新緑の表尾根東行〜蓑毛へ
zaoluck
体力度について
- GPS
- 06:58
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,787m
- 下り
- 1,759m
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- 山行
- 5:55
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 6:59
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
復路：蓑毛バス停 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
整備良好、特段の危険個所もなし |
| その他周辺情報 | 名水はだの冨士見の湯の脱衣場がうだる暑さだった。「冷房23度」の設定だったけれど空調をきちんと整備していないのか？（外の方が遥かに涼しい） |
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感想
好天予想の4連休初日、混雑は覚悟の上というか半分は怖い物見たさ（？）で、大定番の表尾根を訪ねた。ただし、なるべく自分のペースで歩けるようにと大方とは逆の東向きコースを選択。大倉尾根は道が広いので、花立〜塔ノ岳間を我慢すれば人間渋滞は起こりにくく、行者ヶ岳の鎖も昼を過ぎれば少しは透くだろうと踏んだ。
新宿から東南アジア系の女性観光客らが多くの席を占める早朝の急行で渋沢へ。途中で運動部の学生らも加わり、伊勢原辺りまではラッシュ並みの混雑だった。大倉へのバスも満員となったが、トイレへ寄って1本後のバスにしたので首尾よく着席できた。
朝はひんやりしたが、大倉から登山シャツ1枚で出発。木々の新緑がまぶしい。ほほえましい子連れハイカーらを追い越して観音茶屋。気温はさほどではないが、風が無くて汗が噴き出す。雑事場ノ平で尾根に出て、かすかに感じるそよ風で一息ついた。途中、ベンチというベンチが休憩のハイカーで一杯だったが、この辺りで座って休むような体力でこの先頂上まで辿り着けるのだろうか。
見晴茶屋裏の急坂で若い人たちを追い抜き、紅葉に劣らず美しい新緑のモミジ回廊を登る。かすかな南風の涼を求めて右側斜面寄りを選んで歩いた。今日は右膝の調子は良さそうだが、右手親指付け根の関節痛が気になる。スマホを小さいiPhoneから買い換えてから操作で無理がかかるようになったらしい。
駒止茶屋前の急坂を過ぎ、新緑の表尾根を右手に見ながら快調に歩く。3週間足らず前、奥多摩の三頭山一帯がまだ冬枯れの様相が濃かったのと比べて、季節の進みの速さを実感した。その時は春霞だか黄砂だかで遠方の眺望はさっぱりだったが、堀山の家から西へ杉木立を透かし見ると、今日は大きな富士山がはっきり見えた。
満足して花立山荘までの一番長くてハードな登りにかかる。爽やかではあるが、やはり風がないと暑い。山荘前の300段ほどある階段をなんとかノンストップで登り切り、汗を拭った。富士山はよく見えているが、下界へ振り向くと霞んでいる。昨日の朝まで雨だったし、標高の低い所は気温と湿度の加減で水蒸気が邪魔をするのだろうか。
金冷シを過ぎ、後は塔ノ岳へ最後の登りを残すのみというところで、人間渋滞が発生し始めた。下山者とのすれ違いに加えて、主に周囲に目を配る余裕のなくなった老人男性が原因である場合が多い。そういう方でも一言声を掛ければ気づいて脇へ避けてくれるのだが、その声掛けができない人が多い。見かねて後ろから声を掛け、頑張って一気に列を抜いて行くと、大抵後ろにぞろぞろと付いてくる。
今回も一度そういう状況になって”律速段階”の男性を追い抜いたら、後ろから「ついていきな」という声が聞こえ、1年生くらいの女の子がお父さんと一緒についてきた。そろそろスピードを落としたいのだが、ぴったりついてくる。前の集団に追いついて減速できてホッとした。気が付けば山頂はもうすぐそこだった。
