朝日連峰 見附川 トウヌシ沢左俣右沢


- GPS
- 15:07
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,839m
- 下り
- 1,855m
コースタイム
天候 | 27日 曇り時々晴れ 28日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最上川水系 見附川 トウヌシ沢左俣右沢 ■体感4級上 水量やや多い ラバー向き 雪渓、入トウヌシ沢とトウヌシ沢出合いの手前にブリッジあり ■アプローチ 日暮沢小屋から登山道を進み、登山道が左に分かれる分岐を右に進む。 沢沿いに踏み跡やピンテが明瞭であり、沢が二俣になる辺りで日暮沢へ入渓。歩きだけの日暮沢をコルまで詰める。 コルにもピンテがあり、尾根を乗っ越してそのまま見附川へ向かって下降に入る。 釣り師の残置ロープ等もあり、あっという間に見附川へ。最後は滝で出合ってるので、少し上流側から歩いて見附川本流に降り立つ。 日暮沢小屋から見附川本流まで1時間40分。 ■見附川〜入トウヌシ沢トウヌシ沢出合いまで オバラメキ沢出合いまでは河原。 ここから淵や小滝が出てくるが、水量もやや多いくらいで問題ない。 岩魚止滝は高松沢側の泥ルンゼから巻いたが、結構悪い。 ルンゼを抜けたら岩壁の下を小さくトラバースして岩魚止滝の真上に懸垂なしで降り立ち、岩魚止ゴルジュに突っ込む。 ここの岩魚止滝の上のゴルジュが最初の核心。 大きい滝はないが、爆盛水量に体当たりで挑む必要があり、かなり体力を削られる。 因みに、泥ルンゼからわざわざ降りないで、ゴルジュを一気に巻くのが一般的。 ゴルジュを抜けると一瞬平和な河原になり、右岸に絶好の幕営地があるが、時間が全然早いので先に進む。 またすぐ沢はV字のゴルジュへ。出口に登れないCS8m。 右岸から巻いてる途中にトウヌシ沢にSBが見えたが、その手前が出合いなので懸垂で降りて右のトウヌシ沢へ入る。 入トウヌシ沢には雪渓は無さそうだった。 ■トウヌシ沢左俣右沢 短いSBは潜る。ここからゴルジュの連瀑帯。そしてその先にはトウヌシ大滝が見えている。 とりあえず大滝手前のゴルジュ帯を右岸から巻き、倒木を支点に懸垂で大滝の下に降り立つが、さらにヤバい連瀑帯が架かり今度は左岸からニラ巻き。 そしてようやくトウヌシ大滝と真正面からご対面。3段70mくらいはありそう。 左岸からサクッと巻いて懸垂で降り立つと、大滝の最上段の滝は右俣に架かる滝で、進む左俣にはこれまたやばい滝が出合っていて圧巻の渓相だ。 左俣出合いの滝は左岸リッジからロープを出して攀じり、直登出来る滝を何個か越えると、左岸から右沢が滝となって出合っている。 左沢を少し進み、左岸の草地に強引に幕。おそらくこの場所がトウヌシ沢左俣では唯一と言っていい幕場だろう。 薪は少なく、前後が滝なので右岸の枝沢辺りから広範囲で拾い集めた。 翌日は幕場からちょっと戻って右沢へ入る。 右沢に入ってからも滝はこれでもかと続くが、なんとか登っていける滝で助かった。 中には空荷でCS潜りの滝などあり、見せ場は多い。 そして沢は開放感満載になり、止まぬ滝の先に右沢大滝100mが見えてくる。 上部は岩峰に切れ込んだスリットゴルジュになっており、水線は見えない。 右岸から巻きに入り、途中でスリットゴルジュの滝を拝んでそのまま懸垂なしで落ち口ドンピシャ。巻きは比較的容易な部類だった。 この先は一気に穏やかな渓相になり、滝で出合う二俣は登りやすそうな左へ。右へ行けば寒江山手前のコルに綺麗に詰め上がるだろう。 小滝をシャワーで登りながら進むと豊富な水が突然枯れ、不安定なガレ場と草付きを登り、最後はちょっとだけ笹薮を漕いで主稜線登山道へ合流となる。 尚、ゴルジュ突破や高巻きのルーファイはそれぞれのパーティーによって違うと思うが、ゴルオヂはバカなので高巻きは極力小さく巻き、スキあれば例えその場所がゴルジュ内であってもとりあえず沢に降りるパーティーである。 よって、我々のルート取りとタイムはあまりアテにしない方が賢明である。 ■下山 竜門小屋経由で日暮沢へ下山。脱渓から下山まで4時間。 |
