[合宿] 夏山D合宿 黒部五郎岳〜雲ノ平(縦走)


- GPS
- 82:13
- 距離
- 42.0km
- 登り
- 3,249m
- 下り
- 3,250m
コースタイム
- 山行
- 5:02
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 5:26
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 9:14
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 7:51
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 7:30
天候 | □ 8/16(土):晴れ □ 8/17(日):晴れ □ 8/18(月):快晴 □ 8/19(火):晴れのち雷注意 □ 8/20(水):霧のち晴れ、夜は雨 □ 8/21(木):霧のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
参加者:IK田(CL)、H野(SL・装備)、M関(渉外)、Sイ(会計)
□ 16 日(土)晴れ 〜冷夕谷キャンプ場(有峰ダム湖畔)まで〜
北浦和駅を予定より早く出発出来たので、川越駅ではコンビニに行ったりして、ゆっくりと過ごし、関越道から高速道路のスタートとなった。途中、渋滞もなく北陸自動車道、立山 IC で下りてすぐの「スーパーアルビス」に入る。夕飯の弁当等を購入し、近くで給油も済ませて、一路、有峰有料道路(2000 円)から、今宵のキャンプ場を目指す。湖畔のキャンプ場の避難小屋脇に駐車すると、アブが多かったが、小屋内に水道もトイレも設置されているので、一度入れば、出る必要はなかった。小屋は釣り師や、沢登り(赤木沢)の人で、合計 3 組の宿泊利用だった。
□ 17 日(日)晴れ 〜太郎平小屋まで〜
6 時より少し前に出発して、折立駐車場を目指す。舗装された駐車場は満車で、少し先の臨時駐車場に駐車する。有料道路のゲートが開いて、続々と車が上がって来た。登山口まで戻って、最初の急登をゆっくりと歩き出す。2 時間がんばると最初のピーク(1869m)がやってきて視界も開けてくる。眼下に有峰ダムが見えている。夕べの小屋はどの辺なのでろうか?と思う。涼風に吹かれながら、小屋へ続く階段や木道を登って行くと、北東に、緑の山肌と白い山頂を持つ薬師岳の姿が美しい。小屋へは 11;30 頃に到着し、広場のテーブルで入山祝いとなった。
□ 18 日(月)快晴 〜黒部五郎小屋まで〜
明るくなり始めた 5 時少し前に小屋を出発。木道の分岐を、南の北ノ俣岳方面に進む。早朝のすがすがしい空気の中、ゆるく登って行くと 2 時間で最初のピーク、北ノ俣岳(2661m)に到着した。南西の雲海の向こうに白山。南には御嶽山や乗鞍が見えている。展望を楽しんだ後は、最低鞍部の中俣乗越を目指す。太陽が頭上からサンサンと照らして来て、風の通らない灌木帯を通過する時は暑い。中俣乗越に到着すると、キャンプ場に一緒に泊り、赤木沢を登っている人達は、今どの辺なのだろう?と思う。我々が次に目指すのは黒部五郎岳で、まだ 2 時間かかる。途中 2555m の小ピークで気持の良い風に吹かれながら休憩し、最後の登りにそなえる。肩には 11 時少し前に到着し、荷物をデポしてお目当ての山頂へ。下りてきた人から「360度の大展望ですよ」と嬉しい言葉を頂き、何とか登り切り 2839.6m の黒部五郎岳の山頂に到着した。そこは山のど真ん中と言う感じだ。ガスで隠れている山は一つもなく、見えているべき山は全て美しく見て取れた。肩の所は風の通り道だったが、山頂では風もなく、こんな登山日和ってめったにないんじゃないか…いつまでも、ここで飽きることもなく、山を眺めていたい…と思ったが、そうもいかない。