塔ノ岳まで大倉から2時間40分。12年前に同じ表尾根東行をした際より2分だけ短いタイムで、当方としては速めのペースと言える。汗を拭き拭き歩く条件下では上出来だろう。大勢で賑わう山頂でトイレに寄って10分ほど休憩して出発した。
芽吹き始めた木々の黄緑色が目に染みる尾根を下り、20分足らずで木ノ又山荘。ここの陽だまりのベンチで昼にした。小屋番さんに「あとでコーヒーを」と言ったら、「この暑さだし、氷もありますよ」と勧められ、何十年ぶりかでかき氷（ピーチ味）を食べた。中から体が冷やされたようで気持ち良かった。
小屋を出たしばらく先に満開のマメザクラが残っていた。ここまではほとんど散りかけで、ラッキーだった。そういえば新大日の手前で白い花を咲かせるムシカリは、もう散ってしまったのだろうか。
新大日といえば先日まで茶屋跡の建物をボランティアの人が解体していたが、跡地がきれいな砂利敷の展望台に整備されていた。山歩きを始めたのが遅いので現役時代は知らないのだが、旧書策小屋ととともに新大日茶屋も歴史の過去帳入りしてしまったことが、ちょっぴり寂しい気はする。
その書策小屋跡から政次郎ノ頭を経て行者の鎖手前まで、下り基調の道を一気に踏破。鎖の渋滞が心配だったが、西の鎖は上下とも誰もいなかった。東の鎖へ至る途中で数人追い抜いたが、鎖場自体は再び無人でこれまた難なく通過。タイムロスが無くて助かった。
左右の雑木がかぶさって狭い区間を通り抜けて烏尾山。まだ富士山が見えているのはありがたい。最後の難所の三ノ塔登り返しを前に下りで右膝が痛まないか不安だったが、幸いその気配はなかった。ただ、ふくらはぎにこむら返しの予兆のような軽い違和感を覚え、太ももの疲れも感じる。
焦らずゆっくり標高差130mを登り返して三ノ塔地蔵前に辿り着くと、若い男女とすれ違った。どこかに泊まるのですか？と尋ねると、「行ける所まで行って下ります。ルートはいろいろあるので」とのこと。ヤマレコなどを利用していれば初めてのルートでも迷いにくいだろうし、表尾根のようなコースではそうした成り行きハイカーも増えているのかもしれない。
避難小屋まがいの三ノ塔休憩所を横目にトイレだけに寄って先を目指す。二ノ塔の手前の木段でヒガラ（シジュウカラと思ったが後頭部の白線からヒガラらしい）が3mほど先でお尻を向けていた。ちょっと近づくとちょっと逃げる。餌でももらえると思っているのだろうか。2mほどまで距離を詰めたらようやく右の藪の中へ避けて行った。
三ノ塔山頂以来しばらく人に会わなかったが、林道が近づいて先行する老夫婦や若いハイカーらに追いついた。ヤビツ峠のバスの時間に合わせて下っていたのだろう。追い抜いて一度砂利の林道を横切り、もう一度山道を下って「表尾根��1」の緊急通報看板が立つ登山口に降り立った。
舗装された林道から富士見橋でヤビツ峠への県道に合流し、バイクと車に気を使いながら歩くこと20分でヤビツ峠。トイレは改修工事中だった。バス停に長い列が出来ているので時刻表を見ると、15分も待たずにバスが来ることが分かった。丹沢・大山フリーパスを買ったからバス代はタダだし、思わず心が動いたが、今日は脚には余裕がある。時間も早いし少し歩き足りないので、計画通り蓑毛まで行くことにした。
ヤビツ峠からの道は勾配も緩く、植林帯なので暑い西日も気にしなくて済む。ヤビツ始発のバスになるのが癪だが、15時15分蓑毛発に乗るべく進発した。まだ寄ったことのないレストハウスの生ビールの看板に心ひかれつつ、水筒の水で喉を潤して先を急ぐ。久々に通るが以前と大きく変わったところはないようだ。
沢を渡る木橋の所で若い男性2人がコッヘルを使っていた。コーヒーでも沸かすのだろうか。下からは軽装の夫婦が上がってきた。「名水春嶽湧水」を名乗るここの水場が目的なのだろう。
舗装された道を蓑毛バス停へ下って行くと、マス釣りセンターから子供たちの歓声が聞こえてきた。さすがに大型連休とあって観光施設はどこも賑わっている。鶴巻温泉の弘法の里湯もおそらくそのクチだろうと考え、今日は駅からやや不便な名水はだの富士見の湯へ寄る作戦だ。混雑を覚悟したバスは席がちょうど埋まった程度で到着し、いささか拍子抜けした。
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