竜頭ノ滝〜三本松園地〜男体山〜中宮祠〜菖蒲ヶ浜

- GPS
- 10:29
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,210m
- 下り
- 1,219m
コースタイム
- 山行
- 9:01
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:31
| 天候 | 快晴後晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
赤沼公衆トイを利用した。 |
写真
感想
眺望の良い山に登りたいなと考えた時の一つに,日光では男体山が頭に浮かんだ。しかし,これまでに中宮祠側と志津乗越側の両側から既に登っているので,新鮮味がないなと思っていたが,探していると,西側からのルートがあるとの情報を見つけた。未だ歩いていない中禅寺湖周遊歩道の北半分と併せての周回コースにトライしてみた。
夜明け時間を勘案して,自宅を1時50分頃に出発する。予定通りに5時少し前に駐車場に着くことが出来た。今回は途中でシカに遭遇することはなかったが,日光宇都宮道路上で目の前にウサギが飛び出してきて思わず急減速してしまった。本当にこちらの方では,野生動物の飛び出し注意である。駐車場には他に1台のみと未だガラ空き状態。気温は0℃だが風が無くて寒さはそれほどでもない。一応,防寒用に雨具の上を着け,タオルを首に巻いて出発する。
直ぐに竜頭の滝に到着する。茶屋の後ろにある展望所には三脚を構えた人たちが3,4人待機している。秋景色を撮るには良い場所なのだろう。未だ暗い中に白い水流が印象的であった。湯川沿いの散策路を歩いている内に明るくなりヘッドランプが不要になる。赤沼にあるトイレで用を済ませて,三本松の方へ向かう。赤沼の駐車場には数台程度だった。農地のような処の間を走る舗装路を北に進む。途中,男体山や太郎山が間近に見える。五色山や前白根山,錫ヶ岳や温泉ヶ岳などが朝陽に暗赤色に染まっているのは見事であった。戦場ヶ原開拓の碑に来たところで一休みして,これから登る男体山の尾根筋を確認する。見た感じではそれ程の傾斜も高度差も感じなかったが,さて如何なものだろうか?
碑の直ぐ先で道は右に分岐し,更に進むとゲートに出合う。扉には鍵がかかっているので開閉できない。どうしようかと周囲を見回すと,左側のネット部分はロープでゲートの柱に結んであるだけだった。一旦,これを外し,通過した後に再度,同じように結わえ直しておいた。更に200m足らずを歩いた所で,右側に材木が積み上げられており,細い踏み跡が続いていた。下調べした記録では,ここを東南東に進んでいたので,それに従う。少し行くと笹薮の続く平坦な所になるので,念のためにスパッツと手袋を着用する。笹薮は高くても腰程度までで,それほど深くなく,露も付いていなかった。ただ,起伏が少なく,目印も殆ど無いので,コンパスを見ながら歩き易い処を進む。20分余りで鹿避けネットの張られた位置に出る。緩い尾根筋にもなっており,目標の尾根末端に辿り着いたと考えた。何処かに入り口が無いかとネットに沿って少し歩くと,下部に大きく穴の開いている個所があったのでこれを使わせてもらう。暫くは緩やかな樹林帯の登りで,木に赤丸などがペイントされている。未だそれ程歩いていなかったが,丁度座るのに都合の良い切り株があったので腰を下ろして行動食を取る。色付いた樹はまだ少ないが,空は澄んでいて気持ちの良い天気だ。
少し傾斜がきつくなった辺りから倒木が増え始める。小さなものは跨ぎ超すが,大きなものは迂回する。暫く目印が見当たらないこともあったが,尾根さえ外さなければ問題ないと考え,余り気にせず登り易い処を進む。登山路の様に歩き易い処も屡々出てきた。休憩してから2時間余り経ち,いささか疲れてきた頃に北からの尾根に合流する。踏み跡はしっかりしているが,両側からシャクナゲやシラビソの枝が張り出しており,これを押しのけたり,下を潜ったり,時には四つ這いになって進むので,結構な体力を消耗する。しかし,たまに樹が途切れた処からは白根山方面や,尾瀬の方までが見渡せて疲れを忘れる。2398mの三角点ピークまでは,ブッシュと岩場が交互に出てきて,合い間に周囲の素晴らしい景観を味わえる楽しいルートだった。ピーク直下の日陰には霜柱が大量に残っていたが,風も無く寒さは全く感じなかった。最高の天候の中,360°の景色を楽しみながら大休止をした。