眺望を胸に焼き付けて、カールの中の赤い屋根の黒部五郎小屋を目指して、下降を開始する。急降下でカールに降りると、わずかに残った雪渓が沢となっていて、それに沿って更に緩く下る。やがて登山道は茂みの中を行くようになり、暑さにうんざりした頃、ひょっこり小屋の前の草最初のピーク、北ノ俣岳原にとびだす。小屋と幕場は平坦な木道を 5 分位だった。宿泊の用意をし、15 時前から小屋の庭のテーブルで本日の疲れを癒す。
□ 19 日(火)晴れのち雷注意 〜雲ノ平キャンプ場まで〜小屋を 5 時少し前に出発。いきなり樹林帯の急登から始まった。みるみる小屋が足元に遠ざかっていく。2661m ピークあたりでご来光となる。更に進み左に三俣山荘へ向かう道を分けて、三俣蓮華岳を目指す。7 時過ぎに山頂に到着し、朝のすがすがしい空気の中で眺望を楽しむ。槍ヶ岳がグッと近くなった。次に三俣山荘を目指すが、さすがに縦走路は登山者が多い。韓国からのツアー客も歩いていて、みな元気だ。山荘では庭のテーブルで、Sイさん担当の装備をH野さんが預り、Sイさんだけ鷲羽岳、水晶岳を目指す。H野さんには本当に頭が下がる思いだ。3 人となった我々は、少し戻って黒部源流碑まで下る。沢沿いの滑りやすい道だ。碑は川の少し前に立っていて、黒部川は石伝いに渡る。ロープが貼ってあるので、つかまりながら行く。その先に雲ノ平の台地に登る岩場の急登が待っていた。暑くなる時間帯にもなっていた。だいぶ上がり振り返ると、対岸の三俣山荘の高さ位まで来た。「もうそろそろ平坦になるかな」とH野さんに聞くと、「まだまだ。雲の平山荘はもっと高いよ」と言われ、がっくりしてしまう。単独で降りてきた中年ソロ男性は、「もう半分は登って来ているから、あと半分。ただし山荘が見えてからが遠いよ」と情報をくれた。活を入れ直し頑張ると、登山道は西の黒部五郎岳と並行して行くようになり、傾斜も緩んで来た。涼風が吹き、時おりガスが出る。日本庭園と命名された広場に着くと、そこは白砂で、神津島の天上山を彷彿とさせるところだった。休憩の後、時に木道だったり、時に東の水晶岳側のトラバース道を歩き、北西には雲ノ平山荘が、その手前の眼下にはキャンプ場が見えてはいるが、やはりなかなか到着しなかった。最後のハイマツ帯の茂みを抜けると、眼下にやっとキャンプ場が見えてきた。まださほど混雑はしていないようだ。さっそくテント設営、水汲みを済ませて、30 分先にある山荘に支払い、ビール購入のため、登り返す。その頃から雲が多くなり、雷鳴も聞こえ出した。山荘のロビーでM関さんが待っていてくれたが、そこでは乾杯でき
ず、急いでテントまで戻る。テントまで戻ると安心してビールを開けることが出来た。周りには個テントの中年男性達がよもやま話をしていたの
で、会話に参加すると、黒部ダムができる前の話になり、大阪の人は「確かに子供の頃、たまに停電していた」と言っていた。関西の電力不足は本当だったのだ…と実感した次第である。やがて 1人の男性の連れ合いが到着し、我らのSイさんも16:20 に無事にテントに到着した。
□ 20 日(水)霧のち晴れ、夜は雨 〜太郎平小屋まで〜
朝、テントを出ると一面の霧だった。6 時に山荘と縦走路の合流点から歩き出す。夕べ少し降った雨のせいか、濡れた木道が滑りやすい。笹薮が多くなってくる頃、霧が流れて来て、周囲の山々が見えるようになってくる。アラスカ庭園と呼ばれる所で休憩し、残り少しの木道を歩いて、いよいよ滑りやすい石の急下降が始まった。登って来ている人も続々といる。
道を譲ったりして、休み休み慎重に足を進めた。下に流れる川の音がだんだんと大きくなり、やっと黒部川と薬師沢が出合う所に降り立った。梯子を登り、つり橋を渡ると、太陽の光がサンサンと照りつけている薬師沢小屋に到着した。ゆっくりと水分を補給し休息を取り、太郎平小屋への登りに取り掛かった。かべっけヶ原を通過し、いくつかの小さい沢を渡り、薬師沢中俣を過ぎたあたりから、傾斜がきつくなり太郎平に向けての最後の登りになる。時間も正午で太陽光の照り付けもきびしく、汗が噴き出してくる。何とか登り切り傾斜も緩み、木道が現れて来ると、遠くに太郎平小屋が見えてくる。小屋の庭にはテントがたくさん張ってある。はて?…と思いながら、おとといの黒部五郎岳方面の分岐点に到達した。小屋には 13 時に到着し、3 日前と同じテーブルに座って祝杯をあげた。隣りのテーブルにいた人が、「薬師峠の所にあるキャンプ場に熊が出て使用禁止になり、小屋の庭がテント場になっている。」と教えてくれた。