その他周辺情報 | 大江町 カネミ食堂 19時まで通し営業 |
写真
装備
個人装備 |
登攀具一式
泊り装備一式
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感想
せめて年に一度は朝日の沢で…なんてノリで行ってみたけどこれが大変。モーリーさんとポムチムさんのおかげで何とか事故もなく通して歩けましたが、途中流されそうになるわ登れないわ体力アップアップでギブ寸前の難物。でも稜線に抜けたときの青空と草紅葉は最高のご褒美。今シーズンイチの遡行となりました。こんな景色を見せてくれたお二人に感謝です。
朝日連峰の沢はこれまで9本遡行してきたが、初めて朝日の「本気」を見た。
当初はあまり記録が多くないけど、なんだか良さげな入トウヌシ本谷に入るつもりだったが、登山大系を見てるうちに、隣のトウヌシ沢が気になりだした。
しかも入トウヌシ本谷は下降に使うだの初級者向きだの書いてあって(そんな事はないと思うが)、なんだかあっさり抜けちゃいそうだなぁと思い、詳しい記録は大系にしかないトウヌシ沢に狙いを定める。
トウヌシ沢左俣左沢は1件だけネットに記録があるので、どうせなら右沢に入る覚悟を決めて見附川に入渓。
岩魚止ゴルジュでいきなり本気モード突入。さらに続くV字渓相に巻いたり降りたりを繰り返し、疲れを感じる暇なくその渓相に酔いしれまくった。
圧巻のトウヌシ大滝はWEB上では本邦初公開であると思うが、その大滝たけではなく、そこに至るまでの険しいゴルジュ、開放感ある超ド級の渓相、危険極まりない泥ニラからの懸垂下降など、その全てが桁違いの凄まじさだった。
「この沢やべーって。5級あんじゃねぇか」
先週に八久和川最難と云われるオツボ沢を遡行していたポムチムから、「オツボより厳しい!」と感じさせたトウヌシ沢左俣右沢。
「やべー、間違って5級の沢に来ちまったか?」
なんて会話しながらも、全身全霊で目の前にある沢を感じまくり昇天しまくった。
3人のこれまでの経験値やスキルを存分に発揮出来たおかけで、行き詰まる事や悲壮感は皆無。むしろ楽しくて仕方なかった。
特に、近年朝日の沢を荒らしまくっているポムチムの存在は大きかった。
特段、沢ヤとして突出している部分がある訳ではないが(それでも全てが高いレベルだが)、彼の存在自体がそのパーティーの実力を何倍にも押し上げている。
それは彼の人柄であり、沢への異常なまでの情熱を周りが感じ取り、それに共鳴して生まれる魔法みたいなモノだろう。
こんな沢ヤは珍しいなぁと、毎回つくづく思わされ、そして感動する。
トウヌシ沢の左俣から左沢に行くか右沢に行くかは、雪渓などの状態から現地判断であった。
結果、左俣に入ってからは雪渓は無さそうであり、初日でかなり上部まで遡行出来たのもあって、ここまで来たら右沢の100m大滝でしょ!って事で満場一致となった。
ここまででかなりお腹いっぱいの感はあったが、右沢の100m大滝を間近で拝み、上部のスリットゴルジュを目に焼き付けてからサクッと巻けたのはラッキーだった。
ここの通過が、4級上と5級の違いだったかなと思わされる。
右沢大滝の直登、もしくは悪い大高巻きだったならば、間違いなくこの沢は5級だろう。
記録が皆無だったヒリヒリ感はもちろんあるが、朝日にはまだ三面川の難渓がゴロゴロしている。
