【北アルプス・縦走】剣岳・立山連峰・五色ヶ原


- GPS
- 29:16
- 距離
- 57.4km
- 登り
- 4,972m
- 下り
- 4,980m
コースタイム
- 山行
- 10:40
- 休憩
- 1:59
- 合計
- 12:39
- 山行
- 8:49
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:55
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
なんて酷い雨なんだ
大量の雨がフロントガラスに打ちつけまともに前が見えやしない
明日から山だというのに大丈夫なのかよ
土砂降りの中央高速を走ってると隣に座ってる塚越からスマートフォンを見ながら「中央高速道通行止めになったらしいよ」と
とっさに僕はじゃー先輩達は来ない可能性あるよと僕は返事したが
塚越はさすがにそれは無いよと
明日の山行は変更は無いと思ってる
確かに普通に考えると中央高速が止まっても関越経由にすれば対した時間ロスはないし
天気は行ってみないとわからないので中止になる理由にはならない
そもそも山岳会は山へ行く目的を持った強者達だ
この程度で止めるのはハイキングクラブくらいだろう
そこから
半時間が過ぎた頃予想通り先輩達から返事が
「エアコン効いた部屋でゆっくり映画みたいしこんなに混むのわかって山行くやつは馬鹿だな、だから俺ら行くの止めるね」(少し偽造してますがだいたいこんな内容です)と丁寧に断りのメールがあった
僕はいつものことだから仕方ないねと塚越にいったが
隣の塚越は山岳会解散しちまえよ
山やってるやつの行動じゃねーよ
これだから素人集団はこまるんだよと
ご立腹だが
明日からロープとギア担がなくて縦走にすればいいじゃんとなだめ夕食や飲み物をたらふくご馳走心落ち着かせた
8月10日
山岳会の存在を忘れた次の日
無料第二駐車場に停めて朝の5時半に準備を済ませ扇沢のチケット売り場へ向かう
すでに50人近くの人が並んでいる
そこの列に偶然上ノ廊下をやると言ってた知り合いが居たので声をかけると
もし沢装備あれば便乗してもいいという話だったが残念ながら今回は山歩きなので断念した
チケットを買い無事始発の6時半に黒部行のバスに乗り込む
周りは登山客しかいない
黒部ダムを6年ぶりに見るが迫力は相変わらず凄まじい
この黒部ダムを橘のみんなで来た頃を思い出す
その時は初の黒部に興奮してうっかり岩下と同じ柄の短パンでの山行となるという痛恨の失敗をしてしまったがペアルックと思えば周りの視線も気にならない良い思い出だ
ロープウェイを乗り継ぎ
室堂へ降り立つと暑いくらいの日差しで少々雲は流れてるが360度の快晴
この日差しはでは辛くなると思いつつあるき始める
沢山の登山者と共に雷鳥沢のキャンプ場まで歩く
雷鳥沢のキャンプ場ではすでにスペースの半分ほどにテントが張られている
ここから剱沢のキャンプ場までのひと山越す山道が辛い
初日なので食事の量も多くザックが重い
塚越は僕より5キロは重いだろう、ロープとギアを抜いたはずなのに人間1人担いでるかのような大きさだ
この荷物を背負って汗だくで剣御前小舎を越えていく
頑張って11時過ぎにテン場着
そんなテン場にはすでに20張り近くテントが張ってあった
はたして劔岳は見えているのか!?
おおおお、完全にスッポンポンの状態で劔岳は丸見えだ!
よく見えてるぞと塚越に言うと
「鈴木さんが居ないからね」と
事務的な返事をされて会話を終えた
テントを張り軽く食事をしてから劔岳山頂向けて出発(13時)
今の時間から登る人は居ないようだ、何人かの下山する人達とすれ違う
途中でパトロール中の二人組に遭遇し声をかけられる
参ったな〜俺ってバレちゃったかと思ったが
彼らが言った事は夕刻雨が降る事があるので気をつけて行ってきてくださいということだったが
本当は俺に話しかけたかったんだと思う
一服剱をゆうゆうと抜け岩がむき出しに鎖場の出てくる前剱も帰りの方が心配だねと言いながら危なげなく抜けていく
剣岳山頂直下あたりでハーネスをつけた状態の学生3人組に遭遇したので
おい!このやろ!何処行ってたんだと聞くと八ツ峰を上がってきたと
雪渓などは今はズタボロで剱沢が核心だったとの事
その後順調にカニのヨコバイに鎖場を抜けPM3時前には山頂へ
山頂には一人の男性が疲労困憊な表情で座ってた
不思議な事に誰も後ろから来てなかったはずなのに
中国語を話す男女二人組がやってきた、荷物はなしで手ぶらだ
その二人が山頂記念撮影するのを確認して
こちらも山頂で記念撮影し早々に下山するがここで塚越さんの体調に異変が
体がフラフラして上手く歩けないらしい
今日は日差しが強く軽い熱中症にかかったのかと思い日陰てすこし休む
休んでる間、劔岳の方を見てると先程の男性一人と外国人二人が降りてくる
先に外国人二人が降りてくるが何やら二人で喋ってるのが聞こえて
その後また鎖を登り返し始めた
おそらくここで亡くなった霊なんだろう、まだ自分達が死んだことに気がついてなく山を登ってるんだなと思い手を合わせる
一方へばってる塚越は頑張って歩くがフラフラで危なっかしく
かなりスピードが遅い
このままでは日が暮れてしまうと心配になる
再度日陰で休み
ここで塚越が下山したらビール飲むと言い出した(いつもの事)
具合が悪いやつがビール飲むのは無しだ、明日からのことを考えろと叱る
じゃー頑張って歩くから早く降りられたらビールねといい
歩き始めたら途中からコースタイムの半分くらいのタイムでスキップするように下山して5時には小屋でビール買ってました
テントへ戻りまず塚越が一番先にした事が
これでビール飲むぞと生ピーマンに唐辛子味噌をザックから出してきた
「おい、お前も食え」と生ピーマンに唐辛子味噌をつけて口に入れる
ガブリとかじり口いっぱいに広がるピーマンと味噌の香りにピリッとした辛味がマジウマ!
