八甲田山 酸ヶ湯から大岳・毛無岱周回

- GPS
- 06:10
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 717m
- 下り
- 716m
コースタイム
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 6:55
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
| 天候 | 曇時々雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所少なく整備されている。 地獄湯ノ沢付近はガレ場につき歩行と道迷いに注意 |
| その他周辺情報 | ・酸ヶ湯温泉 ヒバ仙人風呂 https://sukayu.jp/facility/ |
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
|---|
感想
⚫︎夜明け前の出発
酸ヶ湯公共駐車場で車中泊し3時15分に起床する。シーフードカップラーメンとソーセージパンで朝食を済ませました。窓には水滴がついていましたが、雨は降っていません。風が樹々を揺らす音を聞きながら、今日の登山の準備を整えます。
向かうのは八甲田山。1902年に起きた「八甲田山雪中行軍遭難事件」の舞台です。以前、映画で観たその場所に自分が立っていると思うと感慨深いものがあります。10月の今は雪もなく日帰りできる行程ですが、199名もの命が失われた山と思うと背筋が伸びます。
4時35分、暗闇に小糠雨が舞う中を出発しました。薬師神社の脇から登山道に入り、落ち葉の上を進みます。ヘッドランプの光に濡れた葉が反射し、闇の中で無数の光が瞬きます。美しいのですが、それより未明薄暮に活動するという熊の恐怖が先に立ちます。ザックの後ろにつけた熊除けの鈴を胸元に移し、「明日があるさ」を大声で歌いながら歩きました。なぜこの歌が出てきたのか分かりませんが恐怖を和らげてくれます。
4時50分、有毒ガス注意の立札を見つけ、足早に通り抜けました。目を凝らし耳を澄ませても動物の気配はなく、風に騒ぐ木々の音だけが響きます。深山の夜にひとりで分け入る心細さに、夜明けが待ち遠しくなりました。
⚫︎地獄湯ノ沢を経て大岳に登頂
5時13分、ようやく空が白み始めました。体も温まり、樹海を見下ろすと山上は霧に包まれています。6時前には地獄湯ノ沢に到着。硫黄の香りが漂い、地面が黄色く変色していました。「異様な色だ。硫黄だけに」と寒い洒落を思いついても、笑ってくれる人はいません。
6時35分、仙人岱の分岐に到着しました。湧水で喉を潤すと、少し苦味を感じましたが不思議ともう一口飲みたくなります。徐々に植生が変わり、アオモリトドマツやチングルマの綿毛が霧の中に揺れていました。
7時10分、針葉樹林に覆われた斜面を登ると鏡沼に到着です。火口にできた池にはモリアオガエルやクロサンショウウオが生息しているそうです。霧で見え隠れする沼は幻想的です。この先は木々が無くなり火山らしい赤い斜面を登ります。
7時18分、標高1584メートルの大岳山頂に到着。展望は濃い霧に閉ざされていましたが、登頂の達成感に満たされます。山頂ではこけし職人の青年と出会い、互いに写真を撮り合いました。「金にはならないけど、物を作るのは楽しいですよ」と語る彼の笑顔が印象的でした。
⚫︎毛無岱を経て酸ヶ湯温泉に下山
8時に大岳鞍部避難小屋に到着。中には「湊かなえ 良い山行を!」との書き込みがあり思わず二度見します。小説家で『山女日記』を書いた湊かなえさんもこの夏に訪れたようです。
8時25分に再び出発しました。標高を下げるに従い雲を抜け、目の前に弘前市街や岩木山も見えてきました。雲に覆われていたのは頂上付近のみだったようです。
長い木の階段に差し掛かると、眼下に毛無岱(けなしたい)の草紅葉が広がります。赤や黄の葉が山肌を染め、遠くには弘前の街のパノラマが広がります。
居合わせた方々から歓声があがり、私も夢中でシャッターを切ります。眺望は諦めかけていただけに感動もひとしおでした。
見下ろす角度から眺める毛無岱は、まるで絵画のようです。自然の織りなす色の調和に息を呑みました。
黄色く色づいたブナの森を抜け10時21分に酸ヶ湯温泉へ下山。駐車場には観光バスが並び、山の静けさから一転して賑わいのある光景でした。
⚫︎千人風呂の湯けむり
登山中に出会った人たちと再会し、「きれいでしたね」と笑顔で言葉を交わしました。どことは言わずともお互いに同じ光景を思い浮かべていたのでしょう。
こけし職人の男性に勧められ名物の「ヒバ千人風呂」へ。日帰り入浴は1000円で、タオルも付いています。脱衣所には「見ればまいね 見せればまいね」との掲示があり、少し緊張しながら扉を開けました。
湯に浸かると硫黄の香りが立ち上り、湯が唇に触れると確かに酸っぱく感じます。混浴ですが女性は湯あみ着を着ており、男性はほぼタオル一枚です。自分の無防備さに動物園の猿ってこんな気持ちかなと想像しつつ、皆に倣い視線を逸らし湯を味をう事に専念します。肩まで浸かり頭を浴槽の縁のヒバに預けると、湯気と共に旅の疲れが拡散していくようでした。
再び登山着をまとい11時20分温泉を後にします。
駐車場近くの薬師神社の鳥居の奥に登山中は雲隠れしていた大岳が姿を見せています。見送りられるように岩木山へ向けてハンドルを切りました。
しかおのこ









いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する