記録ID: 6838403
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
大雪山
残雪期美瑛富士ー化雲岳縦走
2023年04月29日(土) 〜
2023年05月03日(水)


- GPS
- 104:00
- 距離
- 40.1km
- 登り
- 3,441m
- 下り
- 3,504m
天候 | ・29 日 薄曇りの巻層雲で 1 日持った。14 時ごろハローを観測、12 時ごろ十勝岳付近から雲がかかり始める、14 時ごろ美瑛岳、17 時にはオプタテシケまで、ガスに包まれた。十勝岳付近は半日しか持たなかったようだ。 ・30 日 温暖前線及び寒冷前線が通過し雨、温暖前線の通過後は風向きが日高山脈の影になる時間帯があり晴れ間がのぞいた。寒冷前線通過後は強風。 ・1 日 9 時ごろに c1700 付近まで雲底が上昇。所により強風だが行動は可能。低気圧の勢力範囲が想定より狭かったことが、視界回復の理由とみられる。 ・2 日 6 時頃までは、ガスに包まれていたが、徐々に層雲が低くなり消えた。十勝岳、美瑛岳付近は富良野側に雲海。所により強風だが、行動には支障なし。ちょうど気圧の尾根に当たったため、想定より風は弱かった。午後から層積雲が発生したが、視界には影響なし。 ・3 日 快晴無風、樹林内にいたため、稜線付近の風の様子はわからなかった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
【記録】 ・29 日(白銀温泉−美瑛−美瑛富士−オプタテ−双子池 14h) 狂気の22:00回収開始、札幌 22:30 デッパ、1:30 にラスコン、2:15 に登山口着。さすがに早すぎるので 15 分ほど仮眠を とって、3:00 にラテルネ行動開始。月明りは無く、暗すぎて最初のアバレ川の渡渉の後林道を見失う。 とりあえず尾根を上げていると、3:45 ぐらいから徐々に明るくなってきて林道に復帰。2 個目の渡渉も なんも。1100 で樹限こえて、c1450 の急登もシールでクリア。3年目Mが早くも遅れだしていたためポールを ガチMに荷分け。Lはテン場で気づいたのだが、この前買ったばかりの軽いジャンエスではなく、ど うやら古いヤツを持ってきてしまったらしい。意外と雪が残っていてハイマツに邪魔されることなくc 1750 付近まで SE で快適。そこから ES に変えてピークまで。貝殻マークの淵に沿って岩が出ていて、あ る程度分かる。ガシガシ登るが、なかなかピークが見えない。樹限超えてからここまで長いのはここぐら いではないだろうか。昼過ぎぐらいの気分と疲労度で美瑛ピーク(8:45)。美瑛富士がとても低く見えた。 ファイターは上部は楽しそう。下部は段差が多数あって非常に滑りにくそうであった。新雪が 30 センチ ぐらいたまっていてザラメ化がまだ進んでいなかったので、滑走はガリガリの尾根で我慢する。美瑛富士は SE をハイマツに引っ掛けながら登った。夏道の屈曲点にピーク看板があった。避難小屋は、屋根の一部しか見えていなかった。美瑛富士からの全装スキーが、太ももの体力を奪っていくが、スキーのできる幸せに浸っているうちにコルについてしまった。石垣、ベベツを大きく東から巻こうと試みるが、斜度と雪の状態からして無理。結局全部上をSEで行った。石垣はずっとハイマツ出ていた。石垣とベベツの 間のポコは岩が出ていた、普通に北側巻ける。そこからベベツまでは北側に小雪庇、ハイマツも出ていなかったため、視界要りそう。ベベツピークでバカでかいオプタテを見て絶望。ベベツピークからは、南側の雪庇を見ながらSE付きシールスキーで石やら岩やらの間を縫うように降りた。風もなく広いコルでついつい大休憩。「もうここで泊まりましょう」と言う2年目Mを同期が元気づけて最後の登りに向かう。SEでc1910 のコルまで、オプタテの手前のポコが意外と横に長くて一同心が折れかける。最後のc100 の登りは、EPで、岩が出ているところは北側を巻きつつ、上を行けそうなところは稜線上にあがって進む。 ようやくオプタテ、振り返って今日通ってきた道のりを見渡して満足する。オプタテピークから東陵は はじめ少し BS を混じえながら降ろしてあとはすべて稜線上を行った。新雪がまあまあ溜まっていて、トップの sLは、きつそうであった。GIANT の左岸尾根で長い長い下山スキーをして、右岸尾根のカンバが多めに生えているところでC1。昨日レンタカーを20時に借りるところから始まった長い1日がようやく終わった。 ・30 日(停滞) どうせ天気は悪いので、ナチュゲ。朝から雨が降っているようで、視界もないため 1 日停滞。昨日の疲れも取れて、ちょうどよかった。Lは昨日のテント内の様子が一切思い出せない、半分以上の人員が飯を食いながら寝ていたらしい。12 時ごろから地味に晴れ間が見えてきたが、今日はもう動く気がない。夕飯 の準備をするときに事件は起きた。3年目Mからコメを受け取った2年目Mが、粒のサイズが大きいと言い出す。問い詰めると、サトウのご飯をジップロックに詰めなおして持ってきたらしい。炊きあがった状態で、一食当たり 200gだから、炊く前のコメに換算すると約 90gである。この件をダシにしてミスをした人員からアルフ ォートを奪ってほかの人員で食った。