改めて男体山頂の方を見てみると,山頂と思しき少し手前にゴツゴツした岩が立っているのが判る。遠目からでは,直登するか,巻き路を行くかの選択は難しいので,手前に着いた時点での判断とする。稜線上の歩きは,景色の点では申し分ない。今年歩いた山々が殆ど見つけられて嬉しくなる。踏み跡もしっかりしているので踏み外しは無いが,ここでも両側から被さってくるがっしりした枝を掻き分けることが多かった。所々でざれた斜面もあり,景色に気を取られ過ぎていると危ない。
近づくにつれて頂上手前の大岩の細部が見えて来る。登れそうにも見えるが,万一,行き詰まった時には降るのが難しそう。ここは安全第一に巻き道を選ぶことにする。大岩の基部に着くと,岩の下を回り込むように,赤っぽい砂利や砂の斜面にしっかりと巻き路の跡がついている。少し行くと,比較的容易に登れそうな岩が上に延びていたが,その上の状況が不明だったので,もう少し先に進む。階段状の岩場を斜上すると,錆びついたハーケンに針金を通したものがあった。嘗て,この辺りを登山路にしていた時のものであろう。
しかし,少し登った処で,前後共に崩れやすそうなザレ斜面となってしまう。数メートル先には安全な足場があるが,そこまでが遠い。試しに左側にトラバースしようと,そっと一歩を踏み出すと,途端に足元が崩れて岩屑が動きだすので慌てて足を引っ込める。仕方がないので,距離は少し遠いが右方向に向かって,手足をついた四つ這いの状態で体重を分散しながら進む。一か所に集中すると石屑が動きだそうとするので緊張する。何とか草の繁った安定した斜面に出て,そのまま直上すると直ぐに登山路に出た。上から観察すると,途中にあった容易に思われた岩場を上がれば,後は傾斜の落ちた草付になるようだった。
先ほど見上げた大岩の上に建つ太郎山神社まで来ると,ここまで辿ってきた稜線が一望できた。再び,周囲の眺望をゆっくりと楽しんだが,東の方から雲が少し増えてきたようだった。奥宮まで来ると,多くの人が彼方此方に腰を下ろして休憩していた。自分も社務所の脇にある段差に腰を下ろしてアンパンを齧った。気温も低くないので,ここまで着けていたスパッツや手袋をしまう。その後,御神剣の辺りから志津乗越方面に続く登山路を眺める。先日,登った女峰山から帝釈山にかけての荒々しい山肌が印象的だった。
再び,奥宮に戻った後,中宮祠に向かって南側に降って行く。高度が下がるにつれて薄い霧が周囲を包む。五合目の手前辺りから紅葉が出始めて目を楽しませてくれる。一汗かいたので,四合目の登山道入口付近で一休みした後,車道を下る。再び山路を降り始めると,いきなり猿に出くわす。2匹で毛づくろいをしているようだ。と思っていると頭上でガサゴソと音がし,木の実のようなものが落ちてくるので,目を凝らすと猿が実を食べているようだ。その後も何匹もの猿が現れたが,慣れているのか,急いで逃げ出す様子はなかった。
中宮祠にはほぼ予定時刻通りに到着。登山者用の駐車場にあるトイレに立ち寄った後,国道を横断して中禅寺湖周遊歩道に入る。中禅寺湖の湖畔に沿って作られた平坦で歩き易い道で,所々に休憩所もあって中々良いとは思ったが,並行して走る国道を車の通る音が絶え間ないのが残念であった。この時期,時間帯では仕方がないのかもしれないが。また,菖蒲ヶ浜までの間に20人ほどとすれ違ったが,その内の7割位は外国の人のようで,インバウンド効果を実感した。
帰路は,いろは坂から細谷大谷橋の交差点までが数珠つなぎで,何時もの倍くらいの時間を要した。温泉に入るのも面倒になったので,上三河ICから高速に乗り,19時半過ぎには帰宅できた。
今回は三角点ピークから男体山頂までの稜線歩きが,藪は煩かったものの気候・景観の点では今年のベストで申し分のないものだった。ルートファインディングも事前に懸念したほど難しくはなかったし,季節を変えて再トライするのも良いかもしれない。
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