□ 21 日(木)霧のち晴れ 〜帰路〜
5 時近くに小屋を出る。ガスで周囲の山々は姿を現してはくれなかった。4 日前の道を淡々と下る。登りの人も続々といた。朝のバスが到着したのであろう。下界が近づくにつれて暑さが厳しくなる。9 時少し過ぎた頃、登山口に到着。吉峰温泉で夏合宿の若者たちに混ざり、さっぱりと汗を流し、一路さいたまを目指した。
[感想]
IK田:私事でこの夏の山は絶望的でしたが、何とか行けそうだとめどが立った時には、時すでに遅しで、小屋の予約はピーク時には取れませんでした。何とか日にちをずらして太郎平小屋の予約が取れ、テント場は予約不要期間に突入。無事に周回ルートを実施する事が出来ました。黒部五郎岳の 360度の展望を仲間と心に焼き付ける事ができ、参加者みなさんや天候に感謝の念で一杯です。
黒部ダムが出来る前に、黒部の地で生きた人達の手記を読み、ぜひ一度訪れてみたかったのです。昨今、熊の出没が騒がれていますが、今回歩いた山々に熊はいて当たり前で、この地で健全に生きて行って欲しいです。どうか人を襲ったり、街なかに出てこなくても済むよう、豊かな山域が未来につながって欲しいと祈るばかりです。
H野:45 年前の 1980 年に霧と雨の中を歩いた「黒部五郎岳
〜雲ノ平」、今回は晴天の中、山々の展望を満喫して縦走できました。白い薬師岳、赤い赤牛岳、黒い水晶岳、懐かしい槍ヶ岳・穂高岳、など北アルプスの山々の展望を目に焼き付けました。 計画していただいたIK田CL、同行のM関さん、Sイさんお世話になりました。
M関:太郎平からの黒部五郎岳に向かう穏やかな稜線歩き、山頂からの槍、穂高、剣、薬師、水晶、赤牛、笠、乗鞍、白山等見飽きることのない展望に感動しました。黒部カール直下の冷たい水。三俣蓮華から鷲羽岳ピストンする体力無し。雲の平に行くのは大きな谷の登り下り。黒部源流からの登り、雲の平小屋が見えてからの巻き道。太郎小屋までの最後の登りがつらかった。花々はたそがれていたけれど、それなりに見ることができました。天候に恵まれ、小屋泊で 10 時間睡眠(笑) 加齢実感した本当に充実した山行でした。H野会長、IKちゃん、Sイさんお世話になりました。
Sイ:山登りは縦走、岩稜、沢、登攀など分類に関係なく楽しく面白ければ良いと思っている。とくに、まだ自分が触れていないルートや山頂は好奇心がそそられ、自分の技量、体力、時間が許せば参加したいと思っていた。そんな折、今年の夏合宿Dに太郎平−雲ノ平の周回コースが組まれた。この辺りは私にとって未知の領域だ。ここぞとばかり合宿Dへの参加表明をした。入山から下山の五日間、天気に恵まれ雲ノ平周りの山々を我々4人パーティーが独占したような気分で縦走した。また、IK田 CL直伝の息が上がらないペースでの一定速度歩行を身につけた私は、今回特別に私に許された3日目の三俣小屋−鷲羽岳−水晶岳−祖父岳(じいだけ)−雲ノ平キャンプ場ルートの 12 時間も無事完歩でき、速さはないが距離への自信へと繋がった。細い雲上に拡がる青い空、緑と青の見事なスカイライン、黒部五郎岳ほか山頂から 360 度遮るものがない眺望、個性感じさせる山々、稜線、谷、雲ノ平から薬師沢への急峻な下りと暑い中での太郎平への登り返し、霧の中での最終日の下山。四人で共にしたそれらが、とても貴重で心の中に灯がともるように思い返される。IK田 CL、H野会長、M関さん、有り難うございました。
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