☆木曾駒ヶ岳・千畳敷カールの高山植物と氷河地形【野外活動講座】



- GPS
- 80:50
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 2,164m
- 下り
- 809m
コースタイム
→15:20頂上山荘テン場 各自ツェルト・テント泊
31日 テン場4:15→4:30木曽駒山頂5:05→5:20テン場7:25→8:20宝剣岳→9:30千畳敷
10:00講座参加 島田娘の頭往復
15:00講座修了 ロープウェイで下山
天候 | 30日 曇り![]() 夜は終始強い風が吹いた 31日 快晴 ![]() ![]() ![]() |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
乗り合わせで桂小場駐車場へ 無料・簡易トイレ有り |
コース状況/ 危険箇所等 |
桂小場→西駒山荘:特に危険箇所はありません。なだらかな樹林帯の道のあとは胸突き八丁の急登。 稜線に出た時の絶景が楽しみですが、今回はガスガスで見えず。 西駒山荘→頂上山荘:馬の背に多少岩場がありますが、特に危険箇所はありません。 展望が望めなかったので木曽駒山頂へは行かず、直下から頂上山荘への巻道を使用。 頂上山荘→宝剣岳→千畳敷:宝剣岳は6月、長野県山岳遭難防止対策協会によりヘルメット着用奨励山域に 指定されました。そういうルートです。 |
予約できる山小屋 |
西駒山荘
|
写真
感想
長野県山岳総合センター主催の野外活動講座「千畳敷カールと氷河地形」に参加して来ました。
ただ参加するだけではもったいないので、桂小場から登って頂上山荘のテン場で泊り、
翌日千畳敷で講座に合流することになりました。
数日前からスッキリしない天気が続いており、入山日も回復の兆しがみえたものの
朝まで雨が残りそうだったため、6時出発予定を2時間遅らせました。
中学校の集団登山にも使われるこのルートは、アサヒビールの寄付金による整備も行われ、
また、西駒山荘等の尽力もあって、とても歩き易い登山道です。
とは言え、今回は夏の雨上がりの後だけに噴き出る汗は半端ないものでした
途中、パラパラと雨粒が落ちる場面もありましたが、雨具を着ける程でもなく稜線
に出る頃には時折薄日が差して来ました。
ただ、楽しみにしていた稜線に出た時の一気に拡がる展望は、残念ながら見ること
は出来ませんでした。
しばらく展望のない稜線歩きが続きましたが、馬の背に差し掛かる頃には伊那前岳
や宝剣岳も見えるようになり、一同歓声をあげました。
やはり、景色を見ながら登るのは楽しいものです。
木曾駒ヶ岳の頂上直下まで来ましたが、遠方の展望は得られそうになかったので、登頂せずに
巻道でテン場に向かうことにしました。
頂上山荘のテン場は木曽駒と中岳のコルにあって西風の通り道ですが、石組みによる
風除けも作られています。また、地面は砂地で整地の必要も無いほどで設営が楽です。
一張り800円ですが、新設された超快適なトイレと沢水を引いた美味しい水が自由に使えます。
今回、自分と1名はツェルトでシュラフカバーのみ、もう1名は、テントでシュラフ
使用でしたが、さすがに稜線上は一晩中風が強かったこともあって、夜中に湯たん
ぽを作って寝るほど寒かったです
テント+シュラフの彼女も寒かったと言っていましたから、シュラフカバーだけでは
なおさらでした
ですが、すっかり晴れた夜は、まさに天然のプラネタリウム。満天の星を眺めて過
ごす時間はこのうえなく贅沢なものでした
翌朝は山頂からの日の出を見るために4時起床。
雲ひとつないドピーカンで明るくなり始めた中、木曽駒の頂上に向かいました。
刻々と色が変わっていく東の空を見ながら、山頂では30〜40人ほどが日の出を待ちました。
4時45分頃、日の出時刻を過ぎましたが、残念ながら雲のためにはっきりとした日の
出を見ることは出来ませんでした。
それでも、富士山をはじめ雲海に浮かぶ周囲の山々を見られて満足です。
朝食後、テン場を撤収して宝剣岳経由で千畳敷に向かいました。
一昨日からの韓国ツアーパーティー遭難救助のためのヘリが頭上を通り過ぎます。
宝剣岳に取り付いた時、目の前100mほどの所でヘリがホバリングして遭難者を収容
している現場に遭遇しました。
宝剣山頂にいた某TV局の方から、最後(4人目)の遭難者を収容していたことを聞きました。
29日は、下でも一日中雨で風も吹いていたので、稜線上ではかなり厳しい状況だっ
たと想像できます。
後の報道で、装備の不備や地理不案内等々の問題点があったことを知りました。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
6月、長野県山岳遭難防止対策協会は、長野県内の5山域をヘルメット着用奨励山域
に指定しました。宝剣岳もそのうちの1つです。
今回、我々もヘルメット着用で宝剣岳を超えましたが、残念ながら他にヘルメット
を被った方はいませんでした。
それどころか、ゆるゆるの靴で登る人、金剛杖を持って登る人、下りで身動きでき
なくなってしまう人など、不用意に登ってしまうの多さに驚きました。
ロープウェイで手軽に登れてしまうだけに、いつ事故が起きてもおかしくないと感じました。
さて、千畳敷には予定より30分ほど早く着いたので、カールのお花畑を眺めながら
テラスでコーヒーを楽しみました。
講習は、長野県環境保全研究所の尾関先生をお迎えし、20名の受講生で行われました。
千畳敷カールの氷河地形についての説明をはじめ、一帯に咲く高山植物の生態や特
徴など興味深い説明を伺うことが出来ました。
雪解け時期に強く影響を受ける高山植物の開花時期は、風衝地と雪田周辺で大きく異なり、
同種であっても形態的な差異や繁殖特性に違いが生じる場合もあるとのことで、
例えばミヤマキンバイでは別種とまでは言えないまでも大きな違いがあるそうです。
講習は、先ほど下って来た極楽平への道を再び登り返し、島田娘の頭方面へ足を延ばします。
この辺りでは木曾駒ヶ岳の固有種であるヒメウスユキソウ(コマウスユキソウ)も多く
見られました。
もう一つの固有種コケコゴメグサは、先生が一生懸命探してくださったのですが、
株は見られたものの花を見ることは出来ませんでした。
昨年は多くの山域でコバイケイソウが見られませんでしたが、今年は当たり年らしく、
千畳敷カールでも見事に開花した群落を見ることが出来ました。
次回は、御嶽山で「信仰の山『御嶽山』の成り立ちと歴史」で、今から楽しみです。
おしまい。
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