記録ID: 7954808
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
中央アルプス
千秋楽の木曽駒ヶ岳
2025年03月29日(土) [日帰り]


体力度
2
日帰りが可能
- GPS
- 03:49
- 距離
- 3.7km
- 登り
- 481m
- 下り
- 482m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 3:01
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 3:49
距離 3.7km
登り 481m
下り 482m
今シーズン最後の雪山、北横岳~三ツ岳周回するか木曽駒にするか迷いに迷って、1週間前から毎日天気予報をチェック。暖かい日が続いて雪解けが加速した後に、金曜夜あたりから急な冷え込みが予想されて、どちらもアイスバーンになってる箇所が結構あるだろうなぁ、ちょっとやばいかなと思いつつ両方の登山計画書を作成。
北八ツ周辺は何度か行ってるので今回は木曽駒にしようかな、と心はそちらに傾いていたものの、一番の心配点は千畳敷カールの雪崩。雪が緩んだあとの急な冷え込み&降雪と聞くと典型的な表層雪崩のパターンじゃね?でも、雪はちょびっとしか降ってないみたいだし・・・よしここは、AIに聞いてみよう!
Q:28,29,30のうち千畳敷カールで最も雪崩の可能性の低い日はいつ?
A:29日、ただ、かくかくしかじかで、雪崩の危険はあるので充分注意して下さい
(みたいな感じの答え)
駒ヶ岳ロープウェーのHPを見ると、3/28付で滑落注意の警告が出たものの、雪崩の警報は見当たらず。よし、木曽駒行くぞー!と意を決して寝ることに。
朝一のバスに乗るために家を出て、菅の台バスセンターに到着したのは7:10ごろ。
ゆっくり身支度を整えて、バスの切符を買おうと思いきや券売場は未だ開いてない。ただ良く見ると、券売場の横にオンラインチケット販売のアクセス用のでっかいQRコードがあるじゃん。これはいいわと早速オンラインでチケットを購入し(てかQRコードゲット)、バスの列に並ぶ。
しばらくすると係員のおじさんがやって来て、登山届けを出してない人は書くようにと。おまけに、八丁坂はアイスバーンになって滑落の危険大とバスを待つ人たちにしきりと警告。突風が吹いたら収まるまで必ず耐風姿勢をとって過ぎ去るまで待つようにと。やけに具体的な警告だな、そんなにやばいのかなとちょっと不安に。登山届けを出す場所がわからなかったので、おじさんに手渡す。しばらくすると、先ほどの係員のおじさんがやって来て、計画書を見ながら、
係員さん:アイゼン持ってますか?
私:(え?俺?)はい持ってます。
係員さん:何本爪ですか?
私:12本です。
係員さん:それなら良かったです。書いてないので。
私:すいません。書き忘れたみたいです。
とは言ったものの、書いてなかったっけな?と思い、予備の計画書をザックから引っ張り出して確認してみた。「GRIVELLクランポン12本爪」。あ、確かにアイゼンとは書いてないわ。(笑)最近は「クランポン」の呼び名が主流なのかと思い、こう書くようにしていたが、次回からはやはりアイゼンと書こう。
補助席まで満員の始発バスになんとか乗車でき、ロープウェーの始発に乗り継ぎ、予定通り、9時過ぎには千畳敷に降り立つ。どんよりと曇った空ながら視界は良好で、八丁坂がきれいに見える。双眼鏡で見ても、今にも崩れ落ちそうなクラックは見当たらず。よしこれなら大丈夫だと気合を入れてクランポン、もといアイゼンを装着し、出発することに。
