霧の大菩薩嶺でテント泊


- GPS
- 07:35
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 505m
- 下り
- 1,266m
コースタイム
- 山行
- 3:54
- 休憩
- 2:03
- 合計
- 5:57
天候 | 1日目 霧時々雨 2日目 雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
名古屋からは高速バスで甲府、 甲府で前泊し、翌朝甲斐大和 東京からは各駅で甲斐大和 甲斐大和から上日川峠までバス(1020円) 帰り 大菩薩の湯から塩山駅までバス(300円) 名古屋へは塩山から甲府まで電車、甲府から高速バス 東京へは塩山に停車する特急かいじ |
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されている。 福ちゃん荘のテント場は携帯は通じませんでした。 トイレ情報 上日川峠の男子トイレの箱は1つです。 福ちゃん荘の(公衆)トイレの男子の大は女子と共用です。男女とも使いにくいと思う方もいらっしゃるかもしれません。 千石平のトイレは仮設ですがキレイ。 丸川峠の分岐場所から登山口までの車道上に雲峰寺の公衆トイレがあります。 |
その他周辺情報 | 裂石方面に行くと大菩薩の湯 モンベル割引で100円引き600円(安い) 千石茶屋の桃ジュースは絶品です。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
アームカバー
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ティッシュ
保険証
時計
サングラス
てぬぐい
ストック
ナイフ
スマートフォン
熊鈴
テント
ポール
シュラフ
マット
ガスカートリッジ
コッヘル
|
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備考 | 今回kwskykはテント泊装備で水入れて10kg。ザックはラスカル(ロウロウマウンテン)ウエストベルトつき、靴はサロモンのローカットシューズ。テント泊で着脱しやすく快適だが、10kg背負ってローカットは若干不安。帰りは軽くなったので(多分8.5kgくらい)マシだったが、ストックを使った。 |
感想
我らがリーダーの「年に一度はテント泊に行く」という方針(?)の下、適当な山を探した結果、今年は大菩薩嶺に行くことになった。何しろテント初心者であり(まあ、登山自体において似たようなものだが)、テント泊装備を背負って険しい道を長距離は歩けない、という制約があるので、自ずと場所は決まってくる。その点、この大菩薩嶺はバスを降りてから地図時間なら20分程度でテント場まで到達できるので、我々には適切だ。リーダーは某東海地方からの参加になるので、遠いことに不満を漏らしていたが、某東海地方の都市から甲府までの高速バスが出ていることを発見して、前泊してこの山行に臨むことにした。しかし某山梨交通のバスに電源と肘掛けのないことに不満を漏らしていた。筆者は某東京都内からの参加なので、早起きして各駅を乗り継ぐ形で甲斐大和駅に向かった。
早朝の土曜の新宿駅は登山客よりも圧倒的に飲み明かした人たちの姿が多く、筆者の左隣女性は座席を2つ占領して爆睡していたし、向こうの座席では席から崩れ落ちて寝ている若者の姿があったりして、健康的なイメージは希薄だったが、八王子で乗り換えのためにホームに降りてみると、どこにこんなにいたのだろうと思うぐらい登山者の姿ばかりであった。幸いにも松本行きの各駅停車で座れて、皆さんどこに行くのかな、と思っていたが、大月まで来ても降りる人は少なく、もしやと思っていると、果たして筆者の下車駅である甲斐大和駅でどどっと降りたのだった。筆者がリーダーの到着を待ってバス乗り場に行ってみると(6年前に行った時はバス乗り場が反対側だった気がする)、理由はわからないがたくさんの人がバスに乗らずに待っていて、勝手が分からずにいるとバスの運転手さんから「大菩薩嶺にいくなら乗って」と言われてあらかた席の埋まったバスに乗り込み、補助席に座らせてもらった。パッキングの下手なテン泊装備のザックを膝の上に抱えて筆者の股関節は歪みそうで心配だったが、隣の人も迷惑だったであろう。すみません。バスは満席になった時点で出発した。
上日川峠に到着すると、すでに自家用車で来ている人で混雑していた。ロッヂ長兵衛の前ではシャインマスカットを売っていた。山行前の糖分補給は大切である。じっと眺めているとリーダーが買ってくれた。物欲しそうにしているといいことがある時もある。そしてとてもおいしかった。
さて、トイレも済ませて、いざ山行開始。テント場のある福ちゃん荘までは未舗装車道と登山道に分かれているが、登山道を行くことにした。筆者のザックは総重量13kgになってしまって、ゆっくりしか歩けない(まあ、ザックが軽くてもゆっくりしか登れないが)。地図時間25分のところを40分かけて福ちゃん荘に到着した。
