御神楽岳
新潟県
山キチどん
- GPS
- 06:43
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,270m
- 下り
- 1,268m
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| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2009年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| その他周辺情報 | 御神楽温泉みかぐら荘\500 |
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湯沢の頭山頂より
感想
急行きたぐに号のA寝台車で優雅に夜を過ごし新潟駅に到着した。レンタカーを借り新潟亀田ICから津川ICまでは高速道路で時間を稼ぐことにした。高速を降り広谷川沿いの林道を山間部へと入り終点の蝉ヶ平登山口に到ると平日と云うこともあり車は1台もなかった。登山カードに記入し早速歩き始めた。湯沢出合までの2.7�劼蝋�谷川に沿って高巻く登山道を進んだ。登山口から800m程の間は林道跡と思しき道でその終端は“鉱山跡”と表示があった。何の鉱山だったか調べてみたがよく分からなかった。倒れた指導標の傍らには昭和30〜40年台の遭難碑が3基並びこの山の厳しさを告げているようだった。
広谷川左岸に続く登山道は基本的に緩やかな勾配だが、急峻な斜面から入り込む枝沢を越える部分はかなり際どい処もあった。その最大の谷は覚道沢で一枚岩を舐めるように水が流れ、深いお椀状に水が溜まりヌルヌルの岩盤をロープを伝って通過した。その時胸にぶら下げていたペットボトルがスポーンと抜けてしまいお椀の中に落下してしまった。回収はとても不可能だ。
湯沢出合に達すると広谷川と分れ栄太郎新道の本格的な登山道となった。傾斜は恐ろしく急で岩場が随所に出てきて、湯沢の対岸に見える湯沢の頭は一面岩の壁で凄まじい様相だ。このような尾根が御神楽岳まで続く難関の山だ。そう言えば登山口に上級者向きと注意を促す看板も建っていた。
�眛�（たかつむり）への道は遠い。最初顕著なピークを見上げると周りから独立した感じで先の主稜線に繋がっているとは思えないほどだった。そんな険しい登山道ではあるが、癒されるのは道端に咲く可憐なヒメサユリの花、姫にかしずくようにチゴユリの花も咲いていた。山麓で殆ど終わっていたイワカガミも高度が増すにつれ元気になってきた。真っ赤なヤマツツジやウラジロヨウラクも元気一杯だった。
鎖場の連続で高度を稼ぐが、距離はなかなか稼げない。高頭（たかつむり）の山頂は標識もなく特定が難しい。地形図には目立ったピークでないところに表示があり、一番顕著なのは屹立したP953なのだが、もう一つ確信を持てなかったがここを高頭山頂としておいた。高頭からは湯沢の頭から派生する山伏尾根が鋭い角度で谷に下り岩壁の隙間には僅かになった雪渓が越後の山を物語っていた。
蕎麦谷尾根を行き、湯沢の頭(1,184m)まで来ると漸く御神楽岳が遮るものなく真正面に半円を描くような尾根の先に見えた。しかし上部は雲が覆いその姿を隠している。振り返ると蕎麦谷尾根も西側から雲が上がってきて稜線まで達している。
目指す御神楽岳へはまだ標高差200m以上、雲の中突入で気は重いが気合を入れて山頂を目指す。ヒメサユリ、タニウツギ、ツクバネウツギ、ヤマツツジなど初夏の花が登山道を彩り気持ちを和ませてくれた。先ずは雨乞峰(1,350m)に立つ。地形図では東麓を巻いているが実際は頂上を通っていた。壊れた標識が室屋コースだけを案内し明瞭な道が分岐していた。
ここまで来ると山頂は近い、最後のひと踏ん張りで御神楽岳(1,386m)山頂に到着した。立派な山頂標識があり傍には2等三角点「御神楽岳」があった。相変わらずガスの中だったが徐々に薄れてきた。食事が終わる頃には、雨乞峰の稜線が見えてきた。これは行ける!
御神楽岳の山名は、神楽を奏したことから名づけられたと言われている。しかし険しい岩稜を表わす「��(クラ)」だとして、後に神楽を奏したとの伝説が付け加えられたのではないかと言う説もある。1�厖召蠕茲凌軍磧κ‥膰�境に本名御神楽（ほんなみかぐら1,266m）があるので行くつもりをしていたが、登りだしが遅かったので時間的に厳しく、それに何よりペットボトルを失ったのが効いて水が足りなくなってきた。仕方がないので登山はここまでとして、もと来た道を戻ることにした。湯沢の頭では来るとき完全に雲に隠れていた御神楽岳がその全貌を現し、写真に収めることができた。
それにしても御神楽岳の東斜面のスラブは凄まじいものがある。蝉ヶ平コースは難路続きで上級者向けとされているのが肯ける。雨乞峰から分岐する室屋コースはごく一般道で問題ないようだ。うんざりするほど急斜面の下りが続き湯沢出合に達するとホッとした。鉱山跡で立ち止まり登山時には意識的に目を避けていた遭難碑に「御神楽の 三川のもみじ もえるころ 君は帰らじ 云々」と刻まれた歌が目に入りガーンと打ちのめされたような気持ちになった。若くしてなくなった子を思う父母の心が切ないほど伝わってきた。
蝉ヶ平登山口に帰り着くと、出発の際にはなかった四手（しで）が登山道に下がっていた。2日後の山開きの準備なのだろう。立ち寄り湯は御神楽温泉みかぐら荘、500円の料金は17時を過ぎると300円になり益々お得、湯船2つと露天風呂があった。入浴後は明日の登山口“二王子神社”に向かい車中に泊った。
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