白馬岳


- GPS
- 15:13
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,984m
- 下り
- 1,394m
コースタイム
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 7:11
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 7:29
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
小屋の裏にある丸山でご来光と思ったのですが、ガスで視界無し。
7時すぎてようやく周りが見えました。
ちなみに1日目は写真は撮れませんでした。
危険箇所含めて撮りたい場所はいっぱいあったのですが、暴風雨でスマホを取り出すことができませんでした。
感想
今までの山行で過去一つらい山行になりました。
猿倉からの大雪渓ルートを登ります。
ザックは19kg、大雨が降っており、人気ルートですが、スタート地点には6名しかいません。
そりゃこんな大雨の日に登るバカなんてそうそういません。
単純に危険ですから。
うち2名は撤退したようです。
ご夫婦の方でしたが、この撤退は後に分かるのですが正確です。
途中女性ではちょっと渡れないような渡渉地点があって、そこで撤退はかなりしんどいと思われます。
勇気ある撤退は敗北ではありません。
さて残る4名ですが、雨がおさまるのを待っていますが、自分は足が遅いので、先陣を切って出発しました。
バカですよね、こんな大雨の中登るなんて。
4名のうち2名は外人さんで、こっちはもっとヤバい。
アイゼンも持っていないらしく、結び方も分からないようです。
こう言う人を登らせてはいけないと思います。
2便で来た2名と合わせて、今日のこのルートは6名がチャレンジしました。
超有名な大雪渓を登るルートです。
もう表面が凍っているので踏み抜きは大丈夫そうです。ベンガラがかすかに残っている跡を登ります。
写真を撮りたい場所は色々あったのですが、大雨でスマホを出すことができません。
ヤマレコもメッセージをくれますが、雨や濁流の音で聞こえません。
道は川のように水が流れ、沢登りをしているのと変わりません。
身体は汗と雨で内部までびっしょりで、とても寒いのですが、雨宿りする場所も無く、着替えることもできません。
身体が冷えていくのがはっきりわかり、低体温症で亡くなるってこう言うことか、と頭によぎります。
途中測量隊の人に会いました。
何を測定しているのか聞いたら、赤岩という巨岩があるのですが、それが動いた可能性があるとのことで、その定点を設置する準備だそうです。
赤岩はものすごく大きいので、もしこれが崩れると大ごとになると思います。
その赤岩の近くに渡渉地点があるのですが、橋はかかっているものの、その橋に直接滝のように濁流が落ちていて、橋は水没して足元も見えず、流れも速いので、体重の軽い女性は流される可能性が高いです。
雨の日にこのルートを登る女性や初心者は十分気をつけて下さい。
マジで生死に関わる可能性があります。
と言うわけで膝まで水に浸かって滝に突っ込みます。
もう全身びしょ濡れで、寒さが更に増します。
程なく避難小屋に着いて、ようやく体制を整えます。
しかし着替えることもできないため、エネルギー補給でなんとか凌ぎます。
風も強くなって、マジで死にそうです。
装備はそれなりに揃えてきたのですが、これ以上どうしろと?
やはり無理せず悪天候の時は停滞もしくは撤退が正しい判断なのでしょうが、行動途中でこのような状況に陥ってしまった場合にはどうするのが正解なんですかね?
最終的にはツェルトかテントをひっかぶるくらいしか思いつかないんですが。
死にそうになりながらもようやく小屋に着きました。
テン泊の予定でしたが、この暴風雨の中で服も乾かすことができない状況で、テントは無理と判断し、小屋に避難することとしました。
結局歩荷訓練になってしまいましたが、暴風雨の中の歩荷訓練は流石に初めてでした。
小屋で着替えて持ってきたオールドを飲んでも身体が温まりません。
早めの飯を炊いて、ようやく人心地です。
400人キャパの小屋に住人は5人だけ。
あの雨の中の登頂、滝をくぐっての渡渉、沢登りのようなルートを攻略した仲間は何か連帯感がありました。
明日の晴れを祈りつつ就寝。
翌朝はご来光を期待していましたが、ガスで真っ白。
この辺りは雪渓の存在で天候が良くてもガスることが多いとのことでした。
朝飯にパスタを茹でて食べました。
乾燥室で衣服はほぼ乾いたのですが、靴はぐっしょりのままで、足を突っ込むのに勇気がいりました。
小屋裏の丸山を踏んでから白馬岳に登頂しました。
8時を過ぎて、ようやく雲が取れてきました。
剣と槍が見えたのでヨシとします。
晴れていれば景色はいいんだろうなあ、と思いつつ稜線を下ります。
途中雷鳥さんに6羽遭遇できました。
つらい行程でしたがちょっとほっこりしました。
小蓮華をクリアし、白馬大池を目指します。
途中雲に纏われ、霧雨に遭いましたが、なんとか天気も持ち大池に到着。
軽く行動食を食って最後の白馬乗鞍へ向かいます。
このルートは初めてですが、白馬乗鞍がこんな山だとは知りませんでした。
岩岩のルートが続きます。
ポールをしまい、濡れた岩で滑らないように慎重に進みました。
ザックが重いのでバランスを崩すと危ないです。
大池からゴンドラはすぐかと思っていたのですが、思いのほか長いルートでちょっと戸惑いました。
同じルートを逆コースで1泊2日で周ろうと思うとちょっと自信がありません。
小屋泊前提の装備ならなんとかなりそうですが、テン泊装備だと白馬山荘までは15時にたどり着く自信はありません。
白馬山頂からちょうど6時間で栂池自然園に到着。
14:40のゴンドラになんとか間に合いました。
これに乗れれば15:26のバスで八方に戻ることができます。
天候に翻弄された山行もいよいよ終わりです。
今度はもっとしっかり雪渓が残っている時期に登ってみたいです。
テン泊前提でなく、天候も良ければきっと良い山行ができると思いました。
皆さまは悪天候での山行は避けてください。
もう一度言わせていただきますが、勇気ある撤退は敗北ではありません。
それが正しい選択です。
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