福ちゃん荘のテント場は予約制ではないので、まずテント泊の申込書を書いたのだが、行程をきちんと書かないといけない書式になっていた。我々が早めに行ったせいもあるが、といっても10時だが、まだ一張りぐらいしかテントが張られておらず、好きなところに設置できる状況だった。ポツポツ雨も降ってきていたが、木立のおかげでほとんど雨を意識することもなかったのはラッキーだった。そして事前に狭い狭い自宅で練習した甲斐もあって概ね順調に設営できたが、うーん、なんとなく歪んでいるような気もする。でもまあいいことにしよう。
リーダーは某youtubeを見て福ちゃん荘の「ほうとう」を頼む気満々であったが、福ちゃん荘のほうとうは予約制です。当日予約することもできるが人気メニューなので、3時間ぐらい先まで予約でいっぱいのようであった。我々はスケジュールが合わないので、ほうとうは諦めて、スープは同じという「きのこ汁ご飯」を注文した。ご飯もたっぷり、副菜もついて満足行く内容であった。
さて、一度テントに戻ると、大勢の人がテント泊講習を始めていた。帰る頃には周囲がテントでいっぱいになるね、と言いながら12時前に大菩薩嶺への山行を開始した。我々は唐松尾根を登って大菩薩峠に至る右回りルートを選択。唐松尾根は途中まで樹林帯を登るが、急に樹木がなくなって、南側の展望が開ける。しかし、この日の予報は霧。果たして天気が良ければ富士山が望めてわあっと声を出すところで「うーん、真っ白」と落胆のため息。まあしょうがないですな。まずまずの急登であるが、新調したサブザックのおかげで軽々と、と言いたいところだが、そんなことはなく、なんとか雷岩にたどり着いた。
今時点で雷岩には結構人がいたのだが、雨が本格的に降り始めていて、我々はまずは大菩薩嶺の山頂を目指すことにした。所要時間10分ほどである。ぬかるみを乗り越えて、眺望のない山頂に到達し、すぐ引き返そうかと思ったが、雷岩に戻ると吹き曝しになるので、樹木に守られるここで小休止することにした。雷岩まで戻るとほとんど人はいなくて、かつ周囲の言語に日本語は聞こえなくなっていた。多分観光客ではなく、在日外国人の方達なのでしょうね。有名観光地だけではなく、こうした場所も多くの外国人の方が訪れるようになっているのだと感じた。
すでに我々は雨具着用の山行態勢である。6年前には雷岩でホットサンドを作ったなあ、と思い出しながら(その時も眺望は悪かった)、大菩薩峠への稜線を下っていった。雨の上、花もなく、特にギャグもなく、賽の河原、親不知の頭を通過して大菩薩峠、すなわち介山荘に到着した。ここでトイレを借りて一休みして、福ちゃん荘へ戻る。ここからは登山道というより整備された未舗装道である。筆者はこの辺りでふくらはぎに疲労がきている感じだったが、この程度の山行で疲労が来るとは老化が著しいなと思いつつ、順調に下って3時過ぎに福ちゃん荘に戻ってきた。途中、勝縁荘と富士見荘という廃業した小屋を通るがトイレはない。
さあ、今日は、あとはビールを飲んでご飯を食べるだけだ。リーダーはコーヒーが飲みたいといって、福ちゃん荘で注文しようとしたが、3時で火を使うメニューは終了だそうだ。筆者が缶ビールを買ってテントに戻ると、くだんのテント講習は続いていて、わざわざご挨拶までいただいた。某山岳会の講習だそうで、今夜はテントは設営せず、福ちゃん荘に宿泊する由。様々なテントの張り方を講習しているようであった。筆者は稚拙な張り方のテントのままビールなんか飲んでいるのを見られているような感じがして、なんとなく恥ずかしかった。
5時を過ぎるとそろそろ暗くなって、しばらくリーダーとはテントの中から話をしていたが、翌朝晴れていたら、唐松尾根を途中まで登って、眺望がいいようだったら雷岩まで行こう、と話して、4時起床を取り決めて、6時過ぎには寝ることにした。まあ、すぐには寝られんだろうと思っていたが、筆者はあっという間に寝てしまった。2時ごろ目が覚めてトイレに行ったのだが、このテント場は本当に真っ暗である。福ちゃん荘も全く灯を灯していない。これは想定外だった。福ちゃん荘を通り越して向こう側にあるトイレまで相当慎重に行ったのだが、途中俄かにクマに出会ったらどうしよう、という不安が頭をもたげ、もしクマに出会ったら、静かに後退するとして、トイレはどうするんだ?結構限界なのに、と何にビビっているのかよく分からない状態でトイレに辿り着き、無事にことを済ますことができた。しかし、帰りだって安心はできない。出会ってしまったら後退するわけで、そうするとトイレに篭ることになるのか。それもなかなか辛い。しかし、それらは全て杞憂に終わり、無事テントに帰り着いた。比較的トイレに近いところにテントを張ってよかった。そして真っ暗闇の中でヘッドランプだけで行動するのがいかに大変かということがよく分かった。逆に晴天だったら星が相当綺麗なのだろうと思った。