さらに追いビールで体に染みる
これからは山の食事はこれだけでいいだろと思うくらい美味い
2個ずつペロリと食べてしまいこのままでは全部食べてしまうので
明日以降に残す事にする
夕食はおにぎりとマグカップ麺を食べ終わりにする
そういや、日が暮れてもまだリーダーに委員長がやってこない
何処にいるんだろう
8月11日
本日は3時に起きて劔岳を確認する
満天の星の下にカッコいい劔岳は丸見えでした
朝ご飯はおにぎりとスープ
今日は立山連峰を縦走して五色ヶ原までの行程
さらには本日スタートしたTJARのレースの選手達が通り抜けるはずなので楽しみだ
丁度朝の5時にテント場を離れ
まず最初のピーク別山へと歩き出す
すでに雷鳥沢の方からも沢山の人が登って来るのが見える
そして丁度別山山頂についた頃に土井選手が走って来た
今日日本海からスタートしてもうここまで走ってきたバケモンだ
選手を応援するためにここまで来た人達もいて大声援が送られる
この後も次々と選手達とすれ違う
大汝山では山頂では塚越さんが選手に山頂と選手が写った写真を撮ってくれと頼まれたてたのでその写真を撮ってる2人を私が写真を撮りました
これが竜王岳でも別の選手との同じことがあったが
塚越本人は「この走ってる人達はなんなの?」と聞いてきたのでTJARという岩下も出場するために人生をかけた日本最高峰のレースだよって言ったら
「人が走ってるの見て何が面白いの?」と完全に無関心だ
なんて冷たいやつなんだ、道中僕は遠く走ってる選手にまで声援を送ってたの見てただろ!
立山連峰といえば日本三代霊山のひとつ、ここは祈祷してもらうつもりだったが700円という小銭を持ってなかったので
祈祷してもらってる最中の人達の近くへ近寄りこっそり祈祷された気分になりました
実際にその後ストックの先っぽのゴムを2つ拾った!ラッキー
その後は大渋滞の中一の越山荘まで進むが休むスペースもないほどの人だかりなので素通りして五色ヶ原まで歩く事にした
天気は晴天で暑くてバテるこの暑さが無ければ気持ちの良い稜線歩きなんだろうな
塚越も頑張って歩いてるが辛そうだ
よし、明日下山してしまおうとここで提案する
明日はさらに歩く距離が長い、一度下山して別の山へ行っ方が体が楽だぞと提案して明日下山して明後日日本三代霊山の1つ白山へ行く事にした
一の越山荘から五色ヶ原キャンプ場までがすごく長く感じた暑さからくる不快感がそうさせてるのは間違いない
たまに曇ってくれると元気が出るがダラダラと長い道のりだ
そして五色ヶ原小屋までの最後のひと登りで他の登山者をゴボウ抜きして小屋まで早足で進むとそこには選手を応援する人達が沢山待ってた
その中に迎え入れられるように入っていき僕は選手じゃないけど選手として迎えてくれてありがとうと言葉を送るとみんなから笑いと声援と拍手を頂いた
五色ヶ原のテント場では15時の時点で半分が埋まってる状況だ
今日は満杯になるなと思ったらその通り最後に到着した人達はPM7時半にテント場へ入ってきてしかもうちらの隣にテントを張り食事を始めた
周りはすでに寝てたが当たり前のようにワイワイやってたので近くの人に怒られてた
この日の夜も満天の夜空
天ノ川銀河の端っこにある小さな星で夜遅くテント場に着いただけで怒られるのは可哀想だなと思った、この程度なら僕は気にしない
ただあとからテントにおしっこかけてやろうと思っただけだ
8月12日
朝の4時にテント場を出る
今日も朝から快晴天候は絶好調の3日間です
心地のいい風が吹く中
少々肌寒いが長袖1枚羽織るだけで十分な気温
歩く木道の周りには一面に広がるチングルマが花を落として残った雄しべが花のようにも見え風に揺られてまるで花畑が広がる様相で気分爽快に歩みを進める
まずは平の小屋まで2時間半の下山
ここは森の中を歩くだけなので面白みがない淡々と下っていく
平の小屋に着き船の時間を調べると次の船便は10時だという、どっちにしても針ノ木小屋へは行けなかったので予定通り黒部ダムへと向かう
平の小屋からロッジくろよんまではただの横歩きだと思ったがアップダウンの繰り返しでさらに気温が暑く山を登ってるほうがよっぽどマシだった
やっとのことでロッジくろよんに到着、6年前の土砂降りの中1人ここにテントを張ったのを懐かしく思い涙する
ここからは舗装路で歩きやすい
黒部ダムに着くと短パンTシャツのラフな格好に手ぶらで歩く観光客がとんでもなく沢山いて
ああぁ今はお盆なんだなとしみじみ思い二度とお盆に山は登らないと誓った
3日間晴天に恵まれた事により二人共肌の露出した箇所は褐色に色を変え
信州の山で沢山のハイカーと出会い
自分自身の限界へ挑戦を続ける選手達の熱い姿を見て感動して応援して
ふとこれからの自分の山への向き合い方も考えさせられた素晴らしい夏合宿でした
次の日
昨日とは違い軽荷で白山へ
山頂近くにある室堂センターに白山神社があり
山への感謝と共に今回来なかった人達が食あたりになるように念押しで祈っておきました
おしまい
川田
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