開封済みのサトウのヤツを放置する時間が長ければ長いほど腐るので、今晩はほかの日より60g少ないエッセンを水でのかさ増しでごまかして、我慢。 ・1 日(双子池−コスマヌプリ−ツリガネ山−三川台 5h30) 天気図的には、今日も停滞の読みではあるが、低気圧は通過しているため、良くなることはあっても悪くなる方向には動かないと考え、トムラウシのテン場まで移動できそうな時間を考えて、7時デッパ。c1600 付近に雲底があり、・1569 で回復待ち。ハイマツは十分出ていて、行けなくはなかったが、もう少し回復しなければ、結局コスマヌプリ以降で引き返すことになりそうなので、ここで 30 分ぐらい足踏み。 徐々に雲底の高度が上がってきて、・1668 が見えてきたので、進むことにした。・1569 は岩があり方針に 使えるが、・1668 は、南側に段差(小雪庇)があったため、コスマからの方針が直線的だとしんどいとかんがえ、ハイマツがつながっているところから木を乱打。・1668 をある程度降ろせばハイマツが現れて、コ スマヌプリ頂上までハイマツずっと。コスマヌプリのピークからルートの段差までは岩がずっと出てい た、板脱いで適当にツボで突破。・1591 はスキーでトラバって、次のコルまで行く、積雪期だと雪崩プレ ッシャーがあるので、コスマヌプリから・1378 方面へ沢中を下ろした方がよい。・1558 からツリガネ、三川台テン場までは、SE でハイマツを踏みつぶしながら進んだ。三川台テン場は、結構カンバが生えていて、弱くなさそう。美瑛川からの吹き上げは、尾根がブロックしてくれて、あまり感じなかったが、風向きによっては、ユウトムラウシ川からの吹き上げにさらされる恐れがあるので注意。SE付けたままポコ を多量に超えたため、PのSE付きシールスキーの技術が向上した1日であった。 ・2 日 (三川台ートムラウシーカウンコルー涙壁 12h45) 朝、寒い、夏用シュラフで寝ていたsL は震えていた。快晴による放射冷却だ、テン場周りはガスガスだったが、日が昇れば消えるはず、勝ちを確信した。黄金が原へ登る尾根を、室岡は長いストライドと鬼強 な SE を駆使してガシガシ登っていく、パネェ。他のMも、ほとんどSEで登り切ってしまった、山スキー部をあきらめて、尾根下から兼用靴に切り替えた山ツボ部員はLだけであった。台地の上はほとんどハイマツが出ていた。また、出ていなくても段差がわかる。ポコの数や段差の向きを慎重に見ながら進め ば、視界がなくても・1912 まで行けそう。ガスが抜けて、トムラが見えた、十勝連峰方面は雲海だ、これまで歩いてきた苦労が一気に報われた。・1912 過ぎの岩峰で風が収まったので休憩、裏でsLが脱糞し ていたため、この岩を平蔵岩と命名!。・1912 からトムラのc2050 の台地に向けて、直接方針を切ると、c1900 付近の段差(急斜)でまっすぐ進みにくいが、平蔵岩を経由した方針を設定することで、段差を避 けて通ることができる。c2050の台地までは岩混じりであったが、なんとか SE で突破。空身 EP でピー クをとって、ワセダ沢上部まで SE。ここでスキーに切り替え、岩をよけつつ、カニ歩きを挟みながら・1879 の北東まで。ひさご沼へ続く沢型は、雪庇が落ちてデブリーランド。雲の沸く気配があったので、 化雲をカットして小化雲方向へトラバース、長い長い虚無のトラバりを終えて、あとは第一公園まで 5000 mのロングラン。ノンストレスの大緩斜面をバチバチに飛ばして、尾根末端まで。末端付近で壁の下ろせ そうなラインを探して、ツボにしたり、スキーで行ったりした。降りてから南側の沢型よりさらに南にも っと簡単に降ろせそうなラインを見つけた、多分夏道沿い。第一公園の壁際に気象庁の人工物があった、 多分夏道沿い。その先は、スキーで小さなポコたちをチマチマ巻きながら壁際を進む。トラロープと赤い 三角が出てきて、夏道のある涙壁だと分かる。あと 200 降ろせば下山だと思い、涙壁をツボ+ピッケルで、ブッシュつかみながら BS する。温泉の屋根が見えてきた、もう少しだ。が、しかし、なるべく雪の ある所を選んでいたら、夏道の東側の沢型に寄ってしまっていたらしい、崖にぶち当たって登り返し。涙壁は、斜度平均 40°超、雪と笹がまだらで、巨大な倒木も多く、ルートとしては非常に危険であり、このルートを選択してしまったことは反省である。夏道がはっきりわかるぐらい融雪が進んだときか、十分に積雪があるときに慎重に崖の間を当てるべきだ。温泉は明日にお預け、尾根上で時間切れして C4。 ・3 日 (涙壁ー天人峡 2h) ゆっくり起床、DF点けると超暑い、快晴。昨日涙壁を敗退しているので、あきらめて西の尾根末端まで行くことにする。尾根の途中で雪は無くなり、シートラ&兼用靴で笹藪漕ぎ。c760 の岩は、南に巻いた。 尾根上は所々、獣道のように藪が抜けているところはある。尾根末端クワウンナイが見えたあたりで地図にない林道が出てきて、清流橋まで。みんな顔の下半分が日焼けで焦げている。水平距離約 42 キロ、 お疲れさまでした。送迎を引き受けてくださった皆様ありがとうございました。 |
感想
2024年の残雪期が終わりかけ、ふとこの山行の記録が上がってないと思い、ルートだけでも。
本当に40km以上歩いたのか
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