テントに戻って、うつらうつらしていると雨がひどくなってきた。4時起床。雨。雷岩まで早朝に登ることは断念することにした。6時再起床。まだ雨は降っている。リーダーと話して、裂石まで行くのは断念して上日川峠から直接帰ろうか、という相談もし他のだが、リーダーが例の山岳会の方たちがこれから登るのに際して、今日の天気予報は晴れだといっていたと聞きつけてきた。7時になると雨も上がってきたので、これから雷岩まで登って上日川峠から帰る案も検討したが、どれだけ天気が回復するかわからないので、予定通り裂石まで行くことにした。
テントの撤収に思ったより時間が掛かってしまったが、雨中の撤収にならなくてよかった。もう少し要領よく片付けられるようにならなければ。さて、8時20分ごろに福ちゃん荘を出発し、今度は未舗装道の方を下った。上日川峠に着いてみると、すごい人出だった。すでに近くの駐車場は一杯のようだった。そしてトイレに行って箱から出てくるとトイレも長蛇の列になっていた。ちょうどバスが着いたみたいだ。いいタイミングで行けてよかった。で、やっぱりシャインマスカットを買って(もらって)しまい、そこで40分ほど休憩したことになり、駐車場待ちの車とバスのすれ違いの大混乱を横目に裂石に向けて出発した。
裂石への道はなんとなく林道のような道を想像していたのだが、整備はされているものの、ちゃんとした(?)登山道だった。しかし何しろ13kg➖αを背負っている。転んだり足を捻ったりしたらそのインパクトは普段以上であるはずで、慎重にならざるを得ない。ずっと下りなので、息は上がらないけれど地味に脚にくる感じである。樹林帯を1時間ほど下ったところで一度休憩し、さらに30分ほど行くと千石平という場所に出たが、ここまで二人ぐらいしかすれ違わなかった。ここ千石茶屋という売店があって、何か美味しそうなものはないかとメニューを物色すると桃ジュースが美味しそうだ。頼んでみるとこれが大当たり。めちゃくちゃ美味しかった。千石茶屋を通る方にはぜひ注文することをオススメします。写真にもあるように桃2−3個分使っているということで、おそらく筆者の記憶に長く残るものになるだろう(販売期間については聞き忘れました)。なお、リーダーによるとここにあるトイレもとてもキレイだったそうだ。
さて千石平からしばらく行くと、丸川峠との分岐に至り、ここから車道歩きになる。いつもながら登山の最後の車道歩きは辛い。途中雲峰寺というお寺があって、由緒あるお寺のようであった。正面に長大な石段が見え、リーダーが「行く?」と聞いてきたので、謹んでお断りした。このお寺、正式名称を裂石山雲峰寺(さけいしざんうんぽうじ)といい、かなり有名なお寺のようで、甲府の鬼門に当たることから武田家の祈祷所になっていて、武田家が天目山で滅亡した折には孫子の旗(有名な風林火山の旗)などが運び込まれたらしい。門前に「「孫子の旗」という茶屋があったが、閉店しているようだった。
もう車道歩きは嫌になったと思い始めた頃、大菩薩峠登山口のバス停に到着した。登山終了。ふくらはぎはモチました。お疲れ様でした。ここからさらに車道を下って大菩薩の湯という温泉に浸かりに行った。ザックの置き場も設けられていて、あとで気がついたのだが靴洗い場もあって、充実の設備である。お湯はアルカリ度が高く、6年前に行った天目山温泉に近い。湯温も筆者の好きなぬる目でこれを満喫した。風呂から上がってくると俄かに来客が増えていて、昼食を注文しようとしたが、30分以上かかるという。今、12時半で13時半のバスに乗らなければならない。しかし、こういうケースではお店の人は余裕を持っていうだろうから大丈夫だろう、と希望的観測をして、筆者は「湯上がりビールセット」、リーダーは味噌ラーメンを注文した。しかし、ラーメンが出てきたのは、13:15ごろで、リーダーはすごい勢いでラーメンを啜り、湯上がりセットは13:10にビールと冷奴と煮物は出てきたが、ついに揚げ物は間に合わず、筆者は涙を飲んで13:25に揚げ物を断念したのだった。
温泉から塩山駅までのバスは空いていて、登山客は我々ともう一組だけだった。塩山駅からは筆者は特急かいじに乗って、揚げ物の穴埋めをするように余ったサンドイッチとどら焼きと煎餅を貪り食い、昨日あんなに寝たのにさらに寝て、あっという間に新宿駅に着いたのであった。下山後、ヤマレコの投稿によれば、その日の昼頃には雷岩あたりから富士山が見えたらしいとの情報がリーダーからあり、ちょっと羨ましかった。いやいや人を羨んではいけない。我々だって楽しい山行であったのだ。またいつか運に恵まれることもあるでしょう。ところでこのコース、桃ジュースや雲峰寺もあるので、もっと歩かれてもいいコースなのではないかと思った。(完)
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