爆風で極寒の御嶽山(飛騨頂上)と継子岳


- GPS
- 07:35
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,153m
- 下り
- 1,140m
コースタイム
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 7:25
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ハードシェル
タイツ
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
バラクラバ
毛帽子
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
ヘルメット
|
---|
感想
御嶽小坂登山口9:22−10:03七合目−10:27湯ノ花峠−10:59のぞき岩−12:00森林限界、お昼12:30ー13:25五の池小屋、
飛騨頂上−14:24継子岳−14:30下降開始ー15:07森林限界−のぞき岩15:26−15:43湯ノ花峠15:58ー16:11小坂口七合目−16:47御嶽小坂登山口
今年は暖冬なので、雪を求めて今度は御嶽山へ。秋に行きたかった御嶽山。でも、チャンスを逃して・・・😌
天気予報を見ていると日曜がベストと考えていたが、直前に予報が変わって日曜は荒れそうだったので土曜に自宅を出発して一気に登ることにした。
飛騨小坂から林道を走る。「濁河温泉まで6km」を過ぎると道路に雪が、しかも踏み固まってヤバイ。多少滑りながら、2駆スタッドレスの軽自動車で最終の駐車場まで行くことができました。私で10台目。満員御礼かな。なんだかんだ準備しているうちに、出発が遅くなってしまった。私とほぼ同時に到着した女性一人を残して出発。この女性、あとでツワモノと分かるのだが。
御嶽山は学生時代に研究室の先輩と二人で登り、五の池小屋(以前は御嶽小屋と言われていた)に宿泊した。季節は夏だったが、他に宿泊者はほとんど居なかった。布団は湿ったようなちょっと・・・😨と思う重い布団。それでも、暖かく寝ることができた。小屋主の水口さんから、翌年の正月に年賀状を頂いたのが印象的であった。このときは摩利支天だけ登れなかった。2回目はうちの奥さんを連れて、濁河温泉覚明荘に2泊。中日にハイキングと称して五の池まで登り、覚明荘の👩女将に驚かれた。この覚明荘、廃業されて今はなく、うちの奥さんも。
そんなことを思い出しながら、しっかりついた雪の斜面を登る。踏み跡を外すと、ゴボるので忠実にトレースを辿る。台風で橋が流されたので遠回りだが、標識がしっかりついていて何も心配いらない。少しスピードを出したいが、今日の天気は曇り、汗冷えが致命的になるかもしれないので、大汗かかないように無理せずに進む。
私に先行して出発された男性は姿が見えない。後続の女性も見えないので一人ぼっちと同じだ。空には飛行機の音。鈴鹿御池岳の厳冬ソロ山行では、飛行機の音が暴風音に聞こえたが、ここではしっかり飛行機の音だ。一人で歩いていても多数の人がこのコースにいるだけで安心感がある。御池岳はよほど寂しかったんだなあ、と振り返る。
ジョーズ岩を通り過ぎ、湯ノ花峠から摩利支天を見る。予想外に近く見える。白く輝いているが氷の世界なんだろうな。ルートには赤い札がついていて登るにつれて番号が増えるが、トータルの番号が無いとどの位置かわからない。確か、レポを拝見した記憶では42だったような・・・そんな縁起でもない番号にしないか・・・と思っていたら、実際に○/42の表示が。やっぱり42だったか。なんとなくしか見てなかったが、ちゃんと記憶に残っていたのは素晴らしいが、42かいな。縁起悪いな😒。
それはともかく、この番号が増えるのを楽しみに、展望のない樹林帯を進む。のぞき岩には貨物のコンテナを利用した避難小屋。積雪期の入り口は裏側の様だが、表の入り口の前は除雪されていた。万が一のことを考えて、ツエルト、ダウンの上下、ヘッドランプ2個も持参している。このコンテナにお世話にならなくて済みように慎重に見極めて登ることにする。ルートは左に曲がっているので、それにしたがって登ると8合目の表示が見つからず、結構長いな、って思いながら森林限界までくると、すでに、8合目を越えており、五ノ池小屋へのトラバース開始地点であった😁。山頂はすぐそこ。ただし、雪と岩とハイマツの急斜面。右からの強い風を避けてアウターを着て、バラクラバを着けた。ここで先行者2名が斜め右上方へトラバースしていたので、冷たいおにぎりで腹ごしらえしつつ様子を窺う。気温は-13℃。寒さで足が震えた。雪は締まっており、トレースに従っていけば、あまり足は潜らない。歩き出せば足の震えは止まった。アイゼンを装着したが、ワカンやピッケル、ヘルメットは、この時点では要らないようだ。山頂まで、トラバース以外に、直登ルートもとれるが、雪だけの部分、ハイマツ混じりの部分、岩混じりの雪面、どれが登りやすいか考えてみる。直登⇒継子岳か、斜上して飛騨頂上(五の池小屋)⇒継子岳。厳しい気候条件なので、まずは飛騨頂上を目指そう😃。
