が噴き出した。やはり異常残暑を甘く見るものではなかった。
標高1500m余のアルプス平駅から高山植物園を抜けて地蔵ケルンを目指す。こんな標高でも日差しが暑い。これだけカンカン照るなら山の雲もなくなって欲しいが、行く手の五竜岳、唐松岳などは頭を雲に隠したままだ。
日曜ながら登る人はそこそこいて、抜いたり抜かれたりを繰り返して小遠見山頂をトラバース。遠見尾根に出てやっと涼しい風を感じると同時に、カクネ里雪渓改めカクネ里氷河の全景が目に飛び込んできた。立山の氷河は何度も見たが、長野県の現存氷河を見るのは初めて。上にそびえる鹿島槍の双耳峰はあいにく雲の中だが、雪の少ないこの季節にも大量の氷雪を抱いていることがよく分かる。キリマンジャロの氷河のように温暖化で消失しないことを祈るのみだ。
腹が減ったので小さな池の畔でコンビニお握りの昼食。水中に黒い粒があり、よく見たらオタマジャクシだった。まあ、山にカエルがいてもおかしくはないが、雪が降る前に無事カエルに成長できるのだろうか。
「西遠見」の標柱が立つ池の脇を過ぎてようやく道が険しくなり、登り切った所が西遠見山らしい。前方が開け、痩せ尾根から急勾配で白岳にせり上がるルートが一望できた。あいにく五竜岳は厚くなった雲の中に隠れている。
ザレた急坂には木段が配され、ちょっとした岩場にも鎖があってよく整備されている。慎重に鎖を手繰る相棒に合わせて登ると息も上がらないので楽だ。先ほどまでの暑さが嘘のように風が涼しい、というか若干寒いくらい。白岳の最高点を少し過ぎた所で縦走路に合流し、ガスの中を下って行くと忽然と五竜山荘の赤屋根が現れた。
一泊2食と弁当で1万6500円。諸物価高騰の折、仕方ないのだろうが随分高くなったものだ。その代わりというか建物は大変きれいで、特に新しそうなトイレは水洗!だった。
早めに着いたが、あたりはどっぷりガスの中なので散歩に出る気も起らず、気づけば山小屋眠り病のAlps165は早々と寝入っていた。本を読んで時間を潰して夕食へ。玄関と食堂付近はスマホの電波が入るので天気予報を見ると、明日は北から前線が下がって雨のち曇りという。登る前と話が違う。とにかく明日の天気を見てから行動を決めることにして、また早々に布団にもぐった。
【8日】 4時に電灯がついた。幸い外に雨の気配はない。4時半に起床し、5時から朝食を採った。予報は変わっておらず、外は厚い雲の中。降りさえしなければ八峰キレットを越せると思うが、相棒は岩場の速度がとみに落ちており、ガスで視界が悪いとさらに時間がかかりそうだ。鹿島槍の先の冷池山荘を予約しており、十分明るいうちに着けるか少々心配になってきた。
とにかく五竜岳山頂までは行ってみようと荷を担いで出発。風は多少あるが寒さはなく、初めは順調に進んだが、山頂近くの岩場でやはりスピードが落ちてしまった。未明の小雨で濡れた岩の中には、かなり滑りやすいものもある。他にも何人か山頂へ向かっていたが多くは空身の折り返し組で、ロープ登攀の経験者という女性一人だけがキレット小屋へ行くと追い抜いて行った。
ようやく縦走路と山頂の分岐に出ると、小屋番の女性が「雷鳥見物のついでに」ごみ拾いをしていた。聞けば今晩は空きがあり、延泊も可能とのこと。深いガスの中、わずか先の五竜山頂を踏んだところで少なくともキレット越えはあきらめ、ちょうどスマホの電波が入ったので冷池山荘にキャンセルの電話を入れた。これまた仕方ないが、昔と違ってしっかりキャンセル料を取られるようだ(当日朝で3000円)。
再びスローダウンして慎重に岩場を下り切ると、待っていたかのように雨が降り出した。レインを着る間に本降りとなり、視界が開けて山荘や白岳が姿を現した。足を早めて山荘の玄関に辿り着き、先客数人と雨宿り。ウェザーニュースの天気予報を見ると、白馬付近は今日も明日も曇り時々雨で、前線が南下して真上に掛かるという。
Alps165が「延泊して明日、唐松岳から八方尾根経由で下山しようか」と提案したが、当方は眼目の八峰キレットが無理と分ったところへこの雨で、すっかり戦意喪失。下山という主張を通してしまった。日程は取ってあるのだからダメ元でも停滞してみて、唐松岳への気楽な稜線漫歩を楽しむ可能性にかけてみるべきだった。
さて、雨が小降りになるのを待ちたかったが、この山小屋は正午まで全く中へ人を入れてくれないようなので、本降りの中を出発。8月の北岳でびしょぬれになったのに懲りて初めから折り畳み傘を用意し、少しでも風が弱まったらさして歩いた。それぞれの手に一本ストックと傘を持って歩ける程度に整備されている道がありがたい。
白岳を越すと風がやみ、傘が差しやすくなった。岩場でスローダウンするものの、西遠見を過ぎればもうそうした危ない区間はない。ただ、下るにつれて暑くなってきた。北岳で着たレインジャケットは洗濯でシームテープがはがれてしまい、今回は探し回って見つけたモンベルストームクルーザーの旧モデル新品?を着ている。モンベルに限らずゴアテックスは素材変更で耐久性が大幅低下したはずなので、サイズの合う物が残っていてラッキーだった。新品は撥水が断然良くなって蒸れにくいが、雨が小やみになったところで脱いだ。
遠見尾根はなかなか長く感じる。小遠見かと思ったらまだ中遠見で、カクネ里氷河にまたご挨拶。空はけしからんことに明るくなってきたが、鹿島槍は今日も雲の中だ。ようやく小遠見岳山頂をトラバースし、スキー場への下りに入った。腹がすいたので標高1750m付近のベンチで弁当を開くと、焼鮭とエビ天入りでなかなか豪華だった。
昼食から20分ほどで地蔵のケルン前へ到着。わずか下れば最上部のリフト降り場がある。女性二人がなにやら楽しそうに話している。薄日も差してきて下山がちょっぴり後悔され、Alps165にも悪いことをしたなと申し訳ない思いだ。
ついにアルプス平のゴンドラ乗り場に到着。昨日はまさか舞い戻るとは思わなかったから往復券は買っておらず、差引1000円損してしまった。降りた所のエスカルプラザに日帰り温泉が用意されているのはありがたい。
alps165











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