この一週間で30cmくらい積雪量が減るほど溶けたらしく、その後の冷え込みでそこかしこが氷結。そのおかげで傾斜の緩いうちはかえって歩きやすく、トレース付近を歩いているとまったくズボることなく、さくさく進む。進むにつれてじわじわと傾斜が急になり、いよいよ八丁坂の核心部が迫る。トレースは谷筋の一番低い所よりも少し右側にそれたところが主流で、ここを直登して谷筋がぎゅっと狭まったところから少し登ったところで、左に10mほどトラバースして、その後再び直登、みたいな感じになっていた。このトラバースに4-5人がとりついて渋滞していたので、少し下で待つことに。中には足元がおぼつかない人もおり、誰か滑落するんじゃないかと下で見ている方も緊張する。最後尾が直上から少しそれたのを機に行動再開。先行者のトラバース地点まで登ってみると、こらあかんわ。直立では登れんなと思い、ダガーポジションで慎重に進むことに。ただ、雪質が程よい硬さで、アイゼン、ピッケル共に良く刺さる割に安定感があり、着実に進めば大丈夫と自分に言い聞かせながら進む。トラバースから直登に移ってからも10mほどダガーで登り、もう直立でも大丈夫と思ったところで振り返ってみると、少しちびりそうになった。(笑
乗越浄土に上がると、視界は良好で、風は少しあるものの、飛ばされる心配は全くない程度。宝剣岳の雄姿を眺めながら、やっぱ木曽駒にしてよかったなぁとしみじみ。中岳に着くころにはお日様もさすような天気まで回復。乗越浄土から駒ヶ岳頂上までは、完全な氷、表面がクラストした雪上、硬く閉まった雪など、感触の違ういろんな状態の雪道を歩けたので、これはとても良い練習になった。
駒ヶ岳の頂上で少し腹ごしらえをしようと思い、定番のピーナッツクリームパンを取り出す。これまた定番のパンパンに膨らんだ型崩れのない状態を写真に収めようと思い、雪の上において写真をとった途端に、するすると滑り始めた。あ、と思った瞬間には既に遅く、膨らんだ袋は強風の力を借りて更に加速して、クラストした雪上を滑り谷底へと消えていった。ドライフルーツとエナジーゼリーで残りの行程頑張るしかないか・・・と諦めて帰路に向かうことに。
帰路、途中の中岳で残り半分のエナジーゼリーでパワーを補給し、いよいよ本日最後の核心部、八丁坂の下りに差し掛かる。まずは進路がきれいに見える位置まで進み、千畳敷カールを見下ろす。これはちびるわ。登りとは少し違う経路が比較的歩きやすそうだったので、この先約30m程度の道のりを決めていざ出発。自信を持てるところまでは直立で進み、ちょっとやばいなと感じる少し手前から再びダガーに変更。本当にやばいところは10mかそこらなので、一歩ずつ慎重に歩みを進めれば大丈夫、とこれまた自分に言い聞かせてなんとか乗り切る。転んでも普通に止められるくらいの傾斜まで降りて来てようやく一安心。やっぱ、ポジション変えるときが一番緊張するなぁ。
しかし、今回は色々経験出来て良かった。今シーズン最後の実りある山行に感謝!
北八ツ周辺は何度か行ってるので今回は木曽駒にしようかな、と心はそちらに傾いていたものの、一番の心配点は千畳敷カールの雪崩。雪が緩んだあとの急な冷え込み&降雪と聞くと典型的な表層雪崩のパターンじゃね?でも、雪はちょびっとしか降ってないみたいだし・・・よしここは、AIに聞いてみよう!
Q:28,29,30のうち千畳敷カールで最も雪崩の可能性の低い日はいつ?
A:29日、ただ、かくかくしかじかで、雪崩の危険はあるので充分注意して下さい
(みたいな感じの答え)
駒ヶ岳ロープウェーのHPを見ると、3/28付で滑落注意の警告が出たものの、雪崩の警報は見当たらず。よし、木曽駒行くぞー!と意を決して寝ることに。
朝一のバスに乗るために家を出て、菅の台バスセンターに到着したのは7:10ごろ。
ゆっくり身支度を整えて、バスの切符を買おうと思いきや券売場は未だ開いてない。ただ良く見ると、券売場の横にオンラインチケット販売のアクセス用のでっかいQRコードがあるじゃん。これはいいわと早速オンラインでチケットを購入し(てかQRコードゲット)、バスの列に並ぶ。
しばらくすると係員のおじさんがやって来て、登山届けを出してない人は書くようにと。おまけに、八丁坂はアイスバーンになって滑落の危険大とバスを待つ人たちにしきりと警告。突風が吹いたら収まるまで必ず耐風姿勢をとって過ぎ去るまで待つようにと。やけに具体的な警告だな、そんなにやばいのかなとちょっと不安に。登山届けを出す場所がわからなかったので、おじさんに手渡す。しばらくすると、先ほどの係員のおじさんがやって来て、計画書を見ながら、
係員さん:アイゼン持ってますか?
私:(え?俺?)はい持ってます。
係員さん:何本爪ですか?