今や荒川の東俣や中俣も5級はないとされている時代で、これぞ正真正銘の朝日の5級沢だ!と言える沢と出会えるまで、5級はとっておきたいと云う、完全な私情込みでの4級上である事をここに書き留めておく。
とにかく素晴らしい大渓谷だった。
ご一緒してくれたポムと鶏氏には心から感謝。
登山道で久々の再会から何度も話に付き合ってくれたお二人とヤハギさんに感謝。これがあるから朝日はホーム感があり好き。
トウヌシ沢左俣右沢は、間違いなく今シーズン最高の一本となった。
みんくずと飯豊の沢に行く予定だったけど、安定のシゴキャンのためモーリーさん、鶏さんの朝日の沢に混ぜてもらう。 毎週朝日行ってるね☀️
行き先はトウヌシ沢左俣~ 見附川は入トウヌシ沢の記録はちょくちょく出るけど、トウヌシ沢の記録はかなーり少なめ。 更新の止まったエブリマウンテンダイアリーに記録があるくらいかな。
まぁ、そんなに難しい沢ではなかろうと特に気合も入れず、のんびりと日暮沢乗越
釣り人7人ptと談笑しつつ、順調に見附川へ。
見附はKCと高松に行った一年ぶり。 なんかすごく水が綺麗✨🤩 大サビ川くらい綺麗な青色してる🩵
先週のオツボもメチャクチャ綺麗だったし、9月の大雨で苔とか汚れが全部流れたのだろう。 今、朝日の沢は一番綺麗な状態なのだ❣️✨
高松沢出合手前の淵はやっぱり泳ぎ。ポムはブラメタ初導入で、冷たい水も余裕🧊💪
高松沢出合い、見附川本流にかかる2段の岩魚止滝は大迫力‼️
ここは高松沢側にあるドロドロルンゼから巻くが、めっっっちゃ悪い。モーリーさんのお助けヒモや、残置ヒモを使って中間尾根の岩場まで行く。真下に岩魚止滝が轟々と流れ落ちる。 岩尾根を上に導かれるが、灌木を繋いだ悪いトラバースで小さく巻き、岩魚止滝の真上に出る。
ここからは岩魚止ゴルジュ(仮称)で、入トウヌシに入ってるPTでもここは岩魚止滝から大きく巻いてるだろう区間。 大水量ゴルジュで、4,5mの滝が連続する。
泳ぎや爆流突破をこなして何とか抜ける❣️❣️
…ブラメタ着てても寒い🥶⤵︎⤵︎なかなか凄いゴルジュだった✨
この先しばらくは落ち着いて、とても綺麗な朝日らしい渓相 ほんと良いね~🙆
明らかに厳しいCS8m滝と手前に長い淵⁉️
右岸の草付きを高巻く。
沢に復帰して入トウヌシ沢出合いを、左手に見つつ進むと。やっぱりSBキター😭😹
でも、近づくと短めでダッシュで抜けた。
この辺りの雰囲気は息が詰まるようなゴルジュ渓相。なんだか、トウヌシ沢は思ってたよりも遥かに険しい沢だ。
沢幅が狭まるといよいよマジに険しいゴルジュで、もう泳ぐのもシンドイため、大高巻きに入る。
巻いてる途中に、とんでもない大滝が先に見えて戦慄… あんなバケモン滝あるのか⁉️…俺たちどうなる⁉️
巻き途中、崩壊地に埋もれた朽木を支点に懸垂下降で沢に降りる。 …まぁ予想はしてたが、すぐに登れないスリットヒョ~ングリゴルジュとなり、またまた、高巻きや🥹 この沢ヤバイぞ…‼️
高巻いてる途中、目の前に例の大滝がドドドーン❣️と落ちる。トラバースを続ければ滝の前に降りれそう。 と、ここでチェンスパ方足紛失😭😭😭🦵えーん🥹
大滝は3段70m級。 下段40mの下に降りると上段は見えないが、下段だけでも迫力マンモス級。
でも巻きはラインは明瞭で、左岸草付きからヒョイと巻く。
中段は小さい8mくらいのCS滝。これも同時に高まく。
上段25mはトウヌシ沢右俣(本流)にかかる滝で、上段滝と、中段の間で右俣が出合っている。なかなか凄い空間どすえ。 上段滝の下には懸垂下降で降り立った~
右俣本流と左俣は3:2くらいの水量比。右俣本流はゴーロしかないので、左俣へ進む。
出合いから7mのスリット滝となっていて右壁のかなり強傾斜スラブをモーリーさんリードで登る
滝上にメチャクチャ古い残置(懸垂支点?)があった。体系時代のやつかな?