下山してこられた、御二人に様子を聞くと、摩利支天にはいかずに継子岳に行って降りてこられた。爆風でものすごく寒いらしい。こりゃあ摩利支天は無理だなあ。私も継子岳に寄れれば上出来だなと思いつつ、トラバース道を歩き出す。トレースに従うと、やっぱり足は潜らない。さらに上部から数名が下山してこられた。稜線は暴風で摩利支天にはとても行く気にならなかったそうだ。25m位の風が吹いているとのことだった。これは継子岳も難しいか。トラバースしながらの登りは悪くはないは、右から吹き上げる風が半端ない。ものすごく冷たくて風が痛い。爆風に吹かれながら、ハイマツをできるだけ踏まないように、岩の露出したミックス帯を登る。山頂手前で、雪の飛ばされた急斜面を直登して稜線に出た。こちらの方が登りやすかった。でも、さらに風は強く、バラクラバを通った冷気で顔が痛い。
飛騨頂上の社に来ると少し風はマシになったので、噴火で亡くなった方々を思い、お経を唱える。御嶽教は知らないので浄土宗のお経を・・・。受け入れてもらえたでしょうか😳。頂上から降りて五ノ池小屋。台風で崩れたテラスも一部修復されているようだが積雪でよくわからない。そのうち、登山口に居られた女性が大きなザックで登ってこられた。冬季小屋を探して、見つけたらスコップで入り口付近を掘り始められた。今日は小屋泊りなんだろうな。すごいなあ。ここでスマホを触ろうと、右手の手袋を外したら、僅かな時間だったのに指の感覚が悪くなり、すぐに手袋を装着したが、中指が固まって、動きが悪くなってしまった。油断してしまった。盛んに動かすようにして、何とか動くようにはなった。インナー付のもっとゴツい手袋を買わないとダメだな。温度計は-17℃。ペットボトルのアクエリアスは当然、カチンコチン。
目の前にある摩利支天は白くピカピカに凍っている。爆風で登ろうという気は起きなかった。これまでお会いした方たちの言う通りであった。継子岳は行けるだろうか。再び飛騨頂上に上がり、稜線に出ると、下から容赦なく凍った爆風が顔面左半分に吹き付ける。風上に顔を向ける気にならない。顔を風下に向けながら、とりあえず、継子岳に向かう。稜線より右側の火口内の斜面をトラバースしていく。先行の男性が斜面の下部で風をよけているようだ。継子岳まで距離は無く、視界も全く問題ない。雪面はクラストしていて歩きやすいが爆風で体が持って行かれそうになり、多少ヨロヨロしてしまう。こんな条件で摩利支天に行ったら自分は滑落するなと思う。振りかえると先行していた男性は継子岳に行かずに下山にかかられていた。風紋がきれいな雪面、トレースはかき消されている。継子岳手前からは風は後ろから後押ししてくれて歩きやすかった。35年ぶりの継子岳。感傷に浸る余裕はなく、一礼してからUターンして下山のルートを考える。今度は風が行く手を遮る。稜線から急斜面とその先の森林限界を見下ろす。あそこまで行けば安全だ。風はとんでもなく冷たく強いが、視界は良好だ。稜線をしばらく歩いて、雪面を少し下ってみる😓。なかなかの斜度だが、雪は締まっている。これなら降りられそうだ。ところどころ、雪が緩い。ハイマツの近くの方が、雪が硬くて降りやすかった。先行していた男性はほぼ安全地帯まで下降されたのが見える。2,3回踏み抜いて片足が全部、雪+ハイマツに潜ったが、それくらいで済んだ。無事に森林限界まで降りると、風はずいぶん緩くなって一安心。
小休止して下山にかかる。気が抜けて、のんびりと下る。湯ノ花峠まで降りて、さすがに暑くなってハードシェルを脱いでパンを食べた。でも、妙に寒いなと思ったら、まだ、-10℃だった。ここからの下りがとても長かった。登りの時もこんなに長かったかなあと感じながら、ようやく駐車場着。マイカーで小坂方面に帰る途中、夕陽を浴びた御嶽山が神々しかった。山頂はガスの中。白い山肌が何とも言い難い美しさだった。
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