宮地山からセーメーバンへ


- GPS
- 08:14
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,240m
- 下り
- 1,252m
コースタイム
- 山行
- 8:01
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 9:02
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道は全般にわたって不明瞭。 ただの斜面を登ることが必要な場面も多々あります。 加えて通行量と管理頻度が相当低いのか、路面/斜面は厚い落ち葉、枝、そして倒木まみれです。 更に長期間手入れされていないため、倒木の一部は既に朽ちており、不用意に足をかけると砕けて足を取られることもあります。要注意。 |
その他周辺情報 | 温泉は近場にはありません。 食事は、大月駅目の前にある濱野屋がオススメ。 https://hamanoya.net/ |
写真
装備
個人装備 |
【ここから衣服】登山靴(中山製靴1000DX)
登山用靴下
登山用半ズボン
圧力タイツ
長袖シャツ
雨具上下
下山後用着替え一式
下山後用下駄
【ここから食料】水2.5L(コンツアー3L)
ゼリー飲料x2
プロテインバー
井村屋58g羊羹x3
塩分タブレットx6粒
アルファー米
お昼ごはん材料一式
【ここから調理器具】ジェットボイルミニモ
ODガス缶
平皿
マグ
コーヒーミル
コーヒーバネット
箸
フライパン
へら
ナイフ
フリント式ライター
【ここから登山ギア】ザック(60L)
ストックx2
ヘッデン
ガベッジバッグ4L
手ぬぐい
【ここから消耗品】皮膚用日焼け止め
唇用日焼け止め
ティッシュ
ペーパータオル
ビニール袋
【ここから電子機器】携帯電話2機
カメラ(OM-3)
Garminウォッチ(ForRunner255)
【ここから緊急用品】エマージェンシーシート
ドルマイシン軟膏
リンデロンVs軟膏
三角巾
自着包帯(2.5cm×4m×1巻)
折りたたみハサミ
サムスプリント指x2
チョコバー
スポーツようかん
小型ライト(VTIGER)
浄水器(SawyerSP129)
チタニウムフリントライター
方位磁針
|
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感想
【本日の3行】
▼ MAD RAWEEL 怒りの徒歩ロード 〜お代わりもあるよ〜
▼ 道なき道を征く(物理)
▼ Monster surprised you! ふかくていめい:よつあしのどうぶつ
【前説】
前回のハイクでは、新たに読んでいる登山に関する生理学の本を基に、心拍数をベースにハイクを試みました。
その結果、全くバテずに快適ハイクに成功したのでした。
その前回は斜度が常にゆるやかな山行だったので、じゃあ斜度のきつい山ならどうか?
ということを検証するため、今回は難路指定されている宮地山に足を運んできました。
という体で、下山後の富士の介サーモンを食べに行きました、とも言います。
【JR大月駅〜宝鏡寺薬師堂】
ということでやってきました JR 大月駅。
今回の開始地点の宝鏡寺薬師堂の近くまで行くバスの始発はだいぶ遅く、今日の行動距離を考えるとそれを待つのはちとつらい。
そこで、今回は時間を金で買う作戦、タクシーを使って登山口まで移動するのだ!
…と思ったんですが、大月駅前にはタクシーの姿はなし。
本当は距離的には猿橋駅のが近いんですが、猿橋駅の朝早くにはさすがにタクシーおらんやろ…
と想定して大月駅まで出たんですが、どうも裏目った様子。
仕方がないので配車アプリでタクシーを探したものの、これまた近場に回せるタクシーなし、という無慈悲な表示。
最終手段として地元のタクシー会社に電話で連絡した結果、本日は予約で既に全部埋まってるから回せるクルマはない、との無慈悲な回答。
…ええぇい、登山にトラブルはつきものじゃ!
ここはプランBでいくぞ!
すなわち、「お前のその2本の脚はなんのためについているのじゃ?」作戦を発動する!
ということで、80分かけてアスファルト道をひたすらてくてく。
田無瀬バス停あたりまでは山あいの街並みを歩くんですが、この街道の特徴として、昔からの地元の名士のような立派な建物がちらほら建っています。
一つの古風な家に立派な蔵が 2 棟もセットになっている様子などは、物理的にはあまり楽しくない舗装路歩きに華を添えてくれますね。
あとは、地味に廃墟が多い…これが過疎化の波ってやつなのかな。
おととしの調査では、空き家の数が全国で 900万戸にものぼっているとのレポートが総務省から出ていたけど、これには廃屋になった住宅は含まれてないんですよね。
東京から電車で2時間の土地ですらこうなんだから、想像以上に地方の疲弊は進んでいるのか…と暗澹たる気持ちに。
ちなみに総務省のレポートはこちら↓
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf
【登山口〜宮地山】
80 分かけて宝鏡寺薬師堂に到着したら、ストックを装備していざ薬師堂裏手の階段から登山道へ突入!