左俣は綺麗な小滝の連続。 すでに15時を過ぎてるのでバクエチを探さねば❣️ あるのかこんなところに⁉️ トウヌシ左俣はまた右沢、左沢(1:1)と互いに滝となって出合っている。
向かうは記録のほぼない右沢だが、エブリマウンテンダイアリーの記載を信じて左沢のほうに進むとすぐにギリ、バクエチになる草地❣️ 記録通りありました😭 kazumiさんセンキュベリマチ😊
鶏さんは薪職人でどこで拾ってきたのか大量の薪を集めてきた。 タープもセットして宴会準備OK 焚き火もご機嫌で、すぐヤリ始める🚻
大量の肉とオデンとチーズポテトフライ、酒❣️ 下界よりも御馳走が大量に出るわ出るわ!
腹パンッパンになるまで食い続けた🐷🫃🫃🫃
たくさん担いできた2人に感謝🙏🫂
翌日、朝から天気が宜しい☀️❣️
ほんの少し戻って右沢に入る。いきなり、滝、滝、少し進むとゴル❣️ シャワーやCSの裏を洞窟潜りで登ったりなかなかハード😤💪
いよいよ4段100m大滝❣️❣️ 大滝は角度を大きく変えるため、全景は見えないが周囲のスケールが素晴らしい😀
中段以降は右岸巻きになるが、それほどいやらしくもなく、割とあっさりと滝上に出た‼️
癒しの小滝、ゴーロを進むとまたも小滝のレンバク。もうオナカイパイアルヨ。 小滝はどれも登れてラッキー🤞 最後はザレザレの斜面と短いけど強靭な藪を掻き分けると絶景の朝日主稜線❣️ 昇天❣️
休憩していると、相模山から帰ってきたchee2005さんとkeimomoさんにお会いしてご挨拶🤝🫡
お2人は数年前、初冬の大朝日で水を恵んでいただいた命の恩人です🙏🤲😌
竜門から日暮沢に向かって降りると、朝日のヌシと噂の矢作さんとスライドしご挨拶🫡 想像してた通りの山男⛰️👨 尾根から見附川の沢がたくさん見えた。トウヌシ本流の右俣は噂通り、ガレしかないよつだ。
何度か休憩しつつ、爆速で日暮沢に下山~‼️
食堂で美味いラーメンと半カツ丼を食う。うまかった‼️ 後から来た大家族の兄弟が喧嘩しててわろた。
トウヌシ沢左俣は朝日の沢のうち、最上川水系の沢では相当な難渓の部類‼️ パーティ経験値やルーファイが良かったので行き詰まらず抜けれたが、4級上はあるだろう険しい沢だった❣️
大充実のトウヌシ沢でした~✨
モーリーさん、鶏さん、ありがとうございます😊 めっちゃ長文になってて草🌱
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