塩見岳



- GPS
- 21:59
- 距離
- 35.7km
- 登り
- 3,032m
- 下り
- 3,029m
コースタイム
- 山行
- 7:03
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 9:04
- 山行
- 7:18
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 9:28
- 山行
- 2:55
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 3:09
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
塩見小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
---|
感想
【プロローグ:山の神様は気まぐれ】
前夜、歌舞伎の里にて車中泊。「明日は晴れる!」根拠のない自信を胸に眠りについたが、朝の光とともに目に飛び込んできたのは、見事なまでに重たい灰色の雲。どうやら山の神様はまだお休み中のご様子だ。
登山口駐車場は、我々の不安を映したかのようにガラガラ。もちろん携帯は圏外で、天気予報という名の「神託」は得られない。ここでラジオを聴くという知恵が働かないのが我々クオリティ。妻との緊急首脳会談の結果、本日も「登山」から「グルメ観光」へと華麗なる作戦変更を決定! 大鹿村の道の駅を経由し、我々はまるで磁石に吸い寄せられる砂鉄のごとく、飯田の焼肉屋「孫悟空」へと向かった。マトンと牛赤身が胃袋に収まる頃には、雨の憂鬱などすっかり忘却の彼方。「運転があるから…」とビールを我慢する理性と、「飲みたい!」と叫ぶ本能の壮絶な戦いが、脳内で繰り広げられたのは言うまでもない。
【1日目:“妻タイム”との闘い、遥かなる小河内岳】
翌日は快晴!「三度目の正直」とはこのことか。鳥倉登山口から三伏峠へ、軽快な足取りで4時間。テント設営後、我が家のナビゲーター(妻)が指さし、こう言った。「さ、小河内岳へ行こう!3時間くらいだから!」。出た!伝説の「妻タイム」!
「体調が悪いかも」と保険をかけていた妻は、歩き始めた途端にスーパーサイヤ人のごとく覚醒。一方、私は「3時間」という言葉を信じ、軽快に歩き始めたが、見えてくる避難小屋がまるで蜃気楼のように遠い。地図を広げ、夫婦で必死の検算。「え…往復4時間以上コースじゃないか…」。妻タイム、恐るべし。もはやファンタジーの世界だ。
なんとか小河内岳山頂にたどり着いたものの、帰り道はガスに包まれ視界は真っ白。半泣きでテント場に転がり込んだのは16時過ぎだった。疲労困憊で小屋に水を求めると、「下まで汲みに行って」。えぇ!?話が違う!とゴネてみると、「じゃあ今回は特別」と流し台の水を恵んでくれた。山の神様は、小屋番さんの姿をして我々を試しているのかもしれない。その夜のうどん鍋と焼酎が、人生で一番美味かった気がする。
【2日目:鎖場と私と、岩と戯れる妻】
いざ、決戦の塩見岳へ!三伏山から朝日を浴び、中央アルプスを望む最高の稜線歩き。塩見小屋の清潔なトイレに妻もご満悦だ。
そして、核心部の鎖場。久しぶりの高度感に私の足は生まれたての小鹿と化し、「安全第一」と呟きながら岩にへばりつく。その横を、妻は「キャッホー!」とでも言いたげな顔で、まるで蝶のように舞いながら登っていく。そのクライミングの才能、少し分けてほしい。
山頂からの360度の大パノラマは、すべての苦労を吹き飛ばす絶景だった。富士山、仙丈ヶ岳、間ノ岳を眺めながら、「次は仙塩尾根(20時間コース)だね!」と無邪気に笑う妻。どこでもドアが発明されるまで待ってくれ。そんな現実逃避をしていると、山頂直下から、熊ノ平小屋へと予約をする電話の声が。天空のフロントデスク、実にシュールで面白い。
【3日目:最終ミッション『地酒を確保せよ!』】
最終日は下山のみ。曇り空も朝食後にはすっかり晴れ渡り、最高の秋空が広がった。
さて、ここからが旅の最終ミッションだ。お目当ての蔵元「仙醸」に立ち寄るも、「祝日」という名の強力な結界に阻まれ、あえなく敗退。しかし、我々は諦めない!伊那まで中央構造線をドライブし、最後の希望「地元スーパー」に突入。そして…ついに念願の日本酒をゲット!ミッションコンプリートだ!
釣り人がのどかに糸を垂れる川辺、地球の歴史を感じる北川露頭。計画通りにいかないことだらけだったが、終わってみればすべてが最高の思い出。また必ず来たいと思わせてくれる、笑いと感動の山行だった。
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