私:12本です。
係員さん:それなら良かったです。書いてないので。
私:すいません。書き忘れたみたいです。
とは言ったものの、書いてなかったっけな?と思い、予備の計画書をザックから引っ張り出して確認してみた。「GRIVELLクランポン12本爪」。あ、確かにアイゼンとは書いてないわ。(笑)最近は「クランポン」の呼び名が主流なのかと思い、こう書くようにしていたが、次回からはやはりアイゼンと書こう。
補助席まで満員の始発バスになんとか乗車でき、ロープウェーの始発に乗り継ぎ、予定通り、9時過ぎには千畳敷に降り立つ。どんよりと曇った空ながら視界は良好で、八丁坂がきれいに見える。双眼鏡で見ても、今にも崩れ落ちそうなクラックは見当たらず。よしこれなら大丈夫だと気合を入れてクランポン、もといアイゼンを装着し、出発することに。
この一週間で30cmくらい積雪量が減るほど溶けたらしく、その後の冷え込みでそこかしこが氷結。そのおかげで傾斜の緩いうちはかえって歩きやすく、トレース付近を歩いているとまったくズボることなく、さくさく進む。進むにつれてじわじわと傾斜が急になり、いよいよ八丁坂の核心部が迫る。トレースは谷筋の一番低い所よりも少し右側にそれたところが主流で、ここを直登して谷筋がぎゅっと狭まったところから少し登ったところで、左に10mほどトラバースして、その後再び直登、みたいな感じになっていた。このトラバースに4-5人がとりついて渋滞していたので、少し下で待つことに。中には足元がおぼつかない人もおり、誰か滑落するんじゃないかと下で見ている方も緊張する。最後尾が直上から少しそれたのを機に行動再開。先行者のトラバース地点まで登ってみると、こらあかんわ。直立では登れんなと思い、ダガーポジションで慎重に進むことに。ただ、雪質が程よい硬さで、アイゼン、ピッケル共に良く刺さる割に安定感があり、着実に進めば大丈夫と自分に言い聞かせながら進む。トラバースから直登に移ってからも10mほどダガーで登り、もう直立でも大丈夫と思ったところで振り返ってみると、少しちびりそうになった。(笑
乗越浄土に上がると、視界は良好で、風は少しあるものの、飛ばされる心配は全くない程度。宝剣岳の雄姿を眺めながら、やっぱ木曽駒にしてよかったなぁとしみじみ。中岳に着くころにはお日様もさすような天気まで回復。乗越浄土から駒ヶ岳頂上までは、完全な氷、表面がクラストした雪上、硬く閉まった雪など、感触の違ういろんな状態の雪道を歩けたので、これはとても良い練習になった。
駒ヶ岳の頂上で少し腹ごしらえをしようと思い、定番のピーナッツクリームパンを取り出す。これまた定番のパンパンに膨らんだ型崩れのない状態を写真に収めようと思い、雪の上において写真をとった途端に、するすると滑り始めた。あ、と思った瞬間には既に遅く、膨らんだ袋は強風の力を借りて更に加速して、クラストした雪上を滑り谷底へと消えていった。ドライフルーツとエナジーゼリーで残りの行程頑張るしかないか・・・と諦めて帰路に向かうことに。
帰路、途中の中岳で残り半分のエナジーゼリーでパワーを補給し、いよいよ本日最後の核心部、八丁坂の下りに差し掛かる。まずは進路がきれいに見える位置まで進み、千畳敷カールを見下ろす。これはちびるわ。登りとは少し違う経路が比較的歩きやすそうだったので、この先約30m程度の道のりを決めていざ出発。自信を持てるところまでは直立で進み、ちょっとやばいなと感じる少し手前から再びダガーに変更。本当にやばいところは10mかそこらなので、一歩ずつ慎重に歩みを進めれば大丈夫、とこれまた自分に言い聞かせてなんとか乗り切る。転んでも普通に止められるくらいの傾斜まで降りて来てようやく一安心。やっぱ、ポジション変えるときが一番緊張するなぁ。
しかし、今回は色々経験出来て良かった。今シーズン最後の実りある山行に感謝!
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
(マイカー規制があるため、バスに乗るしかない) ・しらび平〜千畳敷:ロープウェー ・バス・ロープウェーの往復チケット \3,950(ネット販売) スマホでQRコードをゲットして提示するシステム バスセンターに券売場があるけど空いてなかった(7:15現在)ので(?)、あわててネット購入 ・駐車場¥800/日(出庫時払い) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・乗越浄土直下の数十メートル(八丁坂上部)は、半ば凍結した雪の急斜面でした。 (今シーズンも既に数件滑落事故が発生しているそうです。) ・暖かい日が数日続いた後の冷え込みだったので、氷のようなアイスバーンになっている箇所も多数。但し、八丁坂を除いては視界さえあれば快適に歩けるところばかりでしたが、稜線に出てからは小屋が見えないような天気だとやばいことになりそうな地形です。 ・強風注意。天気予報では比較的風の弱い日でしたが、稜線にでるとけっこう風は吹いていました。時折、身体が振られるような突風もあり。 |
その他周辺情報 | バスセンターの直ぐそばにある早太郎温泉・こまくさの湯は、露天ありの快適な温泉でした。(大人\700) |
写真
装備
個人装備 |
半袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
ゲイター
バラクラバ
ヘルメット
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒(保温性)
固形燃料コンロ
チタンカップ
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
双眼鏡
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感想
・今回はクリームパンくらいで済んだけど、気を抜くといかんなぁ。
・日が照ったのは1時間かそこらだったけど、日焼け止めを塗らなかったら鼻が真っ赤になってひりひりする。やっぱ、雪山の紫外線をなめたらあかんね。
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