したのはいいのですが、これは…全然人の往来がないな?
階段から土の地面に切り替わった瞬間、顔の高さの蜘蛛の巣にひっかかったり。
そして道は尋常じゃない枯れ葉、落ち枝、倒木まみれ。
その結果、道が不明瞭ってレベルじゃない。
これは…難路じゃな?
登山口(だいたい400m)から500mくらいは道の見えない急斜面の山腹を登らさせるゾーンです。
踏み跡が見当たりにくい個所も多く、倒木だらけの斜面の中からなんとかして歩けそうな斜面をよじ登らされます。
更にこれは自分のせいなのですが、前のハイクから踵が完治していなかったようで、急斜面だと踵が痛い。
なので、舗装路歩きで多少疲労したところにこの状況で、しょっぱなからかなり精神&物理の両面でダメージを喰らってました。
幸い、500m を超えてくると少し斜度がゆるみ、相変わらず道はわかりにくいものの、400-500m ゾーンに比べればルートファインディングはやりやすいです。
そのまま 700m 地点の用沢出会まで来ると、本日初の大月市の案内看板と遭遇。
ドコモの会社専用道路にすら設置されていた大月市の案内看板ですが、地味に薬師堂の入り口には設置されていなかったんですよね。
これを見て、この道は一応自治体の管理対象になっているだろうことを認識し、一安心。
そのままさらに進み、900m 付近になると道の難易度が再び難化。
そのままほぼ宮地山山頂手前付近まで、400-500m帯のような急斜面とイチャつく羽目になります。
どのくらい苦労したかというと、400-500m と 900m以上を歩いている際、スマートウォッチから「心拍数155を超えてる!急ぎすぎ!」と警報がしょっちゅう出されるほどに。
加えて、GPS ログを見ると、このゾーンは他に比べて随分ふらついているのも、ルートファインディングの苦闘を物語っていたりします。
【宮地山〜セーメーバン】
そうしてひーこらひーこら言いながら、なんとか宮地山へ到着!
宮地山自体に特に設備や眺望があるわけではないので、得られるのは達成感や休憩などになります。
小休止を経て進軍を再開。
相変わらず登山道はほぼなく、道なのか獣の踏み跡なのかよくわからんうっすら地形をなんとか見つけ出しながらの進行ですが、ここまでくれば派手なアップダウンはほぼなくなるので、心拍数を抑えつつも良いペースで歩くことができます。
ただ、大岱山手前の宮地山分岐のあたりはまたしても 400-500m 帯みたいな斜度と道になるので、そこだけはかなりのスローペースを強いられる羽目に。
というか、このあたりまでくると踵がかなりきつくなってきたので、斜度がシャバいところはスキー板で斜面を登るような歩き方に切り替えたので、さらにペースダウンをする羽目に。
そうして本日の最高峰こと宮地山分岐までたどり着いたら方角を南へ。
あとは基本的に下るだけ、まずは 200m をゆるやかに降りてセーメーバン山頂へ。
…しかし、結局今日のこのルートは誰一人としてすれ違いや追い越されがなかったなぁ。
見ようによっては、不明瞭な道ではなく、地形図に等高線にGPSに加えて自分の目で見た情報を総合して、どちらに進むべきかを常に考えながら歩かなきゃいけないことから、ルートファインディングの練習には結構よさそげなんだけどなぁ。
ただ、まあ、自分もこの道をもう一度歩きたいか、と言われると、イエスとは言えないわけですが。
【セーメーバン】
お昼過ぎにセーメーバン山頂へ到着!
変な名前で気になり、いつか行ってみたい山だったので感動ひとしお。
といっても、何か目を惹くものがあるわけでもなし。
この山の名前は安倍晴明に由来するとかしないとかいう情報もあったので、その辺の解説もあるのかなぁと期待していたものの、そういったものも一切なし。
まあそれはそれとして、ここからは楽しいお昼ご飯タイム。
懲りずに運び上げてきた Helinox のテーブルにチェアで寛ぎながら調理開始。
今日は豚ロース肉が安かったので、スパイスキングダムさんのガーリックBBQスパイスに漬けておいた肉をひたすら焼いて喰らう!
疲れた身体に、ガーリックの効いたタンパク質が染みわたる…!
あとはうっかり忘れちゃったコーヒー豆があれば、より優雅なランチタイムを楽しめたのだが…ああ、コーヒー豆ミルとバネットが泣いている。
と、肉を焼いている最中、山チャリに乗ったお二人が登場。
ま、また山の中で自転車!
なんか、自分の山行ではトレイルランナーより山チャリストに遭遇している気がする。
軽くご挨拶などしてお別れしましたが、別れた後に彼らは(少なくとも私の主観では)自転車で進むのが信じられない斜面を滑り降りていったようです。
山チャリスト、やっぱりすげぇなぁ…
【セーメーバン〜金山】
さて荷物も撤収し、いざ本日の後半戦!
…といきたいところでしたが、どうにもテンションが上がらない。
あとお昼休憩をしっかりとりすぎたせいで、このまま予定ルートを下ると日没になってしまいそう。
なんか前回のハイクも同じようなこと言ってたような気がするが、ここは無理に山を歩くよりかはサクラ沢峠から金山に出たほうがよさそうが。
ということでルート変更、サクラ沢から下山開始。
こっちのルートも歩きやすいわけではない、というか山側と崖側に挟まれた道がせっまい個所が多く、多少難儀しながら進行。
そうしてサクラ沢沿いを歩く個所、もとい金山林道に出るまであと5分といったところで、獣のいななきが耳に入る。
下り足を緊急停止して周囲を索敵…うわっ、黒い四つ足の獣が50-70m眼下にいる!
まずは急ぎ太めの樹木に隠れて相手からの視線を切り、念のために相手を観察…
した結果、相手は猪であると判明。
とにかく息をひそめて、こっちに向かってこないことを祈りまくった結果、数十秒後に自分と反対方向に向けて歩き去ってくれました。
…よ、よかったぁ。
人間に対して攻撃的な行動を取る可能性が高い獣は、今回が初遭遇だったからめっちゃ緊張したわ。
具体的には、相手を視認したすぐ後にスマートウォッチが「心拍数155を超えてる!急ぎすぎ!」と警告してくるくらいに。
違う、違うんだ、蚤の心臓だから出くわしただけで心臓バックバクになっただけなんだ。
いずれによ、いったんこの場で数分待機し、戻ってくる様子がないことを確認。
そうして念のために装備中の武器を登山用ストックから調理用ナイフに変更。
刃渡り10cmもない小刀で何ができるかもわかりませんが、突撃を繰り返されてなすすべもなく引き倒されるリスクを少しでも減らさないと…
そうしてビビり散らかし倒しまくって斜面を下りましたが、幸いなことに猪は本当にどっか遠くへ行ってくれたようで無事に林道まで出ることができました。
おお、出発時は舗装路歩きかぁ…とか冷たいことを言ってすまなかった、今はこの人工物が心強い!
【金山〜下山】
とはいえ、ここからの舗装路歩きも長いんだよなぁ。
試しにタクシー配車アプリを使ってみたけど、案の定配車可能な車はありません、との回答。
ここから大月駅に向けて、長いトボトボ歩きです。
と思ったのですが、金山林道を抜けて西奥山集落に辿り着くと、そこにはバス停が。
そしてチェックしてみたら、時刻表には今から7分後に大月駅行のバスが来るじゃあーりませんか!
わっはっは、これが俺様の日ごろの行いってやつだ!
さて、ここで安心して荷物を下ろして時刻表の詳細チェック、7分後の時間の頭についているこの□マークは何かな、経由地が違うのか行き先が違うのか…
_人人人人人人人人人人_
> □:土日祝は運休 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
コレガ オレサマノ ヒロゴノ オコナイッテ ヤツダ
更に、この1時間後の便も□付きという。
こうして、ぬか喜びという精神的重荷を追加でしょい込んで、トボトボ再開。
そのまま足裏の痛みと戦いながら、大月駅前までたどり着いて下山と相成りました。
下山後は、濱野屋で富士の介サーモン三昧。
今日は前回食べられなかった富士の介サーモン寿司、富士の介サーモン刺身を頂きましたが…やはり極上。
一緒に注文した笹一が一瞬で消えてしまう程に。
お値段はそこそこはしますが、山のご褒美と考えれば安過ぎず高過ぎずのいい塩梅とも言える。
よーし、まだどこかで大月駅ゴールの山行計画を立てるぞ!
【後記】
結局、今回は工程の半分以上がアスファルト歩行になってしまいました。
とはいえ宮地山の登攀は、今までにないパターンの山登りができたので、これはこれでよい経験を積むことができました。
あの手の道がほぼないルートは、周囲の地形を脳内の地形図/等高線と照らし合わせておくと、基本的には大きく逸れにくいのがわかったのが収穫でした。
あと、宮地山は妙に静かでした。
今日がたまたまなのかもですが、800mを超えたあたりから虫の声から鳥の鳴き声まで何も聞こえてこなくなり、風が止んで木の葉がそよぐ音も止まると、山の中なのに自分が出す音以外は何も聞こえてこない、というかなり面白い状況になってました。
ヤマレコの実績の一つに静かなる山歩き、みたいなのがあった気がしますが、人が少ないだけでなくて物理的に静かなパターンも引けるとは、これはラッキーでしたね。
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